お知らせ

■校長メッセージ №179 『 GIVE ME FIVE ! 』
3月2日(土)のPTA奉仕作業
1年生の保護者の皆様、草刈り、剪定、グラウンド側溝の土上げ、土のう袋の運搬、野球場の土入れ、サクラソウの運搬など力仕事ばかりでしたが、お陰様で安全で整った環境が整備されました。
保護者の皆様、腰痛、筋肉痛などは、大丈夫でしょうか。 
保護者の皆様の温かいご支援に心から感謝申し上げます。

卒業文集「雲外蒼天」が今日、納品されました。

(表紙.色:スカイブルー)


(先生方からのページ)

今日の昼の放送は、「GIVE ME FIVE!」AKB48、「蕾」GReeeeN、「スタートライン」馬場俊秀でした。
GIVE ME FIVE 〝 5本ちょうだい!? 〟
外国映画やドラマで見たことがあるかもしれませんが、〝GIVE ME FIVE〟は、ハイタッチをするときに使う英語表現です。
fiveは「5本の指」をさし、「指を5本出して」から、相手にハイタッチを求めるときに使う言葉です。
今日の選曲の意味は、先日の3年生を送る会の実行委員のみなさん、1.2年生たちの心のこもった発表への感動、そして、3年生へのエールです。

〔問〕 3学年主任さん → 『 ○○がゴールではありません。 』 正解は?
令和6年3月4日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №178 「平常心」

■校長メッセージ №178 「平常心」

『 雨の日には・・・・・ 』 相田 みつを (文化出版局より)

「雨の日には雨の中を 風の日には風の中を」どのような感想を持ちましたか。

相田さんは、「生きていてよかった」 特別編3年B組 金八先生 ベストセレクションの中でこの『書・詩』について次のように説明しています。

〝 あたりまえの生き方 〟
雨の日には・・・ 私ごとで大変恐縮ですが、これは私の作品集のタイトルです。
雨の日を、天気のいい日と比べて、「悪い日」だと思う、人間(自分)中心の考えをやめること。雨の日には、雨をそのまま全面的に受け入れて、雨の中を雨と共に生きる。風の日には、風と
いっしょに生きていくという意味です。
つまり特別なことではない、ごく当たり前の生き方です。これは、常に前向きで、積極的に生きるということです。 
そして、この場合の、雨や風は、次から次へとくる人間の悩みや迷いのことです。

私は思う。
詩というのは、読む人の感性で読めばいい。
雨や風をどのように捉えるかは、その時のあなたの心境や状況による。

みんなは、これまで新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどに翻弄されそうになりながらも前を向いてたくましく進んできた。
大人も経験したことのないパンデミックをみんなはたくましく乗り越えてきた。

来週は、公立高等学校の入試が行われます。
入試当日は、どんな天気がいいですか?

入試で一番大切なのは、「自分の力を出し切る」ことだと思う。
そのためには、「平常心」で臨むことだろう。
雨だろうが、雪だろうが、大風の日だろうが・・・ 想定しておくこと。
また、アクシデントが起きたとしても「落ち着いて! 私は大丈夫」と言い聞かせることだと思う。
さぁ! 平常心を保つ訓練(意識)をしよう。
加えて、自分自身を肯定的にみることだよ。 〝 私はここまで自分なりによくやってきた 〟 と
 
令和6年2月14日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №177 「自分のことを大切に思う

■校長メッセージ №177 「自分のことを大切に思う」

輪島中生徒会さんから届いたメッセージを読んでどのように感じましたか。
他の方からもメッセージが届いています。
『中学生の時に、人の痛みがわかる、支える喜びを知る
 などなど沢山のことを学ぶことができるのだと感動しました。』

「16歳の語り部」の中で当時小学5年生だった雁部さんは〝 頑張れ 〟というメッセージを見るたびに追い詰められるようになった・・・
傷ついている人に〝頑張れ〟というのは酷なことだと学んだね。

また、応援メッセージを考え、書き上げたあと・・・
顔も知らぬ中学生のことを慮って書いたものが、不思議と自分自身にエールを送っているように
感じた人も少なくないでしょう。

輪島市の中学生と勝浦中、卒業生と保護者・市民・事業者が共同体のようにも感じましたね。

〝悲しみ〟 は誰だって経験するものと考えます。
悲しみの経験があるから、人の痛みや辛さに共感できるのだと話す人もいます。
自分が悲しみの淵にいるときに、助言・応援を受けてたり、未来の自分を信じて前へ進むことができた経験がある人もいるでしょう。 その経験は、とても大切なことだと思います。

みんなが考えしぼり出した言葉
被災し傷ついた同世代の友人の心に寄り添うことができたかな。
〝朝市つながり〟 「輪島に想いを届けよう」 
この取組はひとつの節目を迎えましたが、自然災害に対しての心構えや備え、持続可能な社会づりと行動を考える機会となりました。

災害を過去と比較して、その規模で災害をみることはしない。
年表上の出来事や中学校生活のひとつの思い出にはしたくない。

「これから自分は何をすべきか」、「どんな行動を始めたいのか」、「何をし続けたいのか」
この取組をしたみんなだから、考えられること。 行動できること。 ってあるのだと思うよ。
それは、考えを深めたこと。 体験して感じたこと。 経験から学んだこと。 
真理についても実感を伴うことで確かなものになっていくものと考えます。

3学期の始業式に話した「自分事」、「共同体」の視点とは
「自分事」としてとらえるって、自分自身のことを
 大切に思うことが出発なのかも
「共同体」の視点とは、自分と同様に他者のことを 大切に考え、共により良い社会づくりを目指して
 いくための視点なのかなぁ
       
〝自分のこと大切に思っていますか〟

令和6年2月7日 岡安 和彦
 

号外 輪島中学校生徒会からのメッセージ


 

号外 生徒会 能登半島地震・輪島市支援活動・報道関係

chiba-a.jp/katsuura-j/?action=common_download_main&upload_id=3151
※スマートフォンからご覧の方はページ下のアイコンをタップし、ホームページ画面の「校長メッセージ」からお入りください。

 

■校長メッセージ №176 『(仮称)能登半島地震・防災の日』

■校長メッセージ №176 『(仮称)能登半島地震・防災の日』 

○令和6年2月1日(木) 帰りの会での全校放送

今年、1月1日 元日 午後4時10分に発生しました能登半島地震から今日でひと月になります。

私たち安全委員会では、毎月ついたちを、仮称(かしょう)ですが「能登半島地震・防災の日」とし、学校、自分自身、家庭の防災を考える日にしたいと思います。
具体的な活動内容は、今後の専門委員会で検討していきたいと考えています。

今日の取り組みは、黙祷と自分自身への振り返りです。 ご協力をお願いします。

それでは、能登半島地震でご逝去(せいきょ)された方々のご冥福をお祈りするために30秒間の黙祷(もくとう)をします。

「黙祷」

ご逝去されたそのご家族、ご友人の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに被災されました皆様、どうぞお大事にしてください。一日も早い回復、復興を心から願っています。

みなさん、地震などの天災はいつ来るかわかりません。
勝浦中学校の学区は、勝浦市全域と広く、その地域によって起こる災害は様々です。
そのため、自分が住んでいる地域について正しく理解することが大切になります。

通学途中で大きな地震が発生したときなどは、より高く、海や川から遠くへが基本です。
命を守る行動をすぐにとることが大事です。

また、地震に限らず風水害などの自然災害に対する備えは出来ていますか。
今日帰宅したら、家庭の防災グッズを確認したり、家族で防災について考えたりする日にしてください。

以上で終わります。 ご協力ありがとうございました。

勝浦中学校生徒会 安全委員会 委員長・副委員長
 
専門委員会のリーダーが動き出した。
全校生徒のこと、地域、家庭のことまで考えている。
委員長、副委員長と相談して、私たちが意識すべき自然災害、二次災害、防災対策などについて載せました。

令和6年2月2日 岡安 和彦


 

■校長メッセージ №175 「おのれのすがたこそずゐいちなれ」

■校長メッセージ №175 「おのれのすがたこそずゐいちなれ」
 「道はつくるもの 幸せはみつけるもの」 山崎 直子 ・ 宇宙飛行士 (公益財団法人 日本宇宙少年団理事長)

 中学2、3年の時の担任だった天野修一先生は、躰道(たいどう)の5段を有する指導者で、よく私たちに「心行一体」の大切さを教えてくれました。そして、高村光太郎の『道程』の言葉「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」も教えてくださり、今でもその一節が心に残っています。寧ろ大人になってからその意味をより深くかみしめています。
 人生には決断するとき、進路を決めるときなど、たくさんの節目があり、その都度、私も悩みました。でも結局、悩んでも答えはないだろうと思うようになりました。人生の選択肢はいずれがいいのか、答えは予め決まっているものではありません。従って、どちらが正解と言うことではなく、どの道を選んだとしても、その道を大切に歩んでいくことが大事なのだと思うようになりました。あとから振り返ってそれで良かったと思えるように、努力していくことの方が大切なのだろうと思っています。つまり、答えは自分でつくっていくしかないのだと。今でも悩んだときに、よく思い返している言葉です。
 宇宙飛行士の訓練を開始して4年目の2003年にスペースシャトル・コロンビア号の事故が起きました。一緒に訓練していた仲間がその事故で犠牲になってしまいました。その後スペースシャトルもしばらく飛べず、宇宙開発もこの先どうなるのだろうと不安になる時期もありました。いろいろと悩むことはありましたが、このまま訓練を続けるにしても、他の道に転向するにしても、結局、どれが正解ということはきっとないと思ったのです。自分で決めた道をそれで良かったと思えるようにしていくしかない。状況が変わったら、軌道修正していくしかない。人生はその繰り返しなのだと思います。
 大切にしている言葉は他にもたくさんあるのですが、最近、すごく肝に銘じていることは「自分一人で石を持ち上げる気持ちがなかったら、二人でも持ち上がらない」というゲーテが伝えたとされる言葉です。チームワークはもちろん大切ですし、チームワークなくしては、いろんなことは成し遂げられません。ただ、それは人に依存するということではなく、自分はそれをやりたいという思いを持っていないと、いくら人が集まっても成し遂げられないのだろうと思います。まずは自分の気持ちをしっかり持って、その上でチームワークができたらいいなと、大切にしている言葉です。  月刊 「武道」 令和5年2月号より



『こころよわがこころよ ものおぢするわがこころよ おのれのすがたこそずゐいちなれ』 高村 光太郎
令和6年2月1日 岡安 和彦
  色紙・写真は、月刊 「武道」 〝色紙に書く 座右の銘〟公益財団法人 日本武道館 令和5年2月号より

 

■校長メッセージ №174 『 あなたにとっての 〝 アレ 〟 は? 』

■校長メッセージ №174 『 あなたにとっての 〝 アレ 〟 は? 』                

●昨日、1月30日発行の 1学年 学年だより Dream come true ~夢を叶える~ から

『 アレ 』を絶対につかみ取る!
先日、大阪国際女子マラソンで前田穗南選手が19年ぶりに日本記録を更新しました。
レース前には目標を『〝アレ〟しか狙っていない』と言い放ち、その真意を明らかにしませんでした。レース後、〝アレ〟の中身は、優勝ではなく「日本記録更新」だったと。胸の内に秘めていた目標を見事に達成しました。
前田選手は、38年ぶりに日本一を達成した阪神タイガースの熱狂的なファンで、監督が選手の重圧にならないよう「優勝」の代わりに口にしていた魔法の言葉〝アレ〟が心に響き、真似たそうです。
2月には、1年生最後の定期テストがあります。
2年後の 〝 アレ 〟 に向かって、もう10㎞地点を過ぎたあたりでしょうか。
もっと頑張っておけばよかったと、後悔することのないよう毎日の積み重ねを大切にしてください。

●一昨日、1月29日 1年1組 始業前の教室から


1・2年生、あなたの「アレ」は?
2年生は、およそ   ㎞地点?
I hear  footstep

3年生、あなたの「アレ」は?
3年生は、   ㎞地点?
I can  hear  the sound  of  your  running
                                    
さぁ! 前進!  充実の2月へ               

令和6年1月31日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №173 『 地球と対話する 』

■校長メッセージ №173 『 地球と対話する 』

○小泉 八雲 (ラフカディオ・ハーン)  随筆 『占の話』  挿話より ※本文から要約
昔の中国で、ある男が瓦を枕にしての眠っていると、1匹の鼠(ねずみ)が顔を走った。
怒って瓦を投げつけたが、鼠には当たらず割れてしまう。
男は自らの軽率を悔いて破片を眺め、そこに刻まれた字に気づく。
「卯の年の四月十七日の巳の刻にこの瓦は枕になった後で、鼠に投げられて砕ける。」
この予言は的中したのである。
あまりの的中に男は驚き、焼く前の粘土瓦に予言を書いたという瓦師を探しに出かけるーーー

●2016年千葉県は、房総半島東方沖で発生が予想される巨大地震の被害想定を発表した。
想定震源は、いすみ市沖約75キロで地震の規模を示すマグニチュード(M)は8.2
この地震により、県内で最大約5600人の死者が出るとしている。
特徴は、県沿岸部への津波の到達時間の短さだ。
銚子市には県内で最も高い8.8メートルの津波が地震発生後32分で到達する。いすみ市や御 宿町、勝浦市には、さらに早く、同約20分で7~8メートル級の津波が来る。
人的被害を少なくできるかどうかは、避難行動の迅速さにかかっている。
この地震は、日本海溝沿いで発生すると予想される。
2011年の東日本大震災で「割れ残った」南側の領域だと考えられている。
(被害想定などの詳細は、千葉県のHPから「平成26・27年度千葉県地震被害想定調査報告書」と検索すると見られます。)

●過去に千葉県を含む首都圏周辺地域で発生したマグニチュード8(M8)クラスの地震を整理すると、1703年元禄地震、1923年大正関東地震(関東大震災)、その前にはM7クラスの地 震が複数回発生している。
関東大震災から100年。 2011年3月11日、〝あの揺れ〟の体感・記憶は?

●国の地震調査委員会(2004年)によると、南関東地域でM7クラスの地震が発生する確率は 今後30年間で70%だと。 「天災は忘れた頃にやってくる」 

●当たり前だが、瓦のように地震発生日時の予測はできない。
予兆をとらえることだって未確立だ。
46億歳の地球に聴診器をあてたらわかるだろうか。

「自然とつながる」、「地球と対話する」

私たちは、どうしたら持続的に生きていくことができる社会を
創れるのだろうか。
私の考え、あなたの考え
自分が取り組みたいこと、社会全体で取り組むべきことは
何だろうか。
 
昨日の全校集会の内容に少し加えてみました。
令和6年1月30日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №172 『 つなげる 』

■校長メッセージ №172 『 つなげる 』

朝の会で担任の先生から話があったとおり、みんなの支援物資、応援メッセージは、昨日の夕方に石川県白山市にある白山ろく少年自然の家に到着しました。

上の写真は、その少年自然の家の駐車場の写真です。輪島市の中学生は、白山市の小・中学校で授業を受けています。また、白山市と輪島市の間でのオンライン授業の実施に向けて最終調整に入っているとのことです。 (輪島市立輪島中学学校のHPより)

◎卒業生からメッセージが届きました。紹介します。
「校長先生をはじめ先生方、生徒会役員のみなさんのお陰で私を含め卒業生も、本当に気持ちですが被災された生徒たちへの支援が出来、とても嬉しく思っております。また、これらの学用品が被災している生徒にとっての〝 希望 〟となるよう願っています。生徒会役員のみなさんには、「お声がけ頂き有り難うございました。」とお伝えください。

◎こんなにも多くの義援金や支援物資が集まって感動しました。自分たちの思いが輪島の方々に届いて良かったです。「この度はありがとうございました。」と生徒のみなさんに感謝を伝えていただけると嬉しいです。これからも生徒会活動頑張ってください。

◎市民の方から次のようなお電話も頂いております。(水曜日に放送した内容です)
「私は今日、興津方面からバスに乗りました。私は足が悪く、バスの乗り降りに難儀をしています。
今日バスに乗ろうとしたところ、複数の生徒さんがやさしく手助けをしてくれました。また、塩田病院で降りるときにもやさしく介助してくれました。本当に有り難かったです。」

●行動・活動することをActionという。
被災している同じ中学生を応援・支援しよう。 困っている人を支援しよう。
「みんなは行動した。」 「みんなは活動した。」 「みんなはActionを起こした。」

●地震災害と生活という視点でいうと・・・
2011年 平成23年3月11日に発生した東日本大震災
未曾有の災禍により、様々な面で生活が制限されたんだ。
みんなは何歳だった? 何か記憶は残っていることはありますか。 今年の3月で13年を迎える・・・

●被災地支援の取組、被災地の報道を見て、みんなの行動に変容はありましたか。
地震などの自然災害には、文明や科学がどれだけ進歩しても立ち向かうことはできなかもしれない。では、持続可能な社会づくり、生き続けられる社会づくり、SDGs、環境保全、未来へ自然や資源を残す取組についてはどうだろう。
今回の支援活動で直接会ったことのない中学生のことを慮ったり、災害や支援活動になどに考えを深めた人は多いと思う。
その次、自分ができる「行動・活動、Action」に『つなげること』もとても大事なことではないかと考えますが・・・
みんなは、どう考えますか?

令和6年1月26日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №171 「慮る」

■校長メッセージ №171 「慮る」 

『僕は、今日20円、募金しました。 一緒に前へ進みましょう。』 生徒のメッセージカードから
カードには、メッセージのほかにピンク色の花が描かれていた。

おもんばかる(慮る)とは、「相手の事情や周囲の状況について十分に思いを巡らせる」、「相手の気持ちを察する」という意味です。
みんなのメッセージを読ませてもらって「慮って書かれたメッセージ」だということがよくわかる。

漢字の「慮」は、よく考える。思いを巡らせるという意味で、「慮」が用いられる熟語は、「思慮」「考慮」「熟慮」「配慮」「憂慮」「焦慮」などがある。
 ・思慮深い人だ  ・思慮に欠ける行いだ
 ・十分に考慮されている  ・全く考慮されていない
 ・熟慮を重ねた結果だ  ・改めて熟慮が必要だ
 ・様々な面に配慮されている  ・配慮に欠ける言動だ
 ・事態を憂慮する  ・憂慮する必要はない
 ・焦慮に駆られる  ・焦慮と不安はだいぶ安らいだ

今回の取組は、朝市つながりの支援活動 〝 輪島に想いを届けよう!! 〟 がテーマでした。
みんなは、この緊急的・臨時的な災害支援活動を通して何に気づきましたか。そしてどんなことを学びましたか。

1年1組から生徒会役員にメッセージが届けられた。


その中に次のメッセージがありました。
『輪島のみんなのために募金活動などをしてくださり、ありがとうございました。自分はあまり輪島のことを知らなかったのですが、勝浦と同じ朝市があるということがわかりました。本当にありがとうございました。輪島の人も喜ぶと思います。』

メッセージを書くにあたって、学級担任・学年の先生の話、家族との話しなどを通して「気づき・学び」があり、それらも「慮る」ことにつながったことでしょう。 
私は、みんなのメッセージを読んで感動しました。
みんなの想いは届く!! みんなは立派だよ!! 自信持って行こう!!
                          
『お互い こっからだー!!』 メッセージカードから
 
令和6年1月24日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №170 「メッセージ 何て書こう・・・」

■校長メッセージ №170 「メッセージ 何て書こう・・・」



何て書こう・・・

昨晩のニュースで避難を決断した輪島市の教育長は、次のように話した。
「親御さんも苦渋の決断だったと思います。」

生徒たちはどんな思いなのだろう・・・

石川県の県立高校の入試(学力検査)は、3月6日(水)7日(木)

施設の収容人数の関係だろうか。 輪島中学校は1・2年生と3年生が別の施設になるのだね。

昼に輪島市(白山市に移動)の校長先生と話した。 「来週月曜日から、授業を始めます。」

学校の教職員のみなさんも寝食を共にするのだろうか

みんなのメッセージがエールになる!! 私たちも!!

令和6年1月19日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №169 「心はともに」

■校長メッセージ №169 「心はともに」
千葉日報より

「足元から竜が上がる」が意味するような幕開けの令和6年
始業式でみんなに伝えたかったことは
・自分事として捉え、〝思う〟ことから始めて、〝考える〟に発展させてみよう
・〝共同体〟という視点を持ってみよう
・社会的な課題には〝連帯〟がキーワード

学校の玄関には、卒業生、保護者、関係者、市民の方から文具などの学用品、問題集・参考書が届けられている。
また、生徒会は今日の昼休み、輪島市の中学生に送る問題集・参考書の選定に入った。出版会社から届いた入試対策用の問題集・参考書の中から、3年生の元生徒会役員、学習委員から意見をもらった。
明日の学活では、輪島市の中学生にあてたメッセージを書く予定とのこと

次の文を読んでみてください。
「16歳の語り部」 ポプラ社 雁部 那由多さん からの一部抜粋
東日本大震災、当時小学校5年生だった児童が高校1年生になって語り部の活動を通して語った言葉

●たくさんの「頑張れ」
 全国各地から様々な物資が届き始めました。それは、実際ありがたく、助けになるものが多かったです。
 でも、物資の中に「頑張れ」というメッセージが書かれているのを見るたび、僕は追いつめられるような気持ちになりました。これ以上頑張りようがないくらい頑張って生きていた時期でしたから、気持ちはうれしかったけど、なかなか受け止めきれずにいました。
 そんな中、僕が唯一うれしかったメッセージがあります。
「もうじゅうぶん頑張っているのは知っています。あなたたちの頑張りは知っていますから、もう必要以上に頑張らないでください。僕たちにできることもあるんです。僕たちは同じ日本にいますから、安心してください」
兵庫県の高校1年生からの手紙でした。
「ああ、わかってくれる人がいた」
少し、救われた思いでした。たくさんの「頑張れ」の中で、そのメッセージだけは、僕に「頑張らなくていいよ」と行ってくれたのです。

みんなからのメッセージは、支援物資とあわせて急ぎ「白山青年の家」「白山ろく少年自然の家」に送る予定です。(発送は、来週中頃を予定しています。)

昨日、輪島市立の中学校の校長先生と電話でやりとりをした。
「被災した生徒の教科書類もまだ届いていない状況です。勝浦中から届けれる学用品、参考書・問題集、メッセージは避難生徒の励みになると思います。」

〝 縁 〟という、〝 つながり 〟      

〝 心はともに 〟 ありたい

令和6年1月18日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №168 「サクラサク」

■校長メッセージ №168 「サクラサク」

昨今、入試に係る合格発表はWEBが主流となっていますが、昭和の時代、大学によっては、合格通知を〝電報〟で通達していました。
その際、合格を示す文面として「サクラサク」が使われていました。

〝電報〟?
入学式、卒業式の「祝電披露」
お祝いの電報を意味します。
当日、式に参加できない人からのお祝いのメッセージですね。

下は、嵐「サクラ咲ケ」 歌詞の一部抜粋です。

握りしめた手が 何か言う 駆けだせば 間に合うさと
コンビニで雑誌 立ち読みしてた昨日の僕に Bye-Bye
走り出した 街の音は 歓声のよう
    
サクラ咲ケ 僕の胸のなかに 芽生えた 名もなき 夢たち
振り向くな 後ろには明日(あす)はないから 前を向け
    
未来なんてさ すぐに変わる 変えてみせる Yeah, yeah
    
「右へならえ」から踏み出すこの一歩を 打った点が分ける結果 陰と陽
だから知っとこう 生きるヒントを かすむ蜃気楼すらも掴む勢い
    
今 蒔けば種 花咲かす やった後言うなら まだ分かるんだ
そう そりゃ時間なんてのはかかる 春には 大きな花を咲かす Oh, oh Oh, oh

今、進路に悩んでいるキミ 今の取り組みに不安を抱えているアナタ
今、今、今なら間に合うぞ !
動き出せば、周りの景色も違って見えるよ
前を向こう、みんなが背中を押してくれる
勇気を出して一歩を踏み出すことで、この先はきっと、陽の当たる方へとつながっていく
実践していく中で、生きるヒントも見つかるはずさ
同時に蜃気楼をつかむような勢いを忘れず、積極的に進んでいこう
やらないで後悔するかい?
挑戦という種を蒔けば、きっと自己実現という大輪の花を咲かせるだろう
  〝 サクラ咲ケー!! 〟

次 〝サクラソウ〟


玄関脇で育てている 〝 サクラソウ 〟
このサクラソウは、この3年間(恐らくもっと前からだと・・・)卒業式の立看板の周りに飾られていたサクラソウから種をとって育てたものです。
昨年度末、退職された大久保先生が大事に育てていたものでした。
今年度の卒業式は体育館で行いたい・・・ 卒業式を盛大にお祝いしたいと一念発起しました。
約1/3が夏の猛暑にやられました。 虫や病気にやられたものもあります。
今残っているサクラソウは、「逞しいサクラソウ」です。
秋以降の想定外の温かさで、一部開花しているものもありますが、3年生の進路実現を応援しています。
卒業式に満開とならない場合もあります・・・
勘弁してくださいね。

水やり、植え替えは、先生たち、事務さん、用務員さんも手伝ってくれています。
みんなの進路、教職員みんなで応援しています!!

『 サクラ サカスゾ !! 』

                         令和5年12月20日  岡安 和彦
 

■校長メッセージ №167 「デコピン 〝痛〟」

■校長メッセージ №167 「デコピン 〝痛〟」                             

前号に続き、デコピン
学級担任を任されていた時のある出来事 (私は勝手に2-Cデコピン事案と呼んでいる)

帰りのホームルームで話しをしようと教卓に立つと・・・
数名の男子生徒のおでこが赤く腫れている。 「どうした?」 と聞くと。
『いやいやぁ~ ちょっと遊んでいましてー」とK君。 当該生徒を全員残し、話しを聞いた。
K君:休み時間に男子数名で〝ジャンケンで負けた生徒にデコピン〟で遊んでいました。
周りの生徒たち:そうです。などと異口同音に答えた。
ケガをすることがないようにと話し、それぞれが部活に行った。

教室を出ると、女子生徒Sさんに呼び止められた。
Sさん:先生、あのデコピン、不公平です。N君だけがいつもみんなに本気でやられていて、N君が勝っても〝ポチィッ!〟って感じで・・・ みんな調子に乗っちゃって!!

翌日、休み時間をのぞいてみた。 Sさんの言うとおりだった。 昼休み、個別に話しを聞いた。

N君:僕は平気です。僕は強くやれないだけなんです。みんなと一緒にいると楽しいし、K君は勉強も教えてくれます。だからいいんです。先生、大丈夫です。

K君:先生、言いたいことわかるよ。これ弱い者いじめみたいに見えるでしょ。
実は、僕もそう感じてた。 でもね、N君がやろう。やろう。って言うから。
僕がふざけて、デコピンじゃなくておでこにグーパンチしたら、みんなも悪乗りしちゃって・・・
見てる僕も〝心が痛い〟っていうか、何でもみんな僕に気をつかっちゃって、対等に遊べないことも多いんだよ。

この構図、みんなはどのように感じますか? 学校では、似たようなことがある。
この事案では、K君だけでなく、他の友だちも〝心が痛い・・・〟と感じてくれていたから、大きな事案、被害にはならなかったけど。別の事案では、感情のもつれから一方的な暴力事案に発展し、警察にお世話になることもあった。

また、いじめから自死に至るケースになることだってあることを忘れてはならない。

軽い暴力、ちょっとした暴言、イライラした先の誹謗中傷、SNSでの攻撃、過度な冷やかし、ふざけ半分の性に対する発言、独りぼっちになるように仕向けたり、ズボン下ろし、スカートめくりなど・・・

どうだろうか?
あなたの周り、あなたの学級、あなたの部活動には、そういったことは起きてはいませんか?

3年生生徒会が活動のテーマとした「彩る」 一人ひとりの個性が輝く学校づくり

2年生が1年生の時に学んだ「respect others ・ リスペクト アザース」

2学期の終わりに、改めて自分自身を振り返り、そして周りを見てみよう。

「痛いよ・・・と、SOSを出している人がいるかも」

学校は、『安全で安心』であることが、全てのベースになります。
                          
令和5年12月19日 岡安 和彦


(いじめ対応セミナー・NPO子ども夢工房より)
 

■校長メッセージ №166 「DEKOPIN」

■校長メッセージ №166 「DEKOPIN」

「デコピン・でこぴん」って知ってる?
■対峙した相手の額を指ではじく行為の総称です。
私が小学生や中学生の頃、相手とジャンケンしてデコピン遊びをしたり、ゲームなどの罰ゲームで「デコピン3発」なんてことがあった。
↓公式インスタグラム
12月15日(金)「DEKOPIN」が世界で話題になっていると。
それは、大谷翔平選手のメジャーリーグ・ドジャース入団会見の質疑応答で愛犬の名前「デコピン」が紹介されたからだ。
この大谷選手の活躍は、社会、英語、道徳などの教科書に掲載されています。光村図書の小学5年生道徳の教科書には、「夢を実現させるためには」という内容で紹介されています。大谷選手が小学3年生の時から「プロ野球選手になりたい」と言い続けてきたことや、具体的な練習内容を決めて取り組んできたことを取り上げ、マンダラチャートと呼ばれる高校時代に活用していた「目標達成シート」も紹介しています。(NHK NEWS WEBから一部抜粋)
 光村図書「道徳5年 きみがいちばんひかるとき」2020年

大谷選手の入団記者会見は、球団関係者に対しての感謝のことばに始まり、エンジェルスファンへの感謝のことば、そしてドジャースへ入団した心境、最後に日本のファンへのメッセージで締めくくられました。大谷選手といえば、野球の常識を覆す投打二刀流での活躍、さらに礼儀正しく、常に相手に敬意と配慮を忘れず、自然体でゴミ拾いをしたり、日本のすべての小学校にグローブを寄贈すると発表するなど、実績だけでなく、その姿勢に対して賞賛が集まっています。

背番号「17」これからも応援したいと思います。

■ん!? このメッセージを読んだ親がつぶやいた・・・
 「大谷選手と比べたら、あなたはね・・・」
 そこでみんなはきっぱりとした態度で言えますか? 「オレ流 ワタシ流 ですから!!」と
 大事なことは、何にだって「素質」はついてくる。それ以上に大切なことは、目標を設定し「素養」 を身に付けていくことだと思います。(素養:普段から修養を積むこと)

■あなたのなりたいもの あなたの夢は あなたの志は と聞かれたら?
 それに向かって、どうしたら成し遂げられるかって考えましたか?
 目標を設定し、日々、具体的に取り組んでますか?
 今、少しずつでも確実に進んでいると実感してますか?

■暗中模索の心境だって・・・
 〝考えること〟から、丁寧に始めてみたらどうだろう。
 多くの場合、結果には原因があるじゃない。だから、今を変えれば、結果は変えられる。
 今を変えるためには、考えること、そして、〝やる!!〟と決めたら、行動を起こすことさ。

■動き出したら
 そりゃもう~ 応援! 応援!! 応援しまっせーぇ!!!                                          

令和5年12月18日 岡安 和彦

(参考)
 

■校長メッセージ №165 「もみの木 走る」

■校長メッセージ №165 「もみの木 走る」

(清水寺の雪景色から)
さて、12月に入り、「冬将軍が到来」などと耳にしますね。
この冬将軍って 誰なの? 由来は?
少しふれてみましょうね。
もともとの意味は、軍隊が厳冬で活動する際、寒波と降雪は下手な敵軍以上に甚大な被害をもたらすことを指す比喩です。
由来は、ある偉人さん。そう、ナポレオン・ボナパルト
下の写真は、みんなの歴史の教科書にも登場しますね。

アルプスを越えてイタリアに遠征する姿を、理想化して描いた絵です。ダビッド筆 フランス  ルーブル美術館蔵 

同じナポレオンでも、下のような風刺画もあります。
 
:1812年12月 イギリス ロンドン  ウイリアム・エルメス氏により出版された風刺漫画 ワシントン大学 図書館所蔵

 ↑ タイトルに注目してください。 〝 General Frost 〟
 General:将軍 Frost:霜

このような風刺画が描かれた由来は、次のようなことがあげられます。
1812年にフランスからロシアに遠征したナポレオンに由来しています。
ナポレオンは、ヨーロッパ諸国(イギリスを除く)を従わせたあと、ロシアを征服しようとモスクワへ攻め込みました。その年は、冬の訪れが早く、夏装備のナポレオン軍は撤退を余儀なくされました。
そのことをイギリスの新聞が「General Frost にナポレオンが負けた」と表現しました。
その〝General Frost〟 : 霜将軍は、擬人化ですが、「冬将軍」と訳したのは、名訳の妙だと思いませんか。 NHK放送研究所の資料によると、誰が訳したかは、わかっていないとのことです。
また、日本の生活では、冬将軍はシベリア寒気団による寒波、天気図では西高東低の状況になりますね。
寒さによる風邪、インフルエンザなどの感染症により体調を崩すことが心配されます。また、路面凍結による交通事故防止なども考えなくてはなりません。

次にいきます。 あなたにとって思い出に残っている「絵本」ってなぁ~に。
絵本は、幼児に限ったことではありません。以前に参加した研修会では、中学生や大人が絵本を読むことの有益性なども紹介されていました。
今日、全校集会で紹介した絵本は、佐野 洋子 作・絵 「わたし クリスマスツリー」です。
〝 夢 破れたもみの木 〟 どの場面が印象に残りましたか。

先日の講演会では、「すべては思いから始まる」「思いは行動に比例する」とありました。
しかしながら、思いはあるものの行動につながらなかったり、目標まで到達できなかったり、期待する結果が得られなかったり・・・ ということあるよね。
でもさ、そんな時、友だち、親、先生たちがやさしく声をかけてくれたり、話しを聞いてくれたりして、
〝立ち直れた〟 〝救われた〟 という経験があるでしょ。

1年の締めくくりの12月
今年1年を振り返る。
省みる。
そして、2024年 新年への展望を考える。
これが、12月に行うことなのだと考えます。

公益財団法人 日本漢字能力検定協会が主催する「今年の漢字」
京都「清水寺」で揮毫(きごう)される漢字は何だろう。

あなたは今年一年を振り返り、それを漢字一文字で表現するとしたら、何という漢字を書きますか。

令和5年12月4日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №164 「相談してね」

■校長メッセージ №164 「相談してね」
  (昨日の全校集会の振り返り)

1 感動の合唱コンクールから10日
合唱コンクールの目的や意義について振り返ってみよう
① 音楽のスキルアップ
② 自己表現(自分の歌声を信じる力)
③ プレッシャーに打ち勝つ心
④ 目標設定と競争の場
⑤ 計画性、主体性を育む
⑥ 友情を育み、学級の成熟に向けて

2 佐久間淳宏さん文庫(寄贈図書)
   書籍が納品され、鶴岡先生、吉田先生、山口先生がブックカバーをつけたりと、準備を進めてく れています。 図書委員会の皆さん、貸し出し等の運用をお願いします。

3 悩んでいることは早めに相談しよう。
・大切なみんなへ 1人で悩んでいませんか?
・相談することの大切さ ストレス・悩みの対処方法について学ぼう
・ストレスとは何か ・悩みを抱えている場合どうすればいいか ・友だちが悩んでいたら
・「人生」には いつの段階にも「悩み」がある
・壁を乗り越えたり、壁の前で立ち止まったり
・壁の前で立ち止まることが多くなると、強い不安、ストレスになる
・ストレス:様々な刺激によって、心や体に負担の係った状態をいいます
・ストレスの原因として、進路、勉強、性格、学校生活、友だち、異性、家族、天気など
・適度なストレスは成長を促すこともあるが、ストレスが積み重なると〝モヤモヤした気持ち〟〝元  気がなくなる〟〝頭痛・腹痛〟〝やる気が低下する〟など体調不良になる場合も
・悩んでいることを早めに相談する。(大人:先生、親、親類、友だち)
・悩みを話すことだけでも心配や不安が和らぐこともある ・暗中模索の状態から抜け出せる
・身近にいる大人に相談することの意味は、大人は様々な経験をしている、悩みを乗り越えてき  た、悩みと付き合っているなど
・相談したい場合、立腰ノートのコメント欄の記入、体調面(涙マーク)に○をつける
・先生以外に相談したい場合、スクールカウンセラーに相談も可能(毎週木曜日:要予約)、立  腰ノートのコメント欄に記入または、学年、保健の先生に声をかけてください
・友だちが元気がない時は、そっと声をかけてあげよう、先生に相談しよう
・ネットの友だちは、相手が別の目的でつながっていることもあるので注意しよう

自分で色々と考えてみた・・・ でも答えや方向性が見いだせない そんな時は相談してね。

【相談ダイヤル、メール・LINE相談】
●子どもと親のサポートセンター 0120-415-446 (24時間)
●24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 (24時間)
             ゼロイチニイゼロ ゼロ ナヤミイオー
●Eメール相談 saposoudan@chiba-c.ed.jp
●SNS相談@ちば LINE相談

令和5年10月31日  Happy Halloween !! 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №163 『 学級目標 』

■校長メッセージ №163 『 学級目標 』

◎事務職のお二人からのメッセージです。
 「昨日は、私たちのために素敵な歌声を聴かせていただきありがとうございました。
  私たちはいつも廊下から皆さんの歌声を聴いていました。若さっていいなと思っていました。
  いよいよ、明日は合唱コンクール本番ですね。そして、3年生は中学校最後の合唱コンクールですね。仲間を信じて自分を信じて、想いの丈をぶつけてください。
  当日は皆さんの想い、先生方の想い、皆さんの家族の想いと会場が一つになって、学級それぞれが素敵な彩りを奏でることと思います。
  そして、将来、この経験を自信に変えて前に進んでくれることを願っています。
  応援しています。
 事務長 鈴木 幸子 事務主事 福島 ふうか

◎家庭科部、美術部の作品展示もあります。
 それぞれの想いのこもった作品です。市の文化祭でも展示する予定です。
 また、今回、美術部はステージ背景画の制作を行いました。勝浦の美しい海、スローガンをイメージした作品(大作)になっています。

◎どうですか? 各学級の仕上がりは
 合唱に向けた学級の目標はなんですか?
 もしかして・・・ もしかしてだけど、最優秀賞をとることだけが目標や目的になっていませんか。
  改めて、各学級をまわってみた。
  それぞれに教室には、学級目標がありますね。
 1年2組の学級目標を紹介します。
 ↓ 学級目標(前面掲示)

 ↓ 個人の目標(背面掲示)

 4月の学級開き、まずは学級目標をみんなで考えたね。
 この学級目標は、みんなの考えや想いが込められている。
 学級での生活は、折り返しを過ぎた。これから後半の生活の充実が一人ひとりをさらに成長させていく。
  1年2組の生徒が話した。「校長先生、私たちの4月はタケノコです。3月には竹に成長しているんです。教室後ろの掲示物もいつか竹に変わりますよ。」
  合唱コンクールに賞をとることだけを考えて、結果が伴わなかった場合、その後の学級では・・・
 賞はとりたい、賞はとることは大事だと思う。
 それ以上に大事なものは、誇りや自信を持って〝学級の色〟出すことではないのかな。
 「学級目標を見てみよう!」
 私たちはやるだけのことをやった。 コンクール本番、会場に来られない級友の思いも感じながら歌う。

  令和5年10月19日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №162 「実行委員会の発案で」

■校長メッセージ №162 「実行委員会の発案で」

私たちは「365日の紙飛行機」を聞いて、毎日がスタートする。
事務職の方々は、毎日、登校時に流れる「365日の紙飛行機」を放送してくれている。
合唱コンクールの当日は、事務職の方々は学校に残っていただくことから、その前に感謝の気持ちを伝えたい。

事務職の方々に合唱を披露するのは、今年で3年目となる。
一昨年は、教師側から「こんな企画どう?」と提案した。
昨年は、「今年もやりますか? やってもいいですよ!」

今年は、『自分たちからやりたい。感謝の気持ちを伝えたい。』と
さらに、感染防止対策も緩和されたことから、体育館で披露したいと生徒から提案がありました。

○実行委員長(関口 大和さん)
 私たちが歌う合唱。合唱の良さを感じてほしかった。感染防止対策も緩和されたので、できるな ら体育館で集まって合唱したいと考えました。毎日の朝の放送や私たちの学校生活をサポート して頂いている事務職の方々に感謝の気持ちを込めて合唱を披露できてよかったです。
○誘導係(丸 華夢さん)
 職員室で趣旨を伝える際、とても緊張しました。誘導の係として事務職の方々に感謝の,気持ち が伝えられたと思います。
○指揮者(鈴木 日陽さん)
 式に慣れていない面もあったが、みんな上手に歌ってくれたので指揮を振りやすかったです。全 校で練習できるのはあと1.2回なので練習を通してさらに良い合唱にしていきたいです。当日 は、保護者、地域の方々、先生達に感謝の気持ちを伝える合唱にしたいと思います。
○伴奏者(日髙 芙柚さん)
 とて緊張しました。みんなのとても歌声がきれいでした。当日は、保護者や先生方など、普段、お 世話になっている方々に私たちに感謝の気持ちが伝えられたらよいと思います。みんなが歌いや すい伴奏になるよう毎日練習しています。

令和5年10月18日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №161 『 課題曲選定にあたって… 』

■校長メッセージ №161 『 課題曲選定にあたって… 』                   
◎音楽科 若林先生の課題曲の選定にあたっての想いです。

課題曲は、技術的なことよりも歌詞の意味や曲想表現を大切に歌ってほしい…という思いから、今年度は全学年、山崎朋子さんシリーズにしてみました。

山崎朋子さんとは…
千葉県出身。作詞・作曲家。代表作は「大切なもの」「手のひらをかざして」など。
今は、東京都内の公立中学校で音楽の先生として勤務されています。
中学生の心情に合わせた歌詞、歌いやすい旋律、人の心をぐっとつかむ曲想で有名です。

○1年生 「その先へ」 山崎 朋子 作詞・作曲
1年生は、素直で元気!そして、話を聞く態度がすばらしい!先日行った音楽の時間での入退場の練習も真剣に話を聞いてくれて、中間発表会当日はスムーズに動くことができました。さすがだなぁと感心しています。「その先へ」は教科書に掲載されている曲です。1年生らしい元気さを取り入れながらも、曲想や心情に沿った表現で歌えるようになってほしいという思いから「その先へ」を選びました。3年間の中学校生活で、歌詞に描かれているような、たくさんの思い出ができることでしょう。「今」を大切に。そんな想いで歌ってほしいです。
~山崎さんからのメッセージ~
中学校に入学し、夢や希望、不安が心に溢れる4月。新しい教科書を開く。
未来を見据えて過ごす中で、一人一人がたくさんの思い出を心に刻み、忘れられない経験をすることでしょう。この歌詞で描かれるような青春の日々、友達との思い出、大切な人の言葉…そんな宝物を得た3年後、この歌をまた歌って卒業してほしい。そんな想いで書きました。

○2年生 「種」 足立 悠道 作詞(中学校3年生の時に作詞) 山崎 朋子 作曲
2年生は、とにかく音楽の授業を楽しみにしてくれる人が多い学年。授業変更で「音楽」が追加されたときの歓声は、尋常じゃないほどの大声で盛り上がる、そんな学年。
授業でも「種」を課題曲にするか、とっても迷ってるという話も包み隠さずしてきました。
CDで聴いてみると「難しくないですか?でもでもでも、めっちゃいい曲!!」「歌詞良くないですか?」との声がたくさん。みんなならできる。そう心に決めて、課題曲となりました。私が悩んだのには理由が。合唱コンクールで歌うには、少し歌詞の意味が重たいかな…と。いや、でも歌詞の意味をしっかり考えて歌うことの大切さにも気づいてほしい。この2年生なら歌詞の意味をしっかりとらえて歌うことができるだろうと。人の気持ちを考えて発言したり、困っている仲間がいたら、見逃さず助けようとする心優しい2年生。ひとつひとつの言葉をかみしめて歌ってほしいです。

○3年生 「絆」 山崎 朋子 作詞・作曲
3年間の音楽の授業を通して、私が思ってきたことはとにかく「仲間を大切にする学年」だなぁと。3年間の音楽の授業中にはいろいろな出来事満載。3年間を通して、とっても成長したなぁと感じています。1年生の頃は、先輩たちに追いつきたい一心で邁進してきたね。2年生はというと、先輩になって余裕が生まれてきたのか、たまに調子に乗りすぎて叱られたり。3年生になった今、毎時間全力で歌う姿勢が!3年生として、最後の合唱コンクール頑張るぞ!という熱い思いが伝わってきます。中学校生活も残り半年となり、この3年間で新しい友人も増え、たくさんの考え方にも出会ってきたことでしょう。その中で、楽しかったことやおもしろかったこと、時には友人とケンカをして気まずい関係になってしまったことなど、嬉しかったことも悲しかったことも経験してきたはずです。高校に進学したら「音楽」は選択授業です。多くの学校が、「音楽」「美術」「書道」「工芸」などから選択し、自ら「音楽」を選択しなければ、もう音楽の授業を受けることはありません。そして、合唱コンクールも中学校ならではの行事です。音楽を通して、人とのつながりを感じたり、仲間を信じて歌う楽しさ、作曲者の思いや意図から考えさせられること、自分たちなりにしっかりかみしめて歌ってほしいと思います。

●合唱コンクールまであと3日。
歌うことが好きな人、歌うのは苦手という人…。
合唱コンクールというと、「歌うこと」に目が向きがちです。「歌うこと」は、正しい音程を取り、声をしっかり出して、美しいハーモニーを奏でられることがすべてではないと思います。みんなも知っている通り、大きい声を出すのが苦手な人もいるし、音程を取ることに苦戦して、歌うことに自信がない人だっている。みんながみんな得意ではないかもしれない。でも、一人ひとりが、自分なりに歌詞の意味を考えてクラスのみんなと共有してみたり、小さい声でも、思いを届けようという気持ちを持つことができたのなら、それは大きな力になるのではないでしょうか。音楽には、そんな人と人とのつながりを感じられる力もあります。合唱(音楽)を通して、人とのつながりを感じられる、
そんな合唱コンにしたいですね。
                                                                    若林 茉那

学級担任の想い
学年主任、学年職員の想い
教頭、教務主任、養護教諭、事務職員、用務員、スクールサポートスタッフ、スクールカウンセラー、相談員、その他本校の教育活動に関わって頂いている方々の想い

令和5年10月17日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №160 「生徒会長、実行委員長の思い」

■校長メッセージ №160 「生徒会長、実行委員長の思い」          

10月13日(金)昼休み 生徒会長、文化発表会実行委員長にインタビューしました。

○スローガン「響かせよう それぞれの歌声を 彩ろう それぞれの色で」についての感想は
・生徒会長:生徒会活動のテーマの「彩」が取り入れられています。今年度は2年生の作品が選ばれました。全校生徒に浸透しているのだと思うと、とても嬉しく思います。
 ・実行委員長:生徒会から合唱コンクールに向けてテーマが示されました。「全員で〝参加・作る・協力する・楽しむ・いい思い出を作る〟」に合っています。合唱コンクールにかける思いが伝わってきます。 

○学校全体の合唱コンクールに向けての取組は
・実行委員長:学校全体、雰囲気が変わってきたと思います。自分のクラスもエンジンがかかってきて、練習に熱が入ってきました。3年生は全クラスそうゆう感じになってきました。他の学年との交流会もいい感じで行われています。

○中間発表会を終えてどんな感じですか
・生徒会長:課題がわかりました。正直、自分たちのクラスは結構いいんじゃないかと思ってましたが、他のクラスの合唱を聴いて、気づいた点が多かったです。また、講師さんからの助言を聞いて、修正しなければならないポイントがわかりました。

○1、2年生の時を振り返って
 ・実行委員長:1年生の時は、ボロボロ・・・って感じでした。合唱にはなっているんですけど、ビシッと決まってないというか。エンジンがかからないまま終わってしまったという感じでした。担任の先生は僕たちのやる気を引き出そうと一生懸命でした。
・生徒会長:今年は違います。私たちが先生をリードしています。担任の先生はもちろんやる気ですけど。それ以上に私たちが主体的に進めています。1年生のときは自分たちが先生に連れてってもらうみたいな〝やろうって言われて、やります〟みたいな感じでした。3年生になって、態度というか取り組み自体が変わったという感じです。
(令和3年度は、コロナ感染症の感染拡大防止のため、実質、2週間しか練習期間がありませんでした。)

○1年生の時の3年生の合唱を聴いてどう感じた
・実行委員長:同じ合唱なのに、何か別のものって感じでした。会場の雰囲気も一変したし、なん       か全てが違った感じがしました。
・生徒会長:感動して泣きそうになったことを覚えています。昨日、2年前の合唱をDVDで見ました。私たちが歌う「決意~21世紀を生きる君たちへ」を3年1組が歌っていました。当時の私たちの合唱と聞き比べても、同じ中学生とは思えないレベルでした。
私たちも同じレベルまで到達できるか不安な思いもあります。

○どのような合唱コンクールにしたいか
・生徒会長:聴いている人の心を動かせる合唱にしたいです。特に1~3年生と持ち上がってくれた先生達に私たちの成長を感じてもらえるような合唱にしたいです。昨年、合唱コンクールの閉会式で実行委員長が言葉を詰まらせる場面がありました。〝合唱にかける強い思い。最優秀賞を取りたかったのかと・・・ そこまで合唱にかけていたんだ〟と。3年生になってその気持ちがわかるようになってきました。
・実行委員長:親にぜひ見てもらいたいと思います。コロナ禍で行事や大会の応援も制限がありました。そのため、家族に見せる機会が少なかったからです。見ている親を感動させる〝すごい〟ものに作り上げたいです。

○全校生徒に送るメッセージは
・実行委員長:自分たちの限界を超えて、誰も真似できないような合唱作る。というような思いで練習、本番に臨んでほしいと思います。感染症への対策も変わり、合唱練習をとりまく環境も変わりました。だからこそ、新しいというか次の段階の合唱コンクールに進めたらと思います。
・生徒会長:自分の思いを込めて、それを伝えてほしい。一人ひとりの思いは違うけれど、それを歌詞に乗せて歌ってほしい。

○合唱コンクール後に期待するものは
・実行委員長:合唱を通して、みんなが同じ方向を向き、協力して合唱を作り上げていくことの大切さを学んだと思います。この経験を生かして、一人ひとりがいきいきと活動するさらに活気あふれる勝浦中になってほしいと思います。
・生徒会長:クラスがひとつになった経験を大切にしてほしいと思います。協力、やり抜く力、やりきった後の達成感などを後半の学校生活に生かしてほしいと思います。特に3年生は、希望する進路はそれぞれ違うけれど、合唱で培った学級の絆を大切に進んでいってほしいと思います。

◎ 生徒会長:岩瀬 杏珠さん(3年3組) 実行委員長:関口 大和さん(3年1組) 

 この日の夜、偶然、卒業生と会った。令和2年度文化発表会(合唱コンクール)実行委員長の川﨑さんだった。
「もう、高校3年生か。来週、合唱コンクールだよ。」と話すと、『そうですか。』と懐かしそうな表情を見せた。川﨑さんは、閉会行事で次のように話した。
 『みなさん本当にお疲れ様でした。感染拡大防止対策をしながらのコンクール、本当に大変でした。でも、みんなでやれて本当に良かったです。5年後、いやもう少し歳をとってからでも、お茶菓子を買って、みんなでお茶を飲みながら、〝俺たちはコロナの中でも合唱を頑張った〟〝みんなで力を合わせて行事を成功させた〟なんて話せたらいいですね。』

  学校は今、合唱一色

 明日は、本校音楽科の若林先生から、課題曲の選定にあたっての〝想い〟をお届けします。

 令和5年10月16日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №159 「スローガンに込めた思い・・・」

■校長メッセージ №159 「スローガンに込めた思い・・・」                
さて、令和5年度 文化発表会 合唱コンクールのスローガンは次のとおりです。

『 響かせよう それぞれの歌声を  彩ろう それぞれの色で 』
                            2年1組 鈴木 日菜乃さん
鈴木さんにスローガンに込めた思いを聞いてみました。
学級には「音楽に苦手意識がある人」、「歌うことに恥ずかしさがある人」、「歌を通して自己表現することに消極的になってしまう人」などがいると思います。
その反対に、「音楽が得意」、「歌うこと、合唱が大好き」、「コンクールで最優秀賞をとることに燃えている人」など、学級には合唱に対する様々な思いがあると考えています。
そのような中、大事にしたいことは、「誰一人も取り残さず、一人ひとりの個性が生かされ、それが学級の色となり、学校全体が彩られるような合唱コンクール」になってほしいと強く思いました。
さらに、コンクール当日は、生徒、先生たちに加えて、保護者も一体感を味わえるようなコンクールになってほしいという願いもあります。
全校生徒のみなさんには、スローガンに込めた私の思いを感じてくれたら嬉しいです。

昨日の中間発表会
自分のクラスはどうでしたか。また、他のクラスの歌声はどうでしたか。
講師さんからの講評を学級内で共有して、ハーモニーや彩りに磨きをかけてください。

「合唱はお城の石垣」だと。 先輩に教わった。
石垣には、大きな石、小さな石、角を構成している石などがある。
石にはそれぞれ大事な役割がある。大きな石には、大きな石の役割がある。小さな石にも小さな石の役割がある。
大きな石の役割とは、単に大きな声を出せる人、発言力のある人とは違う。
角を構成しているのは、指揮者、伴奏者、パートリーダーだろうか。
それぞれのクラスで、テンポ、強弱、曲想の変化、歌詞に描かれた情景、重厚感などが表現されるよう練習を積み重ねていく。
学級全員が、心をひとつに同じ目標に進むなら、それぞれの声が支え合い、一丸となった「美しさ」(ハーモニー)になるのだろう。

下の写真は、丸亀城です。
丸亀城は、讃岐国(さぬきのくに)、現在の香川県丸亀市に立てられたお城です。
日本一高い総高60mの石垣は、「扇の勾配」と呼ばれ、その曲線美は見る人を魅了します。
この石垣のような曲線美、それを構成するのは 〝あなた〟 です。
さぁ 〝 彩りある合唱 〟 スローガンを心に留め、唯一無二の合唱を仕上げよう。

our  melody  of  kinship

令和5年10月13日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №158 「あなたの声が必要です。」

■校長メッセージ №158 「あなたの声が必要です。」                      

合唱コンクール。 沢山の思い出がある。
その一つひとつが本当に思い出深いものだ。
合唱指導ってどうすればいいの? 学級担任として試行錯誤の日々だった。

2年生の学級でのこと
女子パートに比べ、男子パートの声量が足らない。 男子全員で思案した。
一人の生徒がインターネットで検索したことを提案した。
合唱コンクール強豪校(高校)の練習についてインターネットに載っていたと。それは、練習メニューに〝筋トレ〟を取り入れてるとのことだった。 私も含め、安直に導入決定。
昼休みの練習 理科室に移動し ①腹筋20回×3セット ②スクワット30回×3セット
いち! よし!! にー! よし!! (雰囲気はご想像のとおり)
数日後、一人の生徒が登校中に自転車で転倒事故を起こした。
状況を聞いてみたところ、両太ももの筋肉痛が原因で登坂中に転倒したと。
筋トレは、即中止とした・・・

3年生の学級でのこと
Aさん。「急なことで・・・ 明日からはしばらく欠席します。 転校することになるかも知れません。」
ご家族の仕事の関係で県外に行くことになった。転校するかどうかは、ご家族の仕事のの状況で決まると。ご家族もとても不安の様子だった。
級友は皆とても残念がった。
翌日からAさんの姿はない。 コンクールまで1週間ちょっと。
学級会長の提案で臨時の学級会が開かれた。 議題は、Aさんのコンクール参加についてだった。
議論が尽くされたとまでは言えないが、Aさんに伴奏、ソプラノパートの音源(CD)と代表生徒の手紙を郵送することに決まった。
コンクール当日、残念ながらAさんは参加できなかった。
翌週の月曜日、学校にAさんからの手紙が届いた。
「合唱コンクールに参加できなくてごめんなさい。送ってもらったCDで何度も練習しました。手紙に書かれていた〝あなたの・・・〟にこたえられなくてごめんなさい。」
手紙を書いた代表生徒(指揮者)に聞いてみた。 手紙になんて書いたの?
『ええっ・・・ 思いを込めて一文です。 『あなたの声が必要です。』 って書きました。
一瞬の沈黙のあと、学級には「キザ~」、「感動~」、「好意あったのか~」など、微笑ましい雰囲気に包まれた。 

令和2年9月
合唱コンクールの実施に向けて生徒役員と協議をした。
生徒の一人が話した。
「先生、俺たちは今なんですよ。 自分たちの思い出はもちろん、3年生として後輩たちに残していかなければならないものがあるんです。」

our melody of  kinship   

中間発表会 聴きたかった~
                   
令和5年10月11日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №157 合唱コンクールの目的って?

■校長メッセージ №157 合唱コンクールの目的って?

文化発表会実行委員長に聞いた。 「学校全体どうですか?」 『まぁまぁ いい感じです!」

□ 職員会議資料から、「合唱コンクールの目的」
・日頃の学習の成果を発表し、学校生活をより豊かにする。
・パートごとや学級全体での合唱練習を通して、協調性や責任感を養う。
・生徒の計画性を伸ばし、自主的な活動により愛校心を高め連帯感を培う。

□ 中学校の合唱コンクールには多くの意義があります。以下、考えてみました。
 ① 音楽のスキルアップ
 合唱コンクールのベースは音楽の授業にあります。音楽科の先生は、課題曲や自由曲の選  定にあたり、各学年のレベルにあった曲を紹介します。そして、練習を通して歌唱の技能を高  めていきます。
 ② 学級の成熟に向けて
    合唱は、クラス全体で協力し、調和をはかる必要があります。チームワーク、協調性、責任感  などが養われます。また、より良い学級になるよう皆が貢献しようと同じ方向に進みます。
 ③ 自己表現
    合唱は、自己表現だと考えます。歌唱を通して自分自身を表現していきます。歌唱の技能が  高まっていくにつれ、自己信頼(自分の歌声を信じる力)が養われます。
 ④ プレッシャーに打ち勝つ心
   ステージ発表を終えた生徒は「うわー 緊張した!!」と・・・ この体験が必要なんです。多く  の観客の前で自分の歌声を表現する。プレッシャーに打ち勝つ心が育まれます。
 ⑤ 目標設定と競争の場
   合唱コンクールは競争の場でもあります。学級で目標を設定して、努力、向上の機会となり  ます。他の学級、3年生であれば学校全体と競い合うなかで、努力や向上心を持つことの重  要性を学びます。
 ⑥ 計画性、主体性を育む
  学級によって多少の違いはありますが、練習計画は生徒が立案します。また、パート別、全体  練習もリーダーが主体的に進めます。場合によって修正をしながらも生徒中心で練習が進ん  でいきます。
 ⑦ 友情を育む
   合唱練習を通して、学級内で友情が育まれます。級友の頑張りに刺激を受けたり、友だちの  新たな一面を見ることで級友に敬意を持ちます。友情という絆を育みます。
  
上記のようなことから、合唱コンクールは、音楽教育だけでなく、学級集団、個人の成長といった大きな意義があります。そして、学校の一体感の醸成につながるのです。

□ あなたの学級のテーマは何ですか?

□ 合唱コンクールは、本校の学校行事の中で唯一、学級対抗です。

□ 何をめざす? 練習の過程で大事にすることは? この行事が終わったあとの学級の姿は?

■ our melody of kinship

令和5年10月10日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №156 「やる気を迎えに行く!!」

■校長メッセージ №156 「やる気を迎えに行く!!」

夏休みを振り返って・・・
部活動では、柔道部女子団体が県大会3位に入賞し、埼玉県で行われた関東大会に千葉県代表として出場しました。
また、3年2組の末吉大希さんが、中学公式野球シニアリーグで上位入賞を果たし、関東・静岡地区の代表として、東京都で開催された全国大会に出場しました。
健闘を称え、拍手をおくろう。

今日、2学期の始業式ですが、私自身は、生徒との再会に数日前からワクワクしてました。
早く生徒一人ひとりの顔が見たい。また、2学期の教育活動で、生徒に〝どんな気付きを与えられるか〟 〝学びを提供できるか〟 〝成長や自己実現を支援できるか〟 このように考えていました。

さて、始業式の話しは4点です。

1点目 「心あたたまる話し」
8月の終わり、知人からLINEのメッセージが届きました。内容は次のとおり
「今日、用事があってバスで●●●まで出かけました。途中のバス停で勝浦中の生徒が高齢の女性の荷物を持ち、一緒に降りてあげてました。高齢の女性は、『ありがとう』と何度も言っていました。心がホッコリしました。」
この他、1学期、学校にはお礼や感謝の連絡が届きました。
「小学生の保護者から 雨の日、塩田病院前の歩道で小学生の集団登校を見た中学生たちが、小学生に道を開けてくれた。お陰で小学生が道路にはみ出なくて安全に通行できました。」
他にも、「市民の方から 朝のバスの車内 混み合う車内で後から乗ってきた小学生に席を譲る中学生を見て、日頃の家庭、学校の指導が行き届いていると感じました。」
一方、お叱りを受けることもある。
電車やバスの車内で、座席の脇に荷物を置き、占用している。マナーを指導すべき・・・ など
私は、〝ありがとうの循環〟ということを考える。私が草刈りなど環境整備をしているとき、下校中の生徒が「学校のためにありがとうございます。」などと声をかけてくれる。
「ありがとう」と言われるととても気持ちが良い。この学校・生徒のために頑張ろう。って気持ちになるんだ。

2点目 「勝浦大漁祭り・秋の祭礼」への参加
8月22日(土)勝浦大漁祭り合同会議:中学生の祭礼参加について説明
まず、校訓「愛郷・立志」 学校教育目標「ふるさと勝浦を愛し、未来を切り拓く生徒の育成」を説明し、学校としては、伝統・文化に触れ、体験するという観点から祭礼へは積極的に参加(見学を含む)するように促したい。また、基本は地区の祭礼、氏子としての参加を基本とする。特に、安全に係わる指導については地区でお願いしたい。問題行動等があった場合には、必要に応じて警察への通報もお願いしたい。と話してきました。
2・3年生、1年前を思い出してください。東京・赤坂サントリーホールでの「古事記・一粒萬倍」コンサート 食・祭りの起源などを学び、舞踊・演奏を体感しましたね。そういったことも踏まえつつ、今年の祭礼、どのように参加しますか。 みんなは、伝統文化の継承者でもあるんだよ。
五穀豊穣、穀物の豊かな実りといえば、郷育プロジェクト「稲刈り体験」が来週行われます。
先週、2学年の職員で田んぼ周りの草刈りも行ってきました。
指導いただく渡邉浩臣さんも「お米の出来は上々! 待ってるぜ中学生!!」と話していました。
3点目 「なぜ 勉強するの?」
次の書籍と私の経験を踏まえて話します。
・森 信三 「10代のための人間学」致知出版
・池田晶子 「14歳の君へ」毎日新聞社
・齋藤 孝 「本当の『頭のよさ』ってなんだろう? 誠文堂新光社
勉強ができる人 すなわち学力の高い人の中には、脳の髄から頭の良い人もいる
「授業を聴いていればわかる」「教科書を一度読めば頭に入っちゃう」 みたいな人
こういった人は、極・わずか
多くの場合、やらなくてもできるのではなく、〝ちゃんと勉強している〟 〝コツコツと努力している〟
テストで正答するためには、
【授業で習ったことを理解する→記憶する(演習で身につける)→再生する】このようなサイクル
やる気が今ひとつ起きないんだよな・・・ と悩む人
思い出してごらん。今まで好きなことには努力してきたこと
その先に〝楽しいこと〟 〝やりたいこと〟 があって壁を乗り越えてきた経験
「努力する力」とは、もともと備わっていたものではなく、経験によって身につくもの
みんなの身近な先輩・職業人の〝先生たち〟を例にすると
先生になりたいと決心し、努力を重ね、教員採用試験に合格して晴れて教師となる。
しかし、教師となっても指導力のある教師になるためには研鑽の日々
子どもの可能性を伸ばしたい 子どもの自己実現を支援したい 教科を好きになってほしい
学力を高めたい と日々努力をして、指導力という壁を乗り越えているんだよ。
このように、勉強・努力というのは学生の一定期間をさすものではなく、一生続くと考えてもよい。
さて、何のために、何を目指して勉強するのだろう。
高校進学のため 進路の選択肢を増やしたい 将来の職業のため 人生を豊かにするため 
自分の夢や志の実現のため 自分の可能性を広げるため など 自分で考えてみようよ。
具体的に動けば、やる気は後からついてくる
苦手と思っていた勉強も・・・ 今まで以上に授業に集中してみる わからないところは休み時間に聞く 予習・復習をやってみる 家庭学習を充実させる 毎日、ドリルに取り組んでみる
具体的に動く、新たに始めてみる → 「やる気を迎えに行く!!」 と考えてみよう。

4点目 「避難行動講習会」
今日は、「マイタイムライン」を作成してみる。
「保健室だより・すこやか」には、救命救急処置が載っている。
これ「命を守る」取り組みです。
行ってきます! と家を出て、「ただいま!!」と帰るまで、安全意識と実践力を高めよう。

成長が実感できる2学期にしようぜ。

令和5年9月1日 始業式 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №155 「目的を明確にする」

■校長メッセージ №155 「目的を明確にする」

総合体育大会(地区大会)が終わりました。
部活動壮行会で話した「相手も勝ちたい、相手以上の気持ちで臨む」 どうでしたか。
目標を達成することができた。 または、あと一歩及ばず・・・
私は、みんなの懸命、果敢、精悍な姿を見ることができた。 キラキラと輝いていた。

ここで大事なのは、結果に一喜一憂することよりも、〝振り返り・考察〟することです。

ひとつの節目を迎えたときに、みんなの心には〝成長の種〟が蒔かれます。
その種が発芽し、花を咲かせられるかどうかは、自分次第です。

この振り返りや考察をすることことが、水や太陽になるのです。
種が蒔かれたことを気づかないままでいるか、種に水を与え、発芽から花を咲かせるまで育てるかは、あなた自身なのです。

みんなは、まだまだ成長過程にあります。
大会やコンクールに向けて、大会を終えて、自分なりに〝振り返り・考察〟をしてみてください。
中学校での部活動の目的・意義は、みんなの人間的成長にあります。部活動を通して学んだこと
経験したことを次へと生かしていくのです。

さて、明日から夏休みになります。 42日間どのように過ごしますか?

今日は話しをすることは、「目的」についてです。
目的とは、「行動のねらい、めあて」と考えてください。
何のために行うのか。 何が〝わかる・できる〟ようになりたいのか。 

「トレーニングの5原則」を紹介します。
 ・意識性の原則 : トレーニングをするときに意識の持ち方によって効果が変わる
 ・個別性の原則 : 個人の特性や能力に合わせたトレーニングをすることが大切
 ・漸進性の原則 : トレーニングは、焦らず、コツコツと少しずつレベルアップすることが大切
 ・反復性の原則 : トレーニングは、繰り返し、継続的に鍛えることが大切
 ・全面性の原則 : トレーニングは、全身をバランスよく鍛えることが大事

ひとつ目の「意識性の原則」とは、トレーニングを行うときには、意識をすることでさらに効果が高まるという原則です。何も考えずに、言われたことをそのまま行うよりも、自分がやっているトレーニングの意味や効果の理解、鍛えている部分などを意識することで、トレーニング効果はアップするというものです。

授業も「今日のめあて」、「学習課題」、「演習」、「まとめ・振り返り」が基本形となっているでしょ。今日行うめあてが明確になり、そこに意識を集中させながら学習課題を理解していく、理解できたら演習・ドリルによって定着を図り、最後にまとめ・振り返りを行って次時につなげていくという流れだよね。
部活動もその種目等に応じた基本練習があり、次に発展・応用練習、さらに実践練習とつながっていくのと同じです。

授業の中で理解できたものも、繰り返し行っていかなければ定着はしないのです。そして授業の中では十分な演習・ドリルの時間が確保できないために家庭学習があるのです。

トレーニング、部活動、勉強も「無目的」では、効果が低いことが理解できましたか。

経験上の話しをします。
ひと夏を終えて、2学期のクラスの生徒と再開したときに、心身の成長を感じる生徒がいる。
あきらかに表情や態度が違う。
本人は、「はい。部活動、勉強、そして遊び、どれもが充実していました。」と目を輝かせて話した。

目的は何だ? 何のためにやるのか。 これをやったらどうなれる。
これらを明確にして取り組むことで成果は大きく変わってくる。
時間は有限です。 目的を明確に、意識を集中させる。 これを留意するだけで大きく変わる。

トレーニングの5原則を「トレーニング→学習」と読み替えてみよう。
最後の全身は〝全教科〟

先生たちも2学期からのより良い授業作りのための夏休みにします。

9月1日、成長した表情のみんなに会えることを期待して、終業式の話しとします。

令和5年7月20日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №154 「A列車」

■校長メッセージ №154 「A列車」

1 お天気は?
↓ 1日目奈良市の天気予報     ※ウェザーニュースより


↓ 2.3日目の京都市の天気予報
 すでに、予報はチェック済みかと 思いますが、気温・湿度なども確認しようね。

 6日(火)タクシー行動の日に雨 マーク、雨具の準備は大丈夫? 対策等は 〝自分で考えようね〟
 ホテルのTVニュースで最終確認

 7日(水)勝浦の天気予報は?

2 何時に起床?                                              
   集合時間は何時? 朝ご飯は? 出発は?
 「何時に起きる」、「自分で起きる」、「何時までに起きてこなかったらその時は声かけてね」
 「集合時間は何時だから、家を何時に出発したい。キュステまで送ってください。」
 「朝ご飯は・・・」 自分から言えるかな? 自立につながる好機では。

3 帰宅は、何時にどこ? 迎えは?
  「到着・帰宅予定は何時」、「送りバスの下車場所は●●●」、「迎えの必要は?」
  これを確実に伝えようね。 『確実』にです!!

4 A列車
  みんなが乗る新幹線、新幹線のぞみ700系・修学旅行「A列車」です。
↓ 一般車両の表示                             

↓ 修学旅行専用列車の表示
  ※ 一般車両、修学旅行専用列車はすべて同じ車両・編成で運行されるそうです。
 
 「修学旅行専用列車」とは? 
 関西方面に修学旅行を計画する場合、修学旅行専用列車を申し込むか、一般の指定席で申し込むかの二通りがあります。
 本校は、修学旅行専用列車を申し込みました。良い点としては、大きく3点あります。
 ① 中・高校生の修学旅行生だけで編成されるため、一般客との接触もないことから生徒たちは安心して乗車、会話などを楽しむができます。
 ② 非常天災時で運休になった場合なども、優先的に代替運行がされます。
 ③ 新幹線指定料金が半額になるため、保護者の負担軽減が図られます。
 一方、日程などは「関東修学旅行委員会」が決めるため、土日などになる場合もあります。
 また、「A列車」「B列車」「C列車」の3運行から希望を出せます。今回、本校が希望したのは、第1希望「A列車」、第2希望「B列車」です。
  何が違うかと言えば、大まかに言うと奈良・京都での滞在時間です。滞在時間が長い順に「A~C列車」となります。具体的には、1日目と3日目の行程に関係してきます。みんなの1日目の奈良での見学先は、3カ所ですね。「法隆寺」「薬師寺」「東大寺・奈良公園」を見学しますね。 
これがB・C列車になると2カ所ないし1カ所になります。さらに、1日目と3日目ともに奈良・京都で昼食をとることができます。B・C列車だと、新幹線の車内でのお弁当昼食になります。
 これらを総合的に考えて、〝 一生に一度の修学旅行「奈良・京都を満喫」してもらいたい 〟と、A列車を希望しました。 保護者の皆様、ご負担をおかけしますがご協力ください。

5 グリーン車「大当たり!!」
  全ページの画像に四つ葉のマークがあるでしょ。これグリーン車両のマークです。
  みんなは、往復〝グリーン席〟に乗車します。
  グリーン席って何が違うの? これは座ればわかります。
  さらにみんなは〝往復〟グリーン席です。私も十数回ほど修学旅行を引率していますが、往復グリーン席というのは初めてです。ちなみにプライベートで往復グリーン席に乗車した場合、その金額約4万円・・・ これ大当たり!!です。(私は、プラベートでグリーンを利用したことは  ・・・ありません。)

6 タクシー班別行動
  2日目のタクシー行動のドライバーさんは、京都の歴史・文化などを熟知された〝観光ガイド・ドライバー〟です。自分たちが決めた見学地の他、ルート上での〝歴史話〟などから見聞を広めるとても良い機会になると思います。 積極的に質問してみようね。

7 キャリア
  修学旅行先では、様々な職業人とふれあう機会があります。キャリア・職業という視点で見てみよう。修学旅行では、歴史・文化はもちろんのこと、将来の職業について考える良い機会となります。 〝あなたは将来どんな職業に就きますか? ・ 自分の何を生かしていきますか?〟

8 不安はありますか?
  小学校の修学旅行の思い出は? 宿泊学習が初めての人がほとんどだと思います。不安や心配なことは早めに友だちや先生に相談してね。 不安からくる体調不良もありますよ。

9 想いを受けて
  学年の先生方、後輩たち、保護者の想いを受けて「楽しい修学旅行」にしよう。
  〝 てるてる坊主 〟 ありがとう!! 学校を頼むぞ。   ※写真はHP「最近のニュース」に掲載

10 ただいま!!
   事故、けがのないよう、特に安全な行動に留意しよう。修学旅行の意義・目的を心に留める。
   「ただいま!!」と言うまでが修学旅行です。
  そして、『修学旅行の費用・お小遣いなどありがとう!!』と伝えられたらなお良いでしょう。
  〝お金は降ってはきません〟 感謝の気持ちを伝える。家の経済のこと、これからかかるであろう高校の学費等のことなどを考える機会になれば。 それも自立へとつながります。

 明日の朝は「東雲色(しののめいろ)」かなぁ~       

 令和5年6月4日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №153 「お顔」

■校長メッセージ №153 「お顔」

 修学旅行実行委員長、副委員長さんからの依頼を受けて、「修学旅行のしおり」にメッセージを寄せさせていただきました。
 
 ■下の写真は?
ホテル向かいの京都御所「蛤御門」です。
みんなは、2日目のタクシー行動でこの門左奥にある駐車場でタクシーに乗車します。
「蛤(はまぐり)」 由来は?
それはね、「御所の火災の際、滅多に開くことのなかった門がこの時だけは開いたため、固く閉じていたものが火にあぶられて開いた ことをハマグリになぞらえて「蛤御門」という 俗称が付けられたと。 その火災については、宝永の大火(1708年)後とする説と、天明の大火(1788年)とする説があります。
そして、右、門柱の下部に注目!!
「禁門の変(蛤御門の変)」の「弾痕」 
この変は1864年(元治元年)京都で起きた武力衝突事件。
前年に京都から追放されていた長州藩勢力が、会津藩主で京都守護職の松平容保らの排除を目指して挙兵し、市中で市街戦を繰り広げた事件です。
さぁ! 幕末の歴史を感じてからタクシー乗車!! 出発~!!
■最後の見学地の「東寺」 東寺があるなら「西寺」はどこ? 西寺にも「五重塔」があったと。五重塔を建てた意味はなんだろう? 
■下の写真は、東寺の講堂内に安置されている「国宝・帝釈天」す。

象(白象)に座した「帝釈天」 すぐにわかりますよ。
余談ですが、私、このお顔 〝お気に入り〟 なんです。
■生徒の多くは、奈良・京都の世界文化遺産、国宝、重要文化財などを目にすると〝うぉー! すげー! これかー!〟 と目を丸くし、感動した表情を見せます。私は、この〝顔〟を見ることが大好きです。また、練習通りに新幹線に乗車できたときの〝どーや顔〟を見ることも同様です。
■感動の体育祭から2週間余り、修学旅行ではどんな感動が待っているのか。みんなで創った体育祭の経験が修学旅行にどのように生かされるのか。みんなの集団の力、集団行動の出来映えがどうか、等々。 私は楽しみで仕方ありません。
仲間との「絆」を大切にし、「尊重」し合う3年生だからこそ
『みんなが楽しい修学旅行』になること間違いなし!!                     校長 岡安 和彦
 (写真:京都市、東寺資料から)

『 Keep smiling ~みんなが楽しむための3日間~ 』 3年生の修学旅行のテーマです。
わたしたち教職員は、生徒が見せる時々の〝顔・表情〟を胸に刻んでいきたいと思う日々です。
 

■校長メッセージ № 152 「全集中」

■校長メッセージ № 152 「全集中」

令和5年度 勝浦中学校 体育祭スローガン
  「心ひとつに咲き誇れ、我ら煌めく華となれ」 

5月13日(土)のPTA奉仕作業へのご協力ありがとうございました。
お陰様で環境整備が完了し私たち教職員も体育祭練習に「全集中」できています。
当初計画していた3年生の保護者だけではなく、1・2年の保護者の皆様の応援もいただき、予定していた作業内容を全て終えることができました。
これは本当に有り難いことです。
ここ数年、PTA奉仕作業でお手伝いいただくものの、全てに手が回らずに体育祭練習と同時進行で作業にあたっていました。
(株)集英社「鬼滅の刃」 ❷著者:吾峠呼世晴 より

今年度の生徒会の活動スローガンは、「彩」・彩る
昨年度は、「創」・創る
私は次のように捉えています。
「創る」は、学校の一体感をもとにコロナ禍と共に歩むという覚悟と創造しようとする気概
「彩る」は、先輩たちのポリシーを受け継ぎながら、個性という「色」に目を向け、互いにリスペクトしながら「磨き合い・高め合う学校」にしたいという思い

改めて体育祭スローガンを読むと、生徒たちが目指す方向が見えてきます。
私たち教職員もPTAの協力・支援をいただきながら生徒支援に全力で臨みます。

うれしい話題がありました。
先日行われた小学校運動会での一コマ
小学校の保護者から電話をいただきました。
「会場の後片付けの際、中学生が率先して手伝っている場面を見ました。よても良い光景でした。」

その時、思いました。
子どもって 〝 見て学ぶ 〟 〝 やって気づく 〟 もの
奉仕作業に来ていただいた保護者の皆様の仕事ぶりからすれば、〝親の背中を見て育つ〟ということを実感しました。また、率先して仕事にあたった後の清々しい気持ちを感じてくれたのなら、きっと違う場面でも自ら行動を起こしてくれるだろうと。
今年度の体育祭は、時間、種目、競技内容などについて、生徒会総務役員、体育委員会、団長・副団長、応援団長・応援副団長などの生徒と協議を重ねて新たな形を創っています。
(株)集英社 「鬼滅の刃」 ❾ 著者:吾峠呼世晴 より

  『  心ひとつに、煌めく時は今!! 』

令和5年5月17日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №151 「どうする??」

■校長メッセージ №151 「どうする??」

今朝、登校してきた生徒に声をかけた。
地震どうだった?
Aさん 「飛び起きましたよ~」
Bさん 『全く気がつきませんでした~』
Cさん 「二度寝してしまいました。 遅刻しそうでした~」

みんなは、どうでしたか?

私は、リアルな夢を見ていて、その場面が地震に変化していました・・・
そして、JR勝浦駅長さんからの電話 「地震の影響で電車の運行見込みが立っていません」 で、目が覚めました。
校長であれば、地震後すぐに起床し、テレビをつけて震源地やマグニチュードを確認、さらに防災情報で津波発生の有無を把握・・・とは、いかなかった。
危機管理の対応へのモードに切り替わったのは、地震発生、約3分後の4時20分だった。
それから、市教委の担当者に連絡し路線バスの運行情報、JRの代替バスの調整などにあたった。併せて、保護者への連絡メールを準備を進め、送信した。
その内容が下記
 現時点での対応についてお知らせします。
 ■5:23送信 「地震による対応等」
 ??JR運転見合わせ(代替バスの運行を検討)
 ??路線バス・小湊バス(通常運行の見込み)
 ??スクールバス(通常運行の見込み)
なんだ? 「??」って
 これ〝文字化け〟なんです。自前のタブレットから入力したところこうなってしまった。
 タブレットの画面上では
 ■JR運転見合わせ(代替バスの運行を検討)
 ■路線バス・小湊バス(通常運行の見込み)
 ■スクールバス(通常運行の見込み)    ■が??に
保護者の皆様、混乱をされたこととお察しいたします。今後、文字変換などに注意していきます。
この文字化け「??」が表記されているところが変わったとしたら、大きな混乱を生む可能性だってありました。
  
  聞いちゃった 育った家を 壊す日を 女川町立女川一中 2年 阿部志保さん(11月)                        女川一中制の句 あの日から 小野智美 編 はとり文庫

 〝 津波が町を襲ったあの日から 〟 2011年5月と11月に、宮城県女川第一中学校で俳句の授業が行われた。家族、自宅、地域の仲間、故郷の景色を失った生徒たちが、自分を見つめ、指折り詠んだ五七五。(記者・筆者)
 
  女川港から約2キロ、3階建ての町営アパートに暮らしていた。幼い頃はアパートの周囲でかくれんぼしたり、三輪車をこいだりして遊んだ。裏山からはウグイスやキジの声が聞こえた。鹿も姿を見せた。
津波をかぶり、がれきに埋もれながら立ち続けたアパートは、震災の記録をとどめる建物として残すと聞いた。片付けに通った。
 10月アパートに向かう途中だった。 
 運転席の母が言った。 「やっぱっり壊すんだって」
 え・・・・・。 驚いた。言葉を返せなかった。運転席の真後ろに座っていた。車窓の向こうにアパートの姿が見えた。黙って目を凝らした。
 その日から震災前のアパートを夢見る。 ベッドから見た天井。 家族で囲んだ食卓。
 目が覚めれば、こう思い直す。 前へ進もう。
   「女川一中の句あの日から」 はとり文庫 より

  あれ? この佐藤俊郎さん。3年生見たことあるでしょ。
 平成30年6月22日 キュステで行われた「 東日本大震災 〝 語り部 〟 講演会 」
  みんなは、当時小学4年生だったはず。 思い出しましたか。

  さて、駅へ向かう下校途中、大きな地震があったとする。 どうする?
 A 高台(中学校)へ避難する  B 親に連絡して迎えを頼む  C そのまま駅に向かう

  佐藤俊郎さんは、講演会の最後、次のように締めくくりました。
  「一番の安全は、〝ただいま〟と言うことです。まずは、それぞれが命を守る最善の行動をとることです。」 佐藤俊郎さんは、震災で当時小学生だった娘さんを亡くされました。(大川小学校で)
 重い言葉です。

  令和5年5月11日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №150 『 78310 〝 なやみいおう 〟 』

■校長メッセージ №150 『 78310 〝 なやみいおう 〟 』
フリーダイヤル 0120-0 なやみいおう 78310(24時間受付 子供SOSダイヤル)
□ 4月26日(水)新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行するのを前に、首都圏の1都3県の知事と政令指定都市の市長は、移行後も感染対策の継続を呼びかける 共同メッセージを採択しました。
 この中では、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行したあとも、感染対策の継続を呼びかける共同メッセージが採択されました。メッセージでは、換気や手洗い、手指の消毒、三密の回避といった対策が有効だとしていています。また、医療機関の受診や、高齢者施設の訪問、それに混雑した電車やバスの乗車の際 にはマスクの着用を推奨するとしています。
(千葉県HPより)       
□ 4月27日(木)厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症法上の位置づけについて、予定  通り5月8日(月)から5類へ移行すると発表しました。政府としての正式発表となります。

□ 新型コロナ5類移行後の感染者 AIで試算 8月下旬の東京は… 4月25日 NHK WEB
 新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されたあとの感染者数について、最新のデータをもとにAI=人工知能を使って試算すると、東京では来月中旬にはおよそ3100人となり、マスクを着用する人が半数となった場合、8月下旬にはおよそ5400人になるという結果を名古屋工業大学のグループが示しました。
 名古屋工業大学の平田晃正教授のグループはさらに感染力が強い変異ウイルスが現れず、ことし夏ごろには人出がコロナ前の水準に戻るという想定で、24日までの感染者数や「飲み会」や「バーベキュー」といった社会活動の活発さを示すSNSの投稿の数などのデータをもとに今後の感染者数をAIを使って試算しました。
 5類に移行される予定の5月8日以降にマスクの着用率が20%、50%、それにほとんどの人がマスクをしている場合、いずれの場合でも来月中旬には東京都の1週間 平均での1日あたりの感染者数は、およそ 3100人となりました。その後、感染者数は 着用率によって差が出始め、お盆明けの8月下旬には20%だと6900人、50%では5400人、ほとんどの人がマスクをしている場合は、4100人という結果になりました。
 今回の試算では以前に行った試算より感染者数が少なく、4月に入ってから飲み会を示唆するSNSの投稿が減っていてAIが感染の広がりが小さくなると認識した可能性があるとしています。
 平田教授は「多くの人は感染対策をしながら徐々に緩和に向かっているのではないか。5類への移行後も高齢者と会うときなど場面に応じた対策をしながら過ごしてほしい」と話しています。

AIによる推定値といえども、もうひと山、ふた山・・・
嗚呼!! ひと山目は、体育祭じゃん!!

4月24日(月)の全校集会で 〝 with  corona 〟 と話しました。
それでも心配なのは、みんなの胸中です。

学校における5月8日以降の対策関係については、今日時点では、県教育委員会からの通知等を待っている状況です。通知等があり次第、整理して伝えますね。

コロナに関わらず、友人関係、家族、その他のことで「悩み」があったら下記へ連絡してください。
         
●子どもと親のサポートセンター 0120-415-446 (24時間)

 ●24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 (24時間)

 ●Eメール相談 saposoudan@chiba-c.ed.jp

 ●SNS相談@ちば LINE相談  ↓   QRコード


 令和5年4月28日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №149 「いじめ防止・考えることから」

■校長メッセージ №149 「いじめ防止・考えることから」

あなたにとって、いじめは「自分事」それとも「他人事」ですか?
今日、すべての学年で「いじめ防止講話」を終えました。
それぞれの学年の実態や発達段階に合わせて、動画なのど資料を選びました。
学校は、集団生活の場です。当然、行き違いやトラブルだってあります。
ましてや、多感で不安定な中学生期。体調不良や抑圧、家庭内のことでイライラして・・・ 
それがいじめに発展することだってあります。

『どうした? いつもと違うよ 何かあった?』 こういった一言で救われる友だちもいる。

3年生で使用した人権啓発ビデオ「わたしたちの声 3人の物語」〝いじめをなくすために、今〟は、当事者の心の中の葛藤が描かれています。

時間を見つけてお家の人と下の動画を視聴してください。
いじめ防止は、みんなで考えること。みんなで意識すること。みんなで実行すること。だと思います。

〔1年生〕
□いじめ防止教育ビデオ❶(第1章/全3章)『いじめのことを知ろう』
https://www.youtube.com/watch?v=9_Kw7oHeQSw&t=3s

□いじめ防止教育ビデオ❷(第2章/全3章)『いじめられているかもしれないと思ったら』
https://www.youtube.com/watch?v=1EYY1tfF0vY

□いじめ防止教育ビデオ❸(第3章/全3章)『いじめをとめるために』
https://www.youtube.com/watch?v=Fl_ngOVdNwI&t=2s


〔2年生〕
□【初級編】ネット上での悪口被害(小・中学生向け)愛媛県警公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=QEvjdSpY6DI&t=1s

〔2・3年生共通〕
□リモート紙芝居「いじめ防止教室 中高生向け」 いじめ防止 中高生向け 新潟県警公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=F_XFNZJPpLo&t=64s


〔3年生〕
□人権啓発ビデオ「わたしたちの声 3人の物語」〝いじめをなくすために,今〟法務省人権擁護局、公益財団法人 人権教育啓発推進センター
https://www.youtube.com/watch?v=BQW5zjbnkNA&t=26s

みんなで考えよう。
大事なことだから、いつも心に留めていたいね。

令和5年4月27日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №148 「拍手」

■校長メッセージ №148 「拍手」

チコちゃんに叱られる 「人はなぜ拍手をする?」
NHK:2022年10月28日放送

チコちゃん 「ねぇねぇ岡村~ この中でいつも人を感動させている素敵な大人ってだーれ?」
岡村さんの指名で、ゲストのイノッチこと井ノ原快彦さんが回答者になりました。
チコちゃん
「一問目の質問は視聴者からの質問です」
「なぜ人はすごいことをした時とかに拍手するの?」
井ノ原さん
『声だけではなく、音でも盛り上げから』と回答します。
チコちゃん「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
(NHK:チコちゃんに叱られるから)

チコちゃんの答えは、『体に触りたいけど手が届かないから』

解説はしてくれたのは、公立鳥取環境大学 教授の小林朋道さん
人も含めた多くの動物で見られるのが「友好的な気持ち → 触れたい(握手やハグなど)」という行動で、この時、相手が手の届く距離にいれば触れることが出来ます。しかし、コンサート会場やスポーツ観戦の場などでは、称賛の感情が高まってもその対象は手の届くところにいません。
そこで、代わりに〝音を出すこと〟によって友好的な気持ちを何とかして伝えようとしています。
それが 〝拍手で音を出す〟 ということです。
特に高い音は友好的で敵対的ではないと直感的にわかるようで、例えば、電話や赤ちゃんに話しかける時には自然と高い声になったりするのもこの一種です。
反対に低い声には敵対する感情がこもっていて、ドスの効いた声で相手を威嚇したり、スポーツの場ではブーイングなどがその例です。
これには低い音によって体が大きくて強いことを示す効果があり、逆に言えば高い音を出すことで体が小さく弱い存在(=危害は加えないというアピール)であると相手に示しているわけです。
動物界でも体が大きければ低い声を出し小さければ高い音を出すのが自然で、これは楽器でも一緒です。                                                   
確かに拍手だけではなく、カウボーイの掛け声のように高い声を出したり、指笛で高い音を出して称賛したりと高い音には友好的な意味があります。
このように高い音は、相手に友好的な印象を与えることができます。
つまり、拍手で高い音を出すことで友好的な気持ちを手の届かない相手に伝えているのです。
また、自分の手と手を合わせることで相手に触りたい欲求を解消するという効果もあります。
□番組では、拍手の名場面として下記を紹介しました。
・2009年. アメリカ オバマ大統領の就任式での演説時の拍手
・2004年. メジャーリーグ年間最多安打を達成したときのイチロー選手への拍手
・2021年. ショパン国際ピアノコンクールで入賞した反田恭平さんに送られた拍手

私がここ最近で、特に印象に残っている〝拍手〟はといえば
・202年5月、本校体育祭の解団式、全校生徒がグラウンドに大きな円を描き、お互いの健闘を  称え合う拍手
・同年9月、東京・サントリーホールでの「一粒萬倍コンサート」のフィナーレの拍手

先週末から運動部の春季大会が始まりました。
この3年間、大会は入場制限があったり、応援も拍手のみだったりしました。

シニア野球やサッカークラブで活躍する生徒もいます。
〝 タイムリーヒットを打ちました!! 〟  〝 シュートを決めました!! 〟

先週の新入生歓迎会の一コマ
「私たちは、みんなから応援される部活動を目指します!」

スポーツ大会やコンクールで結果につながった人、そうでなかった人
いると思います。
今、自分が目標を決めて、それに向かってひたむきに努力していること
これにだって、私は 〝 拍手・応援 〟 したくなります。

「結果は大事」、「それまでの過程も同様に大事」です。
「結果という〝目標〟につなげたいのなら、〝今〟という積み重ねの過程を大事にしてほしい」と思います。

応援は力になる!!
応援される人、応援されるチーム、応援される集団とは?

令和5年4月18日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №147 「ドンマイ!!」

■校長メッセージ №147 「ドンマイ!!」

『勝浦中の生徒は、温かいですね!!』
着任式、始業式を終えた先生が私にこう話してくれました。
着任式での〝温かい拍手〟
生徒会役員さんが緊張して動きを勘違いした際の〝温かいドンマイ!!〟
学年・学級発表の際の〝温かい声援と拍手〟
「ドンマイ」は、「Don't mind」という英語表現の略語で、「気にしないで」という意味を持ちます。相手に対して、何かがうまくいかなかった時や失敗した時に、気にする必要はない、大丈夫だよと伝える場合に用いられます。
体育館全体が「温かい雰囲気」に包まれた着任式、始業式でしたね。

始業式での主な内容は、次のとおりです。
1 令和4年度修了式での、『命・安全』についての振り返り
 ・春休み中の事故等の有無
  ・交通事故、不審者との遭遇、SNSでのトラブル、いじめ事案の有無
2 令和5年度始業式 『新しい』
 ・「新」の成り立ち
 ・「新」の意味
 ・「新」を用いた熟語
 ・新年度の「心の持ち方」
 新年度、新たな学年となり、気持ちも一新、「目標・なりたい自分」に向かって邁進してほしいと いう願いからです。 
  〝今日の新しい気持ちを大切にしよう〟
 〝自分も新しい気持ち、友達も新しい気持ち、先生たちも新しい気持ち〟
  大事なのは、「今とこれから」です。
 余り深く考えずに失敗してしまったこと、幼さが残ってたことで友達に嫌な思いをさせてしまった ことなど、過去に反省しながらも、気持ちを前へ向ける!!
  「新しい自分に出会う」、「なりたい自分に近づく」
  『自分を信じて、突き進もう!!』

新しい自分やなりたい自分に向けて挑戦を始めたとき、多くの場合でついてくるのが「失敗」です。
やる気はあるのだけれど・・・ すぐに、つまずいちゃった。
私って、やる気出したとき、出鼻を挫かれるんだよね・・・
「出鼻を挫かれる」とは、挑戦を始めたものの、うまく進まずに失敗してしまいがっかりするこや目標や計画が思い通りに進まず、挫折感、失望感を感じることを意味します。

そんな時、友だちや周りの人の応援は「勇気」になるよね。
「ドンマイ!! 再出発 再挑戦だよ あなたならできるよ!!」

明日の入学式、新入生を『みんなの元気な校歌で〝温かく迎えようね〟』 

令和5年4月6日 岡安 和彦
 

※本校生徒限定 令和5年度「始業式」校長の話

■令和5年度 「始業式」 校長の話
20230406【本校生徒限定:R5・始業式】.PDF
 

■校長メッセージ №146 「修了式」

■校長メッセージ №146 「修了式」

今日の話は2つ

1つ目「命」
ニュース 千葉日報  3月22日
〝小1女児、トラックにはねられ重傷信号のない十字路を横断しようと〟 千葉市稲毛区 
交通事故の多くは防ぐことができます。
「交通ルールを守る」、「事故を予見する」
災害は、突然前ぶれもなくやってくる。
自分の命は自分で守る。 「命のリセットはできません」」
こんな場合も注意 「歩きスマホ」、「ながらスマホ」あなたが加害者になる。
海、川、堰などの危険箇所、工事現場などの立入禁止区域、危険生物、毒のある食べ物
中学校表坂下の安全対策工事(看板・車止めの移設、グリーンベルトの施工)※ゴミ置き場が、死角になる。
大事な命、一つしかない命 「4月元気に会おう!!」

2つ目「二刀流」
WBC 日本チームの中心選手 大谷 翔平さんの二刀流
令和3年度卒業生 末吉君の活躍 「甲子園出場」
末吉君は、土日「シニア野球チーム」で練習、平日は学校 陸上競技部
ともに一生懸命に練習に取り組む生徒だった
「末吉君が何を目指しているかは、わからない」
私が思うこと・・・
〝大事なことは、昨日の自分より今日を成長させようとすること〟
  夢・目標に向かって努力したからって、「達成できる・叶えられる」ものばかりじゃない。
人と競争して負けることもある。負けて劣等感を感じることもある。
負けること、劣ることは〝恥じゃない〟
自分を成長させようと努力しないことを〝恥じよ〟
これは、スポーツだけではない。 勉強、人間関係も同様
温かく接するか、とげとげしく接するか。
SNSの使い方も注意 〝いじめに発展することも〟

「進級」という大事な節目  なりたい自分になる取り組みを加速

『志・夢・目標』という「頂」に向かって歩みだそう。

令和5年3月24日 岡安和彦 
 

修了式(説明資料PDF)

令和4年度修了式の話
20230324【修了式の話】.PDF
 

■校長メッセージ №145 「人生の心得のひとつになるかな~」

■校長メッセージ №145 「人生の心得のひとつになるかな~」

卒業のはなむけに三つのことを話します。
第一、ものごとの考え方は「長、面・根」を基本とすること。
目先、いわゆる短期的に見るか、または長期的な視点で見るか、どの「長さ」で見るか。
また、一面だけに注目せずに、「多面的・全面的」に捉えながら、「根本的、本質的な部分」を探り、ことの真の部分の把握に努めること。
どんなことにも表と裏、光と影といった両面があると考える。
時代が混迷すると、枝葉末節的な見方、考え方。所謂、枝葉の議論が多くなる傾向にある。
起きている事象や事案も重要だが、根本的、本質的な部分の考察に努めることが肝要である。
第二、自立とは一人で生きることではない。
一人で抱え込まずに、困ったときは、早めに誰かに相談することが肝心である。
適宜、そして適度に依存したり、支援してもらうも必要である。そして感謝の心を大切にすること。
第三、世俗の交は心を傷めることも少なくない。良き師友を得て素心の交を心がけること。
(世俗とは、日常の世界、世の中のこと)
これから進学、就職をして様々な人と交流をしたり一緒に仕事をすることになる。そのなかで時に心を傷めることもあるだろう。
師と仰ぐ人や心を許して話せる間柄の友人とのやりとりのなかで、心の癒しを得ることもできる。
師友に偽りのない心で自分の感じていること、考えていることをことを話すことで、発見を得たり、安心にもつながるであろう。
コロナ禍 八つの波を賢明に超克してきた卒業生
(超克とは、困難を乗り越え、それに打ち勝つことを意味します。)
自愛専一にて今後も精励ください。

以上が、明日3月9日(木)に配付されるPTA広報誌「希望ヶ丘」に寄稿したものです。
このPTA広報誌 広報委員会の尽力により、〝見応え〟のある広報誌に仕上がっています。

次は、今日の予行練習での話です。
私は、勝浦中学校の校長という立場をいただいています。
私がこの立場で行えることは、大きく二つあります。
一つ目は、校長として学校運営上の意思決定をすること。
二つ目は、こうして全校生徒に話ができることです。
 『みんなに学習の保障、有益な教育活動を提供したい』
 『安全・安心で一人ひとりの個性が輝く学校にしたい』
 『みんなの自己実現を支援できる学校にしたい』
 『生徒・保護者から信頼される教職員を育てたい』
 『みんなの将来を見据えて、気づきの提供や考え方、行動の起こし方などを伝えたい。教えたい。  または一緒に考えたい』
校長として、このような学校を創りたいという「志・考え」のもとに仕事をしています。

親愛なる卒業生、そして在校生たち
卒業式では、もう少し時間をいただいて話をさせてもらいます。

令和5年3月8日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №144 「彼も人なり、我も人なり」

■校長メッセージ №144 「彼も人なり、我も人なり」

「彼も人なり予も人なり」(かれもひとなりわれもひとなり)

意味:同じ人間なのだから、他人にできて自分にできないことなどない、ということ。自らを励ましたり、奮起をうながす場合などに使われる。

試験会場に着いた。
「周りを見るとみんな賢そう。とても落ち着いている。 どうしよう・・・ 不安になってきた。」

そんな時に、次の言葉
『彼も人なり、我も人なり』
『大丈夫、緊張しているのは自分だけじゃない。 みんな同じ受験生なんだ。 大事なことは、自分を信じて、自分の力を出し切ることだ。』

「彼も人なり予(我)も人なり」は、中国から日本に伝わった成語(せいご)だと言われています。成語とは、日本で言うことわざのことです。

今日の昼の放送、最後にかけた曲は、MISIA「アイノカタチ」です。

『 アイ ・ 愛 』 
親から子どもへの愛なのだと、私は勝手に解釈しています。

『 あのね。 中学生になったあなたに面と向かっては言えないけど・・・ 』
『 あなたが、生まれてきてくれて本当によかった 』
『 愛してるよ 』
『 あなたならできる ! 自信もっていってらっしゃい !! 』


令和5年2月16日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №143 「創」から『彩』へ

■校長メッセージ №143 「創」から『彩』へ    
新生徒会総務役員を中心に学校が動き始めた。
4年ぶりに開催される「かつうら・ビッグひなまつり」 2001年に始まった。  
コロナ前は、毎年15万人ほどが訪れる〝房総の春〟を代表する催しとなっていた。
勝浦中学校は「勝浦・元気プロジェクト」の一環としてこのお祭りを盛り上げることにした。

◇今年の主な取り組みは次の通り
1.JR勝浦駅とのコラボレーション
①階段アートの掲出(美術部、全校生徒)
・ロータリー階段の作画:美術部2年 吉野日菜さん
・ホーム階段への元気メッセージ(全校生徒に募集)       
1番線ホーム 『 〝笑〟 ~勝浦から広がる笑顔の輪~ 』 3年 髙梨弘太朗さん
2・3番線ホーム 『 ひな祭り! 集え遠見岬! 響けこの想い! 』 3年 加山来夢さん
②特急『かつうらひな祭り』号 ウェルカムコンサート(吹奏楽部)
③ウェルカムボードの制作 メッセージ『ようこそ 勝浦へ』(家庭科部)
2.ひな祭り実行委員会関係(有志・ボランティア)
①主要会場での啓発活動(コロナ感染防止対策等)
②「ひなめぐりスカイバス」発着所での誘導(案内・誘導等)
③遠見岬神社の「ひな人形・飾りつけ」(設置作業等)
3.郵便局とのコラボレーション
ひな祭り〝絵はがきコンクール〟への出展(全校生徒)
4.「勝浦の魅力」商品パッケージ制作(3年生)
5.勝浦ロータリークラブとのコラボレーション
①SDGsのポスター制作(美術部1・2年生 有志の4名が協力) 1年 若林優衣さん
②啓発活動「SDGs・啓発ティシュ」の配布(有志・ボランティア)

学校は、これらの取り組みを特別活動「生徒会活動」に位置付けています。

■特別活動「生徒会活動」とは
 1 目的等
学校におけて生徒会活動(自治的な活動)を行っていくことで、社会の一員としての自覚を持ち、社会に参画し、地域社会を自分たちの手で豊かにしていこうとする態度の育成を目指します。
生徒会活動は、教育課程(教育計画)に位置付けられているものです。
 教職員の適切な指導を前提とした、学校から任せられた範囲内での自治活動です。
教育的に考えて、生徒の成長に価値ある活動であり、その他の活動では容易に実現することのできない目標を目指す活動です。
2 自治的な活動を超える範囲(注意点)
・個人情報やプライバシーに関すること →(例)個人情報の公開など
・相手を傷つける結果が予想されること →(例)人権に関わること、特定の個人を責める内容、罰則・罰ゲームなど
・校内のきまりや施設・設備の管理に関わること →(例)校則の改正、体育館等の使用、お菓子等の飲食など
・健康・安全に関わること →(例)危険を伴う集会、健康を害する可能性のある活動など
・金銭徴収に関わること →(例)活動に必要となる集金など
 3 留意点
①全校生徒が「生徒会の一員であることの自覚」を醸成すること
②全校生徒が「自分自身のこと、自分事」として活動を考えられるように工夫すること
③全校生徒が生徒会活動を身近に感じ「主体的に参画、活動」すること
④活動の展開例には、次のようなものがあります。
・生徒会総務役員から、全校生徒への提案、活動
・生徒会専門委員会から、全校生徒への提案、活動
・各学級や部活動から、生徒会総務役員の承認を得て全校生徒への提案、活動

◆新生徒会の活動テーマは、『彩』とのことです。詳しくは、後日、提案があると思います。
『彩』 みんなは、どんなイメージを持ちますか? 提案・説明が楽しみです。

 ↑ JR東日本のチラシ

  ↑  階段アート 左: 1番線ホーム    中央:ロータリー階段     右: 2・3番線ホーム


  ↑  家庭科部の制作活動



「創」から『彩』へ  私たちも生徒会活動を応援します!!
令和5年2月15日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №142 「友だち」

校長メッセージ №142 「友だち」

2年生、国語の授業〔導入〕の一コマから  (徒然草 NHK for School)


■徒然草 兼好法師 第117段
 友とするにわろき者、七つあり。
 一つには、高くやんごとなき人。
 二つには、若き人。
 三つには、病なく身強き人。
 四つには、酒を好む人。
 五つには、猛く勇める兵(つわもの)。
 六つには、虚言(そらごと)する人。
 七つには、欲深き人。


 よき友三つあり。
 一つには、物くるる友。
 二つには、医者(くすし)。
 三つには、智慧ある友。


現代語訳
友とするのに悪い者が七つある。
一つには、身分が高く高貴な人。
二つには、若い人。
三つには病いが無く健康な人。
四つには、酒を好む人。
五つには、猛々しく勇ましい武士。
六つには、嘘をつく人。
七つには、欲の深い人。
よき友が三つある。
一つには、物をくれる友。
二つには、医者。
三つには、知恵ある友。
(これは、『論語』の季氏十六の「三友」をもじったものと。)

■論語 孔子 季(き)氏(し)第十六之四
孔子曰:「益者三友,損者三友:友直,友諒,友多聞,益矣;友便辟,友善柔,友便佞,損矣。」
(孔子曰く、益者三友(えきしやさんゆう)、損者三友(そんしやさんゆう)、直(ちよく)を友とし、諒(りやう)を友とし、多聞(たぶん)を友とするは、益(えき)なり、便辟(べんぺき)を 友とし、善(ぜん)柔(じゆう)を友ともとし、便佞(べんねい)を友ともとするは損(そん)そんなり。)

現代語訳
孔子がおっしゃった。
有益な友が三種。
有害な友が三種ある。
まっすぐな人を友とし、真心のある人を友とし、物知りな人を友とするのは有益である。
体裁ぶっている人を友とし、媚(こび)びへつらう者を友とし、口先ばかり達者な者を友とするのは有害である。

■「徒然草」と「論語」
「徒然草」は、鎌倉時代に書かれた随筆。兼好法師が心に写る様々なことを書き綴ったもの。
「論語」はおよそ2500年前、孔子という中国の思想家が説いた教えをまとめたもの。
                                                      
■みんながどう考えますか?
 自分は、どのような人を「友だちにしたい」ですか?
 自分は、「友だちになりたい人」と思われていますか?

■気づかせてくれた一言 『らしくねーんじゃねーのか』          
 ※出典 : SLAM DUNK ♯9 井上雄彦 ジャンプ・コミックス (株)集英社

■ロドリゴ駅伝大会に向けて 『駅伝・朝練習」

■「ブレを修正できた鋭い一言」、「勇気をくれた一言」、「心温まる一言」
友だち、仲間、チームメイトからの一言。 心にしみた一言ってありますか。

■今日のお昼の放送は、「ぼよよん行進曲」と「友」をテーマにした2曲です。
 ・「友よ この先もずっと・・・」 ケツメイシ
 ・「友 旅立ちの時」 ゆず

令和5年1月26日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №141 「ぼよよん行進曲」

■校長メッセージ №141 「ぼよよん行進曲」

「きみの足のその下には、とてもとても丈夫な『ばね』がついてるんだぜ」

「この歌で泣いた。ふたたび響く応援ソング」  〝 ぼよよん行進曲〟

NHK NEWS WEB  (2023年1月20日 15時13分配信)

3年生。公立高校入試までひと月を切りました。 焦りはありませんか?
「 あと26日しかない・・・ 」 いや、 『 あと26日もある!! 』
どう捉えるかで心の安定に関係します。

こんな話があります。
もともと人間には、「自分のため」という目的だけでは発揮できない力が眠っていると。
「志望校合格は、すべてあなたのため」と言われても本気になれない部分があります。
例えば、「私は将来、小児科医として地域医療に貢献したい。そのためには、高校進学での目標とする学力が必要だ」と考えたとき、 今まで眠っていた潜在的な力が目を覚まし、動き出すというのです。

2013年、東北楽天イーグルスは「被災者のために」とチーム一丸戦ったことで日本一を手にしました。また、東京オリンピック、サッカーワールドカップで活躍した選手たちが、次のようなことを話す場面を見ました。
「支えてくれた家族のため」
「指導してくれたコーチのため」
「応援してくれたサポーターのため」 
「未来の子どもたちのため」に戦って今の結果があると。

自分自身のためだけじゃなく、「何かのため、誰かのため」と考えたときにあなたの潜在的な部分が動き出すのかも知れません。

「ぼよよん行進曲」 ~ロングバージョン~から
(歌詞:中西圭三・田角有里 作曲:中西圭三 編曲:小西貴雄)
♫どんな大変なことが起きたって
君の足のその下には とてもとても丈夫な「ばね」が付いているんだぜ
(中略)
君が本当に高く跳びたいなら やっぱ 膝っこぞうに夢のせて
(中略)
ぼよよよ~んと空へ 跳び上がってみよう 
ほら あの星さえ 手が届きそう
ぼよよよ~んと高く 跳び越えてゆこう 
星のしずくは 初めての明日へと続く
(※漢字表記は私の主観です。)

自分の胸に手を当てて深呼吸
未来の自分を強くイメージして「なりたい自分になる!!」 → 『きっとなれる!!』

■明日の登校も「路面凍結・注意!!」 〝ぼよよん〟と跳び上がるのは『心の中でね!!』
〝行進〟とは、みんなで隊列をととのえて進んでゆくこと。 『3年生101名の真骨頂』

令和5年1月25日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №140 「どくさいスイッチ

■校長メッセージ №140 「どくさいスイッチ」  

今日の防寒対策は、自分で必要な情報を集めて具体的な対策をとることができましたか?

漫画「ドラえもん」に次のような話しがります。 
『どくさいスイッチ』 (てんとう虫コミック「ドラえもん」藤子不二雄 第15巻)
野球の試合で大敗を喫したジャイアン率いるのび太のチーム。
監督のジャイアンは、のび太に負けた責任があるとして、バットで殴ろうとします。
何度か殴られながらも家に着いたのび太。
「なんでこんな目にあわなきゃならないんだ。」 
「ジャイアンさえいなかったら・・・」というのび太に、ドラえもんはどくさいスイッチを取り出しました。
しかし、人を消すということは重大なことだと考え、のび太は慎重に考えていました。
ところが、家の前で偶然に出くわしたジャイアンが、またバットで殴ってきたため、「わあ、ジャイアン消えろ!」と
どくさいスイッチを押してしまいます。
跡形もなく消え去ったジャイアン。
通りかったしずかちゃんや先生にジャイアンのことを聞くいても、「ジャイアンって誰?」という返事。
ジャイアンのいない世界で、野球チームの監督になったのはスネ夫でした。
スネ夫もジャイアン同様にのび太を殴ってきたため、どくさいスイッチで消してしまいました。
さらに、他のチームメイトものび太のせいだと追いかけてきます。
家に帰ると、お母さんから宿題のことで注意されます。
くたくたになったのび太は、自分の部屋で横になるとそのまま寝てしまいます。
そして、夢をみます。夢では、みんなに怒られたり、叱られたり、笑われたり・・・
「みんなでよってたかってぼくのことを。だれもかれも消えちまえ」と、誤って、どくさいスイッチのボタンを押してしまいます。
目が覚めると、いつもとは違う静かな世界。 町に出ても誰もいません。
屋根に出て、月明かりの下、身を縮こまらせて泣きました。
「一人でなんて…。生きていけないよ…。」
『気に入らないからってつぎつぎにけしていけば、きりのないことになるんだよ。わかった?』
「うん、わかった」
と聞こえてきたのはドラえもんの声。
そして、ドラえもんが世界を元の通りに戻しました。
翌日、ドラえもんとのび太が野球の練習をしていると、
ジャイアンやスネ夫が茶化してきました。
そんな日常をのび太は「まわりがうるさいってことは、
楽しいね。」と話しました。                        

のび太の境遇とは違うけど、「自分の誤りを注意してくれる人」、「助言してくれる人」、「戒めてくれる人」に、あなたはどのような態度をとっていますか?

「素直な心」で話しを聞くことができていますか?

『臍(へそ)を曲げる』って聞いたことある?
意味:機嫌をそこねて意固地になる。すねる。気に入らないことがあるとわざと意地悪をする。

こんな生徒もいました。
「注意される」→「相手は自分のことを嫌いだと思い込む」→「素直に聞けない」→「反発する」
さらに、集団をつくって相手に嫌がらせをしたり、意地悪をするんだ。→「攻撃」

「行き違い」や「想いのすれ違い」ってあるんだよね。

ちょっと待って?
このお話の「どくさいスイッチ」って何が〝どくさい〟なの?
それはね。

『独裁者』を懲らしめるという意味だったのです。
あなたにとって懲らしめたい独裁者っていますか?

「対立」「分断」から『対話』『連帯』の社会を創りたいですね。

学級、学年、部活動、行事などで、あなたの参画意識はどうですか?

令和5年1月24日 岡安 和彦
(出典:株式会社小学館 てんとう虫コミック「ドラえもん」藤子不二雄 第15巻)
 

■校長メッセージ №139 「むごい教育」

■校長メッセージ №139 「むごい教育」

3年生の面接練習での一場面から
質問「最近のニュースで一番関心のあることは何ですか?」
生徒A『ウクライナ侵攻です。ニュースで悲惨な光景を目にして、一日も早い解決を望みます。』
生徒B『ウクライナ侵攻に関する報道で惨い光景を見ました。現代においてなぜこのようなことが起きるのか。戦禍で苦しむ人たちを見ることはとても辛いことです。』

「惨い・むごいこと」か・・・          
今から10数年前、学年通信で「むごい教育」今川義元・徳川家康を書いたことを思い出した。 
こんなエピソードがあるという。
天文11年(1543年)、徳川家康は三河国(愛知県東部)の岡崎城にて、岡崎城主・松平広忠の嫡男として生まれ『竹千代』と名付けられた。当時、三河は駿河・遠江を支配する今川義元、尾張を支配する織田信秀の板挟みに遭い、非常に弱い立場にあった。そのような中、家康は6歳の時、織田家の人質となり、8歳の時には織田家と今川家の人質交換により今川家の人質になった。 
今川義元は、幼い竹千代の秀でた才覚を見抜き、「このまま成長していけば、いずれ面倒な相手になるに違いない。」と考えるようになった。
義元は、家臣に次のように命令した。「竹千代に『むごい教育』をしろ」と。                    
家臣は、竹千代を日が昇る前から起こし、粗末な食べ物しか与えず、一日中剣術、武術、馬術、夜は学問をさせ、毎日くたくたになるまでしごいた。後日、義元は家臣に「その後のどうなっているか?」と尋ねた。家臣が一部始終、得意気に報告すると、義元は家臣を叱った。義元は続けて「寝たいときはいつでもいくらでも寝かせよ」「学問が嫌ならさせるな」「贅沢なご馳走を好きなだけ食わせろ」「嫌がることはさせるな」「本人の望むことは何でも与えてやれ」と、そして最後に「そうすれば大概の人間は駄目になる」と
当時、私は「親や先生たちが言うことは、みんなを思ってのことだ。少々きついと思うことでも将来の自分のためだと思って、励むことが大事だ」とまとめた。

「惨い」の意味:①残酷だ。無慈悲だ。 ②悲惨だ。痛ましい。とは対照的ともとれる「むごい」か。

みんなは、どのように考えますか?

その後、竹千代(家康)が〝むごい教育〟を受けたのかはわからない。
史実によると、義元は「元」の一字を竹千代に与え14歳で元服させた。松平次郎三郎元信の誕生である。17歳の時には、義元は家康を三河寺部城攻めで大将に命じ、初陣を飾らせたという。
そういった点を考えると、この話は、すっきりまとまらない。

このエピソード、みんなはどのように捉える?
 ・そもそも時代が違うでしょ ・自分のためになるなら少々きついことだって大丈夫、ただ理不尽 なことは嫌 ・甘えてなんかないよ、過干渉してくるのは、むしろ親の方でしょ。 ・過保護は遠慮 します ・自分なりに自立を意識してます ・信じて任せてください 
一方、改めて自分自身を客観視してみると、こんな人もいるかな
  ・中学生にもなって、このままじゃいけないなって思っていんだけど。自分に甘いんだよな。
  ・もう少し自立しなければとは考えているのだけれど、ついつい頼りすぎちゃうんだよな。
  ・「もういいよ。自分でやれる」って言いたいんだけど、自信がなくてさ。
  
親や学校が考えたいこと
 ○「親」は、自分の子育て・養育について振り返り、考えたいですね。
  ○「学校」は、指導・支援について振り返り、考えたい。
   ・日々の指導や支援の充実はもちろんだけど、生徒たちの自立や次代に求められる資質・能力
  の育成という視点を今まで以上に持ちたい。
 ◎子どもが、自立に向けて挑戦し始めたとき、適度な距離を保ち、見守っていく。挑戦の過程で 困難や壁にぶつかった時には、「遠慮なく相談してね」というメッセージを送る。

 いつでも 「大事におもっているよ。」 「見守っているよ!」
 困ったときは 「心の内を話してね。」
 必要とあらば 「力になるよ!」 「後押しするよ!」

明日から、今年一番の寒波が到来するようです。 
防寒対策について考えてね。

私が中学校の時、この時期の風物詩といえば『耐寒マラソン』でした。
短縮日課を組んで、全校で毎朝30分間走るんだ。
服装は、半袖体操服、短パン
〝ハッツ! ハッツ! ハッツ!〟 と、蒸気機関車のように白い息を吐きながら

令和5年1月23日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №138 「淀ちゃん」

■校長メッセージ №138 「淀ちゃん」

1月9日、成人の日 「体調約8メートルのマッコウクジラが大阪湾に」
深い海を回遊するはずのマッコウクジラが大阪湾淀川河口の浅瀬で確認された。
野生のマッコウクジラが出現したとあって、見物人で「押せや、押せや」
一方、専門家は「エサを追って迷い込んだのではない。体力が弱り流されたのではないか」と指摘した。真相は、わからない。クジラさんと話しができれば・・・

3年生は、今週から入試が始まる。私立・国立から動き出す。
2年生は、最上級生に、1年生は、先輩にと。プレッシャーがかかる人も多くいるね。
始業式の日、全学年、今年の抱負、意気込みを絵馬に記した。 気持ちを前へと向けて

2020年1月15日、日本で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認された。
あれから3年。第8波の中、感染力の強い変異株「XBB.1.5」への置き換わりも進んでいるという。
学校では先週13日、保健委員会を中心にした協議により、「注意報」から「警報」へと警戒段階を引き上げた。 「油断大敵」 気持ちを引き締めていこう。

みんなの心の内は、どうですか?
「がんばる!」、「乗り越えられる!」、「大丈夫!」、「やるしかない!」と気丈な態度でここまできた。
一方、中止・延期、制約や我慢ばかりで「苛立つ」、「むしゃくしゃする」、「何かに当りたい」、「暴れたい」、「得体の知れないものに押しつぶされそう」と不調を感じていた時もあったでしょう。
そんな自分に「折り合いをつけながら」ここまで来たのだと察します。

そんなみんなへの応援メッセージになればと、「元気が出る曲」、「応援ソング」を検索していたら、次の曲に出会った。 ※今日の昼の放送「2曲目の曲」です。
back number 「水平線」 2本のMVを紹介します。 時間が許せば、両方観てくださいね。
    2020.ver ↓


    2022.ver⇒

様々な出来事などに対して、心の捉え方は「表と裏」のようなものが存在すると思う。
「ポジとネガ」、「光と影」、「明と暗」、「プラスとマイナス」、「将来と過去」などである。
また、みんなは「問い・答え」、「優・劣」、「勝ち・負け」、「有る・無い」などに、もまれ、生きてる。

今日、伝えたいこと。
それはね 「話していいよ」 「相談して」 「ひとりで抱え込まないで」 「頑張り過ぎないで」
話せば、『気持ちが楽』になる。 話せば、『解決策や打開策が見つかる』かも。 
親、先生たちはちょっと・・・ その場合、SC(スクールカウンセラー)がいるよ。 秘密は守られます。

■SCさんの出勤日 1/19 .26 2/2 .9 .16 3/2 .9 .16 毎週木曜日 10:00~17:00
 相談の申し込み 学年の先生、保健室の先生に希望日時を伝えてください。(当日も可)

令和5年1月16日 岡安 和彦

【 back number  公式 から】
費やし重ねてきたものを発揮する場所を失くす事は、仕方ないから、とか、悲しいのは自分だけじゃないから、などの言葉で到底納得出来るものではありません。
選手達と運営の生徒達に向け、何か出来る事はないかと相談を受けた時、長い時間自分達の中にあるモヤモヤの正体と、これから何をすべきなのかが分かった気がしました。
先人としてなのか大人としてなのか。野暮な台詞を探してしまいますが、
俺たちはバンドマンなので。慰めでも励ましでも無く音楽をここに置いておきます。 2020年8月 清水依与吏(back number)

新型コロナウイルス感染拡大は私たちの生活に大きな影響を与え、back numberとしても心苦しい選択を強いられて来ました。
そんな中、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)が史上初めての中止、という決定が下され、それまで開催に向けて尽力してきた運営を担当する高校生たちからback numberに手紙が届きました。
学生時代に自身も陸上競技でインターハイを目指していた清水依与吏は、今年のインターハイの開催県が地元・群馬県であったこと、開会式で「SISTER」が演奏される予定だったことを知り、何か彼らや彼女たちのために出来ないか考え、急遽制作し、完成した楽曲が『水平線』です。
本来、インターハイの開会式が行われるはずだった、本日8月18日に公開致します。
                                                             
■ 「水平線」 back number
 出来るだけ嘘は無いように どんな時も優しくあれるように
 人が痛みを感じた時には 自分の事のように思えるように
 正しさを別の正しさで 失くす悲しみにも出会うけれど
 水平線が光る朝に あなたの希望が崩れ落ちて
 風に飛ばされる欠片に 誰かが綺麗と呟いてる
 悲しい声で歌いながら いつしか海に流れ着いて 光って
 あなたはそれを見るでしょう

 自分の背中は見えないのだから 恥ずかしがらず人に尋ねるといい
 心は誰にも見えないのだから 見えるものよりも大事にするといい
 毎日が重なる事で 会えなくなる人も出来るけれど
 透き通るほど淡い夜に あなたの夢がひとつ叶って
 歓声と拍手の中に 誰かの悲鳴が隠れている
 耐える理由を探しながら いくつも答えを抱えながら 悩んで 
 あなたは自分を知るでしょう

 誰の心に残る事も 目に焼き付く事もない今日も
 雑音と足音の奥で 私はここだと叫んでいる
 水平線が光る朝に あなたの希望が崩れ落ちて
 風に飛ばされる欠片に 誰かが綺麗と呟いてる
 悲しい声で歌いながら いつしか海に流れ着いて 光って 
 あなたはそれを見るでしょう

 あなたはそれを見るでしょう

(このMVの視聴1.7億人超とYouTubeに広告が入ってないことの意味を考えました。)
 

■校長メッセージ №137 「年頭所感」

■校長メッセージ №137 『年頭所感』

始業式の話 今日は三本立てです。
① 「輝きだして走ってく」 サンボマスター         

〝1・2年生の応援歌〟

② 「君の唄」 阿部 真央
 〝 3年生、自分で決める!!〟

③ メッセージ
どんなお正月でしたか?
大晦日から年明け。中学生の頃、除夜の鐘をつきにお寺に行ったものです。
鐘をついた後にいただく御供え餅をとても嬉しく持ち帰ったことを覚えています。
あれから40年、コロナ禍。
今までの〝当たり前〟が奪われたようにも思えます。
コロナ禍で私が憂慮することのひとつに「距離」の問題があります。
人間関係でも一度離れてしまったものを元に戻すことは大変な作業です。
成長するにつれ、人間関係はわずらわしいものと考えている人も少なくないと思います。

心理学者の故・河合隼人さんは次のように話しました。
「自立とは一人で生きることではない。まして孤立ではない。自立している人とは、適度な依存ができて、そのことをよく自覚し、感謝していることではないだろうか。」

『困ったときはお互い様さ』
『肩入れてやろうぜ』
この『肩を入れる』とは、加勢する。味方する。後援するなどの意味があります。
みんなに本を寄贈してくれた中村恒夫さんがいます。
中村さんは20年前の私の上司(校長先生)でした。
当時の私は学級担任。多感な生徒たち、指導力不足の私・・・
生徒の問題行動の整理や指導に見通しが立つと、校長先生から『肩入れてやれ! 子どもが頑張り出す。 それを支援するんだ!』と指示がとびました。

今年の賀状には、「跳ねる」「跳ぶ」などの言葉が目立ちました。
12年前の「卯年」は、平成23年(2011年)。あの東日本大震災からもうひと回りになります。
ロシアのウクライナ侵攻に端を発した物価の高騰。
世界は複雑にそして密接に絡み合っていることを実感しました。

「分断」か「対話・連帯」かと聞かれれば、誰しもが後者と答えるだろう。

2011年(平成23年)日本漢字能力検定協会主催の「今年の漢字」
投票で選ばれた漢字は 『絆』

2022年(令和4年)は、『戦』
今は戦前なのかもしれないと、世界情勢から考えてしまう。

なんで戦争は起きるのだろうか?
権力者の覇権争いなのか? 生きることに窮してのことなのか?
日本に食物の輸入が止まったとしたら、私たちは生き延びで行けるのだろうか。

世界から戦争をなくすために私たちにできることって何だろう。
地球的課題に待ったなしの時なのに・・・
私たちが知恵や労力を使わなければならないのはこんなことじゃない。

「武をもって治めるは覇道 徳をもって治めるのが王道」  中国・戦国時代:孟子の思想
(NHK大河ドラマ 「どうする家康」のワンシーンから)
「武」とは、一方的な暴力、恐怖をあおる、陰謀や処罰などを意味します。
「徳」とは、尊敬や信頼、正義や勇気、利他の精神などを意味します。

視野を広げて世界に目を向けてみよう。
興味のあることは、探究的に突き詰めてみることもいい。

『change』、『challenge』 の一年に
今、変えなっきゃ・・・

何を変え、何に挑戦するかは、「自分で考え、自分で決める」

みんなは、どんな未来を創りたいですか?

令和5年1月10日 始業式 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №136 「リスペクト アザース」

■校長メッセージ №136 「リスペクト アザース」
20221205【12月全校集会・リスペクト アザース】YouTube動画URL
https://www.youtube.com/watch?v=C8Tc9BRtRJg
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12月の全校集会   
  下記のの作文をもとにつくられたドラマを視聴しました。
  https://www.youtube.com/watch?v=C8Tc9BRtRJg
  保護者の皆様も、ぜひご覧ください。
  全国中学生人権作文コンテスト 
  第32回(平成24年度) 法務大臣賞 
  神奈川県 鎌倉市立御成中学校 3年坪井 洸(つぼい こう)

 僕は,日本人の両親を持ちながら,アメリカのサンディエゴで生まれて,十歳半まで生活し,地元のデイケア(保育園),プレスクール(幼稚園),小学校に通った。その中で出会った先生たちが何度も口にした『respect others(リスペクトアザース)』という言葉は,今も僕の行動や考え方に大きな影響を与えている。
 サンディエゴは,ロサンゼルスの南にあり,メキシコの国境から一時間程度だったので,土地柄のせいか,クラスには,肌の色も髪の毛の色も本当にいろいろな人種の人がいた。僕が物心ついたときには,周囲にいろいろな人種の人たちがいるのが当たり前の状況だったので,自分がまわりの人と違っていることも当然だと思っていたし,それに対して深く考えることもなかったように思う。どこの国でも同じだと思うが,集団生活が始まると,誰かが意地悪をしたとか,誰かが誰かにいじめられたとか,いわゆる人間関係のトラブルが起こってくる。そんなとき,先生たちは必ず『リスペクト アザース』と言い,当事者に反省を促した。
『リスペクト』の意味もはっきりわからない保育園や幼稚園の頃から,ことあるごとに繰り返し叩き込まれた。日本語にすると,「他の人のことを尊重しなさい」というような意味なのだが,今思うと「意地悪しないで,みんな仲良くしなさい」とか,「いじめはダメ」というそのときの行動を注意するのではなく,その行動を起こしてしまった根本の考え方を問題にしていることになる。
 また,この言葉は僕が入っていたリトルリーグの監督やコーチもよく使っていた。選抜テストがない地元のリトルリーグでは,上手い選手と上手くない選手が混合して十二人でチームとして試合に臨まなくてはいけなかった。上手くない選手がフライをポロリと捕りそこなったとき,チーム全体が「おい,この下手くそ」と怒鳴りたくなる場面で,監督やコーチは『リスペクト アザース』と言った。
やる気がなくてエラーをするのはもっての他であるが,やる気があっても上手くできない選手はいるのである。この場合は,そこをわかってやれという意味だと思っている。実際,当時初心者だった僕は,この言葉を聞いて救われる気持ちになり,もっと上手くなるようにうんと頑張り,シーズン最後にはチームに少しは貢献できるようになった。
 その後,僕は日本の小学校に通い始めた。周囲のみんなのおかげで生活にはすぐに慣れたが,同時に大きなカルチャーショックも受けた。一番驚いたことは,みんなが他の人と大きく違わないように,なるべく同じようになるように非常に気を遣っているように見えたことである。他人よりうまくいかないから目立たないようにしているのではなく,他人よりうまくできても目立たないようにしてい
るように感じた。僕は最初のうち,そのノリがわからず今までどおり,自分が上手く出来たことを周りの人にも伝えていたら,「それは自慢だ」と言われて,なんとも悲しい気持ちになった。また,友達同士で相手の気持ちになれば絶対言えないような侮辱するようなひどい言葉を言い合っていても,『冗談』と言ってうやむやにしていることにも驚いた。僕がよくわからない世界だった。僕が叩き込
まれていた『リスペクト アザース』の世界はここにはなかった。
 僕の限られた経験の話になるが,アメリカ(サンディエゴ)ではなぜそんなに『リスペクト アザース』を子どもの頃から叩きこんでいるのだろうか。
 それは,アメリカ社会がつい最近までひどい人種差別などを行ってきたことの反省からかもしれない。居住地区を制限したり,公園やバスなどの公共の場でも座る場所をわけていたりと,差別することが当たり前で,一般人が差別したりされたりすることに何の疑問を持たずに時代が流れていた過去がある。そんな過ちをこれから先に繰り返さないように,子ども達に叩き込んだり,またそうすることによって,大人も自分自身を戒めているのかもしれない。
 僕は日本でももっと,『リスペクト アザース』が浸透していけばいいと思う。日本は表面上差別のない社会なので,必要ないと思われるかもしれない。しかし,これこそが人権を考える上での基本だと思う。人権尊重の社会を作っていくのは,僕たちひとりひとりの考え方によるからだ。同じ人間は一人もいない。人と違っていることがまたその人の個性である。違う点だけでなく,うまくいったこと,できなくても努力していくことなどを尊重し合っていくことができれば,もっと素晴らしい社会になっていくと思う。

12月全校集会 生徒説明資料(PowerPoint)
http://www.chiba-a.jp/katsuura-j/?action=common_download_main&upload_id=2326
↓QRコード
                                                             
『respect ・ リスペクト』
尊敬、敬意などと訳されますが、〝秀でるとか序列の上位〟といったことは関係なく、「ありのままの相手を尊重する。敬意を持つ。」という意味もあります。

『respect others ・ リスペクト アザース』
訳すと、「他の人のことを尊重しなさい」 というような意味なりますが、「意地悪しないでみんなと仲良くしなさい」とか、「いじめはダメ」というその時の行動を注意するのではなく、その行動を起こしてしまった「根本」の考え方に焦点を当てていることがわかりますね。

学校は、教師等(大人)と生徒(子ども)の間に立場上の上下関係があります。
学級や学年、部内で「尊重・信頼」を基盤にしてる集団は、全体の雰囲気に安心感、個々の存在感があります。そういった集団は、互いに刺激し合いながら、個々が成長していきます。

お互いに「敬意を持つ」「尊重する」ことはとても大事なことです。
さぁ! 足元半径5メートル。  今の自分の「まわり・集団」について考えてみよう。
級友や部員、教師に対して「敬意・尊重」の姿勢は持っていますか?
私たちも、生徒一人ひとりに対して同様の姿勢を持っているか、自問自答してみたいと思います。

令和4年12月5日 岡安 和彦
20221205 説明資料【12月全校集会・リスペクト  アザース・PP】.PDF
 

■校長メッセージ №135 「さぁ! 出発進行!!」

■校長メッセージ №135 「さぁ! 出発進行!!」

保護者の皆様へ
今日の「SDGsについて考え・行動するプロジェクト」の
導入動画です。(QRコード↓)
9分程度の動画です。お時間がありましたら視聴いただけると幸いです。
〝 動画で伝わる、子どもがわかる 〟
 「SDGsってなんだろう」 ムービー 提供:Benesse

「世界がぐっと近くなるSDGsとボクらをつなぐ本」
監修:池上 彰 Gakken 定価:1,430円(税込み)
 ↓
この本は、勝浦ロータリークラブさんから、生徒全員分寄贈いただきました。
保護者の皆様もご一読の上、ご家庭で話題にしていただけると学びがより深まります。

今回の教室(プロジェクト)では、勝浦ロータリークラブ、勝浦市青少年相談員連絡協議会、合わせて48名の皆さんがDL(ディスカッションリーダー)として、生徒と一緒に討議、そしてまとめへとナビゲートしてくれました。
「気候変動、海洋汚染、平和、貧困、飢餓、エネルギー、ジェンダー平等、人権問題、教育、健康・福祉」などの分野を中心に討議が行われました。

生徒たちが活躍するであろう10年後、20年後の未来を予測することは困難です。なぜなら、変化のスピードが加速しており、未来はますます不確実なものになっていくと考えられます。
そのような時代でも、生徒たちが幸福感や手応えを感じながら主体的に生きていくためには、教育課程上の履修内容に加え、地域・関係団体等の支援をいただききながら様々な〝学びの場〟を提供していくことが重要だと考えます。

本校の校訓は「愛郷・立志」です。〝志を立てることは、高い頂を目指すことなり〟と言われます。
一人で高い山の頂を目指すという気概はもちろん大事ですが、〝複雑化する社会問題の頂〟を山脈として捉え、個人のスキルや専門性、柔軟な発想を生かしながら、皆で連帯感・共同体感覚を持ちながら登頂していく必要があると考えます。
また、グローバル・多様性という視点では、自分の根っこ(拠りどころ)であるアイデンティティの醸成が重要であると言われます。アイデンティティの醸成は、中学生期の学びや体験がとても重要だと考えます。
今日の教室(プロジェクト)の中で、「多面的な視点」「俯瞰的な視点」「マクロな視点」で討議している自分に気づきましたか?
さぁ! 「どんな未来、どんな世界を創ろうか!!」
 
令和4年11月22日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №134 「5つの視点」

■校長メッセージ №134 「5つの視点」

明日の5・6校時、勝浦ロータリークラブ、勝浦市青少年相談員連絡協議会との共催で「SDGs」を考え・行動するプロジェクトを開催します。
主な内容は「グループディスカッション」です。
さて、17のゴールに向けた自分の考え、行動プランなど発表・討議してくださいね。

みんなが大人として活躍する時代は、「自分で考え・判断・行動(表現)」することが求められます。
そのために必要な視点とされるのが、次の5つの視点です。
それは、「タテ・ヨコ・ホンマ・カズ・スジ」です。

1つ目は、「タテ」 ↓

歴史のことを言います。歴史から学ぶことは多くあります。
日本史、世界史の両方です。

 2つ目は、「ヨコ」↓

世界に広く目を向けてみよう。
多様性の視点で考えてみる。
様々な背景や文化がありますよ。
      
3つめは、「ホンマ?」 ↓

今、社会は情報にあふれています。
正しい情報を見極めることは、とても大事なことです。

4つ目は、「カズ」です。↓

数字、データをもとに実証的な理論を組み立てていきます。
根拠にもなってきます。
       
5つ目は、「スジ」 ↓

筋道を立てて考える力です。
論理的な思考で組み立てていくのです。

この他に「あなたの体験・経験上」も大事な視点となります。
目指す社会に向けて、どんなディスカッションになるかとても楽しみです。

令和4年11月21日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №133 「命の連なりに思いをはせて」

■校長メッセージ №133 「命の連なりに思いをはせて」 

『無人島で2週間生きのびろ!』という任務が出された。設定は以下の通りです。

島は直径3㎞ほど 住居、水道、電気はない
季節は夏 気温は、朝・夕は25度前後、昼は30度前後
島の中央には、標高200mほどの山があり、その周りには
森が広がる 森に果樹等があるかどうかは未確認 
森には、野生の鹿、山羊、猫が生息している
湖、沼はなく水源となるものは確認されていない
危険な動植物は、ハブ、毒キノコなど
島は磯に囲まれ海洋資源は豊富、漂流物も多い
■全員共通の持ち物:発煙筒(途中リタイヤの場合、発煙筒で知らせるため)
【任務にあたり、以下のものから5つ選ぶことができます。 あなたは何を持っていきますか?】
□スコップ □テント □ブルーシート □サバイバルナイフ □鍋 □フライパン □コップ □やかん □ロープ □ノコギリ □斧(おの) □ハンマー □針金 □釘 □釣り竿 □釣り糸 □釣り針 □スプーン □ライター □寝袋 □水中ゴーグル □水(5日分) □調味料 □一輪車 □防虫剤 □薬
自分の考えをもとにグループで討議したら、新たな視点に気づいたり、発見がありそうだね!! 

次に、10年ほど前の手記からの抜粋です。
手記は、佐賀県の普恩寺住職、金子 謙三(かねこ けんざん)さんです。
〝みんなで「命」について考えよう〟とテーマを掲げて、子ども座禅会を1泊2日で催した。集まったのは約20名の小学生。1日目は、そうめん流しやゲーム夜は花火に映画と趣向を凝らす。
2日目の午前中、子どもたちを本堂に集め、私はホワイトボードの前に立った。
「ねぇみんな、人間が生きていくために絶対に必要なものって何だろうと思う。?」これがなかったら、人は生きられないっていうもの思いついた人は手を挙げて言って、和尚さんがここに書くから」子どもたちにこう投げかけた。即座に上級生が反応し、『食べ物』と言う。続いて、隣の子も手を挙げ、『空気』と。3つ4つ出始めると、下級生たちも要領を得て、次々と手が上がる。『水、太陽、電気、家、お店、洋服、お金・・・などなど。その都度私は、「そうだ!そうだ!」と言っては、それらをホワイトボードに書いていく。なかには、今どきの子らしく、『ケータイ』や『コンビニ』、『テレビ』という子どもも。私は、どれも否定せず、全てを書き付けた。やがて、30から40くらいの項目でホワイトボードがいっぱいになった。
そこで改めて子どもたちに投げかけた。「よーく考えてみると、不便かもしれないけど、無くても大丈夫なものがあるよね。少しずつ減らしてみようか」と。
当然ながら、携帯電話やコンビニなどは早々に消えた。しかし、簡単には減らない。
さらにヒントを出す。「人間は、この地球にどれくらい前から暮らしているかな?」いくらか知識のある上級生が、○千年前。○万年前と言い始めた。「じゃあその頃なかったものが、まだまだたくさん残っているよ、さぁ、どれが消えるかな?」
そんなやりとりの後、ホワイトボードに残ったのは、「水、空気、食べ物、地球、太陽、植物、海」など、大きく括って言うなら、「自然」、あるいは「地球環境」と呼べそうなものである。
実は、それは結論に導くための私の作戦だった。そして「自然を守ることは、私達の命を守ることと同じだね」とまとめるつもりであった。
ところが、自然や地球環境という枠で括るには、少しタイプの違うものが一つ、最後まで残った。
子どもたちが水や空気や食べ物と同じように人が生きるために欠くことができないものとして残したものは『家族』だった。
私は当初の予定に無かったこの『家族』を、途中で消してみようと試みた。しかし、子どもたちは、『ダメ、ダメ』と言って消させまいとする。私を納得させるには十分な理由が言えないものの、何とか消させないとする抵抗が感じられた。また、同時に子どもたちの必死の表情を見ていると、嬉しくも感じた。
その後も子どもたちが、「家族」を人が生きるために欠くことができないものとして最後まで残したことが心に残り、様々な思いを巡らせてみた。
大人に同じ質問をして、大人の口から「家族」と出るだろうか。とか、自分の子ども時代の記憶も探り寄せてみた。そして私なりのひとつの答えにたどり着いた。
この世には人間以外にも、生き物が多種多様に存在する。その中には、母親の体内または卵から生まれると、直ちに自立して生きていく生き物も多い。例えば、昆虫や魚類なのである。
また、自立までいくらかの手伝いを必要とする生き物もある。巣立ちまでの間、親に餌を運んでもらう鳥類や、お乳をもらって成長する哺乳書動物などがそれだ。では、人間はどうだろうか?
生まれてすぐの自立は当然無理であるし、乳児期の授乳も絶対に必要だ。例え、乳離れしてもまだまだ自立は無理である。5歳、食べて良いものと悪いものの判断がつくか? 10歳、病気や怪我を治す術を知っているか? つまり、小学生程度までは、誰かの手助けが必要ということである。
言い換えると、私たちは1人で生きていくことのできない時間を親をはじめとする、いわゆる家族と呼ばれる人たちに守られて生きてきたということになる。そこには、祖父母、あるいは兄や姉の存在もあるだろう。病気にならぬように怪我をさせぬようにと手をかけ、目を配り、その守られた結果が現在の私たちの「命」なのである。誰ひとりとして守られなかった人はいないはず。
守ってもらわねば、1人では生きられなかったのだから。座禅会に参加した子どもたちは、言葉ではうまく説明できなかった。しかし、そのことを肌で感じていたのではないか。
私の命を守ってくれた親をはじめとする家族があり、その親も前の世代に守られ、その人たちもまたさらに前の世代によってその命を守ってもらってきたのである。
私たちが命という観点で、後ろを振り返ったとき、そこにある命を守り抜いてきた長い長い連なりがある。危うい「命」を損なわぬよう守って守って繋いできた力強い連なりを思わなばならない。
「命」は『命と命』の間からしか生まれないという法則があるが、人の命は、守られてこそ繋がるという大原則を見逃すことはできない。
私にとって新たな気づきのきっかけになった。自然破壊や地球温暖化の進行に伴い、省エネやエコという意識が社会全体に広がりを見せている。好ましいことである。しかし、環境保全とは、単に数値目標をクリアすることや、システムを構築することだけではない。大切な「命」をいかに健全に守っていくか、そして守られた者が、その「命」を今まさに生きていることを喜び、さらに次の「命」を守ろうとする働きに繋げる。未来に向けて、命の繋がりを保つことのできる状況を、あらゆる観点から考える。それが真の環境問題である。
環境問題とは、「命」の見方の問題でもあり、虐待などもってのほかである。
子どもが『命にとって家族は必要』と言える環境を保つことこそ大人の務めではないだろうか。

遠い遠い昔から連なってきた「命」

家族を中心に守り育ててもらってきた今の「命」について、この機会に考えてみよう

「命」をつなげていく社会を創っていく意味は?

同世代の人たちが、「貧困、飢餓、病気、紛争・戦争、災害」で命の危機にあることも・・・

「命」の連なりに思いを馳せて
『今』と『未来』について考えよう
令和4年11月18日 岡安 和彦

(9月25日 「一粒萬倍コンサート」サントリーホールから)
 

■校長メッセージ №132 「合致」

■校長メッセージ №132 「合致」

2019年11月19日 会場:キュステ コルゴ松本さんの「命の授業」を覚えていますか?

この講演会を主催してくれたのが、勝浦市青少年相談員連絡協議会です。
毎年、11月に著名な講師さんを招いて講演会を開催してくれています。また、小学校の青少年のつどい大会の企画・運営や長期休業中のパトロールなどを行ってくれています。
コロナ禍では、中学校の環境整備作業、千羽鶴プロジェクトなど記憶に新しいですね。

来週11月22日(火)〝SDGsを考え、行動するプロジェクト〟が、青少年相談員連絡協議会、勝浦ロータリークラブとの共催で開催されます。
勝浦ロータリークラブは、みんなの「反射材・腕章」を寄贈いただいている団体です。

 みんなが毎日目にする「真善美」の石碑、これは昭和48年4月 に勝浦ロータリークラブ創立10周年を記念して、建立されたもの です。裏側には次のようなことが刻まれています。
「四つのテスト」
 一.真実かどうか
 二.みんなに公平か
 三.好意と友情を深めるか
 四.みんなためになるかどうか
「真善美」  これは、
 偽りのないことの意味の「真」
 正しいことの意味の「善」
 調和していることの「美」

(生徒昇降口脇の石碑)
■ロータリーの目的(勝浦ロータリークラブHPから)
 ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。
 第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
 第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
 第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること
 第4  奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること
今年、勝浦ロータリークラブは創立60周年を迎えるとのことです。
その記念事業として、地元の中学生に〝SDGsを学ばせたい〟との強い考えがありました。


本年4月、青少年相談員連絡協議会中村会長さん、勝浦ロータリークラブ三上会長さんが来校されました。その際、両団体として、中学生に〝SDGsを学ばせたい〟との提案がありました。
学校としては、〝願ったり、叶ったり〟ここでそれぞれの〝願い・思い〟が合致して来週の教室開催へとなったのです。


学校側としてなぜ「合致」したのかというと、それは学校の目指す生徒像、学校像にあります。
〇学校教育目標  『ふるさと勝浦を愛し、未来を切り拓く生徒の育成』
●めざす生徒像                            
 変化の激しい社会の中でも、主体的に対応できる力「生きる力」を備えた生徒の育成を図ります。                            
 ・自分やまわりの人を大切にする生徒      
 ・根拠に基づいた自分の考えを持つ生徒
 ・自分を表現することができる生徒
 ・自分の決めたことにチャレンジする生徒
 ・郷土を愛する心を持ち、持続可能な社会づくりを考える生徒

 ●めざす学校像 
 未来の国づくり・地域づくりを担う人材を育成するために、社会に開かれた 教育課程の編成及び学校・保護者・地域 が協働する学校を目指します。
 ・地域の特色や人材を生かした教育活動の
 ・保護者、地域と連携した安全・安心な学校づくりの推進
 ・生徒と教職員の信頼関係を基盤とした一体感のある学校づくりの推進


あなたは、どんな未来を創造しますか?
笑顔があふれる社会づくりとは?
誰も取り残さない社会づくりとは?  
地球、世界で起こっている課題・問題は?
身近なところにもいろいろな問題がある
問題解決の答えはひとつじゃない

どんな未来だったら嬉しい?

令和4年11月17日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №131 「五七五」

■校長メッセージ №131 「五七五」

 「ただいまと 聞きたい声が 聞こえない」   2011年 5月
                   宮城県 女川第一中学校 3年 木村 朱梨さん
あの日、中学校から近くの総合体育館へ避難した。
同級生が座り込んで泣き始めた。
「どうしたの?」と聞くと、「お姉ちゃんがいないんだ」。
かける言葉が見つからない。かたわらに座って、一緒に泣いた。
自分の家族は無事だった。だが級友には母を亡くした子もいる。父を亡くした子もいる。5月、友達の心中に思いをはせて詠もうと考えた。本当のつらさを経験していない私に書けるのか。迷ううちに50分が過ぎた。
先生は言った。「家で書いてきてもいいよ。明日、提出して」。
帰宅後、外で働く母が帰ってくる光景を思い浮かべて、書き上げた。朝の何げない「行ってきます」を聞いたのが、最後になるなんて。
仕上げた後、また迷った。この句を提出したら、先生を余計に苦しめるか。
先生も震災で娘さんを亡くしていた。でも、この悲しみを日本中のみんなに伝えたい。もう二度と繰り返してほしくないから。翌日、提出した。
先生は今もこの句をそらんじている。

 「ありがとう 今度は私が 頑張るね」 (5月)
 『あの時から 一日を大事に 過ごす日々』 (11月)  3年生 鈴木 美岬さん

 「昼飯を 楽しみにしてても 同じだよ」 (5月)
 『あの頃は 何でも食えた くさっても』 (11月) 3年生 小野寺 拓実さん

 「うらんでも うらみきれない 青い海」 (5月)
 『いつも思う 夜の星見て 明日もよい日』 (11月)  3年生 星澤 岬さん 

〝女川一中生の句 あの日から〟 小野智美 編 「はとり文庫」から
2011年3月11日東日本大震災 同年5月と11月に宮城県女川第一中学校で俳句の授業が行われました。家族、自宅、地域の仲間、故郷の景色を失った生徒たちが、自分を見つめ、指折り詠んだ五七五。

2018年6月 キュステで行われた「東日本大震災語り部講演会」のことを覚えていますか?
3年生は小学校5年生、2年生は4年生でしたね。
講演会で司会や講演を行ってくれた方が佐藤敏郎さんです。また、講演会実施のきっかけとなった「16歳の語り部」(ポプラ社)で〝案内役〟をつとめたのも佐藤さんです。
佐藤さんは震災当時、女川一中で国語科の先生をしていました。この俳句の授業は佐藤さんが行った授業です。

昨日、保健委員長さん、副委員長さん、養護教諭さんと協議をして、「注意報 発令」を決めました。併せて、「コロナにまけるな! 8原則」の励行、注意報の表示、ネームプレートへの注意喚起表示などを決めました。また、今朝は臨時の保健委員会が開かれ、注意報発令後の活動の確認、教職員のネームプレート表示についても意見が出されました。

コロナの第8波、インフルエンザとの同時流行が懸念されます。
学校、学年、学級閉鎖はなるべくだったらしたくありません。
通常の生活、リズムの中で教育活動が行われることが生徒にとって一番よいことです。

BA5が主流になってから気になっていることがあります。具体的に統計をとっているわけではないので軽々にはいえませんが、感染者数に対してお亡くなりになる方が多いように感じています。

「災害から命を守る」「コロナから命を守る」。もとの考えは同じだと考えます。
違うのは「災害」は前触れもなく突然起こります。「コロナ感染症」は、ある程度予防することはできますが、相手は、肉眼では見えないウイルス。
〝いつ・だれが・どこで〟感染してもおかしくありません。さらに、潜伏期間中に感染させるのだからややこしいです。さらに、初発は誰? 感染経路は? と聞かれてもわからないことが多いのが現状です。今でこそ、感染に係る偏見などはありませんが、半年前、1年前、2年前はどうだったのか?

学校は、火災避難訓練について、教頭先生、安全担当、学年主任さんたちが協議を行っています。
本校職員は、生徒の〝命〟について真剣に向き合うようにしています。従って、前例(前年)踏襲の見直し、上意下達ではない学校の主体性について常に考えています。

 「見たことない 女川町を 受け止める」 (5月) 3年生 渡邉 佳菜絵さん  

 生徒は、五七五という限られた条件のもとで、必死に言葉を探していたのです。どんな言葉がいいか探すことは、自分と向き合い、自分の心を探すことで、現実が厳しければ厳しいほどそれはごまかしが利きません。しかし、「これだ」という言葉が見つかったなら、前へ進める何かがそこから生まれるように思います。つらく苦しい現実を受けとめたときに、はじめて本当の「希望」や「決意」を語ることができるのだということを、私は彼らに教わりました。
 ある句は悲しみを、ある句は衝撃を、ある句は微笑みを・・・・・。あのときの五七五は一人一人の生徒が必死になってたどりついた言葉です。(佐藤敏郎さん)

 コロナ禍、本校の生徒たちは様々なことに『賢明』に取り組んでいます。

 気の抜けない局面が続きます。

 令和4年11月10日 岡安 和彦

(16歳の語り部:ポプラ社)           

(女川一中生の句 あの日から:はとり文庫)
 

■校長メッセージ №130 『天体ショー』

■校長メッセージ №130 『天体ショー』

↑ NHK for School 「月食がおこるのは?」

442年ぶり『皆既月食+天王星食』観察チャンスあり!!

 日本で皆既月食の最中に惑星食が起こるのは、前回が
1580年7月26日の土星食(安土桃山時代)でした。
「織田 信長も見たかな?」
今晩は442年ぶりの、とてもレアな天体ショーとなります。

【 月食の時刻 】
部分食の始まり 18時09分ごろ
皆既食の始まり 19時16分ごろ
皆既食の終わり 20時42分ごろ
部分食の終わり 21時49分ごろ          

皆既月食は、月が地球の影に徐々に覆われていき、太陽と地球と月が一直線に並び、月全体が地球の影に完全に覆われます。
完全に覆われた状態を「皆既食」と呼び、その間、月が見えなくなるのではなく、太陽光の一部の赤い光が地球の大気でわずかに屈折して月を照らし、赤黒い色に見えるのが特徴です。
国立天文台によりますと、今回の皆既月食は全国どこでも8日の午後6時9分ごろから月が欠け始め、午後7時16分から8時42分の間、「皆既食」の状態となり、部分的に欠けた状態を経て、9時49分ごろ明るい満月に戻るということです。
また、今回の皆既月食では太陽系の7番目の惑星、天王星が月の後ろに入り込む天王星食が同時に見られます。
こちらは時刻や見え方が地域によって異なり、西日本から東京周辺にかけては皆既食の最中、北海道や東北地方では皆既食が終わったあとの部分的に欠けた状態のときに天王星が月の後ろに入り始める見込みです。
天王星は肉眼で見えるギリギリの明るさですが、皆既月食の間は月が暗く見えるため、望遠鏡などを使えばよく観察できるということです。
同じような現象が次に日本で見られるのは、322年後の2344年と予想され、極めて珍しい天体ショーとしても注目されています。(国立天文台HP、他の資料から)    

■中世の人びとの月食観
九条兼実の日記『玉葉』や鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて起こった月食の記事が多くあります。当時の人びとは月食を「何か良からぬことが起こる兆し」だと考えていたようです。
九条兼実は月食のときには、「一字金輪法」や「愛染王法」(密教の修法の一種で、人に何か悪いことが起きるのを止めるためのお経のようなもの)をひたすら唱え、月を見なかったと言います。
また、鎌倉幕府初代将軍の源 頼朝は、月食を理由にわざわざ御家人の家に泊まったこともあります。これは月食の光を避けるためだったようです。
そもそも『玉葉』や『吾妻鏡』では、「月食」ではなく、「月蝕」と表記してあります。「食」が単にものを食べるという意味であるのに対し、「蝕」は蝕(むしば)む、つまり端から少しずつおかしていくという意味になります。
このような表記をしていたことからも、人びとが月食を良いものとして捉えていなかったことがうかがえます。

■西行も歌に残した
平安時代末期の歌人西行も歌に残しています。

「忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも 破(わ)れて月見る 名や立ちぬらん」『山家集』より

この歌は「世間の人々は月蝕は不吉だと言って光にも当たらないようにしているが、私はそういう月であればなおさら、無理をしてでも見ようとする。奇人変人の悪い評判が立たなければ良いのだが」という意味になります。
西行にとっては月食も好奇心からつい見たくなってしまう対象だったようですが、この歌からも世間では月食が忌まわれていたと言えるでしょう。 (Weathernews HPから)

「3年ぶり・・・ 3年ぶり・・・」と、様々耳にします。

442年ぶり、そして次は322年後

現代に生きる私たちは月が地球の影に入ってしまう現象であることを知っていますが、昔の人びとはこの月食をどのように見ていたのか?
そんな思いを巡らせながら、月食を楽しむのも興趣ではないでしょうか。
(興趣の意味:味わいの深いおもしろみ)

今夜は、自宅の窓やベランダから夜空を見上げてみては

令和4年11月8日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №129 「サルと知恵の輪」

■校長メッセージ №129 「サルと知恵の輪」                            

猿の生態を研究する学者がいた。
その研究者が飼育していた猿の中に、とても賢い猿がいた。
その猿は、おもちゃ箱の中から「知恵の輪」を探しだし、嬉々として知恵の輪で遊んでいた。
研究者は、思いついたことがあって猿が知恵の輪で遊ぶたびにご褒美としておやつを与えてみた。すると猿は、ますます熱中して知恵の輪て遊ぶようになった。
何日か経って、研究者は猿にご褒美のおやつをあげるのをやめてみた。
するとどうなったでしょう?
猿は、知恵の輪に見向きもしなくなったのだ・・・
知恵の輪に何の興味も示さない。「ご褒美のおやつをもらえないのなら、知恵の輪なんかしない」となったのかな。

「ねぇ ○○買ってよ!」                                         
『あなた自分の欲しいものばかり、もっとやることやりなさいよ!』
「やることって何?」
『当たり前でしょ、勉強』
「もう勉強、勉強ってさ・・・ ねぇ 勉強したら○○買ってくれるの?」
『勉強だけじゃだめよ。結果も必要、点数とか、順位とかさ』
「わかった。次の定期テストで順位を上げたら○○買ってくれる?」
『そうね』
「約束だよ!」

今年6月、県内、ある公立高校の進路説明会に参加しました。
進路指導部長の先生が話されました。
「最近の卒業生の話をします。今の受験の敵は〝スマホ〟です。全員とは言いません。でも多くの生徒が悩んでいます。スマホが気になって〝勉強に集中できない〟と・・・ ゲーム、動画、SNSと、楽しいコンテンツは進路実現に向けた貴重な時間を奪っていきます。もう一踏ん張りのところに来ているのに、〝楽しい方〟〝楽な方〟に流されます。これは、早い段階での対策が必要だと考えます。ご家庭で使い方についてしっかり話し合ってください。これは健康上の問題でもあります。」

「ねぇ ○○買ってよ!」の生徒は、テスト前の勉強に励み定期テストで順位を上げ、○○を手にしました。しかし、○○を手にしてから、以前の生活に戻ってしまいました。
その後といえば、『あなた最近全く勉強してないでしょ! ○○ばかりやって!』
「だって順位を上げたよ」
『そうだけど、もっと毎日、勉強しなさい。もっと勉強するって、順位も上げるって・・・』
「そんなこと約束してないもん」

親も自分たちが中学生だった時とは違う〝今〟に悩んでいる。
子どものみんなからしたらどうなんだろう?

この先の人生をより手応えのあるものにしたいと考えるなら、今、やるべきことは何なのだろう。
「主人公」と言われるけど、不安や悩みとはいつも背中合わせだものね。
「ご褒美」が全ていけないとも考えていません。必要な動機付けにもなることもあります。
この先の時代が不透明さを増す中で、学者さんの意見は参考になります。また、歴史が教えてくれることも多いと感じています。

それらを踏まえて思うことがあります。
それは、「学び続ける時代」の到来だと。
『学ぶ意味』『学ぶ姿勢』『日々の実践』改めて考えてほしい。 校内テストを終えて


次です。
『第8波到来?』
千葉日報 令和4年11月6日(日)



上のグラフ、表
みんなは、どのように考察しますか?

「自分」「自分たち」で取り組むことは何ですか?

自分たちで「気付き・考え・行動する」 これも『創る』です。

令和4年11月7日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №128 「おーい! 主人公!!」

■校長メッセージ №128 「おーい! 主人公!!」                       

昔、中国が宋の時代(960年から1279年)
(日本では、「    時代中期から   時代中期にあたりますね)

瑞巌寺(ずいがんじ)というお寺に師彦(しげん)さんという和尚さんがいました。
師彦和尚さんは、毎日自分で自分に「おい!主人公 師彦和尚よ!」と呼びかけて自分で『はい!』と返事をして問答をしていたそうです。
「おい!主人公 師彦和尚 今、しっかり目を覚まして、お寺の仕事をやっているか」 『はい!』
「おい!主人公 師彦和尚 人をだまそうと、悪い企てをしていないか」 『はい!』
「おい!主人公 師彦和尚 学問に一生懸命取り組んでいるか」 『はい!』
などと自問自答していたそうです。

映画やドラマで主役、中心人物を主人公といいますが、もともとは禅宗の思想から生まれた用語で、その意味は「本当(本来)の自己」のことを意味するそうです。
昔の経典に出てきた「主人公」、自分が真実の自分に向かって、生き方を問いただしていたことが由来なんですね。

できるなら、 毎日、少しの時間でいいから「今の自分、今日の生き方」などを考える時間を作りましょう。
「立腰の時間」の黙想を有効活用するのもよいでしょう。

明日は、11月1日。月立日(ついたち)です。
この立日は、自分自身に立ち返り、新たな気持ちや決意をもとに生活する日とされています。
その月の初めの日、一日ことを「ついたち」と言いますね。
このついたちは、月立日の 「tsukitachihi 部分が消されて、tsuitachi(ついたち)と読まれるようになったものです。

これを「年」で考えると一月ですね。
一月を「正月」と言います。
この「正」の字」 二つの漢字から成り立っています。 そう「一」と「止」です。
「正」の字の部首は、「止」なのです。
「 一 + 止 」 自分の今を見つめ直す。自分の原点に立ち返る。自分の目標に向かってまっすぐ進むさまを意味します。
したがって、正月というのは、始まりを意味するもの「一に止まる」という意味で物事や自分自身の原点を見つめ直す「月」なんです。
「今年一年はどんなことをして頑張ろう」、「こんな一年にしよう」と意気込みを新たにします。
「月立日」も「正月」と同様、今月をどのような月にしよう。先月の反省を生かして、今月は具体的にこれを頑張ろうと決意する「日」なんです。
昔の人(先人)たちは、こうして自分自身で「節目」を設けて、「前向き」にそして「向上心」を持って生活をしていたんですね。
明日は「月立日」 、学校生活、授業への取り組み、家庭学習、部活動について、今月は具体的に『○○○を○○○くらい頑張ってみる!』と決意して取り組んでみてはどうでしょうか。
人は「心」や「考え」をもとに生活、実践をしていくことで成長していくものと考えます。
『おーい! 主人公!!』 今の自分に満足することなく、「新しい自分に挑戦」をしましょう。

最後に「ドリーマーとサポーター」について話します。
生徒のみんなと先生たちとの関係について考えてみよう。
人間関係には様々な形があります。上下、横、チーム、円形などです。
そのひとつに上下というものがあります。上下の関係、先輩と後輩、落語家ならば、師匠と弟子などです。上下というのは、年齢や立場によるものですが、たとえそのような関係であっても、大切にしたいと思うのは、「ドリーマーとサポーターの関係」です。
この「ドリーマーとサポーター」、お互いを尊重し、共同体として「夢や志」を追い求め、自己実現や道を極めようとする人間同士の啓発的な関係とも言えます。
例えば、私達教師はみんなの夢や目標を叶えるためのサポーターでありたいと願いますが、同時に、こうゆう教師になりたいという夢や志を持つドリーマーでもあります。
「こんな授業をやってみたい」、「こんな行事をやってみたい」、「こんな委員会活動をやってみたい」と考えた時に、みんなは教師のサポーターとして活躍してくれます。これは大変嬉しいことです。
つまり、「ドリーマーとサポーターの関係」は、他とは異なり、入れ替わりが可能な『素敵』な関係と言えます。

さぁ! 今日の専門委員会、どんなことを協議しますか?
今月の学年・学級は、どのような取組をしますか?

「あなたの視点が大事です!!」

今年度の生徒会活動のテーマは『創』です。

『流れる水は腐らず』

令和4年10月31日 岡安 和彦 (全校集会)
 

■校長メッセージ №127 「あのね。」

■校長メッセージ №127 「あのね。」

あのね。今週の月曜日、生徒会担当の久我先生が校長室に来て、開・閉開式のどちらかでお話をいただけませんか? と
開・閉開式のどちらにするかは、実行委員長の庄司君がどっちで話をしたいか。庄司君に決めてもらっていいですよ。とこたえました。翌日、久我先生が、閉会式でお願いします。さらに、体育祭より時間がとれると思います。(少し話をさせてもらいますね。)

今日は、3つのことを話します。
1つ目は、中心になって取り組んでくれた生徒のこと
実行委員、全校・各学級の合唱の指揮者、伴奏者、パートリーダー、学級紹介者、総務役員さん。
2つ目は、先生たち、PTAさんたちのこと
大久保先生、若林先生のこと。PTA役員さんを中心とするPTAからの様々な支援への感謝のこと
登下校の交通指導、パトロール、環境整備、広報誌の発行などの様々な支援のこと
3つ目は、「今」そして「これから」のこと 
(コロナ回顧)令和2年1月15日夜、日本で初めての新型コロナウイルス感染症のり患者が神奈川県で確認されました。
同月29日早朝、日本政府が用意したチャーター機第1便が206名の邦人を乗せて中国武漢の飛行場を飛び立ちました。同日午前、チャーター機は羽田空港に到着しました。
そして、経過観察を希望した191名が勝浦ホテル三日月に向かいました。ホテル代表の小高芳宗社長は「様々な困難も予想されましたが、同じ日本人として、帰国者のために、政府の要請に応えることを決断しました。」とコメントしました。
みんなは、コロナのことを日本中の中学生の誰より、「自分事」として考えましたね。
そして全国一斉の臨時休業へと。3年生のみんなが中学校へ登校したのは、6月1日でしたね。

あれから早いもので・・・ 3年生のみんなは、卒業まであと130日余りとなしました。

「学校は生き物」と表現する人もいます。
また、学校は、3年生の姿勢や取組・実践が雰囲気としてあらわれるといいます。

生徒の自我の成長、不安との戦い、自己実現への道のりの中で様々な出来事があります。
3年生たちの賢明でしなやかな姿勢は、まさに今の勝浦中学校を作っています。
多くの生徒が安心して自己表現ができる学校になってきています。

コロナ禍。3密の回避、集まることが制限され、生活様式は大きく変わりました。
学校生活の楽しみの一つである給食は「黙食」になりました。
生活の至るところに閉塞感が漂う中、それに押しつぶされることなく活路を見いだしていく全校生徒の姿に頼もしさを感じています。
段階的ではありますが、コロナ前の生活に戻る場面も増えてきましたね。

今年の夏の甲子園、宮城県仙台育英高校が初優勝しました。
試合後のインタビューで、須江 航(すえ わたる)監督は次のように話しました。
「〝青春って、すごく密〟なので、でもそういうことは全部『だめだ、だめだ』と言われて、活動していても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれた。」
このインタビューは、多くの人に共感と感動を与えました。
私もこのインタビューを目にして、あふれる涙を抑えられませんでした。
でもあまり報道されていませんが、インタビューの冒頭、須江監督が話したことばがあります。
「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます。100年、開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました。」
どうだろう。優勝監督のインタビューでは、「○○監督、優勝おめでとうございます。」、『ありがとうございます。』こういったことを多く耳にしてきました。
須江監督の東北の人たちに向けられた「おめでとうございます」というお祝いのことば。
自分たちが主役なのではなく、普段の練習から地方大会、甲子園での一つひとつの試合が地域全体のものだったと捉えていることが伺えますね。
ただ、頂点を目指せばいい。そのような単一的な考えではなく、自分たちが何を、何のために、誰のためにやっているのか。今までの優勝監督とは違う視点を感じました。「東北の復興から、東北を背負って野球をさせてもらっている。そして、それに恩返しするという視点や、応援してくれている人たちや東北の人たちの今までの思いを叶えることができたんだ。」ということだと私は考えます。

このように連帯・協働して、新しい価値観や社会を創造していくのだと思います。
改めて、3年生の佐瀬さんの文化発表会のテーマ『創ろう 私たちの世界 繋ごう 私たちの絆』を読むと感慨深いものがあります。

各学年のテーマ 1年生『元気』、2年生『笑顔・全力』、3年生『主体性』

私はね。コロナがもたらしたものは、すべてマイナスだと考えていません。
特に、様々な面で本質的なことを考える機会が確実に増えました。
「正解」が見つけにくい、一つじゃない。今までの「慣例・常識」が通用しない。
ややもすると、批判の応酬から、分断となってしまうことだって注意しなければなりません。

さて、各学年、各学級、そして一人ひとり生徒のみんな
この文化発表会、合唱コンクールを通して感じたこと、気づいたこと、考えたことは何ですか?
「偶然」集まったメンバーが、「必然」という意味を持ちましたか。
3年生、4学級の合唱を聴いて確信しました。みんななら「進路は団体戦」その本当の意味をこれから感じることができるでしょう。

全校合唱曲、課題曲、自由曲の中で気に入っているメロディラインはありますか?
好きな歌詞、自分の想いにぴったりの歌詞、はどこですか?
これは、〝みんな違って・みんないい〟多様性の視点でもあるのです。

これからの時代に必要なことことは「自他を尊重すること」、そして「自分で考える」ことです。
また、言葉や考え、背景が異なる相手とも、「方向性を見いだしていく」ことです。

『勝愛・未来・切拓』
今年度、折り返しを過ぎました。
学校、学年、学級、一人ひとりの成長や自己実現に向けて、学校は次のステージへ

「分断」ではない『尊重・連帯・協働』の学校・社会作りこそが、目下の問題や地球的な課題の解決につながると信じて・・・

本当に素晴らしい「文化発表会・合唱コンクール」でした。

令和4年10月21日 岡安 和彦(閉会式の話から)
 

■校長メッセージ №126  「あー! 美味しい!」

■校長メッセージ №126  「あー! 美味しい!」 

一粒萬倍コンサート 第二幕 「スサノオと食の神・オオゲツヒメ」
岩戸隠れの罪で高天原を追放されたスサノオは、お腹が減って、食の神オオゲツヒメのところに立ち寄り食事を求めました。次々に美味しいご馳走が運ばれてきます。
スサノオは、「美味しい、美味しい!」と食べていましたが、ふと気になって台所の中を覗いてみると
オオゲツヒメは、鼻や口、お尻から取り出した物でご馳走を料理していました。それを見て怒ったスサノオはオオゲツヒメを斬り殺してしまいました。

コンサートでは、藤間 翔(スサノオ)、藤間 紫(オオゲツヒメ)の舞踏は見応えがありましたね。
事前学習でも、作・演出の松浦 靖さんが強調していましたね。   
tokyo chips 鉄道チャンネルより
事前学習で松浦さんが質問した「なぜ、スサノオはオオゲツヒメを殺さなければならなかったのか」みんなはこの謎は解けましたか?
松浦さんは、この「五穀の起源」とされる場面を「食という命の犠牲」、「食と命の循環」と説明されましたが、私の中では、謎は深まるばかり。

「弁当の日」というものがある。
2001年香川県のある小学校が始めた取り組みが全国に広がっているという。
子どもが自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取り組み。
何を作るかを決めることも、買い出しも、調理も、弁当箱に詰めるのも、片付けも、子どもがします。親も先生もその出来具合を批評も評価もしないという約束です。
この取り組みを通じ、子どもたちは感謝の心を知り、自己肯定感が育まれます。失敗の中から多くを学び、生きる力を身に付けていきます。
大人たちは見守る大切さを知り、子どもたちの成長を通じて子育てが楽しいと思えるようになっています。家族団らんが増え、家庭に笑顔があふれるようになっています。
そんな好循環が「弁当の日」を通じて全国に広がり始めています。2020年3月末現在、「弁当の日」実施校は全国で2000校になりました。(「弁当の日」応援プロジェクトHPから)

その主宰者に竹下和男さんがいる、今から15年前の手記を紹介しよう。
幼稚園での私の講演を最前列で聞いていた若い母親が「先生、お茶って自分の家で作れるんですか」とたずねた。私が「ヤカンでお湯を沸かして、お茶の葉を入れたらできます」と答えた時の彼女の反応は衝撃的だった。「うそー! 私のお母さんが台所でお茶を作っているところ、見たことがない。いつもペットボトルのお茶を家族で飲んできた」
この日まで彼女にとっての「お茶」とは、自宅では作ることができない工業製品だったのだ。彼女自身はもちろんのこと、彼女の親も、子どもを台所に立たせるより受験勉強を優先させる親に育てられた世代だろう。(中略)学校給食の普及や外食・弁当産業の発展、冷凍技術の向上や家電製品の充実から料理が出来ない3世代目が育ちつつある。
まもなく定年退職を迎える私には、子どもたちの「心の空腹感」が深刻化しているように映る。胃袋が食べ物で満たされない空腹感ではなく、「自分の存在価値が感じられない」という心理的な空腹感だ。
子どもは親や大人と接する時、特に二つの場面で自分自身の存在感を感じとろうとしている。
ひとつは、自分を育てることに生き生きとしている親を見る時、そしてもうひとつは自分の成長を喜ぶ親を見る時だ。
誰かにプレゼントする弁当を作ることもある。娘が作った弁当を涙ぐんで受け取る父親や、息子が作った弁当に跳び上がって喜ぶ母親が「生まれてきてくれてありがとう」「あなたの成長は私の喜び」というメッセージを子どもに伝えている。
一方で、中3まで一度も手料理を食べさせてもらえなかった女子生徒は、全て冷凍食品でできた弁当を「しかえし弁当」と名付け母親に渡した。「私のために食事を作るのが楽しい」という母親の姿を渇望していたのだ。

また、ある料理番組でのこと。
進行役が「なぜ、落としぶた」を使うのですか?
講師が嬉しそうに答える『いい質問です。落としぶたをすることで、沸騰した汁がふたに当たって対流が起こるため、材料全体に煮汁がいきわたり均一に煮えるのです。』
『私の料理教室に来る生徒さんの中には、落としぶたって〝どんな豚〟ですか? お年頃の豚さんですか? なんて聞いてきたりするのよ』

2年生の郷育プロジェクトでは、収穫したお米で「新米おにぎり」「太巻寿司」を作ったり、地元で水揚げされる鯖を使って「鯖の味噌煮」を作る計画だ。

娘の進学の関係で自宅を離れ、3年間二人暮らしをしたことがある。
食事やお弁当のおかずは、スーパーの惣菜か冷凍食品だった。
週末、家内や祖母が作ったおかずを持ち帰り、ひと口食べた娘が思わず「あー! 美味しい!」
気まずい雰囲気が流れたのを今でも覚えている。

令和4年9月30日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №125 「収穫の2学期」

■校長メッセージ №125 「収穫の2学期」

台風15号の大雨によりお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、そのご家族や被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

金子みすゞ 「大漁」
 朝焼け小焼けだ、大漁だ 大羽鰯(おおばいわし)の大漁だ
 浜は祭りのようだけど、海の中では何万の、鰯(いわし)のとむらいするだろう

台風15号は、静岡県内に大きな爪痕を残した。
台風15号発生と聞いて、3年前の台風被害のことを思い出しました。

爪痕と言えば、北海道の「OSO18」のことを知ってますか?
コードネーム「OSO18」は、この熊が最初に発見された標茶町(しべちゃちょう)オソベツ地区の
「オソ」と前足の幅「18センチ」によりこの個体名がつけられた。
3年前に発見されて以降、65頭もの乳牛を殺傷しているとみられている。酪農家などへの被害は深刻である。この熊の特徴は、神出鬼没で目撃情報がほとんど無いことと、学習能力が高く、箱罠にはかからないという。また、このOSO18、乳牛を襲い食べるだけでなく、複数の牛の胴体に爪痕だけ残すなど、弄んでいるかのようだと・・・

芸術鑑賞教室 交響詩 古事記 「一粒萬倍」 A SEED 五穀豊穣の物語
主宰者であり、作・演出の松浦  靖さんは、「日本の神話を伝えていくことは、遠い祖先の知恵を伝えていくことであり、私たちが受け継いできた文化を継承していくことにつながります」と、「また
今でこそSDGsと叫ばれるが、先人の教えには循環型社会がすでに作られていた。こういったことをコンサートで感じ取ってくれたら嬉しい」と事前学習で話された。

コンサートで驚いたことがある。それは、「和・太鼓」「古典」「東洋・西洋」の音楽と『日舞』『現代舞踏』『江戸太神楽・獅子舞』『歌舞伎』の融合だった。

松浦さんはプログラム中〝すり足と日本人〟で、『私たち日本の芸能の原点は、収穫への祈りと感謝にあります。感謝と祈りは神事となり、このこころがすり足という形になり、田楽、猿楽、白拍子、能、歌舞伎など様々な芸能へと受け継がれていきました。こうした様々な芸能の共通点はすり足です。すり足には大地と一体になる、大地のエネルギーを受け取る、そして大地の恵みに感謝するこころが込められています。一方、大地との接触を最小限にする西洋バレエには、当時の貴族社会の思想と宗教観が影響しています。ゴットは天空高くに存在しているという考え方から(中略)より宙高く舞うことでゴットの世界に近づくバレエの美しい表現にはこうした考えが反映されているのではないでしょうか。国が変われば食も文化も違う。そこから育まれてくる芸能表現も違う。違いがあることは素晴らしいことです。違いを理解することから、お互いに尊重するこころが育ってきます。』
また、〝岩戸開きと日本人の知恵〟で、「神話では、何か問題が起きるとすぐに神々は集まり、時間がかかっても全員が納得するまで知恵を出し合って話し合います。多数決で決めるのではない、まさに究極の民主主義が古来の日本の姿だったことを教えてくれます。天の岩戸開きの物語も、いまの世の中だと岩戸を爆破して力づくで中に隠れているアマテラスを引き出すかもしれませんが、私たちのご先祖は、岩戸の前でアメノウズメが舞を舞い、それを観て大いに笑ってアマテラスが岩戸から出てくるのを待つことを選択しました。皆の知恵と笑顔で物事を解決することの大切さを教えてくれる物語が『天の岩戸開き』です。」

みんなは、事前学習やコンサートでどのように感じましたか。

フォナーレ後、拍手喝采。 拍手が鳴り止まず、アンコールへと・・・
サントリーホールの音の響きの素晴らしさももちろんのこと、コンサートでのアンコールを体感できたこともとても貴重な経験です。

また、最後に出演者を讃え合う光景に胸を打たれました。
異なるジャンルが融合した一体感に加え、お互いを讃え合う姿に感動しましたね。

事前学習の後、松浦さんに生徒や学校の取り組みについてとても良い評価をいただきました。
生徒のお礼の言葉。3年生のTさんの〝自分で考え、自分の感じたことを自分のことばで表現してくれたこと〟への感動。そして〝つかえながらでも安心して発表できる集団の雰囲気〟が醸成されていること。「郷育プロジェクト」地域密着型の学習を通して地域連携とその体験から〝磨かれる感性〟
さらに〝学校の一体感〟を感じます。と

褒めて頂けたことは率直に嬉しいですが、様々な面においても「まだ、まだ」「これから」です。

コンサートに招待いただきました関係各位に感謝申し上げますと共に「収穫の2学期」をより確かなものにしていきたいと考えています。

「学習指導」、「生徒指導」、「生徒会・委員会活動」「学校行事」、「部活動」を生徒と目的を共有しながら、今一度、謙虚に日々の実践を大切にしていきたいと考えています。
私たち教職員に豊かな人間性、地域愛・伝統文化を継承する姿勢、多様性の視点があってこそ、子ども達がそれらを享受できるのではではないか。自己研鑽と修養の大切さを実感しました。

令和4年9月27日 全校集会 岡安 和彦
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■校長メッセージ №124 『JIRITSUGATANINGEN』

■校長メッセージ №124 『JIRITSUGATANINGEN』

後期期末テストが終了、手応えはどうですか?
計画通りに学習は進められましたか?
「計画以上に〝質も量〟も学習が充実したという人」
「いつものことながら、やる気はあるのに、〝来週からやろう・明日からやろう〟といつもの先延ばし。
そのくせ、親に『テスト前ぐらい勉強しなさい!』と叱られ、「今やろうと思っていたのに〝やる気失せた~〟なんて、逆ギレした人」

今年度、学校はいくつかの変えたものがあります。
□一つ目は、「立腰ノート」
昨年度までは、既製の「生活記録ノート」を使っていました。
「立腰ノート」の追加・変更点は次の通り
 ・提出物、テスト、家庭学習の欄を設けました。
 →今年度の取り組みとして、各教で小テストや単元テストを増やそうとしています。
    テストに向けて計画的に家庭学習が取り組めるように
 ・生活面の記録「起床・就寝」「朝食」「体調」の欄を設けました。
 →生徒の不調や悩みに早く気づけるようにと考えました。
  生徒自身が自分の生活管理ができるようになってほしいと考えました。
 ・テスト計画表を組み入れました。
 →生徒、担任にとって一元的にした方がよいと考えました。
 ・長期休業中の記録を組み入れました。
 →長期休業中のしおりを統合する形で、立腰ノートにまとめました。
その他にも、いくつか変更点はありますが、勝浦中オリジナルの「立腰ノート」は必要に応じて内容を見直していこうと考えています。
□二つ目は、定期テストです。
 ・定期テスト(前期・後期)は、国語、社会、数学、理科、英語の5教科とし、音楽、美術、保健体育、 技術・家庭の4教科は単元テスト、小テストに変えることにしました。
 →それは、教科の特性等を考慮したことと、定期テスト前の生徒の負担軽減です。
□三つめは、今日の部活動です。
 ・今まで、定期テスト実施日の放課後は、部活動をしていましたが、今回の期末テストから実施日 も部活動を行わないことにしました。
  →これには生徒・先生方双方の理由があります。
  〔生徒〕
     ①「鉄は熱いうちに打て」テストの日こそ大事、復習充実の日にしてほしい
     ②「コンディションを整えよう」睡眠時間の少ない人も多いかと、大会等に向けて体調管理   〔先生方〕 
     ①採点業務の時間の確保
     ②採点の中で分かった傾向をもとに、授業改善を考える日にしてほしい

 ※先生たちも明日から活動のことを考えて、今日の放課後を大事に使いますよ。
   みんなも有意義に使ってください。

■勉強を「習い事や部活動に例えてみよう」
 先生に教えてもらっただけで、技能や技術は習得できないことは、みんなもわかっているはずだ。 だから、毎回のように基本動作を確認するし、反復練習によって技能を獲得していくだろう。
 勉強に置き換えるとさ。授業を受けただけで、その内容を全て理解することはないよね。
 だから「家庭学習」が大事になるのさ。ドリルが大事なのさ。
 また、授業の内容をより深く理解したいと考えれば、予習が大事になるね。
 スタディサプリは、教科書準拠ですよ。明日やるであろう学習内容を「5分のスタサプ視聴」

■教職員の働き方改革
 テストの採点業務は、部活動が終わってから深夜まで及ぶことも多い。
 先生たちは、「早く返却してあげたい」と。
 今日の部活動を行わないことも、働き方改革の視点で「学校の当たり前」を一部見直そうと考 えたからです。
  教員採用試験の倍率が下がってきている。
 教員の仕事はブラック!? なんて言われてる。
 教職という仕事は、人が人を〝教え、育てる〟わけだから、大変なのは当たり前でしょ。
 指導力という「力量」をつけるには、ある程度の経験が必要です。
 また、教員には「情熱・プライド・覚悟」が必要です。
 ただ、学校も時代に合った変革は必要だと考えます。
 
■時代の要請
 学習指導要領という学校教育の羅針盤がある。
 ・生徒に身につけさせたい資質・能力
 ・主体的・対話的な学びの実現 などである。
 これは、みんなが大人になって活躍する時代に〝必要な力〟ともいえる。
 私たち教員もupdateが求められる。
 「学び続ける時代」が到来した。

■SNSの投稿
 その投稿「いじめ」じゃない?
 勝手に友達の写真を載せたらいけないよ!!
  SNSは便利なツールではあるものの、常に危険と背中合わせです。
 「いじめ」や「犯罪」につながることもあります。

◎ここまで読んでどのように感じましたか。
 今日、一番に伝えたいことは、「自律型人間」について考えてほしいことです。
 自律とは、「自分の気ままをおさえ、また、自分で立てた規範に従って、自分のことは自分でやっ ていくこと」です。
  「自律」の対義語・反対語は『他律』です。
 他律とは、「自分の意志によらず、他からの命令、強制によって行動すること」です。
 みんなは、どっちの生き方をしたいですか?
 「自律した人」というのは、持って生まれた資質ではありません。
 日々の生活の中で獲得していくものです。
 学校での教科学習、部活動、学校行事、専門委員会、係・当番活動や家での勉強、お手伝いな どを通して学び得ていくものです。

 授業、単元テスト・小テスト、家庭学習がサイクルのように回らないかなぁ。と考えています。
 自律型の学習へと昇華していけば、『勉強』もっと楽しくなるはず。

 令和4年9月15日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №123 「合唱コンクール」

■校長メッセージ №123 「合唱コンクール」

何のために行事はあるの?

文化発表会「合唱コーンクール」
昨年度の「合唱コンクール」」は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の実質的な練習期間は〝2週間だった〟
それも様々な制限付きの練習だった。

3年生は、〝中学校生活最後の学校行事〟
短い期間で仕上がるのか生徒、先生たちも不安だった・・・
コンクール1週間前の中間発表会、危機感が3年生の表情から読み取れた。

コンクール当日
キュステに集まった3年生の表情から、達成感のようなものを感じた。
そして、3年生、各クラスの合唱
まさに『圧巻』
短期間で仕上げたことを考慮する必要すらなく、そのレベルは、一昨年の3年生を超えたようにも感じた。

また、2年生が選んだ合唱曲は、私の経験上、3年生が歌うレベルのものだった。
「ちょっと背伸びしたかな?」なんて、勝手に考えていた。
ところが、2年生の合唱の際、3年生たちの表情が変わった。
『やるな! 2年生!!』 私も同感だった。

今日、午前中、少しだけ外作業をした。
市教育委員会、PTAのお陰により、テニスコート、野球場を一部改修した。

音楽室から聞こえる合唱曲。
「あっ! この曲、2年A組の時に歌った。 その時の光景が呼び起こされる。」

今年度の合唱コンクールは、課題曲と自由曲の2曲でのコンクールとなります。
ふたつの心配があります。
一つ目は、油断からくる「集団感染の発生」
人間の緊張は、長くは続きません。緊張感も大きな波、小さな波を打ちます。
緊張感の波が下がった時に集団感染は起きやすいと言われています。
コロナの感染者は、8月後半からみると少なくなってきています。しかし、油断は大敵です。
感染防止対策ガイドラインを徹底して、練習に臨みましょう。
二つ目は、「合唱コンクールの目的」、「学年・学級の目標」が常に意識され、日々の練習が学級や個々の成長につながっているかです。

合唱コンある!ある!で
「合唱コンクールなんてちょっとだるいなぁ。本番近くになったら頑張ればいいさ」なんて考えている人がいる。
リーダーや懸命に練習している人たちからしたら、『なんで一生懸命にやってくれないのだろう』
数日後、学級内でのトラブルに発展する。

学級担任の時、次のようなやり取りがあった。
学級会長:学級の目標を決めよう。
Aさん:最優秀賞をとりたい。
担任:何で最優秀賞なの?
Aさん:何でも1番がいいに決まっている。
Bさん:賞より、この合唱コンクールを通して、学級の絆が深まればいい。
Cさん:ひと月の練習期間で、100回練習しよう。自分たちで時間を工夫して練習する。賞をとることより過程が何より大事だと思う。
Dさん:そもそも合唱コンクールって何のためにするのですか?
学級会長:そうだよね。それ一番大事、みんなで考えてみよう。
この学級が選んだ曲は「COSMOS」だった。途中何度かトラブルもあったが、作者のミマスさんの歌詞に込められた想いを皆で共有したりしながら練習を進めていった。
『〝みんな命を燃やすんだ〟私、この歌詞が好き!』、『この歌詞ジーンとくる〝ひとり残らず幸せになれるはず〟』こんな会話が学級内で交わされるようになっていった。

コロナ禍、学校働き方改革などで、学校行事の廃止、整理なども行われている。
『行事は子どもを育てる』

学校行事「合唱コンクール」を通して、みんなに考えてほしいこと、気づかせたいこと、学ばせたいこと、味わってもらいたいことなどがある。

1年生、どのような合唱コンクールにしたいですか?
2年生、先輩の学年としてどのような合唱コンクールにしていきたいですか?
3年生、4月、始業式の後の学年集会で話したこと覚えていますか? みんなの学校生活の充実や進路のことなどを総合的に考えて「4学級編成」にしたこと。私の唯一の心配とは・・・

『あたなの「声」が必要です。』
『合唱は「お城の石垣」です。』
『学級・学校の「一体感」、創れるか。365日の紙飛行機』

令和4年9月13日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №122 「五感を刺激」

■校長メッセージ №122 「五感を刺激」

昨日、2学年で「郷育プロジェクト・稲刈り体験」を行いました。
一反弱の田んぼを、2年生で刈り取りました。
支援者の渡邉浩臣さんが作業効率を考えて、コンバインで6つのブロックを残して刈り取ってくれていました。
今朝、生徒に昨日の感想を聞くと、「大変でした。藁で結ぶのが難しかったです。」
藁をひもにすることなんてないものね。

体験学習の感想は、様々あっていいのです。

郷育プロジェクト(体験学習)のねらいは、つぎのとおりと考えています。
(1)地域への理解・愛着・誇りを育む教育活動を展開し、愛郷心を醸成する
(2)地域、地元企業、関係団体等とのパートナーシップを構築し、地場産業の体験を通して職業観 を育成する
(3)地域の資源、課題への探求学習を通して、社会参画の意義や持続可能な社会づくりを考える 態度や実践力を育成する
もう少し平たく言うと。
(1)ふるさと勝浦を愛する学習
(2)地域の力を借りて、職業観(キャリア)を育成する学習
(3)地域の資源や課題を理解して、SDGsの視点で社会参画を考える学習

体験活動は、直接「自然」、「人」、「社会」と関わる活動により、『五感』を通じて何かを感じ、深い学びへとつながっていきます。

体験学習をより効果的に行うためには、事前・事後学習、教科横断的な学習も大事です。
稲刈り体験を教科横断的な例で言えば、一つ目は理科。小学校で習った「分げつ」
4月に植えた3~5本の苗が、 稲刈りの時には倍以上の本数になっていましたね。分げつはイネ科の作物の特徴です。分げつすることにより、当然、収穫量に関係してきます。実際に株を握った時の太さ、「分げつ実感」ですよね。
また、社会科の視点では、お米が日本人の主食になった理由の一つに気候が影響しています。さらに、昨日の最後に「落ち穂を拾いました。」これは、単に収穫量や作物を大事にしようという考えだけではなく、日本の歴史的背景も影響しているのだと私は考えます。地理・歴史となるのです。
体験学習と教科学習が関連して、深い学びへとつながるのです。

体験活動で「五感に触れる」とは、その対象を見るだけではなく、音を聞いたり、触れたり、においを嗅いだり、味わうことです。身体感覚や運動感覚など、あらゆる感覚を駆使して学びます。
田植えをした時に感じた「田んぼの土の柔らかさ」、「水の温度」、「苗の細さ」から、稲刈りの時に感じた「黄金色でたわわに実った稲」、「土の硬さ」、「株を握った時の太さ」、「鎌で刈り取るときのザクザクっとした音」、「稲の匂い」など、みんなの五感にどんな刺激を与えましたか。
稲刈り後に浩臣さんが話したこと。「50年前は、牛や馬を使って田を耕し、収穫時は家族総出で作業したものだ。今は、機械があるため農作業は効率化された。」
私が昨日の体験を通して感じたのは、伝統農法の中にも「合理的な作業の仕組み」があったことです。先人を「知恵」実感しました。

学校は、この「田植え・稲刈り体験」を通して、『働くことは大変なことだ』ということを伝えたいのではないんだよ。
改めて
(1)かつうらは「海あり、山あり」自然が豊かなところだと感じましたか?
(2)渡邉浩臣さんのお話からどんなことを感じましたか?
(3)農業という仕事の一部に触れて、「仕事の大変さ、働くことの楽しさ」を感じましたか?
次は、(4)勝浦市の水産業、農業の現状と課題については、来月に専門家を招いて学ぶ機会を設けます。さらに、SDGsについても、全校で学ぶ機会を設けますね。

みんなは、将来、勝浦で生活しますか?
勝浦にはない職業に就くために、勝浦を出ますか?
これからの人生、「あなたが主役」であることを意識してください。
中学校での体験学習で感性を磨くとともに、自分の興味の高いもの、自分の特性について考え、進学や職業につなげていってほしいと考えています。

もう30年以上前のことになります。
大学4年生の時、伯父の農作業を手伝いました。
そこは、山の斜面につくられた段々田んぼ。
手刈りをした稲をコンバインで脱穀していました。「暑さ」、「痒さ」で集中力が落ちていた時、うっかり、伯父さんが刈った稲を踏んでしまった・・・
『足!! 稲を踏んでる。 しっかり仕事をせい!!』と強い口調で叱られた。
温厚な伯父さんからは、考えられない一言だった。
その時の光景を今でも思い出す。
休憩に食べたかき氷アイスの美味しさ、甘いにおい。藁のにおい、全身の痒さ。そして、新米のもちもちした食感。
社会人になる前に、貴重な体験をさせてもらったと今でも思う。

令和4年9月7日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №121 「機転・機敏・主体性」


■校長メッセージ №121 「機転・機敏・主体性」

本日、朝、緊急に「コロナ感染防止対策会議」を招集しました。所謂、タスクフォース。
出席者は、管理職、養護教諭、保健主事、学年主任、そして、保健委員会委員長、副委員長です。県内、近隣地域、当市の感染急拡大を受け、学校内での感染防止対策を検討しました。
そこで、決まったのが「感染拡大警報の発令」です。
今週末には総合体育大会、来週は終業式、再来週には県大会、コンクールがあります。
また、八月上旬には一年生の教育キャンプ、三年生の高校体験入学なども計画されています。
市中の感染状況を踏まえ、学校として「打つ手は何か」、「打つべき手は何か」、「対策を強化する点は何か」を短時間で協議しました。
保健委員会委員長、副委員長からは、生徒の現状から対策を強化しなければならない点や保健委員会としての具体的な活動案などが出されました。
それらを受け、私たち教職員も緊急の職員会議を設け、対策などを確認しました。

ウイルスは見えないけれど、その特性は理解できている。
感染防止対策を徹底すれば、感染を防ぐことはできる。
オミクロン株「BA.5」の感染力は、BA.2より強い。
学校でクラスターを出すわけにはいかない。
熱中症予防への対策も同時進行だ。
生徒たちの意見から見えてくる部分も多い。

警報発令を受け、上の掲示物が保健委員会により校内各所に掲示されました。さらに、昼の放送では、給食委員長から「配膳時の感染防止対策、黙食の徹底」についての話しもありました。

『強い責任感』
『機転が利く』そして、『機敏な動き』
リーダー、三年生たちの働きは、頼もしい限りである。

保健副委員長の放送原稿を見せてもらいました。副委員長は、先週末に大会を終えている。
今週末に大会が行われる仲間たちへのエールも込められていた。『友情』っていいね。

二年生が、部活動壮行会で三年生に送ったことば 『勠力協心・完全燃焼』
部活動や行事、生徒会活動において、創意工夫、協力体制で事を成していく先輩たちの姿を見て、この言葉が選ばれたのだと、改めて思いました。

ねぇ みんな。二つのことを話すよ。
一つ目はね。私は、先生たちに従順な生徒になってほしいとは思ってないんだ。
必要な時には、自分の考えや根拠に基づいた「意見」を臆することなく言える生徒になってほしいと思っています。そして、主体性を持った生き方につなげていってほしいと願っています。
二つ目はね。コロナ感染症に関しては、「思考」や「想像」を広く巡らせてほしいんだ。
自分自身はもちろん感染したくない。家庭内感染で家族に感染を拡げたくない。学級や部活動の仲間にも迷惑かけたくない。それなら「どう行動するか」、「どのような対策をするか」と考えや想像を巡らせていく。その結果、一つ行き着くところが『基本の大切さ』となってくるのかな。

局面が大きく変わっているぞ。 『油断大敵』、『基本的な感染防止対策』、『一部、行動変容』

令和4年7月14日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №120 『トモダチ』

校長メッセージ №120 『トモダチ』

大学時代の友人に〝佐藤 豊〟という人物がいる。
〝ユタカ〟という名前。
『俺の名前は、ユタカ。世の中を豊かにする。人の心を豊かにできるような人間になってほしいとの願いから、親につけられた。」と自己紹介でこう話した。
ユタカは、大学卒業後、海外青年協力隊員としてパプアニューギニアで活動した。
数年間活動して一時帰国した時、こんなエピソードを話してくれた。
村民と一緒になって、井戸を掘り、水路を作り、畑を耕す。そんな日々を送っていたある日、ユタカは高熱におかされた。
近くには、病院はない。薬は、日本から持って行った風邪薬、それでもユタカは村民と働いた。
二日後、ユタカは、仕事中に倒れた。
数日後、目を覚ますとユタカの周りには、たくさんの村民がいた。
みんなで交替しながら看病をしてくれていたのだ。
ユタカが、「アリガトウ」というと、村民たちは『トモダチ、トモダチ、トモダチ...』


  本校図書館には、ONE PIECE創刊号 から巻百二までが、それぞれ5巻ずつあ  ります。特別号もあります。その数、500冊を超えます。
これは、元PTA会長の渡邉和明さんが寄贈してくれたものです。
渡邉さんは、寄贈にあたり、次のように話してくれました。
「図書室に行って本を読んで、心を耕してほしいだよ。もっと気軽に図書室へ行こう。その入り口が『ONE PIECE』だっていいじゃない。」

「郷育プロジェクト」 1年生 地引網体験 令和4年6月28日(火)実施
楽しかったね1年生。潮の香り、漁の醍醐味を満喫できましたね。
2年生は昨年、天候不順、3年生は一昨年、コロナの影響で実施することができませんでした。
地引網体験で私が驚いたのは、お手伝いをしてくれた鵜原区民の皆さんの人数です。
ざっと数えて、50~60名位はいました。
その中の女性に声をかけてみました。
「鵜原の人たちは、こうしてみんな集まるのよ。お祭りも浜掃除も。まして今日は、中学生が地引網やるっていうんだから、みんなで協力するのは当たり前でしょ。」
地引網体験にあたり、地元漁師さん、区長さん、漁協、市教育委員会、市農林水産課、そして区民の皆さんの支援がありました。

ひと・地域の温かさに『感動』した地引網体験でした。
『でえりんでえと』が聞こえてくる。

令和4年7月4日 岡安 和彦
 

校長メッセージ 号外 「熱中症防止とマスクの着用」 

■校長メッセージ 号外 臨時集会「熱中症防止・マスクの着用について」
本日、気象庁から関東甲信地方が「梅雨明けしたとみられる」との発表がありました。
この梅雨明けが確定すれば、観測史上最も早い梅雨明けとなり、平年より22日、昨年より19日早い梅雨明けとなります。
本日昼休みに3年生、生徒会役員、専門委員長・副委員長、部活動部長に集まってもらい、今後の対応について説明し、質問・意見をもらました。
3年生と意見を交わしていると、感心するのが「建設的な意見」がとても多いことです。
3年生全体の雰囲気は、「真面目で誠実」、一方で「従順ではあるものの自分の意見を積極的に発表しない」とみられることもあるようですが、私にはそう見えません。
コロナ禍での学校運営で「正解」がみつけにくいことが多く悩みは尽きませんが、「凛」としている3年生たちを見ていると、「勇気」をもらっている感じがします。
臨時集会の説明資料を載せます。
20220627【臨時集会・熱中症防止・マスク着用】.PDF
令和4年6月27日 岡安 和彦









 

校長メッセージ 号外 6月9日 臨時の全校集会

■校長メッセージ 号外 6月9日 臨時の生徒集会
「新型コロナウイルス感染症に係る感染防止対策等」

コロナの感染防止対策と熱中症の予防について、適切な運用が図られるように、専門委員会委員長、副委員長、生徒会総務役員、各学級の意見などをととめ、協議を進めました。
3年生達が、建設的な意見を多く出してくれたこと「流石、3年生」と感じました。
その中で、熱中症予防への対応がコロナ対策への「緩み」につながらないか。また、感染者数が減少傾向にある中で、ソーシャルディスタンスの確保なども「緩んできている」という実態があるとのことでした。
そこで、私の方から臨時の集会を行い、感染拡大防止等について説明を行うことにしました。
臨時集会の生徒説明資料
20220610【臨時集会・コロナの感染防止対策等】.PDF
 

■校長メッセージ 号外 6月全校集会

■校長メッセージ 号外 6月全校集会 「熱中症予防とマスクの着用について」、「植木鉢の詩」
生徒説明資料PDF
20220606【6月全校集会「熱中症・マスクの着用」】.PDF
 

■校長メッセージ №119 「デメキン!?」

■校長メッセージ №119 「デメキン!?」

法隆寺からホテルに向かう途中、次のような風景を目にします。
法隆寺を出発して15分から20分位。車窓から見えるのは金魚の養殖場です。
金魚の一大産地である奈良県大和郡山市。
「全国金魚すくい選手権大会」もここ大和郡山市で開催されます。

さて、みなさん。
「出目金」の作り方って知ってますか? 教えましょう。

生後2ケ月の金魚、この時が金魚の一番の成長期である。
ドラム缶に2/3程の水を入れ、いけすから金魚を移す。
そして、光が入らないように木製のふたをする。
金魚は、一日中、真っ暗なところへ移されたのでとても
「不安」になる。
さらに、追い打ちをかけるように、
外から鉄の棒で 〝 ドカーン! ドカーン! 〟と叩く。
すると金魚はびっくりして、『目ん玉とび出る!!』
これが出目金の作り方。

これは、ウソ話です。

自宅を離れて、二泊三日の修学旅行。
加えて、コロナへの感染防止対策。緊張していませんか?

心配ないですよ。
先生たち、添乗員さんも、みんなの安全・安心を第一に考えて引率します。
コロナの感染防止対策も学校で行っている対策を徹底できれば問題なし。

ただし、「油断大敵」ですよ。
「油断」と言えば、京都と滋賀の県境にある比叡山延暦寺「根本中堂」内陣にある『不滅の法灯』
西暦788年(延暦7年)に最澄が根本中堂の前身である一乗止観院を建立した時に、本尊の薬師瑠璃光如来の宝前に灯明をかかげて以来、1200年間一度も消えることなく輝き続けていると伝わっているため、「不滅の法灯」と呼ばれています。
不滅の法灯の灯火は、金属製の油皿の中に菜種油を燃料として満たし、そこに灯芯が浸り火が灯っています。つまり、油がなくなってしまう(油を断つ)と、火が消えてしまいます。そのため、お堂番は毎日その油と灯心を世話し、油を断たないよう今日まで護ってきました。
「油断してはいけない」、すなわち灯火が消えないように注意しなければいけない、ということから、不滅の法灯が「油断(注意を怠ること)」の由来と言われています。※諸説あります。
あれ? 比叡山延暦寺は、織田信長によって焼き討ちにあったのでは?
そう。比叡山延暦寺は歴史上、数度の焼き討ちに遭っており、元亀2年(1571年)9月の織田信長の比叡山焼き討ちの際には「不滅の法灯」は消ています。しかし、法灯は織田信長の焼き討ちの28年前の天文12年(1543年)に立石寺(山形県山形市)に分灯されていました。比叡山の法灯が消えていた間も立石寺の法灯は灯り続けていました。比叡山の再興と共に天正13年(1585年)に根本中堂が再建され、やがて不滅の法灯を再び元の場所で灯す気運が高まります。天正17年(1589年)に立石寺の法灯が、比叡山延暦寺根本中堂に運ばれ、再び元の場所に灯されました。
(不滅の法灯 比叡山延暦寺)
一人の油断がみんなに迷惑をかけることもあります。
落ち着いて行動しましょうね。            
また、不調の時などは遠慮することなく、早めに言ってくださいね。

新幹線の時間内乗車、成功するか。 今晩は、持ち物を確認し、早めに就寝しましょうね。

令和4年5月29日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №118 「白銀比(大和比)」

■校長メッセージ №118 「白銀比(大和比)」

みんなが使用している美術の教科書「千葉の美術(秀学社)」から

黄金比が、1:1.618に対して、白銀比は、1:1.414(√2)です。
白銀比が使用されている物のなかに、正方形(建物の柱、風呂敷きなど)があります。
下には大工さんの七つ道具あります。
この中に、「白銀比」が用いられている道具があります。さて、それはどれでしょうか?
答えは、曲尺(かねじゃく)です。みんなも技術科の授業で使ったことあるよね。
この曲尺、 直角に曲がった金属製物差し。主として大工さんなどの職人さんが使います。
現在の曲尺は、表側はメートル法でミリ単位
裏側は、表の目盛りに√2をかけた数「角目」と
円周率で割った数(丸目)の目盛りが付きます。
この曲尺、とても優れもので、丸太(まるた)の直径にあてれば、そこからとれる角材の一辺の長さや、その丸太の円周が瞬時にわかります。
この曲尺、昔は尺貫法で表されていました。
「指矩(さしがね)」「曲がり金」などともいいます。 
例えば、丸太から無駄なく真四角の角材を作ろうとしたとき、曲尺の外角を辺(点P)に合わせます。次に点Aと点Bに印をつけます。点Aと点Bを直線で結べば、これが直径です。


直径を曲尺裏側の「角目」で測ると、正方形の一片の長さがわかります。
直径を「丸目」で測ると、円周がわかります。
この曲尺。とても優れものの道具なのですね。            
仕事の作業効率を考えて考案された道具が、古代にあったとは驚きですね。
また、一本の丸太からロスを少なく、製材とするなどSDGsにもつながってますね。

この白銀比、日本で定着させたのは聖徳太子とも言われています。
彼が建立した法隆寺の金堂や五重塔などの縦横の比率に見ることができます。
また、東京スカイツリーにも白銀比が隠されているとのことです。
修学旅行は、キャリア教育の宝庫だと考えます。
歴史的建造物を設計・施工した人たちに思いを馳せ、伝統技術・工芸の伝承を考えたり、旅行先でお世話になる様々な職種の方々との出会いから、将来の職業を考えてみてはどうでしょうか。

修学旅行には、沢山の「学び」がある。

令和4年5月27日 岡安 和彦
 

■校長メッセージ №117 「柔・柱」

■校長メッセージ №117 「柔・柱」

修学旅行一日目の見学先に奈良県斑鳩町の「法隆寺」があります。
法隆寺といえば、
「聖徳太子」
「日本最古の木道建築群」
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」 正岡子規
みんなは、何を連想しますか。

今日は、法隆寺の五重塔についての話です。


現在の五重塔は、文武天皇4年(700年頃)に再建されたものです。
1,300年余りの間、地震や台風にも倒壊することなく現在に至っています。
ごれだけの高さの建造物が、地震の揺れなどに強い構造は、「柔構造」と「心柱」によるものだといわれています。

上の断面図を見てわかるとおり、この五重塔には、深く大きな基礎は存在しません。中心に立つ「心柱」と基壇(礎石)の上に4本の柱(四天柱)が乗っているだけなのです。また各階は、柱でつながっておらず、独立しています。これは積み上げ工法と呼ばれ、各階の接合部分は、木組だけで金具や釘などは一切使われていないのです。地震の時などは、木材同士が固定されていないことから、組まれた各部材が地震の揺れに同調するように動きます。つまり、地震の揺れを吸収するのです。「柔よく剛を制す」これ。納得です。
いや。これだけのもので大きな地震、大きな台風には、耐えられないでしょう。と考える人いるよね。
柔構造と併せて、「心柱(しんばしら)」が重要なのだそうです。
揺れがあまりにもひどいといずれかの方向に倒れてしまう可能性も出てきます。そこで力を発揮するのが心柱なのです。心柱を据えることにより、各階の横揺れが過剰にならいように抑えることができるのだそうです。
この心柱を用いたのが、「東京スカイツリー」です。

東京スカイツリーを設計した「日建設計」によると、心柱の揺れの低減能力は、長周期地震動や直下型地震動といった様々な地震動に有効であることが証明され、地震時で最大50%、強風時で最大30%になることが明らかにされています。

私が驚くのは、古代にそれだけの技術を持った設計者や職人が存在したことです。
修学旅行で見る「歴史的建造物」
悠久の知恵と技術を思えば、見方が変わってきますね。


また、「柔構造」と「心柱」から生き方を考えれば、『柔らかく、しなやかで、とらわれない心の大切さ』や『自分のゆるぎない信念を持つことの大切さ』などを教えてくれているようにも感じます。

 

令和4年5月26日 岡安 和彦

 

※5月29日(日)は、修学旅行に関係しての登校日となります。お弁当持ちです。
  振替休業日は6月2日(木)です。

 

■校長メッセージ №116 「小満・夏めく」

■校長メッセージ №116 「小満・夏めく」

今日、5月24日、学校には穏やかで清々しい風が流れています。
体育祭では、躍動する姿、互いを称え合う姿、感謝を伝える場面など、多くの「感動」がありました。


PTA役員の皆様には、駐車場の誘導・整理、受付、ビデオ・写真撮影、後片付けと、本当にお世話になりました。また、保護者の皆様には、体育祭終了後に参観席の椅子を体育館まで運んでいただいたり、テントの撤収のお手伝いをしていただいたりと、ここでも「感動」がありました。さらに、学校敷地内の駐車場は、混雑する想定をしていましたが、徒歩で来られた方や市営出水駐車場に車をとめ、坂を上がってこられた方も多くいると聞きました。このように様々な面で、ご配慮、ご支援いただきましたことに心から感謝申し上げます。

PTA役員、保護者の皆様の温かいご支援、ご協力により、私たちも体育祭運営に専念することができました。


体育祭のあった5月21日、二十四節気の「小満」の入りとなりました。 
小満は、「草木が周囲に茂り、満ち始める」の意で、立夏のあとに訪れます。
水田にやわらかな緑の早苗が揺れる時季でもあります。
4月28日に田植えをした稲もすくすくと育っています。

(郷育田んぼ・市内大森)

暦では、立夏から始まった夏が、さらに夏らしくなってくるのが小満の頃です。
そよぐ風や草木の緑、人の装いやちょっとした気配などにも夏らしさが感じられるようになり、まさに「夏めく」季節となりました。

初夏の風物詩と言えば「初カツオ」
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠んだ、江戸初期の俳人・山口素堂

勝浦漁港の市場の様子を見に行ってきました。



今日は、高知県船籍の漁船数隻がカツオの水揚げをしていました。
市場内は活気にあふれ、フォークリフトが行き交ってました。また、市場脇には、陸送するトラックが並んでました。
カツオを水揚げする外来船。外来船が入港し水揚げすることで、新鮮な魚が食べられるだけでなく、氷、餌、漁具、燃料の購入、船員さんの食料、衣料品などの購入など、商業、製造業、輸送業、観光業など実に様々な産業に関係しているのですね。
写真の金目鯛は、「外房つりきんめ鯛」(千葉ブランド水産物)で、地元の漁師さんが水揚げをするとのことです。

本校が展開する「郷育プロジェクト」
職業に係わるキャリアに加え、アイデンティティの醸成、さらには体験を通して、五感を刺激し感性を磨くことにつながればと考えています。


令和4年5月24日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №115 「成長の種」

■校長メッセージ №115 「成長の種」  

体育祭練習の最終日。
全校のみんなに次の曲をおくります。

『 出会いは成長の種 』 ケツメイシ 作詞:ケツメイシ 作曲:ケツメイシ&Naoki-T

思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会えたろう?
願ったような 出会いだろうか? 良い奴ばかりでないだろう
思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会えたろう?
描いたような 出会いだろうか? 嫌な奴ばかりでないだろう


学校の友 バイトの社長 ムカツク上司 恋人のあの子
友から学んだ 助け合い 初めてのバイトは忘れない
耐えること学んだ 苦手な上司に 感謝しきれない 今ではモロに
あの子と過ごした日々 愛ばかり わが子に学ぶ 親のありがたみ
子供が生まれてからの俺は つまらんことで怒らなくなった
そこに多くの人が集まった 話せば実は皆熱かった


これまでの人生 これからも生きて 出会う人が俺を変えるだろう
次会えるだろう まさにその人が 俺をまた成長させるだろう


思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会ったろう?
願ったような 出会いだろうか? 良い奴ばかりでないだろう
思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会えたろう?
描いたような 出会いだろうか? 嫌な奴ばかりでないだろう


地元のつれ バンドの仲間 頑固な教師 恋人のあの子
夢から学んだ 競い合い 初めてのケンカは忘れない
家を抜け出して 夜通し語った 夢はそれぞれに叶ったのかな?
入り浸ったコーヒー屋のマスター 無口な笑みに凄く癒された
夢に向かって進みだす俺は 周りも見えずに ガムシャラになった
気付けばそこに誰もいなかったが 同じタイプの仲間と出会った
これからも人生 ガムシャラに生きて 出会う仲間も増えてゆくだろう
次会えるだろう まさにその人が 俺をまた成長させるだろう


思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会ったろう?
願ったような 出会いだろうか? 良い奴ばかりでないだろう
思えば これだけ生きてきて 俺は何人の人に出会えたろう?
描いたような 出会いだろうか? 嫌な奴ばかりでないだろう

学校の友 バイトの社長 優しい上司 恋人のあの子
先生の記憶もかすれない 今も生きるあの言葉忘れない
初めてあの子に恋をした高2 笑い話さ とっくのとうに
弱小部活では負けばかり でも共に見れた夢に泣き笑い
社会に出ても 甘えた俺は うるさい社長には世話になった
やがて音楽に人が集まった 仕事となった 皆熱かった
これからも人生 未熟さを知って 出会う人が俺を変えるだろう
次会えるだろう まさにその人が 俺をまた成長させるだろう


君と出会い あなたと出会い 君に学び あなたに学びを
僕は 君から あなたから 貰って 育って 今の僕がいる
https://www.youtube.com/watch?v=_PzxOwymGi8


体育祭は、学級、学年を離れて団を編成します。
新たな出会いによる、友だちの〝良さ・頑張り〟から刺激を受けたことも多くあったでしょう。
また、先生たちに対しても同様でしょう。授業の担当者ではない、他学年の先生たちの新たな「発見、学び」もあったでしょう。
出会いによる「成長の種」は蒔かれました。


勝浦中学校の「めざす生徒像の」は次のとおりです。
・自分やまわりの人を大切にする生徒
・根拠に基づいた自分の考えを持つ生徒
・自分を表現することができる生徒
・自分の決めたことにチャレンジする生徒
・郷土を愛する心を持ち、持続可能な社会づくりを考える生徒


今年の体育祭では、生徒の考えや意見を聞いて、それを反映させていこうとしました。
「選択肢を示したり」、「複数の案を提示したり」、「必要な情報を伝えたり」と、先生たちは、生徒の主体性につながるような指導・支援に努めました。

その理由の一つは、生徒会のスローガンを大切にしていることです。
令和4年度 生徒会スローガン 『 創 』
①生徒全員で協力し、より良い勝中を創り上げる。
②生徒一人ひとりが主体的に行動することで、より良い勝中を創りあげる。


「指導」から「支援」へ。
出会という成長の種から「気づき」、「考え」、「行動する」ことの大切さを学ぶ。
「創る」という取り組みを通して、主体性という「芽」を大切に育てていきましょうね。


令和4年5月20日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №114 「気づき」

■校長メッセージ №114 「気づき」 

ねえ、みんな! 見て! 見て!! 2年生 吉野 日菜さんの作品です。

高品先生が、吉野さんに「体育祭のスローガンのイメージ画って描けるかな」って相談したところ、翌日にはこの作品を仕上げてきてくれたとのことです。
 描かれている夏の昆虫は、
  ・アブラゼミ → 黄団  ・モンシロチョウ → 白団  
  ・ナツアカネ → 赤団  ・オオカマキリ → 緑団 
さらに、はちまき、ゴールテープも4色なのです。
校長室前のトロフィー飾り棚、丸 佳浩選手から寄贈されたユニフォームの隣に掲示してあります。

応援練習にも熱が入ってきましたね。
今年は、保護者参観席に向かって応援合戦を展開します。
保護者の皆様。楽しみにしてください。  


昨日の№113で一部紹介した「へいわってどんなこと?」について説明します。
2011年4月、「日・中・韓 平和絵本」12冊が刊行されました。
「刊行の言葉」には、次のように刊行の経緯が書かれています。
 アジア・太平洋戦争の終結から65年が過ぎました。それでもなお、戦争の火種はいたるところにあります。それらは、先の戦争が積み残した問題が原因となっているものも多くあります。
 一方、近隣の国同士の人びとの交流は様ざまな形で広がっており、互いに手をつなごうとする動きは確実に進んでいます。
 この絵本を創るために続けられた日本、中国、韓国の絵本作家たちや出版社同士の交流は6年を数えます。そして、三か国共同出版(それぞれの国で、それぞれの言語で、12冊の絵本を刊行しあう)という絵本史上初めての試みを成功させるための冒険の歴史でもあります。
平和のために立ち上がった三か国12人の絵本作家たちの熱い思いは、強固な「友情と共感」、そして「希望への連帯」の結びつきを作りました。
 日本、中国、韓国のメッセージが、世界中の子どもたちに届き、平和の波を起こすことを願って。


その12冊のうちの1冊が「へいわってどんなこと?」なのです。本文を紹介します。


『へいわってどんなこと?』 作:浜田佳子 発行:童心社   ※表記を一部漢字にしました。
戦争をしない。
爆弾なんか落とさない。

家や町を破壊しない。
だって、大好きな人に、いつもそばにいてほしいから。
おなかがすいたら、誰でもご飯が食べられる。
友だちと一緒に勉強だってできる。
それからきっとね、平和ってこんなこと。
みんなの前で大好きな歌がうたえる。
嫌なことは、いやだって、一人でも意見が言える。
悪いことをしてしまったときは、ごめんさないって謝る。
どんな神様を信じても、神様を信じなくても、誰かに怒られたりしない。
おもいっきり遊べる。
朝まで、ぐっすり眠れる。
命は、一人に一つ、たった一つの重たい命。
だから絶対に殺したらいけない。 殺されたらいけない。武器なんかいらない。
さあ、みんなでお祭りの準備だよ。
楽しみにしていた日がやってきた。パレードの出発!

平和って、ぼくが産まれてよかったっていうこと。
君が産まれてよかったっていうこと。
そしてね、君とぼくは、友達になれるっていうこと。

この体育祭を通して、あなたはどんな「気づき」がありましたか?
自分自身に対しての気づき 「私って・・・」
友達に対しての気づき 「あの人・・・」
「気づき」って、自分を成長、進化させるきっかけになるよね。


入場行進曲が変わったことに気づきましたか?
吹奏楽部が演奏する『栄冠は君に輝く』にのって、意気揚々に行進だ!!


令和4年5月19日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №113 「1.2.いやほい!!」

■校長メッセージ №113 「1.2.いやほい!!」

「世界が認めた個性とパワー」  ダンサー RIEHATAさん (写真:前列中央)

 踊り出すと153㎝の体が180㎝の男性よりも大きく見える。パワフルで個性的なダンスは世界のトップアーティストたちを引きつけてきた。米国のグラミー賞歌手クリス・ブラウンと共演し、世界的人気を誇る韓国のグループBTSの振り付けも手がけた。男性の世界というイメージの強かったヒップホップダンスにあってジェンダーも国境も超え、前線に立ち続ける。
 そのダンスの表現力に深みを加えているのが自身の人生体験だ。31歳にして幾度も試練を乗り越えてきた。
 生まれは新潟県糸魚川市。音楽好きのフィリピン人の母の影響で幼いときから歌とダンスが大好きだった。
 小学4年でダンスを本格的に始めるため一家で川崎へ。猛練習で頭角を現し、中学卒業後にすぐに単身、米ロサンゼルスに渡るが、本物のレベルの高さに打ちのめされた。ダンスに必要なのは個性、自己を表現できる自信だと気づき、孤独な自主練でスキルを磨いた。
 日本に帰ってアルバイトで金をためてはまたロスへ。東京で路上レッスンを開くと、多くの生徒が集まってきた。そんな修行を約3年間くり返すうちに「SWAG」(かっこいい)と呼ばれるスタイルに行き着き、日米で注目されるようになる。力強さに加え、首、肩、腰などを部位ごとに細かく動かし、ひねたしぐさなども交えて、表情豊かにみせるのが特徴だ。
 さらなる転機は2010年。来日したレディ・ガガの出演する歌番組でバックダンサーに抜擢され、評判を呼んだ。世界中からレッスンの依頼が殺到し20カ国以上を駆け回った。
 そんななかで結婚、21歳で出産し、当時のヒップホップでは珍しい「母親ダンサー」として舞台に立ち続けた。しかし、無理がたたり、ひざの靱帯断裂の大けがを負う。第2子の妊娠もわかり、ダンスをあきらめる決断をせざるをえなかった。それでも情熱はやまなかった。手術を受け、過酷なリハビリに耐え、2年後に復帰した。「奇跡としかいいようがない」と振り返る。
 18年、2年ぶりに復活するEXILEの振り付けを託された。依頼したAKIRAさんは言う。「世界のどの場所もダンスフロアに変えてしまうパワーを持つ人。日本人ダンサーが誰も成し遂げていないことをしています」
 今は、シングルマザーとして2児を育てながら歩み続ける。昨年は日本初のダンスプロリーグ「Dリーグ」に自分の生徒たちを率いて優勝した。これからさらに多くの人にダンスを教えるつもりだ。「日本人だからとか女性だからとか、いろんな理由で勇気を持てない人にチャンスを与えたい」 朝日新聞「フロントランナー」 2022年5月14日(土)から

7日ぶりの晴天。
5月21日(土)の天気予報は、曇り時々晴れ。気温21度。

昨日、3年生のダンス練習を見せてもらいました。
生徒に導入の経緯について話を聞いてみました。
生徒は、「いくつかの選択肢を先生が提示してくれて、その中から自分たちでこれに決めました。とても楽しいですよ。」
生徒たちが『自分で決める』そして、『学校一丸、みんなで体育祭を楽しむ』これがいい!!


下の画像は、絵本「へいわってどんなこと」作:浜田恵子(童心社)からです。

コロナ禍、ウクライナ侵攻が続く中はありますが、今、こうして体育祭ができること。
保護者のみなさんに、みんなの躍動する姿を見てもらえること。
これ以上の幸せなことはありません。

本校は、中学校では珍しく「運動会」ではなく、『体育祭』です。
運動が得意な人、苦手な人いると思います。
体育祭のスローガン『主役は君だ! つかみ取れ、汗と涙の青春を!』のとおり、一人ひとりが全力を出し切って楽しもうよ。
お互いの健闘を称え合おうよ。
今、青春真っ盛り!!


『シャイになら もう成り飽きた 踊ろう』 原宿いやほい(きゃりーぱみゅぱみゅ)の歌詞から


令和4年5月18日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №112 「感服」

■校長メッセージ №112 「感服」

「私、学校支援ボランティアに登録してきました。
 技術家庭科の土づくりの作業など、何でも言ってください。」
 先日、3年生の保護者からお話を頂きました。
 
みんなも気づいたと思いますが、グランドに椅子が並び、テントが組み立てられています。

昨日の午前中、PTA奉仕作業がありました。
3年生保護者と教職員による環境整備作業です。
その作業ぶりに驚きました。
草刈り、草取り、草集め、運搬作業と・・・見る見るうちに、作業が進んでいきました。
さらに、とても丁寧な作業ぶりで感服した。
午後や月曜からの作業も想定していましたが、午前中にほぼ完了しました。
これで、月曜日からは「教職員は、生徒たちにの指導につける」と一安心しました。
体育祭の期間、準備、応援練習、部活動が同時展開します。
また、今年は、係活動も再開します。
感染防止対策を徹底しながらの同時展開、私たちも総力戦で臨みます。


午後からは、有志教職員による保護者参観席の設置に移りました。総座席数341席。
昨年、一昨年と保護者参観を3年生保護者1名に限定したため、座席数は約110席程度。
今年はその約3倍。
座席配置、学年配当、全て新たに作りしました。(教頭先生・保健体育科の先生方を中心に)
3年生の保護者は、2年間、オンラインでの視聴でした。
それらを考慮して、座席の配当を決めました。


新型コロナウイルス感染症。
守るべきは「命」、注意すべきは「分断」だと考えています。
正解が導きにくいことが非常に多くあります。
一般的にとか、前例がこうだったということが通用しないことも多くあります。


例えば、一つの出来事に対してAさんとBさんの考え方が違ったとします。
その時、『相手は自分と違う』ということを知った瞬間に、『驚き』が生じ、これが『戸惑い』となり、
最終的には『怒り』につながってしまう場合もあるのです。
その怒りは、批判、拒絶、そして、分断となるのです。
コロナによる「分断の種」は、日々蒔かれているのです。


先日、ある保護者からお電話をいただいた。
コロナ感染者が出た時に、必要な情報があった方が安心すると。
今、学校の対応は「教育活動に支障があるときは、メールでお知らせします。」
教育活動に支障があるとは、学年・学級閉鎖、部活動の中止等を意味します。
●年生にコロナの陽性者が確認されたとします。学校は、感染リスクの高い者がいるかどうかの調査・判断をして、感染リスクの高い者はいないと判断されましたという事例です。
この場合、現行だと「教育活動に支障がないため、メール等は送信しない。」となります。
ある保護者が何らかの関係で、『学校に陽性者が出たようだよ。』と知れば、「学校は大丈夫か?感染は拡がらないか。」と心配になります。一方、「学校から、何の連絡もないのだから、大丈夫だろう」と考える保護者もいるでしょう。
コロナ陽性者、そのご家族の個人情報への配慮も考慮して、現行の対応をとっていますが、これも局面が変わってきていることから、一部見直しも必要なのかと考えています。


体育祭の参観者を増やしたことは、いわゆる「緩和措置」です。
生徒達の「躍動する姿」をぜひ観てほしいと考えています。
多くのスポーツ競技で、観客数の制限が解除されています。
学校だって、全面解除だっていいのでは?


体育祭終了後、9日後には京都・奈良への修学旅行があります。
学校は、集団感染が起きやすい場所でもあります。
一生一度の修学旅行。保護者の皆さんにもご協力いただいて、無事に行って来たいと考えます。
明日からは、ご家族の検温。健康観察も始まります。

改めまして、奉仕作業に尽力いただいた保護者の皆さん、心から感謝申し上げます。
また、学校に建設的にご意見を頂いた保護者さん、ありがたく思っております。


学校運営は、「不易と流行」と言われます。
働き方改革は、急務だと。
業務改善は、「Scrap & build」を原則にするようにと言われますが、コロナ対応では「build」ばかりが現状です。

昨日の奉仕作業は、教職員の業務軽減になりました。


学校運営に視点を置くと、「革新」を実現するためには、「秩序」よりも「混沌」が必要で、「安定」した状態よりも「混乱」した状態において、人(学校)は様々なことを学ぶと言われます。


学校の方針等については、今後も説明をしながら進めていきます。
ご理解、ご支援の程、よろしくお願いいたします。


令和4年5月16日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №111 「トルコ共和国からの恩返し」

■校長メッセージ №111 「トルコ共和国からの恩返し」


今から48時間後に、イランの上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃する
しかし、日本からの救援機は来ない・・・ テヘラン空港に取り残された日本人215名


イラン・イラク戦争が続いていた1985年3月17日、イラクのサダム・フセイン大統領が「今から48時間後に、イランの上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃する」という声明を発表しました。イランに住んでいた日本人は、慌てて首都テヘランの空港に向かい出国を試みましたが、どの飛行機も満席で搭乗することができませんでした。
世界各国は自国民を救出するために救援機を出しましたが、日本からの救援機の派遣は、航行の安全が確保できないとの理由から見送られ、空港にいた日本人は途方に暮れていました。


そんな時、救いの手を差し伸べてくれたのがトルコ共和国です。トルコから駆けつけた救援機2機により、日本人全員がイランを脱出することに成功しました。タイムリミットのわずか1時間前のことでした。当時、テヘランには多くのトルコ人も在住していましたが、航空機を日本人に提供し、トルコ人は陸路で避難しました。


なぜ、トルコの航空機が来てくれたのか、日本政府もわからずにいました。後に、駐日トルコ大使が次のように話しました。「エルトゥールル号の事故に際して、日本人が行ってくれた献身的な救助活動を、今もトルコの人たちは忘れてはいません。私も小学校の時、歴史の教科書で学びました。トルコでは子どもたちでさえ、エルトゥールル号のことを知っています。今の日本人が知らないだけです。それで、テヘランで困っている日本人を助けようと、トルコ航空機が飛んだのです。」

■1890年、エルトゥールル号の悲劇 』
エルトゥールル号 全長79.2m(船首飾~船尾端)、艦幅15.1m、2,334トン

トルコから日本へ、親善使節団派遣
19世紀末、ヨーロッパ列強との不平等条約に苦しんでいたオスマン・トルコ帝国皇帝アブドゥルハミト2世は、明治維新後、同様の立場にあった日本との平等条約締結の促進と、明治20年の小松宮彰仁親王殿下のトルコ訪問に対する返礼などの目的で、親善使節団の派遣を計画しました。親善使節団の特使には、エミン・オスマン海軍少将(日本への航海中にエルトゥールル号提督「パシャ」となり、オスマン・パシャと呼ばれた)が任命され、使節団座乗艦としてフリゲート艦エルトゥールル号が選ばれました。明治22年7月14日、イスタンブールの港を出港したエルトゥールル号は、スエズ運河を抜け、途中各地のイスラム教国に教主国としての威厳を示しながら寄港、明治23年6月7日に横浜港に到着しました。
オスマン海軍少将一行は、明治天皇に謁見(えつけん)し、アブドゥルハミト2世皇帝より託されたトルコ最高勲章及び種々の贈り物を天皇に捧呈(ほうてい)し、併せて両国の修好という皇帝の意を天皇に伝えました。これに対し、明治天皇は、使節に勲章を授け、饗宴(きようえん)を賜いました。
■台風の季節、帰国の途へ
使節団一行は東京に3か月滞在、その間官民を挙げての歓迎を受け、明治23年9月15日、横浜港を出港、帰国の途につきました。日本国当局は、9月が台風の季節であり、またエルトゥールル号が建造後26年を経た木造船であることから、出発前に修理を行うよう勧めましたが、オスマン少将は帰途が遅れないようにと、予定通り同日出港しました。
■エルトゥールル号の遭難
横浜港を出た翌日の9月16日、エルトゥールル号は串本町紀伊大島樫野崎沖を航海していましたが、同海域において折からの台風に遭遇、猛烈な波浪と強風のために航行の自由を失い、次第に樫野崎に寄せられ、古より船乗りたちにおそれられた船甲羅岩礁(ふなごうらがんしよう)に激突しました。
船体破損部から流入した海水が機関の爆発を引き起こし、オスマン海軍少将以下587名が殉職、生存者わずかに69名という大海難事故となりました。 

(☟船甲羅岩礁写真)

■不眠不休の救助活動
この遭難に際し、当時の紀伊大島島民は不眠不休で生存者の救助、介護、また殉難者の遺体捜索、引き上げにあたり、日本全国からも多くの義金、物資が遭難将士のために寄せられました。
69名の生存者は神戸で治療を受けた後、同年10月5日、比叡、金剛の2隻の日本海軍の軍艦により帰国の途につき、翌明治24年1月2日、無事イスタンブールに入港、トルコ国民の心からの感謝に迎えられました。

神戸救護病院にて手当てを受けた乗組員たち。
皇后陛下から賜ったとされる白衣を身につけている。
(資料・写真:串本町HP 他)

「善の循環」というべき出来事があったのですね。
さて、みなさん。和歌山県串本町の右隣の町は、勝浦市の友好都市「那智勝浦町」ですよ。
また、「官軍塚・ハーマン号」や隣町御宿町の「メキシコ記念塔・サンフランシスコ号」の史実について知っていますか?
人が思いもよらぬ窮地となったとき、『あなたならどうする?』
コロナ禍、正解が導きにくい状況です。『思いやり』という言葉の重さを感じてます。

令和4年5月12日 岡安 和彦 

 

■校長メッセージ №110 「目的論」

■校長メッセージ №110 「目的論」

「先生!草刈りありがとうございます。昨日、今日と何の作業をしているのですか?」
『簡単に言うと、舞台作りの一環。体育祭で〝みんなが躍動する舞台〟グラウンドの整備。具体的に言うと芝の管理、エアレーションの作業です。』
右下の写真は、昨年度の体育祭の写真です。

(令和3年度体育祭 開会式)
グラウンドのフィールド部分の緑が鮮やかですね。
それは、令和2年5月のこと。「グリーンプロジェクト」と称して、学校、教育委員会、市役所都市建設課、PTA、青少年相談員連絡協議会の協働でグラウンド、テニスコートの整備を行いました。当時、グラウンドには、1/3程度しか芝生がない状態だったのです。
土入れ、耕うん、整地、芝植え、芝・クローバーの種まき、養生と、生徒が躍動する姿を想像しながら整備しました。従って、このグラウンドは、教職員、保護者、地域の思いが詰まったグラウンドなのです。それを維持していくための作業が、今回の芝の苗植え、エアレーション作業です。
芝生のエアレーションとは、意図的に地表へ穴あけすることによって、芝生の根と土に新鮮な酸素を送り届けることです。芝生は、年月を経過すれば地面はカチコチに固まってしまい、土壌の通気性は悪く、芝生にとって居心地のよくない環境に変わってしまいます。畑で作物を作っている場合は、作物の収穫後に土を掘り返して土壌を柔らかく改善することが可能ですが、芝生には収穫期がないので、一度芝張りしたら土壌の入れ替えをするタイミングはやってきません。芝生は、上から何度も踏まれたことでギュウギュウに押しつぶされます。その土は、土粒子の密度が高く酸素濃度は低くなり、芝生の根が効率よく栄養を吸収することができない状況になります。それだけではなく、雨が降ったあとには水はけが非常に悪く、根っこが常に蒸れた状態になってしまい、やがては、衰弱して病気にかかりやすくなってしまいます。このような悪循環を改善する効果が期待されるのがエアレーションです。そして、このエアレーション作業は、春と秋が良いとされています。さらに昨晩の降雨でグラウンドは適度な保水状態です。スパイクの入りも良く、今日は絶好の作業日だったのです。
「根を切って大丈夫なのですか?」
確かに芝生にスパイクを打ち込みますので根の一部は切れます。でもこれは、生き物には、良い環境と適度なストレスが必要だという考え方に基づいています。芝生の根を窒息から防ぐことに加え、根を切ることにより適度な負荷が芝生に伝わり、生育が促進されることに繋がるのです。適度な負荷や刺激が生物の成長を促すことは、動物も植物も同じですね。


みなさん。どうですか? 新しい学級での生活は?
「アドラー心理学」って聞いたことありますか。少しだけ紹介しますね。
アルフレッド・アドラー。およそ一世紀前に活躍した心理学者です。欧米ではフロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨頭の一人として知られています。「人はどう生きるべきか」を問いかけるアドラー心理学。そのアドラー心理学が近年、「実践のための心理学」として日本でもブームを起こしています。代表的な著書である「人生の意味の心理学」は、NHK『100分de名著』でも紹介されています。
アドラーは著書の中で、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っています。人が一人で生きているのであれば、そこに善悪もなく、言葉もいりません。孤独ですら、他の人がいるからこそ生まれてくるのです。一人でいれば孤独を感じることなどはないでしょう。どんな問題も行き着く先は対人関係と言えます。対人関係に問題を抱えている人の共通点は、他者を「敵」と見なしているところです。他者を敵だと考える人の多くは、「自分が世界の中心にいる(いたい、いなければならない)」という意識を持っています。自分を世界の中心だと考えてしまう人の多くは、幼い頃に甘やかされて育った経験を持っています。すべてのものを与えられて育つと、やがては他者から与えられるのが当然だと思い込んでしまいます。このように育った人は、ひとたび上手くいかない現実に直面すると、不機嫌になったり、攻撃的になってしまうのです。また、強い「承認欲求」を持つようになります。承認欲求とは、他者にほめられたい、認められたいという欲求です。しかし、承認欲求が強すぎると様々な問題が生じます。他者から注目されないと「なぜ自分は認めてもらえないのだ」と憤慨したり、「折角やったのに、ほめられないなら二度とやらない」と考えてしまうのです。
また、アドラーは、人は誰しもが同じ世界に生きているのではなく、自分が「意味づけ」した世界に生きていると言っています。今の自分に満足しなかったり、生きづらいのは「過去」に起きた出来事が原因だと考える人です。このように「過去の経験が自分の今を決定している」という意味づけを行うことを『原因論』と言います。アドラーは、原因論を否定し、「自分がどうありたいか、どうしたいかという」、『目的』こそが自分の今を作っていると考えました。アドラーのこの考え方を『目的論』と言います。原因論で考えると、タイムマシンで時間を遡り、過去を変えられるのでなければ、今の問題は解決できないことになってしまいます。しかし、目的論においては、立てられる目的や目標は『未来』にあります。過去は変えられなくても、未来を変えることができるのです。もちろん、これは人生が思いのままになるというようなことではありません。むしろ、思いのままにならないとことのほうが多いと言っていいくらいです。それでも、人生の中にあって、どう生きていくか『態度決定』をすることはできるのです。そして、アドラーは「勇気」が伴えば、『3日あれば人生は変われる』と言っています。

中学生期、人間関係に悩む人も多いよね。
「過去・原因」を見るか、『未来・目的』を見るか。
悩んだ時のヒントになれば。

(まんが!100分de名著 アドラーの教え:宝島社)

連休後半。事故、不審者等には十分注意してください。 

「バレーボール部 春季大会 ガンバレ!!」


令和4年5月2日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №109 「一国は一人を以て興る」

■校長メッセージ №109 「一国は一人を以て興る」

「一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ」中国・宋の哲学者、蘇老泉(蘇洵)の言葉である。

NHK おはよう にっぽん 4月2日(土)  スヴェトラーナ・アレクシエーヴッチ氏のインタビュー
アレクシエーヴッチ氏はノーベル文学賞作家でウクライナで生まれ育ちました。アレクシエーヴッチ氏はジャーナリストとして活動し、戦争などで国家に翻弄されてきた人々の証言を集めてきました。
数々の証言記録が高く評価され、2015年にノーベル文学賞を受賞しました。
その著作が今、改めて日本でも注目されています。代表作「戦争は女の顔をしていない」は、第2次世界大戦で従軍した旧ソビエトの女性たちの証言集です。

〝 恐怖心に囚われた。 私は人間を殺したんだ。 この意識に
 慣れなければならなかった。〟

かつての戦争の実態を描いたこの本を今、起きていることを理解する手がかりにしたいと、手に取る人が増えています。 この本には、若い女性たちが戦場で体験したことが生々しく描かれています。アレクシエーヴッチ氏は、ウクライナ人の母とベラルーシ人の父のもと、ウクライナで生まれ育ちました。 その後ベラルーシに移住し、強権的な政治で知られるルカシェンコ政権を批判しました。

アレクシエーヴッチ氏は、現在、持病を治療するためにドイツで暮らしています。今、生まれ育った国の惨状に心を痛めています。これまで第2次世界大戦や、1979年のアフガニスタン侵攻。そして、ソビエト連邦の崩壊などをテーマに、旧ソビエトの実態に迫ってきました。
アレクシエーヴッチ氏は、プーチン大統領は今、過去に執着しているとみています。
「彼は、偉大なロシア、偉大な帝国を復活させたいのでしょう。そのために、強力な艦隊や新型の爆撃機、新型の戦車を使おうとするは最も原始的で時代遅れの方法です。それは過去のもので、彼は未来に向かって進めなかった人間なのです。」
アレクシエーヴッチ氏は先月、ロシアの作家などと連名で軍事侵攻を批判する声明を発表しました。ロシア語を話す人々に対して、電話や電子メールなど、あらゆる手段を使ってロシアの市民に真実を伝えてほしいと呼びかけました。「ロシアの人々はひどいことを言っていますが、それは一日中、ロシアのテレビを見ているからです。あれは、ジャーナリズムではなく、犯罪です。ロシアの多くの知識人が沈黙していて、私はなぜ黙っているのと言わずにはいられませんでした。」
そして、今回の軍事侵攻の結末はロシアと同盟関係にあるベラルーシをはじめ、他の国々の未来にも大きな影響を与えるといいます。「もし、ウクライナが勝てばプーチンは国内で大きな問題を抱えることになるでしょう。ウクライナの人々は、自分たちの未来のために戦っているだけではなく、ヨーロッパや周辺の国々の民主主義のためにも戦っているのです。」
現在はベラルーシに関する本を執筆中というアレクシエーヴッチ氏、最後に、今人々に伝えたいことは何かを尋ねました。「私はただ座って戦争と平和をテーマに書くのではなく、現状を理解しようとし、人々が話を聞き、何が人を野蛮にしてしまうのか書こうとしています。自分ができる小さなことをやるべきです。私にとって大切な言葉があります。〝誰もあなたに耳を貸さない暗い時代がある。
声をあげるのをやめたくなる。しかし、やめれば悲しみがある。声をあげ続けなければならない。〟」

NHKニュースウォッチ9 4月11日(月)アメリカ元ロシア大使に聞く「プーチン大統領の胸中」
マイケル・マクフォール氏 2012年から2年間当時のオバマ政権下ロシア大使を務める。プーチン大統領とも何度も面会したこともある元外交官。インタビューの最初に語ったのは、2011年にプーチン大統領(当時首相)バイデン大統領(当時副大統領)と会談した際の発言です。
プーチン氏は、「我々は見た目が似ているので、考え方も同じだと思っているだろうが違う。」と言った。「ロシア人は、ヨーロッパ人ともアメリカ人とも違い、異なる文化・歴史を持っている。」と言いたかったのだろう。彼はその違いを誇張していると思う。あえてヨーロッパとは違うとみせることによって「ヨーロッパと異なる方法、より独裁的な方法でロシアを治めることができる。」と考えたからだ。
プーチン大統領は徐々に独裁的な姿勢を強めていったとみているマクフォール氏。そのことが対外的な強硬さにもつながっていったと指摘します。
「一夜にして彼が民主主義から独裁者に変わったというのは間違いだ。徐々に変化していったのだ。就任当時の彼はもっと親欧米派で、今より市場原理に基づく考えを持っていたので、我々は協力できると考えていた。彼は長い時間をかけてより独裁的な方向へ進んでいった。そして、独裁的になればなるほど民主主義からの挑戦を受けるようになった。」
プーチン大統領が一方的に懸念を強めるようになった民主主義からの挑戦とは何か?
2003年ジョージア市民の抗議活動により大統領が辞任に追い込まれた「バラ革命」
2004年ウクライナで抗議活動をきっかけに政権交代が起きた「オレンジ革命」
2011年中東各地で独裁的な政権が次々と交代した「アラブの春」などがプーチン氏の不安を強めていったと指摘します。そして決定的なひと押しになったと考えているのが、2012年モスクワで繰り返された大規模な抗議活動です。「彼は間違いなく抗議活動はアメリカが後押しをしたと考えそのことを非常に恐れていた。なぜならエジプトやウクライナなどではなく、ロシアで彼の体制に対する抗議が起きていたからだ。民主的な考えやそれを支持する人に対し、非常に被害妄想を抱くようになった。」
今、マクフォール氏が懸念しているのが、プーチン大統領が度々口にしている「ロシアとウクライナは兄弟国」という発言です。「〝ウクライナ人とは、なまりのあるロシア人だ〟と彼は言っている。別の国だと思っていない。それを説明するために長い歴史をたどり、〝一つの国だった〟というフレーズを使っている。この認識がウクライナへの軍事侵攻という行動の背景にある。」と指摘します。「もし、同じ文化や歴史を持つウクライナ人が民主的になるなら、それは彼の独裁体制やロシアにとって直接的な脅威と捉え、だからこそ、力を使って彼らを取り込み、民主主義を弱体化しようとしているのだと考えます。ウクライナの民主的な政治体制こそが脅威という認識だと思われます。」
では、今後はどう出てくるとみているのでしょうか。「私が未だに懸念しているのは、彼がより広い目標を諦めていないかもしれないことだ。彼がその目標を達成するのは不可能だと思う。彼にとっての終結点は、ウクライナ南部をすべてとることだと思う。今、マリウポリに集中しているのもその理由だと考える。クリミアとドンバス地域をつなげ新たな国境線についてウクライナと交渉し、ウクライナを永久に分割する。これが彼の終着点だと思う。」

「人間の本性は善にあり、誰にも仁(優しさ)と義(人として正しい行い)が備わっている。罪はその事実にあり、人にはない。ひもじい子どもを救うために窃盗をすることもあり、愛する人のために殺人をする場合もある。従って、問題は動機であって、例えそれが罪となっても全人格が否定されるわけではない。」

「孟子」さん。この軍事侵攻をどう理解すればいいですか。

令和4年4月19日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №108 「3日続ければ、何かが変わる!!」

■校長メッセージ №108 「3日続ければ、何かが変わる!!」

「士別れて三日なれば刮目して相待すべし」  

 呂蒙 (りょもう)  


  魯粛(ろしゅく)                   


【出典】 三国志演義 【原文】 士別三日、即更刮目相待
【原文読み下し文】 「士(し)別れて三日なれば、即ち(すなわち)更に刮目(かつもく)して相待(あいたい)すべし」
〔日本での慣用句〕 男子三日会わざれば刮目して見よ
〔意味〕 日々鍛錬する人がいれば、その人は三日も経つと見違える程成長しているものだ

〔逸話〕
三国志の三国の一国、呉(ご)の国に呂蒙(りょもう)という勇猛な武将がいました。呂蒙は、その無鉄砲とも言える勇猛さで、呉の国はおろか他の二国、魏(ぎ)や蜀(しょく)にもその名が響いていました。
その一方、呂蒙は無学だったので、君主(呉王)の孫権(そんけん)が少しは学問を学び、人間の幅を広げるよう呂蒙に諭しました。呂蒙は、呉王の孫権に度々重んじられてきましたが、家がもともと貧しく、学問に触れる機会もなかったこともあり、武力一辺倒で学問に全く興味のない人でした。そんな呂蒙の学識のなさに、人々は「呉下(ごか)の阿蒙(あもう)」とからかっていたのです。「阿蒙」というのは、今で言う「蒙ちゃん」といったニュアンスで、親しみを込めて、「おばかな
蒙ちゃん」的な感じでからかっていました。
そんないつまでも「阿蒙」のままでいる呂蒙を見かねた呉王孫権は呂蒙に学問を勧めましたが、はじめのうち呂蒙は「軍中は何かと忙しく、書物を読む時間を取れない」と言い返していました。
孫権は、「博士になろうとしなくていいから、歴史を見渡して見識を広めてみてはどうか」と、どの書物を読んで学ぶべきかを教えたともいいます。国王にそこまで言われたら、やらざるをえません。
呂蒙は発奮して、勉学にも本腰を入れ、やがて本職の儒学者たちをもしのぐほど読書をし、勉強を続け、見る見るうちに教養を身につけます。
それから時が流れて、呉の国有数の知将魯粛(ろしゅく)が、前線司令官として赴任する途中に呂蒙を訪ねました。そのとき魯粛は、当時、最強と言われた蜀の関羽(かんう)将軍の領地と接する最前線に配置されていました。呂蒙は魯粛に尋ねました。「あなたはどのような計略によって関羽に備えていますか?」
「その時になったら考える」と、魯粛は適当に答えてしまいました。
すると呂蒙は、「関羽は強敵ですよ。どうして計略を立てずにいられましょうか。」と瞬く間に五つの策略を語り、議論でも魯粛をやり込めてしまったそうです。
呂蒙は学問に励み、いつしか勇に智が伴う武将になっていたのです。
武骨な呂蒙しか知らない魯粛は驚き、「ここまで学識が高まっているとは思わなかった。もう、
『呉下の阿蒙』とは言えないな。」と呂蒙を称えました。
呂蒙は、「士別れて三日なれば、即ち更に刮目(かつもく)して相待(あいたい)すべし」と答えた。

日本の慣用句は「男子」となっていますが、男女には関係ありません。要は、発奮・奮起して3日間取り組めば、「何かが変わる・何かが動き出す・新たな自分と出会う」ことになると考えます。


郡市春季大会もあとバレー部を残すところとなりました。
これまでの成績は、優勝、準優勝、ベスト8、2回戦敗退、初戦敗退等、結果は様々です。
次の大会に向けて、「今、どのように考えていますか?」
例えば、準優勝の結果だったとするよ。「夏の総体は優勝を目指す!!」と、日々の鍛錬を決意した。
大事なのは、決意から「自分から起こす〝具体的行動〟は何か?」ということです。
集中力を高めるために「授業に刮目して臨む」とか、筋力不足を感じたので「自宅で自主トレーニングを始める」、「就寝前にイメージトレーニングをする」とかなんだよ。そう、何かを始めることだよ。
■大会での結果⇒自己分析⇒自己決定⇒具体的アクション⇒継続⇒変化実感


夏の戦い 『さぁ! 来いや!!』  どんな心境で試合に臨みますか

今、気づきの時 今、動き出す時 今、成長の時

令和4年4月18日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №107 『いじめ撲滅』

■校長メッセージ №107 『いじめ撲滅』

2011年。3月には東日本大震災が発生。もうひとつ衝撃的なニュースが10月に報道された。
それは、「滋賀県大津市 中2いじめ自殺事件」 概要は次の通り
1 被害者 中学2年男子生徒
2 加害者 同級生(同じクラス・別のクラス、合わせて6名)
3 いじめの期間 2011年9月8日~10月11日
4 経過等
(1)最初はプロレスごっごから
(2)腹を殴る 加害生徒が被害生徒を押さえつけ、腹を殴りました。加害生徒は「やり返してこ   い」と言うが、被害生徒はやり返すことはありませんでした。このような、やりとりは20件発生しました。
(3)メガネを奪われる クラスの生徒が被害者生徒のメガネを隠しながら回し合っていました。こうした行為は、ほぼ毎日行われていました。被害生徒は、メガネが奪われた時は、机にうつ伏せてしていました。
(4)馬乗りで何発も殴られる 休み時間、教室で加害生徒が被害生徒の上に馬乗りになり、顔面を拳で何発も殴っていました。被害生徒は、加害生徒に「やめて一。」と言っていたものの、止めませんでした。見ていた生徒はひどいなと思ったものの、どのように対応すれば良いかわからない状態でした。
(5)自殺の練習を迫られる クラスの前の廊下の窓枠に加害生徒が座り、後ろに体をそらし、完全に体が外に出るような態勢を取っていました。そこに被害生徒ともう一人の加害生徒が来ました。「自殺の練習をするからはよせいよ。」加害生徒が言いました。被害生徒は、何度も「嫌や。」と言いました。一人の加害生徒はずっと笑っていました。もう一人の加害生徒は、真顔になって「もういいし。」と怒った様子で立ち去りました。
(6)担任も対応しない 帰りの会が始まる前に、加害生徒の一人が被害生徒と他の加害生徒2人を誘ってトイレに行きました。トイレで加害生徒が被害者の胸倉を掴み、拳で殴っていました。被害者のメガネは曲り、傷ができいるような状態でした。それを見た生徒が教室にいた担任に「被害生徒がやられてるから、止めに行ってあげて。」と頼んだところ、担任は帰りの会を始めており、貴重品を生徒に返している所でした。そのため、訴えた生徒に「貴重品を先に取りに来て。」というだけで、何も対応しませんでした。
(7)クラスを巻き込み暴言を吐く トイレの中に加害生徒を含むクラスの男子10人位がいました。加害生徒が被害生徒に「なんで泣いてんねん。」と叫び、クラスの男子が笑っていました。  昼休み、複数の加害生徒が、教室内で「〇〇(被害生徒の名前)死ね。〇〇(被害生徒の父親の名前)死ね。」と言い、教室から出る際に、加害生徒が被害生徒の尻を蹴りました。
(8)その他にも
 ・成績カードを破られる  ・「キモイねん」と侮辱される  ・集中的に顔を強く殴られる ・上靴のまま顔を踏みつけられる  ・頭に消しゴムのカスをかけられる ・プリントを強引に口の中に入れられる  ・カバンからパンを盗んで食ベられる  ・自宅の部屋を荒らされる  ・自宅の部屋から財布を盗まれる 他
5 自殺の数日前(元気がない様子) 
  部活動の試合に参加した被害生徒の様子を見て、元気がないと感じている部員がいました。被害者は朝の時点で下を向いて歩いていました。被害生徒は友達に「どうしたらばれずに学校を休めるか。」と話しかけました。友達が「何で?」と聞くと被害生徒は「いいわ。」と返しました。
6 自殺当日(飛び降り自殺)
   午前8時過ぎ頃、被害者は自宅マンションの14階から飛び降りました。午前8時29分、救急車  が到着し、病院に搬送されるものの午前9時3分、搬送先の病院で死亡が確認されました。
7 アンケート調査  (自殺の原因究明のため)
 (1)1回目 10月中旬に全校生徒860人を対象にアンケートが行われました。
    結果:暴力⇒138件 暴言・嫌がらせ⇒173件   自殺の練習をさせられていた⇒16件
      被害生徒が「死にたい。」と同級生に相談していたこともわかりました。
(2)2回目 遺族の希望により11月に2回目のアンケート調査が行われました。
   「葬式ごっこをした。」 「自殺の練習と言って首を絞めた。」などの記載。
   また、先生に対しても、「いじめを訴えたが、対応してくれなかったらしい。」、 「先生もいじめのことを知っていた。」、 「いじめを見て一緒に笑っていた。」との記載がありました。
8 第三者委員会の調査
  事故後、大津市長は、第三者調査委員会を設立し、独自調査を依頼しました。
  2013年1月31日、自殺の原因は、「同級生らによるいじめ」であると結論付けました。また、市教育委員会、加害側の家族が主張した「家庭環境も自殺の原因となった」という点ついては、自死の要因と認められなかったと否定をしました。
8 被害届の受理
  2012父親は7月18日、被害者に対する行為45件について、・暴行・恐喝・強要・窃盗・脅迫・器物損壊の6つの罪で加害側の同級生3人を刑事告訴しました。
9 書類送検と少年審判
  2012年12月27日に滋賀県警は加害者3人のうち2人を書類送検しました。残る1人は当時は刑事罰の対象とならない13歳だったことから、暴行などの非行事実で児童相談所に送致さ れました。
  2014年3月14日、大津家庭裁判所は加害者3人の内、2人を保護観察処分、1人を不処分としました。裁判所は、いじめとの因果関係を認定し、加害生徒らに対し、合わせて400万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。この裁判2011年、遺族が加害生徒らに対し、損害賠償を求めていたものです。
10 賠償請求 2013年1月30日、遺族側は学校がいじめを認識しながら市教育委員会や学  校の指導マニュアルに沿って対応しなかったとして、市の過失を訴える書面を大津地裁に提出しました。2015年3月17日、大津地裁は第三者委員会の報告書に基づき、いじめの存在を認定しました。また、被害者が自殺企図の意向を事前に漏らしていたことも指摘し、「学校や市教育委員会が適切に対応していれば自殺を防げた」と判断しました。
  これを元に、大津市側の安全配慮義務違反を認め、支払い済みの見2,800万に加えて和解金1,300万円を支払いました。学校が謝罪するとの内容の和解勧告が提示され、大津市と遺族側との合意が成立しました。
  2019年2月19日、大津地裁は加害生徒3人のうち2人に対して、「約3,758万円の支払いを 命じる判決」を言い渡しました。他の1名に関しては、一体的となっていじめに加担したとは言えないという理由から、損害賠償及び管理責任を認めない判決となりました。
11 学校側 校長は事故後、自殺前にいじめを認識していた教諭はいなかったとしていました。  しかし、2013年9月18日に緊急記者会見を開き、「少なくとも教諭3人がいじめを認識していた可能性が高い。」と話しを一転させました。また、校長は「何人かの教師が自殺前からいじめを把握していた。」という内容の文書を、生徒指導担当から提出されていたことが分かりました。
12 いじめ防止対策推進法の成立
 2013年4月、「いじめ防止対策推進法案」が国会に提出されました。保護者には子どもの規範 意識指導が求められることを明記。自治体や学校には、加害生徒に懲戒や出席停止措置を講じるよう求めました。同年6月21日、可決成立しました。本事件では、教育現場の隠蔽体質が問題視されたので、重大ないじめの場合には、自治体や文部科学省への報告義務が課せられました。

 「こんな悲惨な出来事ってあるの・・・」そう感じた人がいる一方、『私だっていじめられて本当に苦しかった・・・今だってあの時のことを思い出したくない。』と想起した人もいると思います。経験上言うと、いじめの態様や構造は様々です。いじめ事案に関わる指導をしていて、明快な指導が行えたことは実に少ないのです。心の中で何かスッキリしないものが常に残っているのです。生徒の側になって考えても、加害・被害ともに理由や背景があるのです。また、観衆や傍観者も同様です。従って、私の講話を聞いて、いじめ撲滅は当然のことだけれども心の中で何か〝モヤッ〟とした上手くのみ込めない気持ちがあったのなら、それでよいのだと思います。深く受け止めてくれた証です。安直に「いじめ撲滅」なんて考えられないのです。自分自身の過去の経験も踏まえていじめに向き合うのです。「先生たちも、いじめで苦しむ人をなくしたい。」という強い決意があります。相談したくても相談できない事情も十分に踏まえて、観察・教育相談・アンケート等を実施していきます。
  「今の気持ちのままだと友達を攻撃してしまいそう。」「このままだといじめに加担してしまう。」「観衆や傍観者になってしまう。」一方、『友達から距離をおかれている感じがする。』『友達同士がトラブルになっていて、このままだと複雑に発展しそう。』『私ってもしかして観衆や傍観者になっているの。』というような思いがあったら、すぐに相談してください。好転を期待して先延ばしをしないこともとても大事なことです。みんなは、人格形成・成長途中だと自覚してください。
先生たちと一緒に考えよう。
令和4年4月12日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №106 「自分のことば」

■校長メッセージ №106 「自分のことば」

NHKラジオ 三宅民夫のマイあさ! 3月20日(日)放送 「Dプレゼンテーション」から
福島県富岡町の取組「表現塾」から 一部抜粋
『思いを言葉に』
子供たちが発する言葉の大切さについてお話します。
それは福島県の富岡町で行われているある取り組みです。まずはこちらからお聞きください。
町の防災無線です。「こちらは広報富岡です。交通安全について・・・」
伝えているのが地元の小学生。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で住民避難を余儀なくされた福島県富岡町。
2018年、小学校が再開されました。
その時から始まった6年生による放送なんです。
この取り組み、町のラジオ番組でも紹介されたことがあるんですね。
番組を担当するのは福島県の民間放送局ラジオ福島のアナウンサーなんです。いわゆるプロ。
プロからインタビューを受けるのも勉強のひとつなんだそうです。
表現塾は、1年生から6年生までの全校児童が対象になっています。
当初は13人、今は30人余り、毎週1回、地域の人が指導して一緒に文章を朗読したり、歌を歌ったり、また、劇を演じたり、様々な形でこの表現を学んでいるんです。
この表現塾で学ぶ一人のコダマコトミさんに、私がオンラインでインタビューしてみました。
『コダマさん、こんにちは。』
「こんにちは、よろしくお願いします。」
防災無線での呼びかけ、どんな苦労や学びがあるのか聞いてみました。
「一番最初は、読む速度がすごく速いと言われて、ゆっくり、ゆっくりねって言われても理解できなくて、後で家、学校とかで聞いてみたら、本当に間を開けないと、何言ってるかわからない。」
表現塾はこれだけではありません。コトミさん「表現を教わる教室だと聞いていたんですけど、身体で表す表現とか言葉で表す表現とかがあるので、どうゆう表現の勉強をするんだろうっていうのは、ちょっと疑問でした。」 
『実際やってみてどうだったですか。』
「楽しかったです。ミュージカルみたいなこと。何ていえばいいのか、劇にプラス、音楽とかダンスとか、台詞はもちろん、体で動かしたり、それとあと小学1年生から小学6年生までの人たちが、みんなでひとつのものを演じたので、他の学校とは違うなと思います。」

小さな学校ならではの取り組みなんですが、この1年生から6年生までが一緒に演じた劇。
地域の人たちや施設で暮らすお年寄りたちにも披露されたそうなんです。そのときの観客の表情、例えば笑ったり涙を流したりする姿を見て、児童たちも表現することの喜びや手応えを感じてきたそうです。
1年生から6年生まで一緒に演じるっていうふうに言ってましたよね。それだからこそ、何を伝えたいかという思いを1人ひとりが胸に刻んで一緒に思いを伝えること、そういったことができたかもしれませんね。
みんなで感じてみんなで表現する。そういう思いを人一倍感じているのが、この表現塾で指導していらっしゃる元教師のアオキトシコさん。先ほどの番組の中でこう語っています。
「原子力災害による被災地ですから、やはり言葉できちっと語り伝えることができないと理解が得られないし、一緒に考えてくれる人を増やしていかないと思うんですね。そのためには、若い世代から言葉でちゃんと自分の思いとか、自分が住んでる場所について語れるということが、すごく必要だと思って。次の世代へのバトンタッチのためにも絶対必要だと思っております。」

自分の立場や思いを自分の言葉でしっかり表現する。
「表現塾」を開くのにはそういった思いがあったんですね。
そうなんですね。今回、コトミさんのインタビューなんですが、いきなりだったんですね。
お母さんに電話してもいいですかって。いう形のインタビューだったんですが、受け答えだけじゃなくて、他にもびっくりした場面が実はありました。
それはウクライナの話に及んだ時だったんです。
コトミさん。ご自身の原発事故による避難を繰り返してきた体験をもとに答えを返してきてくれたんです。
小学6年生のコダマコトミさんです。
「ウクライナの人たちは、避難したり、その場に残ったりしてるじゃないですか。
それと同じようなのかなと思ったのが、学校の転校とかというのと重ねるのは、失礼なのかもしれないんですけど。
ウクライナから出ていく人たちが転校する人、転校したら新しいところに行くじゃないですか。
友達ができるかという不安とかそういう気持ちがあるんだと思うんです。
あとはやっぱり。
子どもだけ避難させて、自分はウクライナに残るっていう人はいるじゃないですか。
家族がバラバラな生活で、もしも、その家族の親とかが亡くなったりしたら、子供はやっぱり悲しいというか、気持ちが落ち込んだりするじゃないですか。
現実から逃げると言ったらちょっと、あれかもしれないんですけど。
夢中で遊べる場所を作ってあげたらいいんじゃないかなと思います。」

今、世界で起こっていることを自分の体験と結びつけて理解しようとし、さらにそれを言葉にすること、表現するということ出来ていますね。
そうですね、娘の受け答えをそばで聞いていたコトミさんのお母さん。
感じたことを、こう教えてくれました。
『震災当時1歳で、5つの保育園や幼稚園、2つの小学校に通ったコトミが、言葉を絞り出しながら、一生懸命に自分の気持ちを伝えようとしていて、成長を感じました。』


ロシアのウクライナへの軍事侵攻から1ケ月になります。
世界各国から身近な地域に至るまで、様々な社会問題が顕在化しています。

卒業式で話した。『物事の味方』
「多面的・全面的」、「目先で見る・長い目で見る」、「枝葉末節で見る・根本的に見る」
加えて言うなら、『自分事』として捉えてみると、視点や視野が変わります。

生徒会は専門委員会の一部改編に着手しました。
先生たちも生徒の視点に立って、「生活ノート」のリニューアルに向けて、突貫、製作中です。

コダマコトミさんの話しの中にあった「夢中で遊べる場所」
みんなが「勉強や部活動、行事などに夢中になって取り組める学校」

いじめ、差別・偏見などがなく、安心して生活できる学校をつくっていきましょう。
そのためには、「あなたの視点・考え」、「あなたのことば」が必要です。


春休み。交通事故などに遭うことがないよう十分に注意してください。
何かあったら、遠慮なく学校に電話してください。
夜間や休日は「市役所73-1211」に電話してください。
市教育委員会を経由して家庭・本人に連絡がいきます。


県教育委員会「24時間子供SOSダイヤル」:0120-0-78310(なやみいおう)
電子メールアドレス:
saposoudan@chiba-c.ed.jp

令和4年3月24日 修了式 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №105 「空振り」

■校長メッセージ №105 「空振り」
 昨日、深夜11時36分、福島県沖を震源とする地震があり、宮城、福島両県で最大震度6強が確認されました。今日午前7時30分時点で判明している被害状況は次の通り。
・宮城県内で少なくとも75人が病院に搬送 このうち3人が死亡 2人が心肺停止
・福島県内で男性1人が搬送中に死亡 52人がケガ
・東北道で路面に亀裂 宮城・白石
・東北新幹線17両編成のうち16両が脱線 乗客75名と乗務員にケガなし 白石蔵王駅
◇ 日テレニュース


◇ NHKニュース


■大震災から11年「子どもら90人の命を救った校長の『決断』とは2日前の地震がきっかけに」
全てをのみ込んだ どす黒い“海”。そこに、浮かぶように一つだけ建物が残っています。
(大震災発生の翌朝3月12日、ヘリからのリポート)
「学校のような場所でしょうか、水が押し寄せていて、人の気配、救助活動をしている様子が…
見てとれませ…あ、人がいますね。この中で一夜を過ごし、救助を待っていた方がいたものと思われます」
宮城・山元町立・中浜小学校。


避難していたのは児童やその保護者に教員、合わせて90人。
ここであの津波から生き延びました。
当時の校長、井上剛さん。「1階は津波が通り過ぎて行った場所ですので、壊れている状況も大変ありますね」
(CBC「チャント!」大石邦彦アンカーマン)

校舎には、今も生々しく残る津波の爪痕。
中浜小は、海から400メートルしか離れていませんが、井上さんはあの日、山側へ逃げず、あえてここにとどまって避難することを決めました。判断のカギは、震災2日前の地震にありました。
2011年3月9日、マグニチュード7を超える「三陸沖地震」が発生。
中浜小学校のある山元町では、震度3を観測し高さ50センチ程度の津波注意報が出されました。
(井上さん)「その時に、もっと大きな地震が来るかもしれないという、打ち合わせを職員でしているんですね」
海が近い中浜小学校では、1.5キロほど内陸の中学校に、歩いて避難することになっていました。
しかし、児童の避難に最低20分はかかるため、井上さんは、津波の到達予想時間次第では“学校にとどまる”という「避難」を決めたのです。そして、2日後。3月11日の東日本大震災。
(井上さん)「(大津波警報で)10分後に5~6メートルの津波が来る。(中学校まで)20分かかるのに10分後。これは上に逃げるしかない」津波到達まで、わずか10分という情報を受け、事前に考えていた学校での避難を決断。校内にいた児童やその保護者、教職員など90人を屋上に向かわせました。屋上へ避難して30分後に津波が到達。その様子を子どもたちに見せないよう、全員屋根裏の倉庫に避難させ、教職員や親たちは外で、水位を見守っていたといいます。
「子どもたちは段ボールとか、いろいろなものを駆使して、おしくらまんじゅうのような感じで、暖をとっていましたね」周りの建物はすべて押し流され、この校舎だけが残りました。不安そうな子どもたちを、井上さんは励まし続けました。
(井上さん)「短い言葉で言いました。『最大の危険は去りました。今夜はここに泊まります。食べ物はありません、水もありません、とても寒くなります。だけど頑張ろう、あったかい朝陽は必ず昇るから』と」そして翌朝。自衛隊のヘリコプターに救助され、全員ほとんどけがもなく助かったのです。

大勢の子どもたちの命を救った“事前の備え”。
(井上さん)「空振りをして、文句をいう人はたくさんいますが、それを素振りと思えば、練習になる。繰り返していけば、やがて本番の時に、ちゃんと自分の命を守ることが出来る、周りの人の命を守ることができるんです」 2022年3月12日 CBCニュース

仙台市の中学校で校長をつめる友人に連絡したところ「地震の揺れは大きかったよ。11年前を思い出した。学校も一部被害が出たけど整理、安全確認をして生徒の受け入れ準備は整ったよ。」と話した。


1学年の学年通信には、「普段からの備えの重要性」が書かれている。


2年生のあるクラスでの朝の会。学級担任の話しの中で「東北新幹線は地震を検知して自動停止した。こういった機能がなければ大惨事となっていた。日本のこうした技術力、安全性の高さも証明された。」と話す。


様々な角度で、防災、安全について考える。
「数日中に大地震が発生するかもしれない。」


地震による津波に限らず、台風、高潮、暴風、竜巻、集中豪雨、洪水、崖崩れなどの非常災害。
必要な情報を集め、「空振り」でもいいから生徒の安全を最優先にした判断を職員全員ができるような学校づくりを目指している。


令和4年3月17日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №104 卒業証書授与式 『 式辞 』

■校長メッセージ №104 卒業証書授与式 『 式辞 』
 次代を切り拓くべく、理想の彼方を目指し、幸多きこの日を迎えた皆さんに、教職員を代表して、心よりの式辞を述べさせて戴きます。
 まず、今日まで卒業生を見守り「日々の交通指導」、「郷育プロジェクト」、「学習支援」等においてご支援戴きましたPTAをはじめとする多くの方々に、卒業生とともに心から感謝・御礼を申し上げます。
 とりわけ、お子様の成長を一心に願い、深い愛情で見守ってこられたご家族の皆様。
本日はご卒業、誠におめでとうございます。これまで、本校の教育活動に深いご理解並びに多大なるご支援・ご協力を戴きましたことに、厚く御礼を申し上げます。
 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
本日、ここに109名が勝浦中学校の全教育課程を修了し、卒業の日を迎えました。
 コロナ禍に臆することなく様々なことに創意・工夫をし、そして「勠力協心」、団結・挑戦をして乗り越えてきた皆さんです。
 私たち、教職員にとっては自慢の卒業生たちです。
改めて、みなさんの真摯で賢明な努力に対し、心から敬意を表します。
 卒業のはなむけに、校訓の『立志』、「志」について話します。
では、「夢」と「志」の違いとはなんでしょう。
「夢」は主に自分のため、「志」は社会全体のためです。
「夢」は、個人の願望であることが多く、「志」は、個々の願望を超えて、多くの人々の夢や幸福を叶えようとする気概です。
「夢」は、こころよい願望ですが、「志」は、厳しい未来への挑戦ともいえます。
例えば、「将来、宇宙飛行士になりたい」は夢。「宇宙飛行士になって、様々な観測や実験で成果を出し、地球環境や人類、持続可能な社会づくりのために貢献したい」、これが「志」です。
私たちの職業を考えてみても、「先生になりたい。子どもたちに先生と呼ばれたい」と思い、一種の憧れで教師の道を選んだとしても、教師の仕事はそんなに簡単ではありません。
「数学の苦手な生徒に、数学の問題を解く楽しさ、数学の持つ特性や奥深さを教えたい。」
「子どもたちの人間的成長や自己実現を支援できる教師になりたい。」といった「志」が強くあれば、時に自分自身の力量不足、不甲斐なさを感じながらも、「志」の実現に向かって邁進することができるのです。
言い換えれば、「志」は人生のエンジンであり、生涯にわたっての持続可能なモチベーションになります。
そして、「志」を持つことができれば、「勉学・修養」は、そこに向かうために必須なものとなり、主体的な自己研鑽につながるのです。
「志」に向かって生きる人が増えれば、世の中はもっと良くなります。
「自分は何のために働くか」、「自分はどういったことで社会に貢献するのか」、「自分は何を付加価値として、社会の幸福のために尽力できるか」と追究することです。
 今、世界は新型コロナウイルス感染症により大打撃を受けています。日本も、国全体が活力を失いかけています。皆が幸福感を感じ、持続可能な社会を創造・実現していくためには、私たちが「高い志」を立て、もう一度、世の中を明るくしていくのだという気概を持ちましょう。
また、「志」を持ち、努力を続けている人間には、同様の志をもった『同志』との出会いがあります。『同志』と力を合わせることで「志」は、さらに進化し、大きなものになっていくでしょう。そして、「志」は、次の世代へと脈々と受け継がれていきます。
「志」の実現によって、世界・日本、ひいては一人ひとりの幸福につながるのです。   
 不確実、不透明で、予測困難な激動の時代を生きる皆さんは、自分の人生を誰かに委ねることなく、自分の意志で決めることの重要性が益々高まります。
 今、時代は大きな転換期を迎えました。私たちが生きる社会は、目まぐるしいスピードで変化しています。同時に世界各国から身近な地域に至るまで、様々な社会問題が顕在化しています。さらに2月24日に起きた軍事侵攻は、由々しき事態となっています。
 こういったことを踏まえ、これから、未来を切り拓いていく皆さんに、物事の見方、捉え方、考えたり、議論したりする際の「心得」を紹介します。
これには、三つの原則があります。
一つ目の原則は、物事を「一面的に見る」か、「多面的、全面的に見る」かです。
物事を一面的に見るのと、多面的、全面的に見るのでは、別の物に見えてしまうこともあります。どんなものも一面だけ見れば、良いところと思われる面があります。と同時に、よろしくないと思われる面も見えます。
ある人は、「あの人のことを、良い人間だという」また、ある人は、「あの人はよろしくない人間だという」。一面だけ見れば、どちらなのか、結論は出ません。
これを多面的に見れば見るほど、その人間がよくわかります。いわんや、全面的に見ることができれば、はっきりと結論が出ます。人に関することだけでなく、何事もできるだけ多面的に、できるなら全面的に見ることを心がけたいものです。
次に、物事を「目先で見る」のと「長い目で見る」という、両方があるということです。
物事を目先で見るのと長い目で見るのは、大きな違いがあります。目先で物事を考えるということは、上手くいったつもりでも、大抵の場合すぐに行き詰ります。言い換えれば、その場しのぎの行動や思慮せずに思い付きと勢いでの行動を慎んだり、一方、予期せぬ出来事に一喜一憂するのではなく、「長い目で物事を見る」ということを尊重したいものです。
これが二つ目の原則です。
三つ目は、物事を「枝葉末節で見る」のと、「根本的に見る」との違いです。枝葉末節とは木の枝葉、先端部分にある節と考えてください。
枝葉末節に捉われる場合と、根本的に深く掘り下げて考える場合では、往々にして導き出される結果が正反対になります。
物事の根っこにあたる根本部分や幹の本質的な部分を捉えて、考え、議論することが大事です。以上が、物事の見方、考え方、議論を行う上での心得です。人生を歩む上での参考にしてください。
 卒業生の皆さん。勝浦中学校は皆さんの「母校」です。
愛する勝浦で学んだことを誇りに思い、この最高の学友たちと過ごした喜びを胸に刻み、
未来への人生を力強く切り拓いていってください。
「奇跡である自分、唯一無二の存在」です。
「今を精一杯に生きることが、人生で一番新しい。」
「人生の主人公は、あなた自身。」
「自分の個性を輝かせ、手応えのある人生をおくってください。」
親愛なる109名の卒業生へ 
「勝愛・未来・切拓」

令和4年3月10日 勝浦市立勝浦中学校 校長 岡安 和彦

 

校長メッセージ №103  『我が師』

■ 校長メッセージ №103  『我が師』
                          

式歌 『仰げば尊し』

一、 仰げば 尊し 我が師の恩
  教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
  思えば いと疾(と)し この年月
  今こそ 別れめ いざさらば

二、 互いに睦(むつ)みし 日ごろの恩
  別るる後(のち)にも やよ 忘るな         
  身を立て 名をあげ やよ 励めよ
  今こそ 別れめ いざさらば

三、 朝夕 馴(なれ)にし 学びの窓
  蛍の灯火(ともしび) 積む白雪
  忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
  今こそ 別れめ いざさらば


『仰げば尊し』の歌詞の意味等について考えてみました。 (文献等を参考)
【一番】
●意味:卒業生が教師、友達、後輩に対して山のような恩や愛情を感じながら、いつの間にか過ぎ去った月日のことを短く感じられると、別れを惜しんでいます。
〇歌詞訳:見上げて見るにつけても尊く感じられるのは、私を教え導いてくれた先生、友人、後輩達への恩です。中学校での学校生活は、いつの間にか三年もの月日が経ちました。振り返ればあっという間に過ぎ去ったものです。さあ、今、お別れします。さようなら。
【二番】
●意味:教師が卒業生たちに対して、これからは学友同士でも、それぞれの道に進んでしまうが、学校生活で培われた友情を忘れるなと、友情の大切さを教えています。そして、これからは自分の力で生計を立て、それぞれの分野で優れた仕事をしなさい。その上でも努力を続けなさいと励ましています。
〇歌詞訳:毎日毎日、仲良く親しみ合った恩は、別れ別れになった後も決して忘れてはいけません。これからは、自分の力で世に出て、生計を立てられるようにしてください。そして、それぞれの分野で優れた仕事をして、社会に知られるようになってください。その上でも、さらに努力を続けてください。さあ。今、お別れします。さようなら。
【三番】
●意味:再び卒業生が慣れ親しんだ学び舎に対して、勉学や部活動に苦心したことなどを思い起こしています。勉強、部活動、学校行事など、向上心を持って生活した日々などを思い起こして、決して忘れることはないだろうと自分自身に語りかけています。
〇朝といい、夕べといい、慣れ親しんだ学び舎。そして、苦心して勉学に励んだこと、精一杯に行事に取り組んだこと、部活動で切磋琢磨したことなど、ここで学んだ日々のことは、ひと時も忘れることはありません。さあ。お別れします。さようなら。


 一番の歌詞にある「わが師の恩」の『師』。これは、『教師・先生』という意味だけではなく、自分に関わってくれた全ての人が『師』であると説いているのだと考えます。「あなたとの出会いが私の価値観を変えてくれた。」、「あなたの頑張る姿に勇気をもらった。」、「私が落ち込んだ時、あなたの優しさに救われた。今度は、私が救う役になりたい。」などです。
 卒業を迎えるにあたり、中学校三年間を振り返り「大事な何かに気づいた」「自分の考えが変わった」、「自分の行動が変わった」というような『自分の成長』の場面には、必ずといってよいほど『誰かの関わり』があります。その関わり・お陰様の対象が『師』というわけです。
 二番の歌詞の中で「身を立て、名をあげ」については、親に対してのことでもあります。それは、「自分の身体は、父母が生んでくれたものであり、髪や皮膚といえども、不注意で傷つけたりすると親を心配させ、悲しませることにもつながるので、健やかに身体を保つことを意識して生活することが、親孝行の第一歩である」と。 そして、自分の力で生計を立てられるように自立して、その分野で優れた仕事をして、社会の人々に知られるような人物になれば、さすが誰々さんのお子さんだと、世間の人がご両親をまでも高く称賛するようになる。これが親孝行の最終段階である。
 三番の歌詞の中で「蛍の灯火 積む白雪」は『蛍の光』でも出てきます。これは、いずれも貧しい生活の中で勉学に励み、後に高い位の役人になった人の例だと聞いています。夜の勉学に灯油を買うお金が無いので、夏には蛍を何匹も袋に入れて、その光を借りて。冬には、窓際に雪を積んで月の光を反射させて、その光を借りて勉学したことを表しています。〝蛍の光や窓の雪〟で実際に文字が読めるかどうかは別にして、それほど、工夫と苦心で勉学に励んだことを表現しているのだと思います。


 卒業証書授与式は、学校行事の中で「儀式的行事」に位置付けられます。
 卒業という大事な節目。学校生活に有意義な折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機づけとなるようにすることが卒業式の目的です。
 卒業生、在校生それぞれにとって、心に深く刻まれる日になってほしいと考えています。

 今年度も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、卒業生、保護者、在校生、教職員が一堂に会して行うことはできませんが、テレビ会議システムLive onでキュステと体育館を結んで挙行します。
 全校で歌う「校歌」。在校生が歌う送別の歌「蛍の光」。卒業生が歌う卒業の歌「仰げば尊し」卒業生合唱「正解(18FES ver.)」は、それぞれの会場に映像と音声が届けられます。
 
  「卒業式」 卒業生たちがテーマとした『感謝』

  
    次の空欄に当てはまる言葉を書き入れなさい ここでの最後の問い
 「君のいない 明日からの日々を
  僕は/私は きっと □□□□□□□□□□□□□□□□□□」
   卒業生合唱:正解(18FES ver.) 歌:RADWIMPS 作詞・作曲:野田洋次郎の歌詞から

 
   あなたにとっての『我が師』は・・・

 
   令和4年3月8日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №102 「勝運成就」

■校長メッセージ №102 「勝運成就」

 昨日から、JR勝浦駅とのコラボレーション企画である勝浦元気プロジェクト「JR勝浦駅・階段アート」の作業日程等について、ご担当頂いている中﨑社員さんと打合せをしていました。
今日、その調整に関係した連絡を頂き、作業・掲出の日程は3月3日(木)に決まりました。
日程調整の確認を終えると中﨑社員さんから、次のようなお話しがありました。
『明日、明後日と公立高校の入試ですね。JR勝浦駅職員一同、受験生を応援するためにささやかではありますが、応援のメッセージを改札脇に掲出いたします。これまでの努力が結果として実ることをお祈りしています。掲出は、明日の始発から二日間限定です。』と。
 
 明日からの公立入試。生徒は、最寄り駅からの乗車のため、皆が見ることはできません。そこで、JR勝浦駅に行って写真を撮らせてもらうことにしました。
 駅に着くと、鶴岡駅長さんがお迎えしてくれました。
 JR勝浦駅の鶴岡駅長さんをはじめ、社員のみなさんは、いつも生徒の安全に心を配って頂いております。生徒の事故防止、忘れ物、遅延時の対応など、本当に親切・丁寧に対応頂いています。
 また、大雨や降雪時などの非常時も、運行状況や今後の見通しを詳しく教えてくださり、登校や途中下校の判断をするのにとても助けられています。

■明日、明後日とJR勝浦駅に掲出られる「応援メッセージ」です。







■私立・専門学校、公立高校の入試に関しては、学年、担任の先生方から応援メッセージをもらっていることと思います。
私からは、明日に臨むにあたり、不安な人がいたら、次の言葉を送ります。
受験生徒に贈る言葉
 ・Show off an effort now !!  〝 努力の成果を見せつけろ!! 〟
 ・Hang in there !!   〝 踏ん張れ!! 〟
 ・Always on your side !!  〝 いつもあなたの側にいるよ!! 〟 
 
■映画:鉄道員(ぽっぽや)」の中の台詞  
(浅田次郎さんの短編小説を実写映画化.主演:高倉健.集英社1997年・東映1999年)
 『おやじさん、キハはいい声で鳴くでしょ! 新幹線の笛も、北斗星の笛もいい声だけど、キハの笛は、聞いて泣かさるもね! わけもないけど、おれ聞いてて涙が出るんだわ!」

■今回のJR勝浦駅さんからのご厚意に感動が胸に押し寄せてきました。
 さぁ! 3年生。
  『勝愛未来切拓』だ!!

令和4年2月23日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №101 「懐旧談」

■校長メッセージ №101 「懐旧談」

今から11年前の2011年2月17日、朝日新聞の社説「天声人語」から

『だてマスク』の冬に

 将来、この冬を記憶の海からたぐり寄せるキーワードは「タイガーマスク運動かもしれない。
 群馬県の児童相談所に最初のランドセルが届いて以来、タイガーの本名 伊達 直人は40年ぶりに時の名前となった。                             
 さて、若い人は 「だてマスク」だという。虎の覆面ならぬ、伊達眼鏡のマスク版だ。風邪や花粉症には関係なく、顔の下半を隠すための着用である。昔の無ロな亭主にも似て、「めし、ふろ、ねる」の時間を除いてマスク姿の人もいるらしい。                     個人をさらしたくない、自分の世界に浸りたいという内向きの心が背後にあると聞く。教室や職場でもというから、関係を断ちたい相手は世間というより「自分以外の全部」かもしれない。   たまにサングラスをすると、正体や表情を悟られぬ快感を知る。雑踏に紛れる感覚である。世の中、会いたい知人ばかりではないし、儀礼の会話や愛想笑いは面倒だ。そもそも見せびらかすほどの面でもない。一切を小さな布が解決してくれる。                  とはいえ、これから社会と切り結ぼうかという世代が、 お手軽に閉じこもる傾向は危うくもある。受信発信はケータイに限り、イヤホンとマスクでちまたと絶縁する。個室ごと街に出たも同じで、生活力は身につくまい。                             己を引き立てる伊達眼鏡と、消し去るだてマスク。はやり始めの冬は、 匿名の先にある「匿顔」社会を予感させる。善意も悪意も見えない、目出し帽だらけの街なら、強盗には春である。杞憂と思いたいが、減る一方の若者がマスクの中に隠れては、時代の元気も消え失せよう。

11年前、初めての3年生の学年主任だった。年が明け、いよいよ入試本番へと。
担任さんと共に、200名余りの生徒の健康状態をいつも気にしていた。
「あの子、体調が悪そうでないけど、マスクしていて何かあるのかな?」
『最近、マスクをする生徒増えてきたよね。テレビでやっていた〝だてマスク〟かな?』      この「だてマスク」。当時は、身体的なコンプレックスを隠すため、あるいは、他人との会話が苦手、表現が下手のような、他人との接触を恐れることなどを理由として、その部分をカバーするための心理的な壁・バリアー的な心理的安寧を得るためのお守りのようなものだった。
 その当時の流行りマスクは、感染予防というより心理的防御マスクだったんだ。         

 みんなは、〝ざわちん〟さんって知ってますか? 本名:小澤 かおりさん
目元メイクに特化した「目元メイクスペシャリスト」、マスクをした状態で「目元ものまねメイク」の
パイオニア的な存在。新分野を確立した方だ。
 2011年10月16日、北関東のショッピングモールにAKB48(当時)の「板野友美らしき人物がマスクをかけた姿で現れた」ことから、モール内は騒然となり、多くの“目撃情報”が写真付きでツイッター上に投稿された。板野友美さん、この日、北海道で行なわれるAKB48の握手会に参加する予定を、当日になって体調不良を理由に急きょ参加をキャンセルしていたため、サボリ疑惑が持ち上がった。実はこれがデビュー前のざわちんさんであった。この一件で板野友美さんのそっくりさんとして注目を集めるようになった。             
 そして、芸能界デビュー。芸名の由来は、周囲が板野友美さんと誤認して“ざわざわ”する事と名字の小澤の「ざわ」に、板野友美さんの愛称「ともちん」に倣って「〜ちん」を付けた。
 ものまねメイクのレパートリーは未発表を含めると300人を越え、その対象は年齢・性別・国籍さえも超える。新作を発表する度に多くのメディアに取り上げられ大きな話題となっている。
  もともと自分の顔にすごくコンプレックスがあったそうです。母親がフィリピン人で肌色が黒く、加えて面長な顔が嫌いで自分の顔に自信がなかったと。しかしマスクをすれば目元しか見えず、コンプレックスの顔の半分が隠れて周囲からも可愛いと褒められるのが嬉しく、どんどんのめり込んでいったそうです。
 2014年9月22日のテレビ番組で、「これからはマスクを取ってテレビ出演を行う」と宣言し、生放送で初めてマスクを取って出演した。そもそも自分の顔に自信がないからマスクメイクを始めたのに、その顔をテレビで見せするのは・・・と悩んでいた。食レポや外でのロケができなかったりした。そんな時に素顔を見た中居正広さんがある番組内で『ざわちんはマスク外したら普通の子だよ。みんなハードル上げすぎ』ってしきりに言ってくれた。その言葉もあって、マスクを外した姿も見せようと決心できたという。
 コロナ禍。マスクメイクの指南やマスク製作の監修などで、様々なメディアで再び脚光を浴びているざわちんさん。             『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用、参考


 「十年一昔」というが、ひと昔の単位は、5年、3年と思えるほど時代の流れが速い。
 私は、同級会、同窓会、OB会などが苦手です。
没交渉となっている友人などには、再会したい気持ちもあります。また、同窓会では、昔話に花が咲き楽しい一面もあるのですが・・・
「あの時どうだった、こうだったと。」いわゆる懐旧談はつらい面もあります。


 3年生の面接練習をしている中で、「中学校の取組についての質問」に。
『私は、1年生の時、部活動をさぼることがあったが、2・3年生では頑張れました。』
『私は、1・2年生の時、あまり勉強に集中していませんでした。それではいけないと、3年生では、真面目に取り組みました。』と話す生徒がいる。


 今は、『update』の時代。
 自分自身を一生、同じ人間だと考えない方がいいと思うよ。
 私たちは、刻々と変化し今に至っている。
 過去ばっかり見ていたら、時代に乗り遅れるし、成長・進化の足枷になるよ。


 「夢」や「志」に向かって生きる。
 『なりたい自分』に向かって生きる。
 過去の自分より、未来の自分を強く意識しようよ。
 可能性は、無限じゃないか。
 
 ざわちんさんのように、自分のコンプレックスを強みに変えるような生き方や、中居正広さんのように、不安な人に勇気を与えられるような人。これもまた、とても参考になるね。
 
 未来に向かって、今を精一杯生きることが、人生で一番新しい。
 新しい自分に出会うために、今日がある。


 令和4年2月17日 岡安 和彦

 

■臨時号 「オミクロン株」の特性を考慮したに対応

■「オミクロン株」の特性を考慮した対応
2022.2.9配付のお手紙の説明資料






















                                                                                                                                                    

  

              










































































































































































































 

■臨時号 濃厚接触者の自宅待機期間の変更等

■新型コロナウイルス感染症関係
①「濃厚接触者の自宅待機期間の変更及び具体例」
②「感染防止対策及びお子さまご家族が感染した際の対応」




































































































 

■校長メッセージ №100 『花手水』

■校長メッセージ №100 『花手水』

 千葉日報 社説 『忙人寸語』 2022.2.2
 勝浦市のビッグひな祭り、茂原市の桜まつりなど、県南部ではオミクロン株の感染拡大で予定していた春のイベント中止が次々に発表されている。感染が収まりつつあった昨年度末は、「開催できそう」との期待感があっただけに関係者の落胆は大きい。
 オミクロン株への見方は千差万別だが、地方ほど受け止め方が重いように感じる。都市部に比べ人数が少ない分、「感染したら他人に迷惑をかける」との意識が強いのだろう。
 ワクチンの2回接種が80%まで進み、「もう大丈夫」と安ど感が広がったのが嘘のよう。感染防止で打ったはずのワクチンは、いつのまにか重症化抑制のために変わっている。 ある医療機関関係者が「風邪の症状が出たら、コロナと思ったほうがいい」とコメントし波紋を呼んだ。自覚症状があっても検査キットが手に入りにくい現状では個人で判断するのは難しく、仕事を休んで自宅待機するわけにもいかない。
 子どもの感染による幼稚園、保育所の休園、小中学校の学級、学年閉鎖は増えるばかり。できるだけ短期間で再開できるよう努力しているが、保護者にかかる負担が大きいのは間違いない。
 感染者がピークに達し、下り坂に入る日が近いと信じ、今は耐えるしかない。桜が見頃になるころには、収まっている可能性もある。「イベントできたのに」と笑って話せる日が来るのを願う。

■学校では、「勝浦元気プロジェクト」始動しますね!!


さて、話変わって「ここは何処でしょう?」




京都、北野天満宮の境内にある「花手水」です。(はなちょうず)


この「花手水」
これは、古来からありました。
もともとは、野外の神事などで水がないときに、花や草木についた朝露で身体を清めることを指していました。
みなさんも、神社や寺院にお参りに行った時、入り口付近にある手水舎で手を洗ったり、口を漱いだりしたことがあるでしょう。


現在、全国的に広がっている花手水は、もともと京都の柳谷観音 立願山楊谷寺で行われていたと知りました。楊谷寺は紫陽花や紅葉の名所でもあり、5年ほど前から手水鉢などに定期的に、紫陽花、桔梗、彼岸花やもみじを添えるようになったとのことです。
その美しさがSNSなどで話題になり、全国に広まりました。


修学旅行で北野天満宮を参拝した時に、水に浮かぶ花を見て心癒されました。
そして、柄杓を使わなくても「手水を使う」ことができるように工夫してあることに感心しました。


今日は、生徒会専門委員会ですね。
2・3月の活動目標などを決めていくと思います。
「前例踏襲」いう言葉があります。前例踏襲とは、前例に従うこと。先例を踏襲すること。
を意味します。『これまでのやり方(前例)をその通りにやる(踏襲)ということです。
学校では、「前年踏襲」という言葉が使われます。


学校評価の「生徒アンケート」の中に次のようなものがありました。
『トイレのドアがきたない。何とかしてほしい』
学校もトイレのドアなどの改修について、業者から見積もりを取って教育委員会と相談しています。しかしながら、学校として提出する予算要求順位の最上位ではありません。
生徒の安全対策、教材関係、コロナ対応、ICTなどが優先となっています。


この学校に勤務して1年10ケ月。
5月頃から6月にかけて、1階の職員トイレには、ペットボトルを加工した花器に紫陽花が活けられます。
きっと、教職員の誰かが活けてくれているのだと思います。


『汚い』に目を向けるより、視点を変えて、みんなが『喜ぶ、癒される、笑顔になる』といったことができないか考えてみてはどうだろうか。
専門委員会の活動もコロナ対策だけでなく、時代の変化に合ったものに練られていくことも大事だと思います。


生徒会本部役員のみなさん。生徒の声を聞けてますか?
各専門委員会のみなさん。自分たちの活動に新たな提案はありますか?
組織の改編など会則上「生徒総会に提案・決議」とあるものについては、3月10日(木)の卒業式までですよ。
コロナ禍を主体的、そして柔軟に乗り越えてきた3年生たちの意見を聞き、来年度以降の〝より良い学校づくり〟を考えるなら、『今ですよ!!』


前例・前年踏襲も大事。時代に合った変革も大事。
Following water is never off 〝 流れる水は腐らず 〟


令和4年2月2日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №99 『無尽蔵』

■校長メッセージ №99 『無尽蔵』

 学級閉鎖からの再開にあたり、市教育委員会から「抗原検査キット」の提供を受け、任意での検査を実施させていただくことになった。
より安全・安心に学校生活を送ってもらうための、特段の配慮に心から感謝したい。
しかしながら、抗原検査キットの在庫も限られ、今後の見通しは「非常に厳しい状況」だと伺った。
「抗原検査キット」も無尽蔵にあるわけではなく、途中でこういった対応もできなくなるのだと理解しなければならない。
最近の報道でも、医療機関等でPCR検査の容器、抗原検査キットの在庫がわずかとなり、検査ができない状況になりつつあると。さらに、追加発注しても納品の見通しは立たないと言われると。


 以前、小学校で陽性者が確認された時は、同じ学級の児童などは、PCR検査が実施された。
今般は、それも実施することができない状況にあるようだ。
この数週間の感染者数の推移を見れば、医療機関のひっ迫状況は推して知るべし状況だ。
疫学調査のガイドラインから言えば、濃厚接触者は検査を必要とするが、濃厚接触者でない人や発熱等の症状がない人に対しては、検査等の必要はないとされている。


 1月24日、全国的な感染の急拡大を受けて、厚生労働大臣は「同居している家族などの濃厚接触者で発熱などの症状が出た場合、医師の判断で検査をしなくても感染を診断できる」という方針が発表された。
 1月27日、新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、千葉県知事は定例記者会見で、感染者の同居家族などの濃厚接触者は『医療機関で検査なしで診断が可能』との方針を決定し、医療機関に通知したと発表した。ひっ迫する医療現場の状況を踏まえ〝見なし陽性判断〟可能とした。
  1月28日、濃厚接触者の自宅待機期間が「7日間」に短縮された。


濃厚接触者の自宅待機解除の考え方  ※ここでも「検査キット」使われるんだね。

(yahoo!ニュース 倉原 優より  国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医)

 

なぜ「7日間」なのか。(倉原医師の記事から)
「自宅待機期間をこんなに短くしたら、感染が広がるんじゃないか?」という意見を耳にします。
確かに周囲への二次感染リスクが「ゼロ」というわけではなく、これは社会機能を維持するための妥協点です。
国立感染症研究所の分析によると、濃厚接触者が陽性者に曝露後新型コロナを発症した場合、7日以内に発症したのが94.5%、10日以内に発症したのが99.2%という結果でした。(次頁図)
ほとんどが濃厚接触から2~3日目に発症しているのです。
     

(HER-SYSデータを用いたオミクロン株の曝露-発症間隔の分布:参考資料より一部改変して引用)

 濃厚接触者に10日間自宅待機してもらった場合と比較して、7日間自宅待機してもらった場合では4.7%の取りこぼしが増えるということになります。社会として、この約5%を容認できるかどうかということになります。
 また、国立感染症研究所の別の研究では、診断0~5日目までは多くの例でウイルス分離が可能でしたが、診断6日目以降はウイルス分離可能例は減少していき、診断8日目以降はウイルス分離可能例が確認されませんでした。以上のことから、「7日間」という数字は妥当に思えます。


 今日、確認しましたが、1月28日付けで勝浦市学校給食共同調理場(給食センター)から、文書が発出された。給食センターの職員が、陽性者、濃厚接触者となった場合は、学校給食の提供が一時的に止まり、「弁当の持参」となる内容だ。


 オミクロン株の感染急拡大は、社会的機能に維持に支障が出ている。
  入院患者、重症患者の増加。高齢者、基礎疾患等を持った方々の重傷化。


【BCP】 
 災害などの緊急事態における企業や団体の事業継続計画(Business Continuity Planning)のこと。
BCPの目的は自然災害やテロ、システム障害など危機的な状況に遭遇した時に損害を最小限に抑え、重要な業務を継続し早期復旧を図ること。特に日本では2011年の東日本大震災をきっかけにその重要性がますます注目されている。この状況下、本校も対策を考えておく必要がある。


 昨晩、午後7時半過ぎに保健所から連絡をいただいた。学校が提出した「疫学調査に係る行動調査票」に基づく聞き取りだった。本来は閉庁日であるにもかかわらず、学校運営の事情を斟酌いただいての対応と推察し、心から敬意と感謝を申し上げたい。


 さて、みなさん。 『どう?』
  中学生という立場ではあるが、この社会情勢、今「自分が考えるべきことは」、「自分がとるべき行動は」なんだろうか? 気づこう!! 考えよう!! そして、行動!! 実践しよう!!
 『感染源にならない』、『学校で感染を拡げない』、『偏見・差別はしない』、『誹謗中傷はしない』それは、社会の一員としての責任ある行動だ。


 令和4年1月30日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №98 「啐啄同時(そったくどうじ)」

■校長メッセージ №98  「啐啄同時(そったくどうじ)」

昨晩、こんな夢を見た。
空から、大きな卵が落ちてきた。それを地上にいる人たちで、ネットを張って受け止めた。
卵を輪番で温めることになった。(おなかに入れて)
そして、いよいよ孵化を迎えた。
卵の中にまた卵があり? 計5、6羽が産まれた。
そのヒヨコを育てるために、お休みをもらおうと、子どもたちは学校に電話、大人たちは職場に電話、てんやわんや劇で目が覚めた。
『なんだ!? この夢?』



さて、話は「新型コロナウイルス感染症」に移ります。
オミクロン株の特徴や感染拡大の理由として
・感染力(伝播性)が強い(人の細胞に入りやすい可能性:スパイクに30カ所以上の変異)
・ワクチンや薬が効きにくい可能性(ブレークスルー感染例も多く報告されている)
・多い症状は、「発熱、咳、のどの痛み、体のだるさ」(上気道で増殖しやすい)
・軽症や無症状の感染者も多い(少し無理をしての登校・出勤や知らないうちに感染をさせる)
・重症化しやすいかは不明(高齢者、持病を持っている人は要注意)
また、家族内感染や学校、保育所などでの感染拡大例が増えていると報道で目にします。

また、新型コロナウイルス感染症を「災害」という専門家もいる。
県外に住む友人Sさんから連絡がきた。
Sさんとは、以前、一度だけ一緒にボランティア活動をした。
Sさんは、ボランティア活動に熱心だ。職場の特別休暇(ボランティア休暇)を使って、全国各地の被災地に赴く。
Sさんは電話で、次のように話した。
 〝一番下の子どもが発熱して検査したら陽性さ。
 そして、次々さ。
 今は、家族5人全員陽性さ。
 お医者さんからは、解熱剤を処方されたさ。
 娘は入試だったけど、「別日、設定」さ。
 感染した弟に当たるわけもいかず、鬱憤が溜まっている感じなのさ。
 保健所も本当に忙しそうださ。
 毎日、家族の健康状態の確認の電話が来てたけど、「一日置きにするって」昨日電話が来たさ。
 保健所も相当ひっ迫してんだな。
 食事は町から支給される支援物資で食いつないでいるさ。
 ほら、病気療養って「滋養をとれ」っていうでしょ。
 でも、コロナってさ。外出て感染拡げられないから、買い物いけないしさ。
 出前を頼もうとしても気が引けてしまってさ。
 なんかむなしくなってきたからさ。
 食べられているだけでも増しと考えなければとさ。
 だから、「うめー! うめー! ありがたやー!」と言いながら食べてるさ〟

被災地での初ボランティア活動。
「弁当の配給作業」に意気揚々の私。
100個の弁当に長蛇の列。
最後の1個を渡し終え、ホッと一息つくと、目の前にいたのは小学低学年位の女の子。
女の子は、そこから離れない。
『ごめんなさい』と言葉をしぼり出した私。
女の子の背中を見て涙する私。
Sさんは私の背中をポンと叩いて「続けますか?」
私はうなずき、Sさんと一緒に次の活動に移った。

「続けますか?」と聞いたSさん。

彼は、それまで多くの被災地で、被災された方と向き合ってきた。
『乗り越えられますか?』だったと、その後に理解した。


新型コロナの感染対策について、みんなはどうですか?
自分が感染する。また、自分が感染させる。
家族や友人に感染を拡げる。
同居の祖父母や持病を持つ家族の症状が悪化する。
学級や学年が閉鎖されて、学校の教育活動が止まる。
3年生の入試や学校行事に影響が出る。
これらの現実味、どう捉えていますか?


オミクロン株 『似て非なる・ウイルス』と考えよう。
だから「意識変革、行動変容」なんだよ。


【啐啄同時】(そったくどうじ)という四字熟語がある。
 意味:絶好の機会のこと。また、学ぶ者と指導者の呼吸がぴったり合うこと。
 「啐」は、雛(ひな)がかえろうとするとき、殻の中で泣く声のこと。
 「啄」は、親鳥が卵の殻を外からつついて、雛が出てくるのを助けること。
 禅宗で、弟子が悟りを開くまであと一歩というとき、師匠がすかさず指導して悟りを得られるようにすることをいう。

今朝の「ヒヨコの夢」は、この啐啄同時の暗示だと思うことにする。
今、全国、県内の感染拡大は続いている。
一方、分散登校、オンライン授業、3年生の入試、部活動の再開など
を考えた時に、生徒一人ひとりの感染防止対策の徹底がどの程度
実践できているか。これを常に見ている。

勝浦中学校 生徒・教職員 『啐啄同時』となる。 なりたい!!



令和4年1月25日 岡安 和彦

 

■新型コロナ関係 生徒説明資料【感染経路・感染防止対策】

■新型コロナウイルス感染症 「感染経路・感染防止対策」生徒説明資料:PDF
20220124【感染経路・感染防止対策】.PDF

 

校長メッセージ №97 「3つの感染経路」

■校長メッセージ №97 「3つの感染経路」

オミクロン株の感染が急拡大している。
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策は
1.「マスクの着用」 2.「こまめな手洗い・手指消毒」 3.「三密の回避」(密接、密集、密閉)

 問1. 学校の給食で「分散・黙食」をしている理由は何ですか?

 問2. 感染防止対策の中で、徹底できていないものは何ですか?

私なりに、「感染経路」、「感染防止対策」を整理してみました。
養護教諭さんや保健主事さんにも確認してもらた上で、説明します。






解答
問1. マスクを外すので感染リスクが高まります。そこで、教室にいる人数を半分にして
    給食をとります。黙食は、会話によって飛沫やエアロゾルが飛ばないようにするた
   めです。
問2. 「三密の回避」の密接と密集だと思います。(と答える人が多いと思います。)


改めて、「感染経路」、「感染防止対策」について考えてみてください。
そして、自分自身の行動を振り返ってみてください。


何のためにこの対策をとっているのか。
それがわかれば、みんなの行動はもっと変わるるはず。


令和4年1月24日 岡安 和彦


 

 

卒業証書授与式 会場・内容等に係る説明資料

■令和3年度 卒業証書授与式 会場・内容等に係る説明資料
 令和4年3月10日(木) 会場:勝浦芸術文化交流センター「キュステ」

























以上です。
 

校長メッセージ №96 「状況確認・gear change!!」

■校長メッセージ №96 「状況確認・gear change!!」

全国で19日新たに確認された新型コロナウイルス感染者は4万1485人で、初めて3万人を超えた前日からさらに9,000人以上の増加。感染拡大の勢いにアクセルがかかっている。
今日は、グラフや図を見て状況を把握してください。そして、感染防止のギアをさらに一段上げていきましょう。




千葉県の感染者のグラフ



★印:28都道府県で過去最多を更新(NHK)


勝浦市17人:二日連続過去最多(千葉日報)


昨日の「Yahoo!ニュース」から 下の資料は、Yahoo!ニュース個人編集部と忽那賢志(大阪大学医学部感染症専門医)が共同企画し、忽那医師が執筆したものです。厚生労働省などの公的機関が発表しているものではありません。


上は、デルタ株とオミクロン株の濃厚接触者の
 感染のしやすさを表しています。
 また、オミクロン株では、濃厚接触者になった人 が感染しやすいこともわかっています。
 ・濃厚接触者となった家族が感染者となる頻度 1.42倍
 ・家族以外の濃厚接触者が感染者となる頻度 2.63倍
と算出されてます。

■なぜ、オミクロン株は感染しやすいの? その理由は、⦿上気道で増殖しやすい ⦿潜伏期間が短い ⦿ワクチンや過去の感染の感染による免疫から逃れやすい などが考えられます。




(まだ、わからないことも多くあります。)


■感染経路は、3つ。 【接触感染・飛沫感染・エアロゾル感染】 感染防止対策は同じです。

さぁ一段、ギアチェンジ!! 「感染しない」、『感染させない』ためには、〝 思いやりの距離 〟をとることが大事です。正しく恐れ、具体的な対策・行動がカギです。
 
令和4年1月20日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №95 『忘』

■校長メッセージ №95 『忘』

NHKニュース 「おはよう日本」から
今日は1月17日、6,343人が亡くなった阪神淡路大震災から27年です。
神戸市など大きな被害を受けた地域では、遺族らが、地震が起きた午前5時46分に黙とうし、犠牲者を悼みました。
観測史上初めて震度7の揺れとなった地震。
都市部で起きた直下型地震で、およそ25万棟の建物が全半壊。
多くの人が下敷きになりました。
交通が寸断され、救助や消火活動にも影響を及ぼしました。
各地で上がった火の手が燃え広がりました。
この地震で6,434人が亡くなりました。
ライフラインへの影響は長引き、水道の復旧には3ヶ月かかりました。
一時はおよそ32万人が避難生活を余儀なくされました。                   
あの日から27年。5時46分黙とう。

(時事通信社)

犠牲者を追悼する灯籠は、震災が起きた日付と忘れないという言葉の漢字の形に並べられました。
「忘れてしまわないように」という思いや、思い出すのがつらく、「忘れたい人たち」の思いそして「忘れられてしまう」といった危機感など様々な意味が込められています。
神戸市が主催した追悼行事では東灘区の自宅で被災し、17歳の姉を亡くした男性が遺族代表として献花台に花を供えました。
『最後とわかっていればもっと沢山話したかったし、もっとわがままも言わずに迷惑もかけなかったのにと後悔は尽きません。』


あなたにとって
「忘れたいこと」は何ですか?
「忘れよう」としていることは何ですか?
「忘れられないこと」は何ですか?
「忘れたくないこと」ことは何ですか?
「忘れてはいけないこと」は何ですか?

忙殺される日々。この日1月17日のことを忘れていました。
27年前。神戸にいました。
今、私はその倍の年輪を重ねました。


NHKのニュースを見た時、「忘」の漢字から、〝忘れてはならない〟、〝伝承しなければならない〟と直感的に想像しました。
しかし、ナレーションから聞こえてきたことば。
「忘れたい」、「忘れられてしまう」・・・ 『忘失』


阪神淡路大震災は「ボランティア元年」と言われます。地域を越えて支え合うといった「共助」の仕組みや考え方ということでは、ひとつの起点にもなりました。この経験は、その後の大きな災害でも度々生かされてきました。そういった視点で考えると、その記憶を共有していくということは次の災害への備えにも繋がりますね。


1月17日、神戸市の小中学校では、感染防止対策をとりながら、震災体験の語り継ぎや避難訓練などが行われたとのことです。

災害といえば「新型コロナウイルス感染症」


勝浦市は、感染が急拡大している。


陽性判定をされた方
治療を受けている方
ホテル療養をしている方
自宅療養している方
家族が陽性者となった方
家族が濃厚接触者になった方


「命」の危険、後遺症の不安だったり


その人たちの不安な思いは幾許か・・・


話しに尾ひれがつく
不確かな情報の拡散
偏見・差別
誹謗中傷


どうなんだろうか?
みんなはどう考える?


その人の立場になって考えたら。 そう! 気づくよね!!


「心配する」 病状はどう? 食事はとれている? 生活は大丈夫? 困っていることない?
「支援する」 食事を届けようか。 買い物を手伝うよ。 話聞くよ。 必要なところ電話するよ。

改めて、そう!! 思い出そうよ。

今、ある命。 かけがえのない命 今ある命は『奇跡だよ』
暗闇に「明かりを灯せる」ような人になろうよ。
みんなで「あたたかい社会」を創ろうよ。
危機的状況だからこそ、『人のあたたかさ』が必要なんだと思うんだ。

 

令和4年1月19日 岡安 和彦

 

臨時号:コロナ関係に係る集会(パワーポイント資料)

■本日、臨時に開催した集会でのパワーポイントの資料です。
 ご家庭で共有、今後の感染防止対策等での話題にして頂ければ幸いです。













































































以上です。
 

■校長メッセージ №94 「大人は、虎変す」 

■校長メッセージ №94 「大人は、虎変す」 

令和4年を迎えました。今年の干支は「寅(とら)」。十干十二支の組み合わせだと「壬寅(みずのえとら)」の年にあたります。60年前の壬寅は1962年。米ソが衝突寸前となり、世界が核戦争の瀬戸際に立った「(   )危機」がありました。 ※(  )に入る語句は。3年生どうぞ!!
□寅年にちなんで、「大人(たいじん)は虎変(こへん)す。 出典:中国・周易

「大人」は、徳があって立派な人、賢者。「虎変」は、夏に毛が薄くなっていたのが、秋になると美しい毛が生え、見事な紋様となる。このことから『優れた賢者が、時の流れに合わせて、自己変革を見事にすることの例えです。

まずは、「初笑い」
『こらえました』 NHKアナウンサー森田美由紀(ラジオ深夜便アンカーエッセ令和元年6月号)
生放送中のハプニング。いろいろあります。
中でもつらいのが、何かの拍子に笑いのスイッチが入ってしまうとき。特にニュースをお伝えするときは、内容に関係ない笑いは禁物ですが、大変なときもあるんです。
あるときはスタジオの外から聞こえてくるくしゃみ。後にこだまがつく「へいくしょんしょいしょーい」
というくしゃみなどは、中には聞こえないと思ってのびのび気持ち良くしているのでしょうが、静かなスタジオに聞こえたときには下っ腹に力を入れ、「集中、集中」と心の中で唱え、こらえました。
ニュース原稿が下書きからワープロに変わったばかりのころも、漢字の変換ミスに、思わず笑いそうになったりしたことがありました。中でも、驚いたのは国会のニュースに魚が出てきたこと。「国民鰊(にしん)を問う」。。。そうです。「国民に信を問う」が正解なんですが。また、先輩アナウンサーがイラク関連のニュースに「イクラ人」という文字がでてきて、思わず体の上に大きなイクラの粒が乗った「イクラ星人」のようなものが目に浮かび、気持ちを立て直すのが大変だったと話していました。
今年度最初の放送でも、苦しい瞬間がありました。深夜便ビギナーズの新パーソナリティーとして藤井隆さんが登場。よく〔深夜便〕〟を聞いていらして、「明日の日の出」や、「世界の天気」を、読むのがあこがれとか。初出演が楽しく終わった0時代。私が「天気概況」を読み始めると、その間に、スタジオの外に出るはずの藤井さん、あろうことか!ことか。椅子を転がして、の横にぴったり。頬と頬がくっつきそうな距離で原稿をのぞきこみ、動こうとしません。外でスタッフが大笑い。しかし、私は笑うわけにはいきませんから、何とかこらえ、「世界天気」まで読み終えました。でも、声は少し上ずっていたかも。なんだか、森田さんの声、変だったなあと思われた方がいらっしゃるかもしれません。そう、スタジオではそんなことが起きていたのです。これからの藤井さんとの時間。
予想もできない。ドキドキやトキメキがありそうです。

みなさん。NHKの森田美由紀アナウンサーを知っていますか?
森田アナといえば、同局のニュース番組のキャスターや紅白歌合戦の総合司会、NHKスペシャルのナレーションなどを歴任。2001年の「9・11米国同時多発テロ」発生時には「NHKニュース10」のサブキャスターとして堀尾正明アナと共に、第一報を伝えた経験もあります。
ザ・NHKと評されることもあるアナウンサーです。みんなが森田アナの声を聞くのは、NHK総合毎週(金)夜7:57~ 〔再放送〕毎週(土)午前8:15~ さて? 何の番組。
そう! 雑学クイズ番組「チコちゃんに叱られる!」です。
「チコちゃんに叱られる!」は、“5歳の女の子”チコちゃんが問いかける素朴な疑問に答えられないと、「ボーッと生きてんじゃねえよ!」と叱られてしまうという、今までにないスタイルの雑学クイズ番組だ。その中で、「今こそ全ての日本国民に問います!」「そんなことも知らずに、やれ○○だとか、○○などと言っている日本人のなんと多いことか」というある種の毒や皮肉を、正確で聞き取りやすい“美しい日本語”でぶつけてくる語りが、森田アナです。
私は、初めてこの番組を見た時、チコちゃんは誰?〟〝チコちゃんの表情はどうのように作っているの?〟〝森田アナの起用なんて大胆すぎる!!〟と、NHKらしくてNHKらしくない不思議な魅力にハマってしまいました。

次の曲をどうぞ。 ケツメイシ 『トレイン』
僕の中の高速列車は今日もガタガタ言いながら 夢と言う名の駅に向かってひたすら走ってる
夢に向かって走るのか それとも 途中 腐って錆びるのか
この僕 乗る 列車はお構いなく 今日も魅了 人をさらい出す
なりたい物 やりたい事 子供の頃の 夢見心 それを燃料にして 走り出す
途中下車 無効にて限りなく 走る事 走り続けるほど
夢大きく 数も増える物 切符 書かれた 「夢駅」 の文字
不安に駆られ 霞む一時「忘れるな」 とあの気持ち騒ぎ出す
その時 また車輪は回り出す 列車 行き先は自分に見える だからこそ 僕は僕でいれる
動き出せ僕の中の少年のようなピュアなハート 飛び出せ僕の駅へ草かき分け走り出せ
僕の中の高速列車は今日もフラフラ舞いながら 夢と言う名の空へ向かってひたすら飛んで行く
夢見る限り レールは伸びる 加速する度に 不安もよぎる
今何処で 何処へ 向かってるかは 分からなくていい 夢詰まってる
車掌いない 時刻表無い 自分次第 焦らず 気負うもん無い
名も無き駅で 止まるもよし 鳴らす汽笛で 今日終わるもよし
時には先の暗いトンネル いつかは必ず光が待ってる
迷わせ 惑わせる 風を避け 自由の空眺め たそがれ
ただ悠々と走ってく その積み荷の重さ 誰が知ってるだろう
でも構わず 音立て 飛び立て 夢の空へ
ある朝 僕の噂 夕方 悪い噂 そうさ 僕のせいさ でも気にせず進んで行く
ある朝 僕の噂 夕方 悪い噂そうさ 僕のせいさ でも気にせず進んで行く
動き出せ 僕の中の詩人のようなキザなハート 飛び出せ 僕の空へ雲かき分け飛んで行け
加速する為に 前を向いて 誘惑の風に 目をそらして
花びらを舞い散らして 進んで行く ただ ひたすらに ひたすらに
今 夢と言う名の駅へ 名の空へ…
動き出せ 僕の中の少年のようなピュアなハート 飛び出せ 僕の駅へ 草かき分け走り出せ
動き出せ 僕の中の詩人のようなキザなハート 飛び出せ 僕の空へ 雲かき分け飛んで行け

ケツメイシといえば、昨年12月31日放送の「第72回NHK紅白歌合戦」に初出場しました。
ケツメイシは、メジャーデビュー20周年を迎えました。14年前に発表し、ファンに愛され続けている名曲『ライフイズビューティフル』を披露しました。
歌唱前、大泉洋から「(ケツメイシとこの曲が)大好きなんでしょ?」と聞かれたNHK和久田真由子アナは「大好きです!」と力強く回答。「中学、高校時代、毎日のようにCDコンポで流していました」と明かした。さらに同じく司会の川口春奈も「『泣いたり悩んだりするから人生は美しい』、この歌詞がホントにグッとくるんです」と熱弁。「何度もこの曲で私は背中を押していただきました。一番大好きな曲なので嬉しいです」と笑みをこぼした。

「虎」を用いたことわざに、『張り子の虎』というものがある。虎の形をした首の動く張り子のおもちゃ。転じて、「首を振る癖のある人」、「能力がないのにもかかわらず虚勢を張る人」、「人の言うことにただ頷いて主体性のない人」 私は、「小人虎変」を目指したい。
トレインを聴いてもらったのは「前向きに、将来を自分で切り拓いてほしい」という願いからです。

〝Mr.自律神経〟こと順天堂大学教授で医師の小林弘幸さんは、「未来日記」を提唱しています。日記には、大目標の『なりたい自分を』書く。一年後、三年後、五年後の自分。どれを選んでもいいと。この目標を達成すると、「こんなに嬉しいことがあり、こんなに満足した自分になる」と思い描くそうだ。そして、毎日寝る前に「今日頑張ったこと」「今日の反省点」「明日の目標」を書いていく。この時、自然と呼吸が整い、自律神経が安定するのだと。さらに免疫力がアップすると。身体と精神を整えながら目標を実現していくのだと。

『大人は虎変す』の年になりますように。



令和4年1月7日 始業式 岡安 和彦
積雪等のため1月7日:臨時休校 1月11日に実施

 

校長メッセージ №93 「思うようにはいかないもの」

■校長メッセージ №93 「思うようにはいかないもの」

12月14日(火)、ボクシングWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋ジム)が、東京・両国国技館にてIBF同級5位のアラン・ディパエン(タイ)と対戦。
8回、TKO勝ちを収め、2つのタイトル防衛に成功した。

〔試合前日〕
 前日計量が13日、横浜市内で行われ、WBA・IBF統一バンタム級タイトルマッチは統一王者の井上尚弥が53・5キロ、挑戦者アラン・ディパエンは53・3キロでともに1回目でパス。“モンスター井上”は、『オレは〝モンスターハンター〟』と豪語したディパエンに対し、「みなさんの期待、想像を超える勝ち方をしたい」と圧勝を宣言した。

〔試合展開〕
 モンスター井上が脱帽した。1ラウンドは互いに手数が少なく、様子を見る展開。2ラウンド以降に徐々に井上が前に出た。3ラウンド開始時点でディパエンの鼻は赤身を帯び、中盤以降は出血もあった。しかし、4ラウンドでは一転しディパエンが果敢に前に出ながらパンチを繰り出すが、井上も左アッパー4連発で応酬。井上の強烈なボディを受けながらも立ち続け、打ち返す挑戦者のタフさに会場もどよめく。5ラウンド、6ラウンドも井上の優勢は変わらないが、ディパエンは時折笑顔も見せながら耐え抜く。後半7ラウンドに突入しても、ディパエンは井上の強烈なボディを受けながら「もっとこい」とアピール。強打を浴びた直後でも打ち返す挑戦者には不気味さも漂う。確実に主導権を握りながらも決めきれない流れを変えるべく、井上がスイッチする場面もあったが決定打は出ず。8ラウンドにようやく決着。左フック、左右のボディーを繰り返すと、左ショートでダウンを奪った。立ち上がった挑戦者だが一方的な展開にレフェリーがストップをかけた。

 戦前の圧倒的優位予想から、よもやの8ラウンドの試合に。「ディパエン選手は本当に凄くタフで、向かい合った時に何かを狙っている雰囲気も、根性も感じた。なので、こういう試合になってしまいましたけど、今後に期待してください」と回顧。「試合に向けて練習してきたリードジャブは手応えはあったけど、やっている最中に『これ、効いてるのかな?』というくらい表情も出さず、淡々とタフさを出してきた」と脱帽した。
 「やっているこっちがメンタルやられそうで『あれ、俺パンチないのかな?』と感じてしまうくらいタフでした」と。

  3年生:入試本番にいつでもいける!! というように 今、できる限りの準備をしていますか?


 3年生を担当し、多くの卒業生を見てきました。
 入試を終えた生徒は、「今までの人生で一番緊張しました!!」、「面接、あれだけ練習してきたのに、想定していない質問が出た後、頭真っ白でした」、「テスト、焦ってしまって、時間配分を誤って、全部解けませんでした・・・もう最悪でした」などなど。


 受験生にとっては、「何が何でも合格したい」と思う。
 高校や専門学校は、総合的な観点で判定します。
 私立高校も入試相談の結果が覆り、不合格になったことだってありました。「これも現実」


□動画を見てください。 
https://youtu.be/ubbXcTXCY7I

「道」 C&K 作詞・作曲:CLIEVY
足跡はやがて あとに道を造るから 誰もいなくても ずっと自分が見てるよ
時代の流れは 僕にちょっと早いから ここらで4歩 さがって1歩 3歩進めればいい
あの夢見る景色は まだ先の先の先さ どんくらい?? あとどんくらい
歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく どんくらい? あとどんくらい
出会いがあるだろう
足跡が消えた あとに道はのこるから 自分に負けなきゃ きっとだれかが見てるよ
時代の流れに たとえ取り残されても こころはずっと あの日のまんま
忘れなければいい
未だまだ見ぬ景色は この先の先の先さ どんくらい? あとどんくらい?
歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく どんくらい? あとどんくらい?
別れがあるだろう
行こう行こう~ 夢見る景色へ  行こう行こう~ 未だ見ぬ景色へ
行こう行こう~ 夢見る景色へ  行こう行こう~ 未だ見ぬ景色へ
あの夢見る景色は まだ先の先の先さ どんくらい?? あとどんくらい
歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく どんくらい あとどんくらいのドラマを見るだろう


□松樹千年の翠(しょうじゅせんねんのみどり)
 「自分は真面目にコツコツと努力することぐらいしか取り柄がありません。友達をあっと驚かせるような目立ったことはできません。どちらかというと地味で平凡な私です」と考える人がいます。 松樹千年の翠という言葉があります。松という樹は、目立った花を咲かせることも、秋に紅葉することもありません。一年中、ずっと同じ緑色の姿を見せています。
 春にピンクの花を満開にさせる桜や、秋に黄金色に変わるイチョウなどに比べれば、目立たない存在かもしれません。けれど、目立たなくても、注目されなくても、不変の姿であるのが尊いのだ。という意味がこの言葉にあります。
 「今日も一生懸命に授業に臨んだ」、「今日も隅々まできれいにするよう掃除に取り組んだ」、「今日も友達に思いやりの心をもって接した」。これこそが『偉大』なんです。真面目に毎日毎日なんてなかなかできないものです。確かに華やかで目立つものは人目を惹きます。新商品などは注目を集めます。しかし、飽きられるのも早く、その場限りで終わることも多いものです。
 不変的な強さを持った人だけが、信頼を集め、成果を出していくのも事実です。


 さて、今年一年を振り返ってみてください。自分の取り組みはどうでしたか? 
 思うようにいくことばかりではなかったと思います。「思うようにならないことも多いよな」というように考えた方が気持ちが楽になるかもよ。逆に考えれば、簡単に思うようにいっては、「人生の醍醐味」がありません。 私は、志を立て、より高みを目指して、日々努力することこそが大事だと思います。高校入試も人生という視点で見れば、〝ひとつの通過点〟です。コロナ禍だろうと何だろうと、今の現実を直視して、5年後、10年後、20年後の自分像を描いて、日々努力する。
 松は、不変のようでいて実際には生え代わりを続けています。 古くなった葉は茶枯れて散り、春には萌黄色の新芽を伸ばします。松の樹の内では活き活きとした躍動が続いているのです。

  生徒のみなさん。冬休みは、コロナ感染防止、安全に十分留意して良い年をお迎えください。


 令和3年12月23日 二学期終業式  岡安 和彦

 

校長メッセージ №92 「きっかけ」

■校長メッセージ №92 「きっかけ」

「外発的動機づけ」、「内発的動機づけ」って言葉を聞いたことありますか?
「動機づけ」とは、何かの行動を起こし、目標に向かって維持・調整する機能のことを差します。
英語【名詞】:motivation 動機、意欲、やる気
「行動を起こす契機となる刺激や意欲」といったニュアンスで用いられます。
I have strong motivation to learn English
〝私は英語を学ぶ強い意思があります。〟 〝英語を習う気満々です。〟
さて、みんなは授業や家庭学習にどのように臨んでいますか?

さて、そのモチベーション。「外発的」、「内発的」なんとなく、イメージわきますか?
「外発的動機づけ」義務や賞罰、強制などによってもたらせる動機付けです。
〝目標を達成したら○○を買ってもらえる。〟 インセンティブとも言われ、モチベーションを維持・増幅させための外的刺激のことを意味します。
「内発的動機づけ」関心や好奇心など、自分自身の内なる欲求に起因するものを指します。
〝私は将来○○の道に進みたい。だから特にこの教科の勉強には力を入れていきたい。〟また、
〝私は、この●●が好きでたまらない。これを特技として将来はプロ選手として活躍したい〟

「今」あなたが行っている活動は、どちらに位置づけされますか?

さて、下の写真は何処かわかりますか?

16日(木)に2年生が校外学習で行く、「鋸山」登山コース:車力道。登り始めて10分程度の辺りになります。
そう。1年生は、11月の校外学習で訪れているところですね。
倒木は、2019年、房総半島台風によるものです。同年9月9日未明、台風15号が千葉市付近に上陸。最大瞬間風速は千葉市で57.5メートルを観測し、首都圏で最大93万戸以上が停電。千葉県内では最大約64万戸が停電し、復旧に2週間以上かかった。県内で死者12人(関連死を含む)が出たほか、全壊448棟、半壊4694棟、一部損壊7万7091棟などの家屋被害が出た。勝浦市でも停電などの被害が出たことなど、記憶に新しい。

気象庁気象研究所の予測では、このままのペースで地球温暖化が進むと、今世紀末には世界の気温が平均3度ほど上昇するとされ、現在より1度上昇すると洪水の発生頻度が2倍、3度上昇すると4倍になるとシュミレーションしている。

アメリカの中西部と南部で10日夜から11日にかけて多数発生した竜巻は広範囲に被害をもたらした。アメリカ気象局によると、テネシー州メンフィスでは10日、12月10日の最高気温を103年ぶりに更新する約26度を記録。ここに西からの冷たい空気が入り込んだことで、巨大な積乱雲が発生して強い上昇気流が生まれ、竜巻が起こりやすい気象条件がそろったとみられる。


今年のノーベル物理学賞を受けた真鍋淑郎さんは、講演の中で次のように話しました。
「気候変動は、人類が直面する挑戦的課題だ。」
「問題を提起する能力こそ、日本の教育に必要だ。」
「本当にやりたいことは何か、自問自答することだ。」


さて、下の写真は何処ででしょう?

これは、車力道を進むとこと20分位で見られる石畳の道です。
案内板には次のように書かれています。
「安房の国「と「上総の国」の境に位置する鋸山は、標高329mとあまり高い山ではありませんが、山腹に切り立った岩肌が露出しているために遠くから見るとひときわ高く険しい山に見えます。山全体が火山性堆積物でできており、その岩石は最近まで「房州石」という呼び名で切り出され、京浜地方等にも出荷されていました。山の稜線は、金谷の町から見ると「ノコギリの歯」の形に見えます。この山の形が鋸山の名の由来です。
この新登山道は、かつての「車力道」です。鋸山の山頂部付近で切り出された石を運び出した道です。房州石を木製の荷車に乗せ、急傾斜の道をブレーキをかけながら下りたので、石の重みで道の表面に荷車の轍が残っています。この石を運搬した人たちは、「車力」と呼ばれ、女性の仕事でもありました。空の荷車を背負っては頂上まで上り、1日3往復する大変な重労働でした。

鋸山は、火山噴出物が海底で長い年月をかけて固まった凝灰岩でできています。加工しやすくまた耐火性があり竃や七輪などにも使われ庶民に親しまれました。「房州石」と呼ばれたこの石は建築資材に適し、江戸時代中頃から明治から大正にかけての最盛期には年間約56万本が切り出されました。今でも麓の町金谷では、石塀、門柱、蔵、建物の土台、灯篭などに房州石が使用されています。また、横浜の開港、台場の整備、皇居の造営など、東京湾岸の土木建築工事に使用され、日本の近代化を土台から支えました。

「日本酪農発祥の地」酪農のさととは? (2年生の校外学習の見学地)
本県最高峰の愛宕山(408.2m)、嶺岡山系、八代将軍徳川吉宗、白牛、乳製品、牛乳、給食
これらがキーワードです。


さぁ、2年生たち。1年生が学年の〝絆〟を強めるために登ったのであれば、みんなはどうする?
私からは、団結の証に加え、「視野を広げる校外学習」にしてほしいと思っています。

気候変動、地球温暖化、災害、歴史、地学、文化、産業、起業、労働、地域の課題などです。


きっかけや、やる気の種は何処に落ちているかわかりません。
親などからご褒美をもらうために。または、罰を与えられるから。といった「外発的動機づけ」。
デメリットとしては、効果が長続きしないこと、求めた基準以上の結果を得られにくいことなどがあげられます。一方、内発的動機づけのメリットとしては、自主性、主体性、学びの最適化、質の高い行動などがあげられます。


「鋸山」山頂展望台からの景観は、天気の良い日には東京湾周辺をはじめ、遠くは富士山までも眺望することもできます。
どうする2年生。1年生より、1段高い意識はありますか? 3年生は2段以上ですか?
Be ambitious !!


令和3年12月14日 岡安 和彦

 

■校長メッセージ №91 「涙雨」

■校長メッセージ №91 「涙雨」

ちば県民だより 12月号から 「交通安全まちがい探し」 まちがいは11カ所

                                                               ※答えは下にあります。
「これって〝涙雨〟ですかね?」 (涙雨:悲しみの涙が化して降ったと思われるような雨)
雨に打たれながら屋上の排水口を探していると、後輩教員がぼそっと言った。

「大変です。階段から雨水が滝のように流れています。」
その日、教え子のお通夜に向かうため、喪服に着替えていたところだった。
ジャージに着替えなおして、階段へ向かう。雨水は止め処なく流れてくる。
「恐らく、校舎屋上の排水口が落ち葉で詰まっているんだろう。」と、教頭先生が言った。
『いくぞ。』 懐中電灯を持ち、後輩と一緒に屋上に行くと、そこはプールのようだった。
12月では、珍しい強雨。 暗天を見上げ、三日前に亡くなった教え子の〝涙〟だと感じた。


教え子は友人宅からの帰宅途中、事故に遭った。
センターラインを大きく越えてきた対向車にはねられ、道路脇の休耕地に飛ばされた。

事故当日は、「今年一番の寒さ」と天気予報で報じられ、気温は氷点下近くまでに下がった。


事故の一報が入ったのは、事故の翌日だった。
高校の先生からの入電。「A君が、事故に遭い亡くなりました。」
その日の放課後、卒業生たちが中学校に集まった。
事故について、それぞれが知っている情報を持ち寄った。
『ひき逃げのようです。犯人は見つかっていません。』
「お父さんお母さんは、A君が帰らないので一晩中探していたそうです。」
誰にでも優しく、友達おもいの彼は、同級生や後輩たちからも慕われていた。


後でわかったことではあるが、事故現場付近に住む方は、衝突音がした後、少しして外へ出てみると、自転車が歩道付近に倒れていた。きっと、事故に遭った方は、事故を起こした人(自動車運転手)が、病院へ搬送したのだろうと。そして、自転車が邪魔にならないようにと、自宅敷地内に自転車を運び入れた。


A君は、しんしんと冷え込む中、ひと晩、放置されてしまった。


漸く、屋上の排水溝を探し当て、落ち葉を取り除くと、水は徐々に抜けていった。
お通夜には、沢山の同級生、先輩、後輩たちが集まっていた。
A君は、〝安らかな表情〟だった。
一方、ご両親は・・・ 
「狂乱状態」と表現してよいほどだった。



事故はいつ起きるかわからない。
みんな一人ひとりは、唯一無二の存在だ。
交通事故、学校内での事故、予見して防げるものは、防ぐ。
スマートフォンを見ながら、自動車を運転している人もいるよね。
年末にかけて、社会全体が忙しくなる。 事故が多発する時期だ。


山鳥の ほろほろとなく 声きけば 父かとぞ思う 母かとぞ思う (『玉葉和歌集)

あれから20年余り。 私は12月の雨。 彼のことを思い出す。


令和3年12月8日 岡安 和彦
※みんなが加害者になることだってあるんだよ!!

 

■校長メッセージ №90 「ニングル」

■校長メッセージ №90 「ニングル」
まず、動画をみてください。


倉本 聰「ニングル」理論社から

その噂は何度か耳にしていた。
富良野市東部の大原始林。それは市の約60%を占め、富良野岳から十勝、オプタテシケ、トムラウシ、化雲、忠別と連なって大雪山系の山波を形成する。
殊に。
富良野市山麓の背後に拡がるいわゆる東大演習林は、別名〝樹海〟の名で地元に親しまれる原始のままの鬱蒼たる森である。
噂はその樹海のどこか奥深く、人間社会から隔絶された場所に、ニングルという名の小人の社会が古来存在するというものであった。(中略)
かつてチャバからチラときかされたニングルの云ったという生活信条。
「知らん権利」と「放っとく義務」
それは現在の日本人社会とは将に対極にある思想ではないか。
人間はその逆「知る権利」をふりかざし、ひっそり生きる者の神聖な領域へまでずかずか土足でふみこんでくる。人間は放っとく義務など持てない。自分に関わりない他人のことまで放っておけなくてしゃしゃり出てくる。ヒューマニズムとか正義の為とか適当な言葉を探し出し掲げて。(中略)
「先生。(ニングルの長(おさ)の倉本聰への呼びかけである。以下、ニングルの長の語った言葉である。)
人間が社会を作るとき、権利と義務という言葉を口にする。
あれはそもそも人間の言葉でない。
あれはそもそも神様の言葉だ。
神様が自然をお創りになったとき、自然が永続して行く為に、権利と義務という言葉を作られた。
あらゆる動物、あらゆる植物が、自然の中で生きて行く為に、それぞれの権利と義務を持たされた。今猶(なお)みんなそれを守っています。
守っていないのは人間だけだ。
人間だけが権利のみ主張し、自らの負うべき義務を果たさない。
これは大変まずいことです。」(中略 以下、倉本聰と井上のじっちゃんとの会話。井上のじっちゃんはニングルとつながっている人)
「知らん権利」とは人間の「知識欲を忌(いま)わしいものとしてぴしりと封じ」ることである。
「知識はすすンでも心はすすまんべ。」
「考えてもみなさい、色んなこと知ってさ、知った分人は倖せになっとるか?」
「倖せになることもそりゃあるだろうが、知って不幸になることも多いぞ?」
「だったら元から知らんようにして、耳ふさいで生きるのも利巧かもしれん。イヤ、それで倖せに生きとるンだったら、その方がいいようにわしも思うンだわ」
「先生、わしゃあ最近思うンだが、知らん権利ちゅう妙な言葉を奴ら(ニングルたち)がしきりと使う理由は、人間を見てきた結果とちがうかな」
「あいつらは人間の三倍は生きる。人間の歴史をじっと見てきとる。もしかしたら人間自身なンぞより人間をよう見て考えとるかもしれん」

※ニングル(Wikipedia)
 ニングルは、アイヌの伝承における小人。創作の設定においては、富良野地方のアイヌ民話に登場するとされるが、登場する民話の実在は確認されていない。
萱野茂氏の『萱野茂アイヌ語辞典 増補版』によれば、アイヌ語では「ニン」には「縮む」、「グル」には「ひと」を意味する。

今月24日、愛知県弥富市の中学校で起きた事件。 みんなは、どのように感じていますか?
インターネットニュースに次のような投稿があった。
「私は、この中学校の学区にある会社に勤めています。もうこのニュースでもちきりです。加害者はどう、被害者はどうと、まことしやかに。それ本当?と聞くと。『らしいよ。』こうして尾ひれがついて誹謗中傷になるのだと。大人がすべきことは、お亡くなりになった生徒の冥福を心からお祈りする。他の生徒・関係者への心配をする。家族で命の尊さについて話し合う事だと思うのですが。」


命はかけがえがなく尊い。失われると戻ってこない。家族や友人など多くの人を悲しみに突き落とす。


今の子どもたちは、テレビやゲームなどを通じて、殺人や暴力などの場面に接する機会も多い。
子どもたちの間に命を軽んじる傾向はないだろうか。

「北海道」、「韓国、「オミクロン株」 NHKニュースから
■北海道で徐々に増加 新型コロナの感染者数は、全国的には2021年に入って最も少ないレベルですが、その中で北海道では11月に入って徐々に増加してきています。北海道では、気温が低い時期には各地に先行して感染が広がる傾向があり、専門家は、感染拡大の第6波につながらないか、注視する必要があると指摘しています。
■韓国 感染者の約6割 ブレイクスルー感染 韓国では、新型コロナワクチンの接種率が80%
近くとなる中で、感染の拡大が続いていて、韓国の保健福祉相は、感染のおよそ6割がワクチン接種済みでも感染する「ブレイクスルー感染」だとして、重症化する危険性の高い高齢者に早期の追加接種を呼びかけました。
(※参考 日本のワクチン接種率:1回目接種78.7%、2回目接種76.5% 11月26日現在)
■新変異ウイルス「オミクロン株」懸念される変異株に指定 WHO WHO=世界保健機関は11月26日、専門家などによる緊急の会合を開き、南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて「懸念される変異株」に指定したと発表しました。指定の理由について、WHOは、現時点で得られている科学的な根拠からほかの「懸念される変異株」に比べ、再感染のリスクが高まることが示されているなどとしています。


家での換気はどうですか? 学校では、常時換気に加え、全換気も行われています。
今年は、原油の高騰の影響で、ガソリン、灯油なども高値が続いています。
また、電気代も一般家庭で月1,000円程度の値上げになると報道されています。
そうなると、家での換気もしづらくなるのでは?
「家でも着こむ。」、「寒い時は、外で体操などをして体を温める。」、「気分もすっきり。」


今後も、生徒及び教職員で感染者が確認され、臨時休業など、教育活動に影響が出る場合は、その状況及び今後の対応について連絡メールでお知らせします。ただし、感染者が確認された場合でも、教育活動に影響がない場合は、連絡メールでのお知らせはありません。(影響の有無についての判断は、保健所、教育委員会の指導を受けてのことになります。)


「そっとしておく、おもいやり」 『第6波 警戒 油断大敵』

令和3年11月29日(全校集会)岡安 和彦

 

校長メッセージ №89 「反射材・腕章」の導入

■校長メッセージ №89 「反射材・腕章」の導入

本日、朝自習の時間をお借りして、「反射材・腕章」の導入についての説明、色のアンケート調査を行いました。
生徒への説明資料は、下記のPDFをお開き下さい。
20211110_153856.pdf
本校の課題の一つに、登下校の交通安全があります。
学区は、市内全域です。
通学手段は、徒歩、自転車、JR、路線バス、スクールバス、送迎と多岐にわたります。
所要時間も、5分から50分程度です。
「自分の命は自分で守る!」
とはいうものの、歩行者が車ではねられる事故は後を絶ちません。
日没後の下校時に、車に存在を気づいてもらえるように反射材・腕章を着用します。
説明の後、広く意見を集めるために「ボルダルール」を用いてのアンケートを行いました。結果は次の通りです。
また、導入にあたり、勝浦ロータリークラブさんが「反射材・腕章」を寄贈してくれます。心から感謝申し上げます。
令和3年11月10日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №88 「365日の紙飛行機」

■校長メッセージ №88 「365日の紙飛行機」

「365日の紙飛行機」 作詞:秋本 康 作曲:角野 平和. 青葉 紘季

朝の空を見上げて 今日という一日が 笑顔でいられるように そっとお願いした
時には雨も降って 涙も溢れるけど 思い通りにならない日は 明日 頑張ろう
ずっと見てる夢は 私がもう一人いて やりたいこと 好きなように 自由にできる夢

人生は紙飛行機 願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り ただ進むだけ 
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番大切なんだ さあ心のままに 365日

星はいくつ見えるか 何も見えない夜が 元気が出ない そんな時は 誰かと話そう
人は思うよりも 一人ぼっちじゃないんだ すぐそばのやさしさに 気づかずにいるだけ

人生は紙飛行機 愛を乗せて飛んでいるよ
自信持って広げる羽根を みんなが見上げる
折り方を知らなくても いつのまにか飛ばせるようになる
それが希望 推進力だ ああ 楽しくやろう 365日

人生は紙飛行機 願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り ただ進むだけ
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番大切なんだ さあ 心のままに 365日

飛んでいけ! 飛んでみよう!
飛んでいけ! 飛んでみよう!
飛んでいけ! 飛んでみよう!

この曲は、2015年、NHKの連続テレビ小説「あさが来た」のテーマソングでAKB48が歌いました。作詞をされた秋元 康さんは、「あさが来た」のスタッフからドラマの内容を聞いた際、女性の生き方への制限が大きかった時代に「時代」を言い訳にせず、冒険し続けたヒロインの「屈託のない生き方」に興味を持ち、「紙飛行機」という言葉を思い浮かべたそうです。

みんなは、この曲を毎朝聴いていますね。そう、この曲から、学校生活がスタートするのです。
この曲は、文化発表会当日に「全校合唱」として歌いますね。

この曲は、昨年6月の学校再開の日から放送されていること、1年生は知らないよね。

それは、次のような想いから、朝の放送にこの曲を選びました。
中学生期は、多感な時期と言われます。
この時期は、「自立心」と「葛藤」が入り混じります。
自分や周りの人を客観的に見るようになります。それゆえに、相手の行動や言動が気になります。時に対立することだってあります。また、自立したい気持ちに加え、子どもに見られることに強い抵抗を感じることも多くなり、反抗的なることもあります。干渉しすぎると「鬱陶しい」、干渉されていないと「必要とされていない」などと心が不安定になります。
また、周りの人との違いや序列にコンプレックスを感じ、自分自身のことを「嫌だな」と感じることもあります。友人や異性に関しても、今までと違った感情を持ったり、心を制御することが難しくなったりします。
加えて、中学校卒業時には「進路決定」があります。定期テストや実力テストが行われ、点数や順位を気にすることが多くなります。勉強をもっと頑張りたいと思うものの、なかなかエンジンがかからない・・・持続しない・・・。親からは、「またスマホばっかり見ていて、少しは勉強しろ!」、『今やろうと思っていたところなんだ、そういわれるとやる気失せる!」なんてことありませんか?
自分は、何に向いているんだろう? 将来は何になろう? 進路について親と考えが違う・・・
いつも戸惑いや不安と背中合わせの日々・・・

私っていったい何?
なんであんなことしちゃったんだろう?
やり直せるなら、やり直したいけど・・・
私、いつも自信ないんだ。

その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか それが一番大切なんだ さあ心のままに

今のあなたのままでいいじゃないですか。
あなたは、とても「素敵」で「貴重」な存在ですよ。
未来だって、自分の「特性」がわかってくれば、「努力」につながるよ。
周りとの違いは「差」ではく『個性』だ。 それが必ず強みになる。
「おーい!主役さん!」 そう、人生の主役はあなただよ。

明日、出張のため、「365日の紙飛行機」の実行委員会の企画を見ることができません。
でも、きっと「勝浦中学校がひとつになる瞬間」だね。

勝浦中学校の推進力は、『生徒一人ひとりの頑張り』です。

令和3年10月20日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №87 「3・5・2」

■校長メッセージ №87 「3・5・2」

下に示した図は、勝浦中学校の新型コロナウイルス感染症の学校内での感染拡大防止のために行っているものです。

毎日、先生方による昇降口で行っている検温が、ここ数日の気温低下により、上手く計測できない状況になっています。
非接触式電子温度計などを使用していますが、皮膚の表面温度の低下により「LO」という表示になってしまいます。
先月までは、登校時の発汗等に伴って、高い温度が出てしまい、手首などで再計測していたのに、今度は気温低下に対する対応を検討しなければならなくなりました。
そこで、先生方で協議しました。
 登校後に教室で計測する案はどうだろう。
 いや、担任の負担は増えるし、朝自習の時間も削られる場合だってある。
 でも、生徒達は自宅で検温しているはずなのだから、ダブルチェックはいらないのでは?
私は、実態を調べるために、今日の朝HRや1校時前の時間をお借りして、調査をしました。
結果は次の通りです。(それぞれの学年、1クラスを抽出)
 ・毎日、必ず検温している          3割
 ・時々、検温を忘れることがある   5割
  ・ほぼ毎日、検温していない       2割 (※各学年ともに大きな差はありませんでした。)
明後日、10月21日(木)からは、3年生の修学旅行に向けて、「同居する家族の健康観察」も始まります。
この「3・5・2」について、みんなはどう感じますか?
確かに、市中の感染者は減ってきています。
その数字に比例するかのように、検温・健康観察などの感染防止対策の基本が崩れてしまっては、今後が心配でなりません。
あなたは、「3・5・2」のどれに該当しますか?

勝浦中の他校と違いのひとつは、登下校時に公共交通機関を使うことです。
当然ながら、不特定者との接触もあります。
ただ、不特定者との接触がいけないのか? JR、バスを使う生徒が危険なのか?
そうではないですよね?
そのように考えることは、「分断・分裂」を生む可能性があると話しましたね。

大事なのは、自分ができる感染防止対策を徹底することです。
今日は、教室でエアコンの暖房運転を始めました。
これから、寒くなると自宅では換気も躊躇してしまいますね。

ある専門家が次のようにテレビで話していました。
秋や春に感染者が減るのは、換気がしやすいという面がある。
夏、冬に感染者が増えるのは、冷房、暖房で換気をしない家庭が多く、「密閉空間」になるからだとコメントしていました。

多くの専門家は、冬にかけて感染者が再び増加し、「第6波」が来ると。
今週には、合唱コンクール、来月には修学旅行、学年旅行、郷育プロジェクトなどもありますね。

「いつ、どこで、だれが」感染してもおかしくない状況には、変りはありません。
コロナの感染経路は、飛沫(空気感染を含む)感染と接触感染です。
コロナを正しく恐れること、コロナと共に歩む(With Corona)ことを忘れないでください。
皆、自分事として考え、明日から、全校306名、朝の検温・健康観察をしてください。

令和3年10月19日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №86 「正常性バイアス、同調性バイアス」

校長メッセージ №86 「正常性バイアス、同調性バイアス」

台風16号の進路を注視しています。


今日は「災害時、ある心の働きが避難を遅らせる」
誰にでも起こり得る災害時の課題を一緒に考えてみましょう。【日本赤十字社のHPから引用】


まずは簡単な診断テストに答えてください。
Q. 職場や学校、外出先で非常ベルが鳴っているのを聞いた時、あなたはどうしましたか?
A.(1)点検だと思って何もしなかった
 (2)皆が避難していないので、大丈夫だと思った
 (3)煙が出ていないし、大丈夫だと思った 
 (4)安全な場所に避難した
これは、簡単にできる「正常性バイアス」と「同調性バイアス」の診断方法です。
この中でバイアス(先入観・偏見)がないのは(4)のみ。(1)〜(3)には下記のバイアスがあります。

■「これくらいなら大丈夫」 正常性バイアス■
上の質問で回答(1)は「非常ベル」=「点検」という過去の先入観から自分にとって危険な状況と認識できない正常性バイアスが働いています。また、(3)は「非常ベル」=「火事」=「煙が見える」という固定観念から、火事以外の危険の可能性があることを認識しない正常性バイアスが働いています。正常性バイアスは、異常なことが起こった時に「大したことじゃない」と落ち着こうとする心の安定機能のようなもの。日常生活では、不安や心配を減らす役割があります。しかし、緊急事態では逃げ遅れなど、危険に巻き込まれる原因にもなります。

□「皆と一緒だから大丈夫」 同調性バイアス□
上記の回答(2)は非常ベルが鳴って危機的状況が知らされているにもかかわらず、周囲の人の行動に合わせる同調性バイアスが働いています。同調性バイアスは、集団の中にいるとついつい他人と同じ行動をとってしまう心理で、日常生活では協調性につながります。しかし、災害時には周囲の人の様子をうかがっているうちに避難が遅れる原因にもなります。その反対に周囲に率先して避難する人がいれば、より多くの人を避難に導くことも可能です。

災害時に働く、この2つの心理を知っておくことが、逃げ遅れを防ぎます。

『バイアス(先入観・偏見)』によって実際に大きな被害となった例を3つ紹介します。
①甚大な被害を出した平成23年3月の東日本大震災では、「あれほど巨大な津波が来るとは想像できなかった」「大地震の混乱もあり、すぐに避難できなかった」「近所の人たちが避難していないから大丈夫」と思った人が沢山いたことが、後の報道によって明らかになりました。
②平成30年7月の西日本豪雨災害。中国・四国地方などで河川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、200名を超える死者・行方不明者を出すなど甚大な被害が発生しました。この豪雨が起きる前、気象庁では「大雨特別警報」を発令し、災害発生の危険があることを呼びかけていました。しかし、NHKが被災者310人に対して行なったアンケートでは、「テレビ・ラジオ」がきっかけで避難を決意した人は4.5%と非常に少なく、周囲で浸水や川の氾濫、土砂災害が発生するなど、「周辺環境が悪化」してからの避難が1位(33.5%)という結果となっていました。このように、どれだけ警報を発令していても、実際に身に危険が差し迫るまでは避難を決断しなかったという実態が明らかとなっています。
③戦後最大の火山被害と言われる平成26年9月の御嶽山噴火。報道では、被害者の多くは、避難を優先せずに噴火や噴煙を撮影していた結果、噴火に巻き込まれたとのことです。
※このどれもが「大事な命」に係わることです。誤解や偏見つながらないように付け加えます。被害に遭われた方の全てがバイアスの影響であったわけではではありません。

この正常性バイアス。例えば、〝家のドアが風でバタンと閉まった〟。「泥棒?」、「お化け?」などと、大きく反応してしまうと精神的に疲労してしまうので、人間の脳には、そのような出来事を正常な範囲だと判断し、心を平穏に保つ働きがあります。これを「正常性バイアス」と言います。
ところが、この防御作用ともいえる「正常性バイアス」が、本当に深刻な状況になったとき、逆に人を危険な方向へ進ませることがあります。このような状況に対峙したとき、「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、物事を正常な範囲だと認識する心の働きを指します。
また、「同調性バイアス」があります。これは「周りの人と同じ行動をとる」ことが安全と考える心の働きです。特に、日本人はこの働きが強いといわれています。「和の文化」と言われますが、場の空気を読むなど、時と場をわきまえた礼儀などが影響しているのかも知れません。
この同調性バイアスは、一致団結して集団的に助け合うなどの場面では、大きな力になります。
従って、このバイアスの全てが悪いとは言えません。

これを新型コロナウイルス感染症に置き換えて考えてみよう。

「みんな健康そう。体調も悪くないはず、大丈夫だろう・・・といって、ワイワイガヤガヤ」
『みんな一緒だし、誰もやめようと言わないから・・・大丈夫だよね』


新型コロナウイルス感染症の第5波は、ピークアウトしたようにも見えます。
ある専門家は、「人流が減っていないのに、ワクチンの効果だけでこれだけ急速に下がっているとは考えにくい」と解説しました。


私は、災害級ともいえる「新型コロナウイルス感染症」に対応していくためには、「想像力」と「判断力」が必要だと考えます。
これは、生徒のみんなだけではなく、私たち教職員も同様と考えます。
まず、自分自身で想像力を働かせて考えること。そして、根拠に基づいて主体的に判断することです。


来週火曜日から一斉登校(短縮日課・登下校リスク軽減対策)が始まります。

段階的に、通常日課に戻し、部活動も再開していきたいと考えています。大事な学校行事もあります。今後も気を緩めることなく、基本的な感染防止対策を徹底していきましょう。


「これくらいなら大丈夫」、「きっと大丈夫」、「前も大丈夫だったから」
『みんな逃げてないから大丈夫』、『みんなが行動を変えないから大丈夫』 ではありません。

あなたの「想像力、「判断力」がみんなを救うことだってある。


令和3年9月24日 岡安 和彦
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【日本赤十字社】「不安が見えなくなるメガネ」 

 

校長メッセージ №85 「油断大敵」

校長メッセージ №85 「油断大敵」

過去最大の感染拡大となった新型コロナウイルスの第5波。
ようやくピークを過ぎたとみられますが、まだまだ油断ができません。
感染力が強い「デルタ株」が主流になり、「今までの感染防止対策で大丈夫なの?」と心配する人もいると思います。
市中の状況等を考慮して、分散登校を延長しました。
真剣にオンライン学習に臨む生徒の姿や放課後にオンライン授業のパワーポイントなどを準備する教職員の姿に感極まります。

学校運営では、3つのことを考えています。
1つは、学校生活で感染させないこと。(これは、無症状陽性者を想定しています。)
2つは、学校内で感染拡大・クラスターを発生させないこと。
3つは、新型コロナウイルス感染症に係わる偏見、差別等について共に考え、必要に応じて指導をすること。

新型コロナウイルス感染症の感染経路は「飛まつ感染」と「接触感染」です。
一部の専門家が「空気感染」について注意喚起をしていますが、私は広義な意味で「飛沫感染」と捉えています。
飛沫は、すぐに床に落ちてしまうもの、一定期間空気中を漂う「マイクロ飛沫」があるとされます。
運動部の場面の一例:練習後の更衣室内で息が荒い状態でマスクを外して会話。
この状況で、クラスターが発生した可能性が高いとされる。
詳しく状況を整理すると、「5分程度の時間マスクなし」、「部室には窓がなく密閉状態」、「部員同士の距離は確保されていたが、運動直後であったためゼイゼイと息をしながらの会話によって飛沫飛散から感染」
WHOや厚生労働省、感染防止対策の専門家が共通している感染防止対策は、マスクの着用、こまめな手洗いや消毒、そして「密閉・密集・密接」の3密を避ける。
学校では、「正しいマスクの付け方」を動画視聴しました。この動画の中でスーパーコンピュータ「富岳」が可視化した飛沫飛散の様子を確認しました。
手指消毒用マイボトル(アルコール)による手指消毒の仕方について、養護教諭が提案した方法を具体的に確認しました。そして、授業の始めと終わりと給食前に、クラス全員での消毒の実施、また、トイレ後など、こまめに消毒をすることとを実践しています。
教室の換気は、全ての窓を20センチ開ける「常時換気」に加え、休み時間と授業の中間には、「窓全開の換気」を行っています。吉野正芳先生と鈴木健吾先生が行ってくれた換気テストにより、音楽室などの特別教室の換気対策は、送風機を併用しています。体育館は、市教育委員会が設置してくれた大型シーリングファンにより、〝床に置いたプリントが飛ばされる〟位の風量(調整可)で換気をしています。
この他にも、登校時の水際対策として「昇降口での健康観察・検温」など、考えられる感染防止対策を学校全体で行っています。

さぁ、みなさん。明日からの3連休をどのように過ごしますか?
昨日、市のホームページには、市内で6名の陽性者が確認されたと。
「学校は大丈夫か!」と、電話をくれる方もいます。その話の中で、私が把握しているものと違った情報を教えてくれる方もいて、少し困惑してしまいます。「デマ話」が拡散しているのです。
「憶測」によって話を大きくしている場合だってあると考えられます。
こういったことから、偏見や差別、誹謗中傷などに発展し、さらには、分裂・分断してしまっては、本質がずれてしまいます。
このような心理の裏には、「不安」があります。『自分は新型コロナウイルスに感染したくない』
『感染したらどうしよう・・・』

あなたは、自分の家族が感染したらどうしますか?
自分の友人が感染してたら・・・どのように対応しますか?
『シンパシー:sympathy』『エンパシー:empathy』を思い出してください。
「人の気持ちを思いやる。」、「人との感情を共有する。」、「その人の心情をくむ。」

以前にこの新型コロナウイルス感染症の感染拡大について、「災害級」と表現しました。
新型コロナ前の災害発生後は、復旧のために「災害支援ボランティア」が活躍しました。
この新型コロナでは、それはできません。
『互助』の精神を持ちながら、各自ができることを適切に行うしか、この災害を乗り越える方法はないと考えます。

10年前の東日本大震災で『釜石の奇跡』と呼ばれた避難行動がありました。
中学生が、津波避難の率先避難者(垂範者)となりました。

学校でのみんなの行動を見ていて、気になることが1つあります。
それは、「生徒同士の距離」です。お互いに『距離の確保』を意識してみてはどうだろう。
距離をとることは、「相手を避けている」こととは違うよ。『思いやりの距離』だ。
また、家庭でもできる限りの感染防止対策をとってください。

この新型コロナウイルス感染症は、気温が低くなると、ウイルスは飛まつの中で感染力を保ちやすいことが報告されています。これから気温が下がってくると、感染のリスクが高まることも考えておかなければなりません。第6波を意識して、気を緩めることなく、今の対策を習慣化することが重要です。
昨日の報道では、「県内の病院で6名の感染がわかった、うち5名はワクチン接種を受けていた」と。ワクチン接種をしたとしても、知らず知らずのうちに感染を広げている可能性があると考えて、「油断せず」に対策を徹底しよう。

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「デルタ株は非常にウイルス量が多く、のどや唾液の中に多く存在する。ちょっとした会話でも出てくるマイクロ飛まつの中に相当量のウイルスがあると考え、不織布マスクを使うことに加え、換気を徹底するなどが必要だ」と話しています。

「油断大敵」、「勠力協心」
まずは、5教科のテストお疲れ様でした。
先生方も連休は、ゆっくり休んでほしいと思います。

令和3年9月17日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №84 「分裂・分断」

校長メッセージ №84 「分裂・分断」

2019年12月中華人民共和国湖北省・武漢市で初めて確認された新型コロナウイルス。
翌年1月には、市内のホテルで武漢市からの帰国者を受け入れた。
当時、本校の1~3年生は、ホテル滞在者にメッセージを送った。
そして、全国一斉の臨時休業に入った。
新型コロナウイルス感染症と付き合うようになって、1年8ヶ月が経とうとしている。

2学期から始まった、分散登校、分割授業、オンライン授業。
「いつ・だれが感染してもおかしくない状況」には、変わりがない。学校は、いつも感染リスクと向き合っている。
コロナ対応、何をするにも『正解』が見つけにくい。

学校現場には「Update」が求められている。
「SDGs」、「Society5.0」
情報化、グローバル化の加速度的進展や人工知能(AI)の飛躍的進化などの急激な社会変化を迎えている。

予測困難な時代であっても、未来の「創り手」となるために、必要な資質・能力を子ども達に育むことが求められている。そのために、学校教育を通じて、よりよい社会を創るという目標を学校・家庭・社会が共有することが必要であると。

今回の分散登校については、災害級とも言われる感染拡大を受け、本校の特殊事情を考慮して総合的に判断した。
教職員で知恵を絞り、ある程度の方向性を決めた上で、教育委員会や保健所、学校医に助言を頂いた。
オンライン授業については、実際の運用は初めてのことだった。
当然ながら、メリット、デメリットもある。運用してみて初めてわかったこともある。
実施にあたり、「Trial & Error」、「スピード感」を大切にした。
「生徒第一主義」、「生徒の自己実現の支援」をPolicyとしながらも試行錯誤の日々である。

裏面のような調査結果が公表された。(日本大学 高橋 智教授、金沢大学 田部 絢子教授ら 令和3年6月下旬から8月1日調査)
登校した生徒に話を聞くと、「授業の進みが早いように感じます。」「途中途切れて、焦ってしまいます。」「一人で取り組む授業はさみしい感じがします。」「集中力を持続するのは大変です。」
学校での教職員の動きはどうかというと、「全校体制・総力戦」です。
学校内には、感染防止のメッセージを書いた看板を設置。
登校時、昇降口での健康観察・検温のダブルチェックの実施。
分割授業のため、複数担任の配置、教科担当者の授業数も増加して対応。
オンライン授業では、出席確認や生徒の質問にチャットで答える職員を複数配置。
録画した授業動画の配信。
養護教諭は全校の感染防止対策の指揮。
休み時間や給食前の注意喚起の放送は、
事務さんが担当。
環境整備、消毒作業は学校用務員さん。
放課後の職員室では、オンライン授業用に教材を準備する先生方。
これを感じてか、分散登校での生徒の様子は、今まで以上に感染防止を意識した行動がみられる。
生徒と教職員が有事と認識し「お互いを尊重・思いやる」構図が見える。

平成30年6月22日『東日本大震災 「語り部」 講演会』(会場:キュステ)を覚えていますか?
高校生の語り部さんが、講演の中で話した「被災組」という言葉。「16歳の語り部」(ポプラ社の)の中では、〝被災した子ども達の中には、自分たちのことを「被災組」と呼ぶ人たちが出てきました。被災組とそうでない人たちでは、話題が全く違いました。被災していない人は何の気なしに、「昨日食べたおやつおいしかった」などと、食事の話題を楽しそうにしていました。でも、被災組は、明日の生活がどうなるかさえわかりません。話を振られないように、そっとその場を離れることもありました。では、被災組同士なら、つらさや悲しみを共有することができたかと言えば、そんなこともありませんでした。家を流された人、家族を亡くした人、友達を亡くした人、家に戻れた人、仮設住宅の人、一人ひとりの被災状況があまりにも違っていたからです。〟

この新型コロナウイルス感染症の終息。まだまだ先は見えません。
1年程度で特効薬ができるだろう。と楽観視していた自分が恥ずかしい。
新たな変異株で、さらに先行きが不透明。
生徒のみんなや家族、教職員、教職員の家族の「命」は、何より大事。
併せて、学習の保障や行事、部活動の運営、3年生の進路実現を支援していかなけばならない。
災害とも言える感染症は、「偏見、差別、分裂、分断」を生むことだって考えらる。

ある調査によると、コロナにより「K字経済」、「家の経済は格差」が生まれたと。
ワクチンを受けた人とそうでない人に「偏見の種」があると。
3年生が、進路と向き合っている中で、下級生の行動を見て、腹を立てたりすることも心配。
先生達も各学校の対応は様々ある中で、「負担感が強くなれば不満から批判」につながることだってあるだろう。
こういった心の作用を制御していくことは、もしかしたら感染を防ぐことより難しいことなのかも知れません。
だから、一人ひとり意識しよう。 コロナは、偏見、差別、分裂、分断を生みやすいことを。
不安、大変なのはみんな同じ。 だからこそ、心をひとつに全員の力を結集・一致協力をしよう。
『勝浦中学校 勠力協心 ここを乗り越える!!』

令和3年9月13日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №83 「部活動」

校長メッセージ №83 「部活動」

■令和2年部活動引退式
1年前の部活動引退式。大会、コンクールがすべて中止となった。部活動引退式の話しでは、作家の奥田 英朗(おくだ ひでお)さんが朝日新聞に寄稿したものを引用させて頂きました。

『明日は別の日にして』
人生で一番難しいことは、諦めることを赦す(ゆるす)ことである。大人でももだえ苦しむ難題に、まだ10代の君たちが直面しなければならないのだから、見ている私まで心が痛む。運命のいたずらと言うにはあまりにも残酷(ざんこく)で、かける言葉も簡単には見つからない。ただ、君たちより3倍以上年を重ねた人間として、生きるヒントをひとつ伝授しようと思う。君たちの憧れの、あるいは目標とする人物を想起(そうき)してほしい。彼ならこんなとき、どんな態度をとるだろうか。
私たちは、イチローさんや三浦知良さんが泣き言を言ったところを見たことがない。彼らにも不遇の時期はあったはずだ。スランプに陥ったり、試合に出られなかったり、けがをしたり。それでも彼らは黙々と準備し、明日に備えた。常に前向き。それが一流の条件だと思わないか。
もちろん君たちにそこまで要求しない。だから泣けばいいし、悔しがればいい。しかし今日だけだ。明日は別の日にしてほしい。
君たちの世代にはきっと名前が付くだろう。今年は、それほど歴史に残る一年なのだ。
10年後、20年後、おれたちは2020世代(仮称だよ)、だから逆境に強いんだ、そう言えるようになってほしい。
天を恨まず(うらまず)、人を咎めず(とがめず)。それがどれほど大変なことか。大人はみんな知っている。だから、人類の危機は俺たち私たちの世代が救った、それくらいのことを言ってもいい。私が認定する。

県大会などの上位大会を目指していた生徒も多くいるでしょう。また、大会の結果よりも日々の鍛錬に手ごたえを感じて、人間的な成長を実感していた人もいるでしょう。
様々な制限がある活動の中での、部活動の意義、節目、引退、進路・・・と考えなければならないことが沢山あります。 答えはすぐに出ない。一緒に考えよう。 (あれから1年。)

■草刈り、環境整備の意味
部活動壮行会で話した「チーム一丸・積極果敢・完全燃焼」
私もチームの一員として入れてほしいと考えていた。 私にできることは何があるだろう?
そうだ環境整備。 これでいこう! 理由は、3つのことを考えた。
①大会前に環境を整え、生徒は練習に集中。清々しい気持ちで大会に臨ませよう。
②大会直前の総仕上げに、顧問の先生方が生徒について指導してもらおう。
③清潔、整頓することで「勝負の神様」は応援してくれる。(私が勝手に信じているから。)

■部活動の意義
部活動は、学校教育活動の一環として行われており、文化的活動やスポーツに興味と関心を持つ同好の生徒によって自主的に組織され、個性の伸長、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で目標達成の喜びや文化・スポーツの楽しさを味わい、豊かな学校生活を経験する場です。
この部活動は、生涯にわたって文化的な活動やスポーツに親しむ能力や健康の増進を図るだけでなく、学級や学年を離れて生徒が自発的・自主的に活動を組織し展開することにより、生徒の自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成するとともに、仲間や教師(顧問)との密接なふれ合いの場と明るく充実した学校生活の場として大きな意義を有するものです。
これを学校教育活動に位置づけ、生徒の人間形成を適切に支援するとともに、部活動の取り組みが学校の一体感や愛校心を醸成することにもつながっていると考えます。
生徒一人ひとりの人間的な成長を一番に考えて、部活動を行っているんだよ。
そして、顧問の先生は一人ひとりの自己実現を支援しているんだ。
選手で大会に出た人もサポートに尽力した人もいるでしょう。
目指した目標を達成した人、そうでなかった人もいるでしょう。
特に、3年生にとっては、最後の郡大会。相手だって必死だ。研ぎ澄まされた緊張感。
私も40年近く前になるけど、ケガの入院中に一時退院をさせてもらって、ワンポイントで試合に出させてもらったこと今でも覚えている。そんな場を演出してくれた顧問の先生や仲間には、本当に感謝している。

あなたは、部活動を通して、どんなことを学びましたか。また、学んでいますか。
技能、技術だけではなく、その種目の特性に応じた『道・教え』を。
柔道、剣道だけではなく、各種目に『道』をつけるならば、陸上競技道、野球道、ソフトテニス道、バスケットボール道、卓球道、バレーボール道、吹奏楽道、美術道、家庭科道となります。
その種目に応じた人生の糧や道標になるものが『道』です。
また、最後の大会の結果だけでなく、その過程の中でいくつかの『壁』にぶつかり、それを乗り越えた時に実感したもの、それが『教え』です。

■大谷翔平選手 HR競争出場料を分配 (NHKニュース)
投打のプレーだけではなく、所作も超一流とアメリカで話題になっている大谷翔平選手。
「ホームラン競争の賞金1650万円 球団スタッフに分配」 令和3年7月17日 MLB 
大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、オールスターゲームのホームラン競争で獲得した賞金を球団スタッフに配っていたことが分かりました。
大谷選手は今月12日に行われたオールスターゲームのホームラン競争に日本選手として初めて出場し、1回戦でナショナルズのソト選手に敗れましたが、再延長にまでもつれこむ熱戦で会場を沸かせました。
ホームラン競争の優勝賞金は日本円でおよそ1億1000万円でしたが、大谷選手も賞金15万ドル、日本円でおよそ1650万円を獲得していて、球団関係者によりますとこの賞金をトレーナーや広報など球団のスタッフに配ったということです。アメリカのメディアは、大谷選手が、日頃の感謝の思いを込めておよそ30人のスタッフに賞金を配ったと伝えています。(あなたは、日々の生活の中で誰に感謝していますか?)

県大会に出場する生徒は、目指すところまで突き進め。
1・2年生。新人大会に向けて、どのように取り組みますか?

全校生徒のみんな。 『過信、慢心、油断大敵』 事故防止、コロナ感染防止対策の徹底

ひとまわり、ふたまわり成長できる「夏」にしょう!!
『勝愛・未来・切拓』

令和3年7月20日 1学期終業式 岡安 和彦
 

校長メッセージ №82 「ワクチン接種の差別・偏見」

■校長メッセージ №82 「ワクチン接種の差別・偏見」

全国的に新型コロナウイルス感染症ワクチン接種が進み、勝浦市でも集団接種や職域接種などでワクチン接種が行われていると聞きます。
私たち教職員にも集団接種の枠組みの中で、ワクチン接種が進められています。
また、7月13日を期限に市のワクチン接種班による希望調査が行われましたが、「学校接種枠でのワクチン接種」も8月4日から始まります
今後、教職員と生徒にもワクチン接種が進んでいくことになります。
これにより、学校現場では教職員・生徒間でも「ワクチン接種を受けた人と受けない人」が混在する状況となります。
ワクチンの接種を受ける又は受けないことによって、差別、偏見、不利益が生じないように、次のことに十分注意してください。

 ●ワクチンの接種は強制ではなく、あくまでも個人の判断によるものであること。
 ●周囲にワクチンの接種を強制してはいけないこと。
 ●身体的な理由や様々な理由によって、ワクチンを接種することが、できない人や接種を望まない人もいること。また、その判断は尊重されるべきであること。
●行事や活動において、ワクチンの接種の有無による区別がないよに留意すること。
 ●周囲にワクチン接種の有無を不用意にたずねないこと。

(参考:日本赤十字社「負のスパイラルを断ち切るために」)

ワクチン接種に関しては、真偽の定かではない、様々な情報がインターネット上に出ています。
もうすぐ夏休みに入ります。一人でいる時間が長くなることも考えられます。インターネットの情報は「珠玉混合」です。不安になったときは、家族や信頼できる人に相談しようね。

令和3年7月18日 岡安 和彦 


 

校長メッセージ №81 「偏見・差別」

■校長メッセージ №81 「偏見・差別」

今日は、七夕ですね。 給食も、七夕メニューでしたね。
今日は改めて、新型コロナウイルス感染症の「差別や偏見」ついて考えてみよう。
それぞれの意味は次の通りです。
「差別」程度に差をつけて、扱いを分けること。分け隔て。
「偏見」偏った考え。見方。

感染症から差別や偏見が生まれる理由
人は目に見えないウイルスに対する不安や恐れを、目に見えるものにすり替えます。
感染症にかかった人や特定の地域・お店・学校など、実際に目に見える感染症を連想させる人や場所などを避けたり、遠ざけたりする気持ちが「差別や偏見」につながります。
新型コロナウイルスも含め、感染症は誰でもかかる可能性があります。
たたかうべき相手は人ではなくウイルスです。
感染症への正しい理解と思いやりの心で不安な気持ちを乗り越えましょう。

■新型コロナウイルス感染症の『3つの感染症』

 ■第1の感染症(病気)
  第1の感染症を防ぐために
  一人ひとりの衛生行動の徹底
   ・手洗い、消毒、換気
  ・マスクの着用
  ・ソーシャルディスタンス
 ■第2の感染症(不安)
  不安や恐れと向き合うために
  ・確かな情報
  ・冷静な判断
  ・自分を支える力
  (自分の生活習慣を大切にする)
 ■第3の感染症
   不安に扇動されないために
  ・不確かな情報や差別的な言動に
   同調しないこと

私たちが考えたいこと「思いやり」 


 私たちが「すること」「しないこと」

ご家庭でもご協力をお願いします。
新型コロナウイルスのニュースを観ながら、「○○地区から来ないでほしいよね。」「あそこの人、コロナになったらしいわよ。怖いね。」など、何気なく発した言葉を子どもたちは聞いています。
この感染症に対する大人の反応は、子どもたちの受け止め方にも大きく影響します。学校でも、
差別や偏見について継続して指導していきますが、ご家庭でもお子さんが感染症への正しい理
解のもとに適切に行動できるよう、親子で話し合う機会を設けて
ください。(出典・参考:日本赤十字社、文部科学省)

映像教材
令和3年7月7日 岡安 和彦
 

校長メッセージ  №80 「土砂災害:学校の危機管理を再点検」

■校長メッセージ  №80 「土砂災害:学校の危機管理を再点検」

土砂災害の種類と予兆について考えてみよう。
土砂災害は、台風等の大雨や集中豪雨、地震が引き金となることが多く、突発的に大きな破壊力を持って発生します。非常時に備えて、日頃から準備をすることが大切です。

1 種類と前兆現象
傾斜が急な山の多い日本では、台風、大雨、地震などにより土砂災害が発生しやすいです。土砂災害には、斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる「がけ崩れ」、斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する「地すべり」、山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨によって一気に下流へと押し流される「土石流」があります。
また、土砂災害が発生する前には、様々な前兆現象が起こる時があります。こうした前兆現象に気づいたら、周囲の人にも伝え、直ぐに避難をすることが大切です。

● がけ崩れ
斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象です。崩れ始めてから、崩れ落ちるまでの時間がごく短く、人家の近くで起きると逃げ遅れる人も多く、人命を奪うことの多い災害です。
●地すべり
斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象です。移動する土塊の量が大きいため、甚大な被害を及ぼします。
●土石流
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。時速20〜40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。
         (出展:Yahoo!天気・防災)

雨が降ったら要注意! 土砂災害の前兆 
[がけ崩れ] がけにひび割れができる。小石がパラパラ落ちてくる。水が湧き出る。水が濁る。地鳴りがする。
[地すべり] 地面がひび割れる。陥没する。崖や斜面から水が噴き出す。地鳴り。山鳴りがする。樹木が傾く。亀裂や段差が発生する。
[土石流] 川の水が濁り、流木が混ざる。腐った土の匂いがする。雨が降っているのに水位が下がる。立木がさける。石がぶつかり合う音が聞こえる。山鳴りがする。

2 土砂災害が発生しやすい時
土砂災害は、地中にたくさんの雨が貯まったところに強い雨が降ると発生しやすくなるという特徴があります。
日本では近年、「集中豪雨」や「局地的大雨」が増えていますが、これらは発達した積乱雲(入道雲)によって引き起こされます。集中豪雨は、積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返すことで起きるもので、狭い地域に激しい雨が数時間にわたって降り続き、数百ミリの総雨量となります。
一方、局地的大雨は、一つの積乱雲が発達することで起きるもので、一時的に雨が強まり、局地的に短時間で数十ミリ程度の総雨量となります。こうした集中豪雨や局地的大雨が発生した時は土砂災害の危険性も高まるので、特に注意が必要です。

3 土砂災害が発生しやすい場所
土砂災害が発生しやすい場所は、主に次のものがあります。
 ・急傾斜地
 急傾斜地では崖崩れに注意が必要です。崖崩れは、豪雨等によって突然起こりますので、早 めの避難に心がけましょう。
 ・扇状地
 山間部の大雨によって山崩れが起こると、土石流が扇状地(川が山地から平地へと流れ出る ところにできた扇状の土地)を直撃する可能性があります。
 ・造成地
  盛土地では、地質・地形が不安定なので、大雨が降ると地盤がゆるみ崩れる危険があります。
  水抜きの穴から濁った水が出始めたら要注意です。
 ・山岳地帯
 大雨や地震によって山崩れが発生します。樹木の少ない山間部では土石流の危険が大きくな ります。
 ※出典:内閣府防災情報のページ(2019年02月14日公開).Yahoo!天気・防災

活発な梅雨前線の影響で県内は3日、千葉県南部を中心に激しい雨が降り、木更津市では午後2時までの72時間雨量が観測史上最大の348ミリを記録した。銚子気象台によると、3日午前11時頃、いすみ・安房地域地域で1時間に50ミリ以上の激しい雨を記録。同日午後2時までの24時間雨量は木更津市で193.5ミリ、勝浦市で157.5ミリを観測した。(千葉日報7月4日)

みんなは、静岡県熱海市で発生した土石流の映像を見ましたか。
7月3日(土)には、本校で4つの部活動が活動していました。土砂災害警戒情報の発令を受けて部活動を中止し、保護者に引き渡しをお願いした。
大事なみんなやご家族に被害がなかったことが何よりではあったが、前日または登校時間前に部活動の中止判断をすべきであったと、深く反省をしています。
命、安全を最優先にした学校づくりを教職員一丸となって進めていきます。

令和3年7月4日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №79 「対岸の火事」

■校長メッセージ №79 「対岸の火事」

対岸(たいがん)の火事の意味 : ①向こう岸の火事 ②自分に関係のないこと

(向こう岸の火事は、自分に災いをもたらす心配のないことから) 自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。ただ見ていることを意味します。
火事が起こると命の危険にさらさるし、例え無事でも財産を失うなど、その後は大変です。また、自分の家でなくても、隣家が火事になると、こちらまで燃えうつる危険があるので、他人事はいられません。
しかし、「対岸の火事」とは、川や海の向こう側で起きている出来事であり、 自分の家との間に大量の水があるので、こちらまで火が及ぶ心配はありません。
そういったことから、対岸では、とんでもない事態が起きているものの、自分には関係がないという意味で使われます。

『都内で10代の感染が急増…変異ウイルス流行、小中学校クラスターも』(読売新聞:令和3年7月2日)
■ 東京都の年代別感染者数 ■

東京都内で10歳代の感染者が急増している。厚生労働省の集計では、6月26日までの1週間の感染者が前週の1.7倍となった。同省の助言機関は、感染力が強いとされるインド型(デルタ型など)の変異ウイルス流行が一因とみている。
同省によると、都内の10歳代の1週間の新規感染者(人口10万人換算)は、6月19日時点が20人だったのに対し、26日時点は34人と1.7倍に急増した。全世代平均は、19人から24人と1.3倍増で、感染者数、増加率ともに平均を上回った。
施設内の感染も増えている。都によると、6月28日までの1週間で感染経路が判明した未成年346人のうち、学校や保育所など施設内で感染した人は44%(153人)で、前週の30%(56人)から大幅に増加した。小中学校でのクラスター(感染集団)や保育園児ら10歳未満の感染者も目立った。

■ 東京都で起きていることは、「対岸の火事」だろうか?

                                    (グラフ・千葉日報:令和3年7月2日)

千葉日報(令和3年7月1日)
県内で30日、新型コロナ県疾病対策課によると、ウイルス患者の1人の死亡と156人の感染が分かった。感染者数が150人を超えるのは5月21日以来。3施設で新たなクラスター(感染者集団)が確認された。県疾病対策課によると、死亡したのは県内に住む80歳男性。変異株の感染者で、6月上旬に発症して入院していた。
佐倉市は、2施設でクラスターが発生。市立印南小学校で児童8人、市立南志津保育園では職員7人の感染を確認した。
木更津市のグループ「ふるさと・木更津」も職員と利用者計5人の感染が分かり、クラスターと認定された。月1回実施しているPCR検査で発覚した。
船橋市の変異株独自検査は対象の6人全員が陽性だった。英国株(アルファ株)が3人、インド株(デルタ株)の可能性がある変異も3人。


昨日、7月1日付けで、「学校関係者(生徒・教職員)が新型コロナウイルス感染症の感染者等になった場合の対応について(一部変更)」を発出しました。
変更した点は、次の内容です。
5 本人や同居する家族に発熱や風邪等の症状が出た場合は、学校をお休みしてください。
   その場合、欠席にはなりません。(学校保健安全法に基づく「出席停止」となります。)

この変更については、市中の感染状況や感染力が強いとされるインド型(デルタ型など)の変異ウイルス流行に伴い、感染防止対策の強化や学校内でのクラスター防止を考えてのことです。
今月は、総合体育大会、コンクールなどもあります。「自分は大丈夫と・・・」油断していませんか。
感染は、『飛沫と接触』です。感染防止対策を徹底できれば、感染を防止できます。各自の意識と実践にかかっているのです。
令和3年7月2日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №78 「教室はまちがうところだ」

■校長メッセージ №78 「教室はまちがうところだ」
蒔田晋治・作 長谷川知子・絵 (子どもの未来社)
教室は間違うところだ みんな どしどし手を上げて
間違った意見を言おうじゃないか 間違った答えを言おうじゃないか

間違うことを恐れちゃいけない 間違った者を笑っちゃいけない
間違った意見を 間違った答えを ああじゃないか こうじゃないかと
みんなで出し合い 言い合う中でだ 本当のものを見つけていくのだ
そうしてみんなで伸びていくのだ

いつも正しく間違いのない 答えをしなくちゃならんと思って
そうゆうとこだと思っているから 間違うことが怖くて怖くて
手も上げないで 小さくなって 黙りこくって時間が過ぎる

仕方ないから先生だけが 勝手にしゃべって 生徒は上の空
それじゃあ ちっとも伸びてはいけない

神様でさえ 間違う世の中
ましてや これから人間になろうとしている僕らが間違えたって
何がおかしい 当たり前じゃないか

うつむきうつむき そうっと上げた手 初めて上げた手 先生が指した
どきりと胸が大きく鳴って どっきどっきと体が燃えて 立った途端に忘れてしまった
なんだか ぼそぼそしゃべったけれども 何を言ったか ちんぷんかんぷん
私はことりと座ってしまった

体がすうっと涼しくなって ああ言やよかった こう言やよかった
後でいいこと浮かんでくるのに

それでいいのだ 幾度も 幾度も お同じことを繰り返すうちに
それから段々 どきりがやんで 言いたいことが言えてくるのだ

初めから上手いこと 言えるはずがないんだ
初めから答えが 当たるはずないんだ

何度も何度も 言っているうちに 間違ううちに
言いたいことの半分くらいは どうやらこうやら言えてくるのだ
そして たまには答えも当たる
                                    
間違いだらけの僕らの教室 恐れちゃいけない 笑っちゃいけない
安心して手を上げろ 安心して間違えや

間違ったって 笑ったり 馬鹿にしたり 怒ったり そんな者はおりゃあせん

間違ったって誰かがよ 直してくれるし 教えてくれる
困った時には 先生がない知恵絞って教えるで そんな教室作ろうや

おまえ変だと言われたって あんた違うと言われたって そう思うんだからしょうがない

誰かが仮にも笑ったら 間違うことがなぜ悪い
間違ってることわかればよ 人が言おうが言うまいが おらあ自分で改める
わからなけりゃそのかわり 誰が言おうと 小突こうと おらあ根性曲げねえだ

そんな教室作ろうやあ  
(生徒が読みやすいように、詩の用字用語、改行などを一部 変更しました。)
作者の蒔田晋治先生は、中学校で2年8組の担任をしているときにこの詩を作りました。

私は、学級担任をしているとき、次のようなことをいつも考えていました。
・一人ひとりの『心の居場所になる学級作り』
・一人ひとりの『個性が輝く学級作り』
・一人ひとりが『安心して自分の考えや意見を発表できる学級作り』
あるとき、学級経営に悩んでいたところ学年主任の先輩教員にこう言われました。「学級という集団を育てるんだ。集団を育てていけば個は伸びる」また、別の先輩教員からは『大胆かつ細心』
を心がけよ、と教えられました。それから、私の指導観は変わりました。個々の事案にとらわれすぎずに、学級集団の中で個を育んでいこうと。また、指導には、大胆・細心、緩急、徹底が必要だと。

自分たちの学級はどうですか? 学級開きから約3ヶ月が経ちます。
学級は、安心して生活できる場所になっていますか?
お互いの意見が言い合え、高め合える学級になっていますか?
困ったような表情をしている人いませんか?
不安を抱えている人いませんか?
良いことは良い、悪いことは悪いと、規律ある学級ですか?
一部の人の意見で学級は動いていませんか? 嫌な思いをしている人いませんか?
班活動、当番活動、委員会活動などの自治活動は充実してきましたか?

「教室はまちがうところだ」
一部の人は、「よーし! 授業中に面白発言たくさんしよーっと!!」考えている人いるでしょ。
そういった発言をして、授業を盛り上げなくてもいいんだよ。 
そうじゃなくてさ。先生の発問に、真剣考えて自分の答えを導き出す。
自分なりの考えをだよ。正解かどうかは二の次だよ。
それが友達の考えと違っていていいんだよ。
相手の答えを尊重しながら、対話や議論を進めていくことが、とても大事なんだよ。
そのためには、一人ひとりの考えが尊重されるクラスでなければならないんだ。
学級をつくっているのは、「あなた」です。
「あなた」が大事なんです。『あなたの個性が輝いて、虹色のクラスになるのです。』

令和3年6月28日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №77 「しろばか・仙台四郎の物語」

■校長メッセージ №77 「しろばか・仙台四郎の物語」
『福の神になった少年』から 作:丘 修三(佼成出版社)

「大黒屋さ、夜逃げしたんでがすと」
「そういや、このごろは、はー、客が少なかったっちゃねや」人々のささやきが聞こえた。
いくら叩いても、大黒屋の戸は開かなかった。借金取りたちは、仕方なく、口々に大黒屋をののしりながら去っていった。
取り巻きの群衆の輪が崩れたとき、「おや、なんだ、しろばかでねぇの」と群衆のひとりが後ろにぼうっと立っている四郎に気がついた。
「おめえも、見てぇのか?」       
「人の不幸は、はー、ばかでも面白れえと思うんだべっちゃ。アハハハ」
四郎はニコニコ笑いながら、キク丸をつないだ縄を持って突っ立っている。
「ん、これはおめえの犬か。おとなしい犬だやな。けんど、そんなもん連れてっと。けえって嫌われっど」
「そういや、この大黒屋、おめえによく水かけたり、怒鳴ったりしてたっちゃな。」
「いい気味だべ。な、しろばか。」「んだけんども、考えてみっと、不思議だな。」
「何が?」
「いや、このしろばかがよく行く店はよ、みんな繁盛してるんでねの。岡田屋だっぺ。えびす屋。それに、ときわ屋・・・な」
「んだな。それに比べて、こいつがあまり行かね店は・・・」
「大黒屋、三国屋、やまき屋・・・おい、おい、こっちはどこも左前(商売がうまくいかない)でねえのすか。
「んだな・・・・!」
人々は、そこにぼうっと立っている四郎の頭の先から足の先まで、改めてよくよくながめ回した。
「んだけんども、どう見てもそんなことがわかるほど、利口とは思えねんだけど・・・」
「んだ。どう見ても貧乏神だっちゃねや」
「貧乏神みてえにしてっけど、ひょっとしたら、しろばかは、福の神かもしんねぞ」
「こいつが、福の神の面かぁ」。  
「いやいや、よく見とどことなく福々しいところがあってねか」
(中略)
「しろばかは福の神だ」という話は、その時はちょっとした笑い話で終わった。
しかし、誰かがふと口にしたこの言葉が、次第にあっちでささやかれ、こっちで人々の口にのぼった。
そうするうちに、だんだん「しろばかは福の神だ」と言う噂が、冗談ではなく、本当の話としてささやかれはじめた。               
そして、町の人々は、ひょっとしたら四郎は本当に福の神かもしれないと思うようになっていった。
そうなると、噂は噂を呼んで、話は大きくなるばかりである。
あることないことがくっついて、四郎はみるみる評判になっていった。
四郎がキク丸を連れて、町を歩くと、あっちの店からも、こっちの店からも声がかかり始めた。
なかにはわざと目につくように、店の前にほうきを立てかけておいたり、桶に水をくんでおいたりする店さえ出はじめた。
「四郎さ、寄って行かねか」と、こびる者さえ出てくる。
「四郎など、寄せ付けるでね」と言って追っ払っていた店までもが、手のひらを返したように、「四郎さに庭を掃いてもらえ」と言う。けれども、四郎はそんなものに惑わされることはなかった。
いくら猫なで声で言い寄られても、直感的にそれを見抜いて、これまで通り、気に入った店に入っていくのである。そういう店は、四郎の噂を聞いても、わざわざ四郎の気を引くようなことをしなかった。
これまで通りに四郎が通りを掃けば飯を出し、何もせずに通り過ぎれば、今日はその気にならないのだと思って、「ええ天気だねや」とか、「今日はどこさ行くんだ」とか声をかけるのだった。
(中略)
「欲の皮の突っ張った人たちのいないところへ逃げ出したのかもしれないね。みんな、四郎さんを利用してひと儲けしようとする人が群がったからね。しかし、まあ、ともかく、四郎さんはこうして仙台の町で、明治の時代を生き抜いたのだよ。みんなに馬鹿にされたり、愛されたりしながら」
「でもさ、僕、とても不思議なんだけど・・・」
「なんだい不思議って?」
「だってさ、仙台の町でも僕の町でも、四郎さんみたいな人、今はあまり見かけないよ。」
「それがどうして不思議なんだい。」
「だって四郎さんが生きていたのは、今から100年以上も前でしょ。その頃は、言いたいことも自由に言えないような法律があったっておじさん言ったよね。そんな時代に、四郎さんは自由に仙台の町の中を歩いていたんでしょ。今はもっと自由な時代なのに、四郎さんみたいな人が、自由に歩いていないじゃないか。」
「なるほど、確かに障がいを持っている人やお年寄りがもっと自由に町の中を歩いていいはずだよね。それだけ社会は進歩したはずなものね。しかし、現実には、老人や四郎さんみたいな人たちが自由に町を歩いてはいない。昔に比べると、人間の権利は広く認められるようになり、施設や福祉機関は整ってきているのに、老人や障がいを持った人たちは、四郎さんのように自由に歩ける場所を奪われてしまっている。社会は進歩したはずなのに、お年寄りや障がい者は必ずしもの幸せになっていない・・・」
「どうしてそうなのかなぁ」
「どうしてそうなったのか、おじさんにもよくわからない。ただ、これだけは、言えそうだ。それはね、お年寄りや障がいを持った人たちは、法律や施設が整っただけでは幸せになれない。周りにいる私たち一人ひとりが、あの人たちを受け入れているかどうかにかかっているということだ。
四郎さんの時代の人たちは、四郎さんを時に馬鹿にしながらも、四郎さんと一緒に生きていた。今の時代の人たちは、障がいを持った人も人間として同じだということは知っているけど、一緒に生きようとはしていないのかもしれない。つまり、頭で理解しているけど、心では受け入れてないのかもしれないね。」
「じゃあ、お年寄りや障がいのある人は、昔の方がよかったのかなぁ。」
「いや、そうじゃないよ、四郎さんの生きていた時代は、庶民の生活は貧しく、貧しい人や立場の弱い人を守る法律や施設もなかったから、多くの人が悲惨な人生を歩まなければならなかった。だから昔に比べたら、人間の社会は確実に進歩してきたさ。だけど、人間の社会には、まだまだたくさん問題がある。今よりもっと、老人や障がい者や子どもが生きやすい、夢のある社会を作り出していかなければならない。それは、未来に生きる君たちの役割だ。」

仙台四郎は明治時代に実在した人物で、この四郎さんが立ち寄る店が繁盛したことから、「福の神」と言われるようになりました。仙台四郎は本名を芳賀四郎といい、江戸末期に鉄砲職人の家庭に4番目の子として生まれました。生家は裕福だったのですが、いわゆる「智恵おくれ」だったため「しろばか(四郎馬鹿)」と呼ばれていたそうです。
四郎さんは、ニコニコと町を歩きまわり、箒(ほうき)が立てかけてあれば、勝手に店の前を掃いたり、店先にひしゃくを入れたままの水桶があれば、これまた勝手に水をまく。といった行動をとったようです。やがて四郎さんが掃除した店は繁盛すると噂されるようになり、「福の神」と呼ばれるようになるわけですが、実際に四郎さんが立ち寄った店は客が入るようになったそうです。 四郎さんが「福の神」と噂されるようになると、わざと店の前に箒(ほうき)を立てかけたり水桶を置き、四郎さんを招き入れようとする店が増えたそうですが、そのような下心のある店には寄りつかなかったそうです。 
四郎さんの知能がどれほど遅れていたのかは不明ですが、どうやら、自分を本当に歓迎してくれる店とそうでない店を見分けていたようです。そして、歓迎してくれる店が繁盛したということらしいです。 

〔共生社会の実現に向けて〕  障がいがある、ないにかかわらず、女の人も男の人も、お年寄りも若い人も、すべての人がお互いの人権(私たちが幸福に暮らしていくための権利)や尊厳(その人の人格を尊いものと認めて敬うこと)を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会、これを共生社会と言います。

中間テストがかえってきました。「うわー!やったー!!」『こんなの恥ずかしくて見せられないや・・・』
高い点数をとることは大事。でも、低い点数だからバカにされるようなことはあってはなりません。
誰にだって得意・不得意はあります。指標にするモノサシだって、多種多様にあるはずです。
私は考えます。仙台四郎さんが入りやすいお店は、笑顔にあふれ、安心してくつろげるお店。温かく・人情のあるお店だったと。四郎さんは、それを敏感に感じていたのだと思います。当然ながら、そういったお店は、繁盛するわけです。店員さん一人ひとりがお店の雰囲気をつくります。
みんなの学級や部活動の雰囲気はどうですか?
生徒同士の関係は円満ですか? 安心して自分を出せていますか? 個性は尊重されていますか?
誰かが失敗した時に、『ドンマイ!!』と言ってあげられる雰囲気はありますか?

令和3年6月18日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №76 「くまのこうちょうせんせい」

■校長メッセージ №76 「くまのこうちょうせんせい」
こんの ひとみ・作 いもと ようこ・絵 絵本:(株)金の星社から

「おはよう!」
「おはようございます!」
毎朝、くまの校長先生が元気に迎えてくれます。
「ひつじ君、おはよう!」 「おはようございます・・・・・・・」
「勇気を出してごらん。いつか大きな声でおはようが言えるようになるよ」
校長先生は、ひつじ君の頭を優しくなででくれました。
その日、ひつじ君は学校の帰り道、やまびこ山で、「おはよう」の練習をしました。
何度も、何度もしました。
でも、どうしても、大きな声は出ないのです。
大きな声は、ひつじ君を悲しくさせるものばかりでした。
夜、ベッドで寝ているときに聞こえてくる、お父さんとお母さんのけんかの声・・・・・・。
お母さんがひつじ君を叱るときの声・・・・・・。ひつじ君は、大きな声が怖かったのです。
次の朝、担任のしか先生が言いました。「校長先生が、入院されました。」
「え~っ!」 「あんなに元気な校長先生が?!」 みんなは、びっくりしました。
(ぼくが、大きな声で「おはよう」って言えなかったから、校長先生はがっかりして病気になっちゃったのかな・・・・・・)
ひつじ君の目から涙がこぼれ落ちました。
校長先生が入院してから、3ケ月が経ちました。
校長先生は、大きな声でお話しすることができなくなりました。 ご飯も食べられなくなりました。
でもお医者さんや看護師さんは、「大きな声を出してください」とは言いませんでした。
校長先生の小さな声に、じっと耳をすましてくれたのです。
病院には、子どもたちから絵や手紙がいっぱい送られてきました。
その中にひつじ君の手紙もありました。
「くまの校長先生へ 
ぼくは、まだ大きな声で「おはよう」って言えないけれど、校長先生が大好きです。早く校長先生に会いたいです。校長先生に会えたら勇気が湧いてくると思います。 ひつじより。
校長先生は、お医者さんに頼みました。
「私の顔を見ると元気が出るという子どもたちがいるのです。私も、子どもたちに会えると今より元気になるような気がするのです。ここから学校に通わせてください。
お医者さんは、言いました。
「無理はしないこと。夜には必ず病院に戻ってくること。このふたつを約束してくださいね」
次の日の朝、校門には、にこにこ笑顔の校長先生が立っていました。
うさぎ君も、きつね君も、大喜びで「おはようございます!!」と言いました。
「おはよう!」 校長先生の声は、それはそれは小さな声でした。
ひつじ君は、「おはよう」を言おうとしましたが、先生のやせて小さくなった顔を見ているうちに、
胸がじーんとして、声が出ませんでした。
その帰り道、ひつじ君がやまびこ山に向かって歩いていると、後からゆっくり歩いてきた校長先生が「ひつじ君一緒に行こうか」と言いました。
そして、小さな優しい声でこう言いました。「先生ね、病気になってわかったことがあるんだよ。大きな声を出そうと思っても、出せないときがあるんだね。できなくなって初めてわかったんだ。ひつじ君、大きな声を出そうねって、いっぱい言って本当に悪かったね」

山の頂上で、突然、校長先生がうずくまってしまいました。「大変だ! どうしよう! どうしよう!」
助けてー! 校長先生が大変だー!
ひつじ君は、夢中で叫びました。「助けてー! 校長先生が大変だ! 助けて!」
ひつじ君の声は、山に響き渡り、やまびこが病院までひつじ君の声を運んでいってくれました。
校長先生は、お医者さんに少し叱られてしまいました。
「ありがとう、ひつじ君。先生、夢中で話しているうちに、無理をしていることを忘れちゃったね」
笑っている校長先生にひつじ君は言いました。
「校長先生、ぼく、大きな声が出た時、自分もびっくりしたー。だけど気持ちよかった。」
校長先生は、嬉しそうにうなずきました。
「無理をしないでくださいよ」
「はーい。いってきまーす!」今日も校長先生は、病院から学校へ出かけていきます。
今では、校長先生の小さな声をひつじ君が大きな声でみんなに伝えています。

●あとがき●
これは本当のことをもとにしたお話です。神奈川県茅ケ崎市の浜之郷小学校長・大瀬敏昭先生は、お医者さんに「あと3ケ月の命です」と言われた後も、学校に通い『命の授業』を続けました。
大瀬先生が、病気になって初めてわかったことがあると言っていたことがあります。「子どもは明るく元気な子が一番と大人は思い込んでしまいます。でも本当は、子どもは小さくて弱いものなのです。子どもの痛みを分かち合うのが、大人の役目だと思います。」
くまのこうちょうせんせいは、大瀬先生のそんな言葉から生まれたのです。
先生にとっての最後の一年間、私は先生から沢山の言葉や想いをいただきました。(中略)
誰でもみんな命を持っています。これまでの私は、それぞれの命には限りがあると考えていました。でもこう思うのです。「おはよう」を言えなくなっても、一緒に遊べなくなっても、いつか訪れるさようならの日まで精一杯生きたとしたら、その人はずっと誰かの心の中で生きていられるのだって。だからこそ、私たちはその日まで、一生懸命生きていくのだと思います。(いもと ようこ)

「命を大切にするキャンペーン」最終日 みんなに贈ります。
中学生期は、自分の容姿、性格、学習面などがコンプレックスになるものだ。
大人になったってコンプレックスはあるんだよ。
親からいただいたこの命。
「命・満天、輝かそうよ!」

令和3年6月11日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №75 「校則」

■校長メッセージ №75 「校則」

本日、リモートの全校集会を開き、校則の見直しなどについて説明をしました。
生徒には、パワーポイントに整理して説明しました。
生徒達には、より主体的に学校生活を送ってほしいと願っています。
生徒達にとっての身近な校則。その意義などについて考える機会になったでしょうか。
校則に対しては、「内面的な自覚」「自分のものとしてとらえる」「自主的に守る態度」を育成していきたいと考えます。
次の内容で説明しました。

■生徒指導提要 〔校則〕 文部科学省
1 校則の法的根拠
2 校則の内容と運用
(1)校則の主な内容
(2)校則の運用
(3)校則の見直し
これらをまとめると
校則とは「生徒が健全な学校生活を営み、より良く成長・発達していくために、各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まり」であり、生徒の実情や時代の進展などを考慮しながら見直していくもの。
■校則ってなんであるの?
■校則はどんなものがあるの?
■勝浦中学校では、どのような校則があるの。
■校則の教育的意義 校則は「生徒の将来のため」
・具体的な意義など
 (1)集団の規律や秩序を守るため
 (2)安全の確保、危険回避のため
 (3)平等・公平性を守るため
 (4)生徒の心の揺れや変化を発見するため
 (5)情緒面や思春期への配慮のため
 (6)進学や就職への配慮のため
■勝浦中学校のきまり
 勝浦中学校の校則は、平成29年(2017年)4月1日、勝浦中学校、興津中学校、北中学校の3校統合が行われた時に、3校の生徒会と教職員で話し合われたとのことです。
■きまりの見直し
 今年度、4月、5月と先生方で「勝浦中学校のきまり」を見直しました。
 見直しの理由や内容は、次のとおりです。
 ・学校のきまりが、今の時代にあっているものか再点検した。
 ・近隣の中学校の「きまり・校則」と比較して、必要なものは取り入れるなどの整理をした。
 ・現在の学校生活にそぐわないものなどは、削除した。
 ・近隣の高等学校の「校則・生徒心得」などを参考にして、高校進学でのギャップがないようにした。
■生徒の意識についての考察
■生徒への問いかけ
■女子の「スラックスの導入」
  この6月から、女子は「スカート、スラックスの選択制」とします。
 スラックス導入の理由は、機能面や防寒、多様性などの配慮です。
  購入は、制服組合さんで取り扱っています。
  金額 :冬 スラックス税込価格  10,890円(本体価格9,900円)
           夏スラックス 税込価格 10,340円(本体価格9,400円)
  安いものでは、ありませんのでお家の方とよく相談してください。

令和3年6月3日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №74 「命を大切にするキャンペーン」

■校長メッセージ №74 「勝愛・未来・切拓」「命を大切にするキャンペーン」


前回の集会では、学校教育目標について話しました。
今日は、その背景・理由について説明します。
「学校教育目標:ふるさと勝浦を愛し、未来を切り拓く生徒の育成」
そう! 「勝愛・未来・切拓 かつあい・みらい・きりひら」です。

次のような見通しや調査結果などがあります。
・2011年度に入学した子どもの65%は、大学卒業時に今は存在しない職業に就く
  (ニューヨーク市立大学 キャシー・デビットソン教授)
   3年生の入学年度は、2013年(平成25年)だよね。

・10年~20年後には、日本の労働人口の約49%が人口知能やロボットなどに代替可能に
  (オックスフォード大学・野村総合研究所:2015年)
    裏を返すと51%の職種が人間に託されるというわけだ。

・65歳以上が人口の50%を超える市区町村の割合は、2015年0.9%⇒2045年27.6%
  (国立社会保障・人口問題研究所推計:2008年)
  勝浦市の割合は、44.7%(2021年4月末)


「勝愛」については、いわゆる『郷土愛』である。
私は、次のように考えている。
郷土愛を育む活動の中では、人、産業、地域性、文化、制度、建物、その他遺跡等の歴史を学び、その上で「地域の発展を願い、地域と連携・協働」する態度や実践力を育成したいと考えている。また、多様な情報を活用しつつ、自らが自分の住む地域像を形成し、地域コミュニティの再生に向けた取り組みも考えさせたい。その中で、地域の負の側面も認めつつも、地域をより良くしていこうとする心を持たせたいと考えている。それを中学生期に教育活動として行うことで、郷土愛はその人の拠り所やアイデンティティにつながるのだと考えている。


次に「未来・切拓」
私たちが中学生の頃、「十年一昔」といわれていた。
今や5年、3年、1年というようなスピードだ。
「version up」しなさい。から、「update」する必要に迫られている。
学びの質も変わった。戦後の学校教育がしてきた「知識をどれだけ知っているか」という暗記とマニュアル化の教育から、『何ができるか』さらに『どのような問題解決を成し遂げるか』に変わった。「見える学力」に加えて「見えない学力」も身につける必要がある。一方で、時代の変化の激しい時代は、「一生学び続けないといけない時代」の到来でもある。


また、平成30年度、幼稚園、保育所の教育要領、保育指針が大幅に改定された。幼児期の終わりまでに育みたい「10の姿」として具体的に示された子供たちの姿に「生命尊重」がある。これは、AI(人工知能)ではできない。「命」ある人間として生きていく中で、とってかわることのできない大切な存在としての自分や他者に出会うこと。生きがいややりがい、失敗、挫折や葛藤からの学びなど、目には見えない心のありようや揺れ動きに価値を持ち、どう行動していくかなどである。
これらは、方向性を一にして社会全体でも考えていきたいテーマだと思う。

今日から「命を大切にするキャンペーン」が始まります。
まず、この曲を聴いてください。


AI 『 Story 』  作詞:AI  作曲:2SOUL
限られた時の中で どれだけのコトが出来るのだろう...
言葉にならないほどの想いを どれだけアナタに伝えられるのだろう....
ずっと閉じ込めてた 胸の痛みを消してくれた
今 私が笑えるのは 一緒に泣いてくれたキミがいたから
1人じゃないから キミが私を守るから 強くなれる もう何も恐くないヨ....
時がなだめてく 痛みと共に流れてく 日の光がやさしく照らしてくれる
説明する言葉も ムリして笑うコトもしなくていいから
何かあるならいつでも頼ってほしい 疲れた時は肩をかすから
どんなに強がっても ため息くらいする時もある
孤独じゃ重い扉も 共に立ち上がればまた動き始める
1人じゃないから 私がキミを守るから あなたの笑う顔が見たいと想うから
時がなだめてく 痛みと共に流れてく 日の光がやさしく照らしてくれる
時に人は傷付き、傷付けながら 染まる色はそれぞれ違うケド
自分だけのSTORY 作りながら生きてくの
だからずっと(ずっと)、ずっと(ずっと) あきらめないで....
1人じゃないから 私がキミを守るから あなたの笑う顔が見たいと想うから
時がなだめてく 痛みと共に流れてく 日の光がやさしく照らしてくれる


AIの楽曲『Story』は、2005年に発売されました。3年生が、1歳の時に生まれた曲です。
みんながこの曲を知ったのは、2014年ディズニー映画『ベイマックス』で日本版エンドソングだったでしょうか。
この『Story』の歌詞に込められた優しさが、「まるで傷ついたヒロと、ヒロの心とカラダを守るために寄り添う〝ベイマックス〟のことかのようだ」と、米ディズニー担当者が日本語版エンディングソングとしての起用を打診。同楽曲には偶然にも未発表だった英語歌詞版が存在したことから、「Story (English Version)」が日本版のエンディングを飾ることとなったそうです。
「Story」の歌詞は友との絆、兄弟姉妹・家族愛などにも当てはまると思う。
私は、この曲を聴くたびに、親、友人、家族のことが思い浮かぶ。
今までの人生、そしてこれからの人生。様々なことがあるでしょう。
そんな時、自分のことを本当に大事に想ってくれる人がいる。
そっと背中を押してくれる人がいる。 そう一人じゃない。
全力で取り組んだこと。 達成感で涙したこと。 助けてくれて「ありがとう」と言われたこと。 
それら一つひとつが、一歩を踏む出す勇気をくれることでしょう。
最後に、人に大切に想ってもらえることも大事だけれども、人を大切に想う気持ちはもっと大事じゃないかと思います。
思わぬ出来事などで落ち込んだ時に、「自分には心から大事だと思える存在がいるんだ」と思えれば、そう一人じゃない。
You  are  not  alone  〝  あなたはひとりじゃない  〟
人はだれかとつながっている。 人生の主役はあなただよ。
かけがえのないこの「命」 自分だけの物語を大切にして生きていこう!!


令和3年5月31日 岡安 和彦
AI ~ Story ~ English Lyrics Video Disney's Big Hero 6 Japanese Main Theme

 

校長メッセージ №73 「あしあと」

■校長メッセージ №73 「あしあと」

5月23日(日) 令和3年度 勝浦中学校体育祭
雨天により一日順延となった。
雲外蒼天のような体育祭だった。
解団式後の生徒会長の話し。「学校がひとつになった。」
トラックに生徒の輪ができ、掛け声がこだました。

生徒が下校したあとのグラウンド。
トラックには、無数の疾走した足跡。
フィールドの芝やクローバーの葉の上にも足跡。


昨年5月に行った〝勝浦中グリーンプロジェクト〟
グリーンのフィールドを作ろうと、休業期間中に教職員で行った作業だ。
フィールドに、土入れ、耕うん、整地、芝植え、クローバーの種まき、そして水やりと。
トラックは、青少年相談員連絡協議会の皆さんが、砂入れ、整地、転圧作業を行ってくれた。
                                                                
沢山の想いや汗によって作られた「舞台」で、生徒達は『躍動』した。


  『あしあと』   辻尾 弥三郎

  星がきらめくように
  ハトムギの
  枯れた葉の
  ところどころに
  キラキラ光るものが見える
  何だろうと よく見ると
  カタツムリの あしあとに
  光が

  石の上を歩けば
  石の上に
  草の上を歩けば
  草の上に
  そのあしあとの光が


 令和3年5月26日 岡安 和彦

(開会式:PTA役員撮影)

(3年2組 若林学級)
 

校長メッセージ №72  『応援団』

■校長メッセージ №72 生徒のみんなへ 『応援団』

今、検食を終えた。
練習会場を参観するまで、憂慮していた。
雨続きで、全体、学年種目、応援合戦の練習が十分に行えないこと。
練習中や本番でのコロナウイルス感染症の感染防止対策のこと。
ケガや体調不良などで参加できない生徒のこと。

参観を通して、「憂う必要はなし。」と感じた。
それは、生徒の姿を見て「頼もしい!!」と思った。

経験上、雨続きはどうしてもフラストレーションがたまる。
『他の団には負けない。』
『俺たち、私たちが、優勝する。』
『最高の体育祭を作り上げる。』
こういった想いが強ければ強いほど、「やりたいことがやれない」状況は、やり場のない不満にさいなまれる。
さらに、「コロナ」、「変異株」に追い打ちをかけられている。

生徒たちは、「大丈夫か・・・」と。
そんな心配は無用だった。
各団とも、3年生徒達を中心に「創意工夫・臨機応変」に練習に臨んでいた。
天候不順、コロナ対策もすべて受け入れている。
ある意味「潔さ」も感じる。

昨年も体育祭の実施には、生徒、教職員、PTAで苦労した。
今年は、1年間の知見により新たな対策・制限が加わった。マスクの装着場面や距離の確保、
手指消毒の頻度など。そして、変異株による新たな脅威。
そういった意味で、Update:アップデートされた『体育祭だ』

あとは、実施日の判断だ。
最新の予報とグラウンドのコンディションを考慮して判断します。

最後に、今日の練習会場を提供していただいた「国際武道大学」、「日本武道館研修センター」関係者の方々には、心から感謝したいですね。
この方々は、勝浦中学校の『応援団』だね。

令和3年5月21日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №71 「考えること」

■校長メッセージ №71 「考えること」
                                                    
この2月、南米ペルーの元大統領がひそかに新型コロナワクチンの接種を受けていたことが発覚する。打ったのは在職中の昨秋で、家族もいっしょ。「私は治療に参加したつもりだ」。いかにも苦しい釈明である。ほかにも外相と保健相も、ぬけがけ接種が露見する。元大統領に対しては、国会が「接種は国民の平等などを定めた憲法に違反する」として10年間の公職追放を決議した。その後、ご本人が感染を公表するというとんだ顛末(てんまつ)に。
南米の騒動は対岸の火事ではなかった。こちらの舞台は愛知県西尾市。主役は大手薬局チェーンを経営する名士夫妻。順番待ちをせず早く接種を受けられるよう、秘書が再三再四、市側に迫っていた。担当部署は抵抗したものの、副市長が根負けする。土壇場で接種には至らなかったが、行政の公平性は踏みにじられた。一向につながらない予約電話にため息をついた各地の人たちはあきれ果てているだろう。
接種の進む米国でもルール破りは後を絶たない。接種の担当者が「 今日の分は尽きました 」とウソをついて、何時間も並んだ高齢者を追い返す。こっそり、親族や知人を呼び寄せて接種していた。65歳以上に限って接種した街では変装騒ぎも。30代と40代の女性がおばさんのふりをして1度目の接種に成功、2度目で発覚したという。
てんやわんやのワクチン狂騒曲が世界五大陸で鳴り響く。わが身かわいさゆえの企てが一度に噴出し、地軸がずれてしまいかねない当節である。(朝日新聞「天声人語」2021年5月13日)
                       
みんなはこのコラムを読んでどのように思いますか?
どのように「考え」ますか?

■勝浦中学校体育祭の「目的」は次のとおりです。(職員会議の資料から)
1 体育祭を通して、生徒の心身の健全な発達や健康の保持増進、体力の向上を図る。
2 規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成を図る。
3 生徒の計画性を育み、責任感や連帯感の涵養、学校の一体感を醸成する。 


■体育祭の「特性」は、次のとおりです。
1 個人での順位、集団での勝敗等を競う体育的行事である。
2 集団での行動を多く伴う体育的行事である。
3 3年生が団の中心的な役割を担う行事である。
4 地域や家庭に広く公開する(したい)行事である。


■体育祭の目的や特性を受けて「意義・育てたい力」は、次のとおりです。
1 全力を尽くす力 : 全力を出し切る姿勢、フェアプレーの精神、団結力・連帯感、勝敗や結果への正しい態度、互いの健闘を称える態度
2 集団行動を体得させる : 規律ある態度、集中力、協力・調整力、一体感の醸成
3 主体的に創意工夫する : 主体的な取組、計画性、創意工夫、柔軟な発想、臨機応変
4 各学年の立場・役割を通して自覚を促す : 責任感、自尊感情、自己存在感、自己有用感
5 勝浦中の良さを保護者・地域へ発信する : 表現力、発信力、学校の教育活動の理解、地域貢献(躍動する姿を見せる)


なぁ! みんな。 新聞のコラムのような大人にはなりたくないでしょ。
そのためには、心が柔らかいといわれる中学生期に、「考える」ことを増やすことが大事です。
先生に言われたからやるのではなく、「体育祭の意義・育てたい力」を考えてみてください。
また、コロナ禍だから見えてきたこと。未来は、大きく変わると言われていること。
様々なことがマニュアル化され、「考えること」が減ったと。
マニュアル以外のことが起きると思考停止になってしまうと。
変革期、激動の時代を生き抜くみんなに伝えたいことがある。
それは、自分なりの考えを持つこと、物事の本質について考えること。この二つを常に意識してほしいと思います。
何が正しいのか。自分はどうすべきなのか。自分はどうあるべきなのか。
『正しい』の「正の字」は、『一に止まる』と書きます。
『一』は、自分のよりどころ。原点。
その『一』は、日々考えることの習慣、心がけ、実践により形作られていくと言われます。
不透明、不安定、不確実な世の中であっても、『自分のよりどころ・原点』がしっかりしていれば、恐れることなんてありません。


昨日の練習で、全体指導の高品先生が、「update:アップデート」と話しました。
先生たちも、前年踏襲ではなく、「2021年度版、勝浦中体育祭の創造」をテーマにしています。
どのように指導・支援して、生徒たちにとって意義深い行事にしていくか。
体育祭を通して、学校全体、一人ひとりの生徒を成長させることができるか。
生徒と教職員の信頼、学校の一体感を醸成できるかを常に考えています。
生徒・教職員、共に『考えて!』 体育祭練習に臨もう!


令和3年5月18日 岡安 和彦                  

 

校長メッセージ №70 「舞台完成」

■校長メッセージ №70 「舞台完成」
5月15日(土)16(日)とPTAの奉仕作業がありました。
3年生の保護者(7割強)、PTA役員の方々が作業にあたってくれました。
作業の様子から、「子どものため」、「学校のため」という『強い想い』を感じました。
生徒たちにとって『最高の舞台』が整いました。ご協力に心から感謝申し上げます。
コロナ禍は続きますが、生徒・教職員の『一体感のある学校づくり』を進めていきたいと考えて います。今後ともご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
この2日間で体育祭前に考えていた環境整備のほとんどが終わりました。
例年、整備作業を同時進行で行っていましたが、今年度は、「体育祭に全集中!」「教職員は生徒につく!」これを基本に、生徒達にとって『完全燃焼の体育祭』を創り上げます。
 令和3年5月16日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №69 『雲外蒼天』

校長メッセージ №69 『雲外蒼天』

本日、令和3年度生徒総会がリモートで開かれます。
生徒会総務から提案されたスローガンは、『雲外蒼天』。 行動目標は、次の2点。
① 様々な工夫や挑戦をし、コロナに打ち勝つ勝浦中
② 仲間と協力して課題や困難を乗り越え、学校生活を向上させる勝浦中

1 スローガン「雲外蒼天」について
  私たちは今、コロナウイルスという世界全体で立ち向かっている困難があります。
  中学生として学校で集団生活を送ったり、行事の成功に向かって活動したりするうえでの困難もあります。
  このような様々な困難がある中でも、勝浦中生として協力して困難と闘い、1年後の3月に は、この勝浦中や勝浦中生が光り輝くような成果を出せるように1年間活動していきたいと いう思いを込めて、このスローガンを提案します。


2 ①「様々な工夫や挑戦をし、コロナに打ち勝つ勝浦中」について
  今、私たちは昨年度から続くコロナウイルスとの戦いの真っただ中です。そのうような状況でも、昨年度は、卒業した先輩方を中心にコロナウイルス感染予防の工夫をしながら様々な行 事に取り組んできました。また、昨年度の3学期には、現3年生の有志を中心に『コロナ対 策実行委員会』の活動も行いました。
  今年度も専門委員会の活動を中心としたコロナウイルス感染予防の取り組みをアップデートしながら、様々な行事や学校での活動に取り組み、コロナウイルスに立ち向かいながらも、学校生活を充実させていきましょう。

3  ②仲間と協力して課題や困難を乗り越え、学校生活を向上させる勝浦中
  中学校では授業を中心として、学級での活動、委員会活動、部活動、学校行事など多くの活動があります。また勝浦中では、昨年度から学級ごとの生活班での活動も始まりました。
  様々な活動に取り組んでいく中で、より良い学校生活を送るために様々な課題や困難とぶつかることもあります。そのような課題や困難に対しても、私たち勝浦中生が一致団結して、それぞれの個性を生かし学校生活を向上させていきましょう。


□全校生徒のみなさん。
『ビジョン・ミッション・バリュー』
 これは、企業経営等に関する言葉です。
 生徒会総務から提案があったものをこの『ビジョン・ミッション・バリュー』で整理してみよう。
『雲外蒼天』これは、『ビジョン』です。
目指す理想の姿です。将来、どのような学校、生徒集団になりたいかを示すことです。
 次に『①・②』です。これは、『ミッション』です。
果たすべき使命、目的、価値観です。基本的な考え方、成し遂げたいことなどです。
さて、『バリュー』については、どうでしょうか?
『バリュー』とは、ビジョンやミッションに近づくための生徒・教職員の行動基準、行動指針、活動目標のようなものです。各専門委員会からの提案がこれにあたります。
この『ビジョン・ミッション・バリュー』は、生徒と教職員で全員で決めることが大事です。
全員で創る学校、そのためには「あなたの考え、行動」が必要です。

■「勝愛未来切拓」
 〇勝浦中学校の「めざす生徒像」
  変化の激しい社会の中でも、主体的に対応できる力「生きる力」を備えた生徒の育成を図ります。
・自分やまわりの人を大切にする生徒
・根拠に基づいた自分の考えを持つ生徒
・自分を表現することができる生徒   
・自分の決めたことにチャレンジする生徒
・郷土を愛する心を持ち、地域社会に貢献しようとする生徒

 これを決めるにあたって参考にした考え方があります。イエナ教育プランの創始者であるペーター・ペーターセンの言葉です。
『将来、どんな政治的、経済的な状況が生じるか、私たちは誰もしらない。未来は、人々の不満、利益追求、闘争、そして今の私たちには想像のできない新たな経済的、政治的、社会的状況によって決まるだろう。けれども、たった一つ確信をもって言えることがある。すべての厳しく険しい問題は、問題に取り組んでいこうとする人々がいて、その人らにその問題を乗り越えていくだけの能力と覚悟があれば解決されるだろう。この人たちは親切で、友好的で、互いに尊重する心を持ち、人を助ける心構えができており、真摯で、嘘がなく、自己中心的でないな人々でなければならない。そして、その人々の中に、不平を述べることなく、ほかの人よりも一層働く覚悟がある者がいなくてはならないだろう。(1926年著)』

また、『イエナプラン教育の20の原則』には、次のようなものがあります。(一部抜粋)
◇どんな人も、世界にたった一人しかいない人です。つまり、どの子どももどの大人も一人一人 がほかの人や物によっては取り換えることのできない、かけがえのない価値を持っています。
◇どの人も自分らしく成長していく権利を持っています。自分らしく成長する、というのは、次のようなことを前提にしています。つまり、誰からも影響を受けずに独立していること、自分自身で自分の頭を使ってものごとについて判断する気持ちを持てること、創造的な態度、人と人との関係について正しいものを求めようとする姿勢です。自分らしく成長して行く権利は、人種や国籍、性別、(同性愛であるとか異性愛であるなどの)その人が持っている性的な傾向、生れついた社会的な背景、宗教や信条、または、何らかの障害を持っているかどうかなどによって絶対に左右されるものであってはなりません。
◇どの人も自分らしく成長するためには、次のようなものと、その人だけにしかない特別の関係を持っています。つまり、ほかの人々との関係、自然や文化について実際に感じたり触れたりすることのできるものとの関係、また、感じたり触れたりすることはできないけれども現実であると認めるものとの関係です。

『雲外蒼天』 雲を突き抜けたその先には、青空が広がっている。転じて、「努力して苦しみを乗り越えれば、すばらしい世界が待っている。」といったことを指して使われます。
困難を乗り越えた先には達成感や喜びがあります。でも、それは、一度乗り越えれば、その先はずっと蒼天というものではありません。
これからの未来は、お天気が変わりやすく予想も困難です。
それでも、上記下線部のような人になりたいと思いませんか?
私は、このような人材を育てる教育活動を模索したいと考えています。
今から『志』について考え、『気概』を持って生活することを大事にしてください。

令和3年5月7日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №68 「油断大敵」

校長メッセージ №68 「油断大敵」

(ブラックジャックによろしく)

〝 ネット支柱倒れ小6死亡 〟 
宮城・白石 小学校校庭 一人重傷 (朝日新聞 2021年4月29日)
宮城県白石市の市立白石第一小学校で27日午後3時ごろ、校庭に設置された防球ネットの木製の支柱1本が根元から折れ、小学6年生の男子児童2人に直撃した。2人は病院に搬送されたが1人は頭を強く打って死亡し、もう1人もあごの骨が折れる重傷を負った。(中略)
市教育委員会などによると事故があったのは放課後で、2人を含む同小の児童6~7人がネットに寄りかかったり、揺らしたりして遊んでいたという。ネットは、校庭に埋め込まれた2本の木製の柱で支えられており、折れた支柱は高さ約6m、直径17㎝、重さは約40㎏。留め具など固定されていなかった。このネットの設置記録は学校に残っていないという。28日午後に記者会見をした同市の教育長は「おそらく20年は経っているのではないか」との見方を示した。市教委は学校の遊具に対しては年1回の点検を業者に依頼しているものの、このネットは対象外だった。学校の教員が毎月1回、目視したり触ったりして点検していたが、今月12日の点検時には異常は確認できなかったという。教育長は「絶対にあってはならない人命に関わる事故が起きてしまった。大変申し訳ないと」と謝罪した。
 
みんなは、この記事を読んでどのように感じましたか。

さて、勝浦中学校には、同様のネットなどはありますか。危険だと感じるところはありますか?
先生たちも毎月10日、安全点検を実施していますが、気になるところはありますか?
卒業した小学校の校庭などではどうですか? 登下校での通学路などはどうですか?

今年度、家庭環境調査票の様式を変更しました。(保護者の皆様にはご負担をお掛け致しました。)
安全に係わる内容等を増やしました。その中に通学路の危険箇所の項目があります。
今後、学校としてまとめたものを市教育委員会に報告したいと考えております。
また、学校では登下校時の〝歩きスマホ〟、JR、路線バス、スクールバス内でのスマホ等の使用についても、安全面の理由から「目的外使用として禁止」しています。

事故や災害は、いつどこで起きるかわかりません。
宮城県白石市の小学校で起きた事故。「まさか! 支柱が折れるなんて!!」
「まさか!」なんて、絶対に起きてほしくはありませんが、起きてしまうのも事実です・・・
連休中には、市外からの観光客や帰省する方などが来訪されることが予想されます。
スマホを見ながらの〝ながら運転の車が突っ込んでくる〟かもしれません。必要な外出をする時も細心の注意をはらってください。
また、新型コロナウイルス感染症の第4の波は確実に押し寄せています。
感染防止対策に緩みはありませんか? 今一度、感染防止対策の徹底を図りましょう。
『油断大敵! 感染防止対策の徹底! 事故の予見・未然防止!』

保護者の皆様、オンラインでの学年保護者会の参加、誠にありがとうございました。
このテレビ会議システム「Live on」は、昨年度にコロナで学校が閉鎖等になった場合でも、オンライン授業等、学習の保障を図る目的で市教育委員会が導入してくれたものです。その運用はコロナ対応だけではなく、保護者会、生徒会、集会、けが等で自宅療養中の生徒への授業配信、体育祭、文化発表会、卒業式などの行事のライブ配信などにも活用しています。

生徒のみんな。今年度から、各学級で授業ノート(コピーしたもの)を保管するようにしました。
風邪の症状などでお休みする場合などは、登校後に学年職員室にファイリングされてある各教科の授業ノートを写すなどしてください。

勝浦中学校の「めざす学校像」「めざす教師像」については、下記の通りです。
学校像、教職員像は、次の7点です。始業から約ひと月。生徒・保護者のみなさんから見て、学校の姿勢・取組、教師の指導・支援はどのように映っていますか?

〇めざす学校像  未来の国づくり・地域づくりを担う人材を育成するために、社会に開かれた教育課程の編成及び、学校・保護者・地域が協働する学校を目指します。
 ・地域の特色や人材を生かした教育活動の充実
 ・保護者、地域と連携した安全・安心な学校づくりの推進
 ・生徒と教職員の信頼関係を基盤とした一体感のある学校づくりの
   推進
〇めざす教職員像  保護者、地域の信託を受け、生徒たちの自己実現を支援する教職員を目指します。
 ・愛情、情熱、使命感を持って教育活動にあたる教職員
 ・礼節を重んじ、健康で活力のある教職員
 ・生徒理解に努め、生徒の成長を一番に考えた指導・支援を行う教職員
  ・時代を先取し、生徒に有益な教育活動を提供する教職員

『生徒のことを想って!!』
『生徒の成長のために!!』
『生徒のわかった! できた! のために!!』
『生徒が〝なりたい自分になる〟ための指導・支援!!』


令和3年4月30日 岡安 和彦 

 

校長メッセージ №.67 「かつあいみらいきりひら」

校長メッセージ №.67 「かつあいみらいきりひら」

始業式の話は、「新型コロナウイルス感染症・変異株への対策」でした。
今日は、吹奏楽部の演奏、「セレブレーション」「セドナ」の2曲を披露してもらいました。
オンラインの視聴ではあったものの、演奏の迫力は感じましたか。
私からは、「学級の心の居場所」、「個性」、「多様性」に続いて『学校教育目標』、『めざす生徒像』について説明しました。
まずは、学校教育目標を覚えてもらえるようにと考えました。
コロナ禍でも『戮力協心』の学校運営をしていくためには、生徒・教職員・保護者が共通理解をすることが大事です。
次の集会では、学校教育目標への〝想い〟そして、めざす生徒像への〝願い〟といった理由について説明したいと考えております。
また、めざす学校像、めざす教職員像についてもふれたいと思います。
下のものは、今日の集会で用いた説明資料です。

令和3年4月27日 岡安 和彦 



















 

校長メッセージ №66 「拍手喝采」

■校長メッセージ №66 「拍手喝采」

ライオンズクラブ国際協会 333-C 地区 
第67回地区年次大会(千葉県大会) 会場:キュステ

そのフィナーレで、本校吹奏楽部が演奏させていただきました。
演奏した曲目は、セレブレーション、炎(ほむら)、セドナの3曲。
きっかけは今年3月初旬、房総勝浦ライオンズクラブ会長の滝口裕都さんから、出演依頼の提案を受けたことです。
滝口会長さんは、『コロナ禍で演奏の機会もなくなり、生徒達は目標を持って練習することも厳しいでしょう。ライオンズクラブの定期大会を勝浦で行うことになったので、「生徒達が演奏したい。」ということであれば、大会本部と掛け合ってみます。』と。
すぐに、吹奏楽部顧問と生徒に相談したところ「是非、出演したい。」との返答。
そして3月26日、大会本部から正式に出演依頼を受けました。


それから1ケ月。
吹奏楽部16名の練習は始まりました。
大会前日、会場でのリハーサル演奏。
顧問の若林先生は、「出来は今一つ。疲れがあるのかな?」と話した。
演奏当日、出発前に学校での最終練習。
私は、グラウンドで芝の養生作業をしながら聴いていて、明らかに『昨日と違う音色。』を感じました。
学校出発前、若林先生に聞くと、「今日は、気合が入っています。いい感じです。」
そして、本番。
AKB48 Team 8 の「献血推進トーク」に続き、フィナーレが始まりました。


設営を終え、緞帳が上がる。
部員の表情は、皆、緊張の面持ち。
部長の木村さんの挨拶のあと、「1年半ぶりの演奏」が始まった。

部員16名が、20種類の楽器を操る。
1曲目のセレブレーションを終えると、会場から沢山の拍手をいただいた。
2曲目、松﨑さんの曲紹介で、炎(ほむら)の演奏が始まる。
「鬼滅の刃」無限列車編の主題歌でLiSAさんが歌う「炎」。2020年日本レコード大賞の受賞曲でもあるため、小さく手拍子を打つ方もいらした。
吹奏楽の演奏による〝奥深さ〟が感じられ、これもまた沢山の拍手をいただいた。
3曲目、岡田さんの曲紹介で「セドナ(Sedona)」が始まりました。
「セドナ」は、アメリカアリゾナ州にある地名です。赤い岩山に囲まれた都市で、作曲者のスティーヴン・ライニキー(Stevev Reineke)は、その雄大な自然と美しい景観から着想を得て、この曲を書いたそうです。

セドナ(Sedona)の風景
演奏は、スネアドラムのソロ演奏から始まり、木管の軽快な主旋律、トランペットの伸びやかなファンファーレ。
トロンボーン、クラリネット、フルートなどのソロ演奏。
ホルンのグリッサンド(一音一音を区切ることなく、隙間なく滑らせるように演奏すること)、躍動感のある木管、クレッシェンドを作り上げるティンパニー、サスペンドシンバル、バスドラム、曲に彩りを添える打楽器。
それぞれが「主役」「脇役」と入れ替わりながら曲が奏でられました。
とても、迫力のある演奏でした。

演奏を終えると、約400名近い聴衆の方々からは、割れんばかりの拍手。
その拍手は、1分以上も続きました。
そして、その拍手を受けた部員たちの表情からは「達成感、満足感」が感じられました。


演奏後、楽屋で滝口会長さんから感想を聞かれた3年生。
「とても緊張しました。でも、沢山の人たちの前で演奏することができて、よても良い思い出ができました。」と話した。
続いて滝口会長さんに、「今日の出来は?」と聞かれた若林先生は、『今後の成長を期待して80点の出来です。」と話した。


吹奏楽部の参加にあたり、部員が一般参加者と接触することがないように動線を分けられているなど、コロナ感染防止対策も徹底していました。


滝口会長さんや主催者・関係者の皆様には、このような演奏の機会を提供していただいただけでなく、楽器の寄贈「コンサートスネアドラム1式」や楽器運搬に係る費用などを負担いただきました。


このように本校は、PTA、地域、関係団体の応援・支援をいただきながら教育活動にあたっています。


吹奏楽部員が肌で案じたものは何でしょう。
主催者、関係者の〝想い〟や〝温かさ〟
部員が奏でる〝音〟や〝重なり響き合う素晴らしさ〟
拍手を通して感じた〝感動〟や〝応援〟
本当に貴重な機会を与えていただきましたこと心から感謝申し上げます。


また本日、午後からは2学年郷育プロジェクト「水稲学習 田植え体験学習」で地域の方々にお世話になります。
「視」「聴」「味」「嗅」「触」といった五感。
田園の風景、そよぐ風の音、土の匂い、苗の感触など感じてきてください。
また、渡邉さんたちの稲作に対する〝想い〟も感じてきてください。


令和3年4月26日 岡安 和彦


 

 

校長メッセージ №65 「増加の波は来ている。」

校長メッセージ №65 「増加の波は来ている。」

□朝7時「NHK けさのニュース」から NHKラジオ 令和3年4月18日(日)
新型コロナウイルスの国内の感染状況です。
大阪府では、昨日新たに1,161人の感染が確認されました。
一日の感染者としては過去3番目に多く、5日連続で1,000人を超えました。
東京都では新たに759人の感染が確認されました。
先月、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では、最も多くなりました。
前の週の同じ曜日を上回るのは17日連続です。
兵庫県では、541人の感染が確認されました。
一日の感染者数としてはこれまでで最も多くなり、二日連続で500人を超えました。
沖縄県では新たに167人の感染が確認されました。
これまでで最多だった去年8月9日の156人を上回り、最も多くなりました。
徳島県でも、これまでで最も多い44人の感染が確認されました。
全国では、昨日4,802人の感染が発表されました。
死亡した人は大阪府で12人、東京都で10人、北海道で3人など、合わせて39人の死亡の発表がありました。
厚生労働省によりますと、重症者は昨日の時点で32人増えて702人です。
一方、世界全体では新型コロナウイルスで亡くなった人が300万人を超えました。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの死者数は日本時間の昨日午後6時の時点で、世界全体の累計で300万225人と300万人を超えました。
亡くなった人が最も多いのは、アメリカで56万6224人、次いでブラジルが36万8749人。メキシコが21万1693人。インドが 17万5649人となっています。
世界全体の死者数は100万人を超えるまでは250日だったのに対し、そこから200万人を超えるまでは108日、 300万人を超えるまでは93日と間隔が短くなっています。
イギリスオックスフォード大学の研究者などが運営するサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、この数ヶ月では、ワクチンの接種が進むアメリカやイギリスで亡くなる人が減る傾向が見られる一方、ブラジルやインドなどは増加傾向にあります。
WHO=世界保健機関は、世界全体で新たな感染者数はこれまでで最も多かった時期の水準に近づいていて、亡くなる人の数も再び増加傾向にあるとしています。

□新型コロナ 県内156人感染 宣言解除後3日連続最多更新 千葉日報 令和3年4月18日(日)
千葉県内で17日、新たに156人の新型コロナウイルス感染が判明した。感染者数は前日の155人を上回り、緊急事態宣言後の一日の感染者数としては、3日連続で最多を更新した。浦安市と旭市では新たなクラスター(感染者集団)が確認された。
県疾病対策課によると、新たに学生8人の感染が判明した浦安市の大学がクラスターに認定された。これまでに判明した学生6人と合わせて14人となった。
14人は、学科と学年が共通しており、それぞれ講義や昼食などで接触があったとみられる。同大学は14日より全学年で通学を停止し、オンライン授業に切り替えている。

□変異株5月に主流となる恐れ 厚生労働省専門家組織 朝日新聞 令和3年4月18日(日)
大阪などを中心に新型コロナウイルスの英国型の変異株が急速に広がっている。14日にあった厚生労働省の専門家組織の会合では、こうした変異株が従来の株と順次置き換わり、5月中にも、全国的に主流となる可能性があることが示された。
沖縄県では4月下旬、 関西圏では5月1日にも新たな感染者9割以上が変異株になる見通しで、首都圏や東海圏では5月上旬にも9割を上回りそうだ。
この会合には、大阪府の現状も報告された。 府の資料によると感染者の特徴として、以前よりも発症から重症化までの日数が1日短くなった。重症化数に占める50代以下の割合も高まっている。
□東京でも急拡大 警鐘 2週間で比率でも9倍に
強い感染力を持つとされる新型コロナウイルスの感染株の感染が、東京都内で急拡大している。スクリーニング検査で見つかった感染者の比率は2週間で9倍に増えた。
15日に開かれた東京都のモニタリング会議で、専門家は「爆発的な感染拡大への厳重な警戒が必要」と警鐘をならし、人と人との接触の機会を減らすことが不可欠との認識が示された。
「大阪は人ごとではない。2、3週間後の東京の姿になることは十分あり得る。」
大阪で広がるN501Yの変異をもつ英国型の変異株は感染力が強いとされ、一人が何人に感染させるかを示す実行再生産数は従来株の1.43倍から1.9倍。その変異株が、都内でも急速に広まりつつある。都が1週間ごとにまとめているスクリーニング検査の陽性率で見ると、3月28日は3%だったが、4月4日は16%、11日は28%と、2週間で9倍超に急増した。

世界的に見て新規感染者は減少傾向にあったものの、2月下旬以降は一転して再拡大。これに伴い、死者数も3月中旬から増加ペースに拍車が掛かっている。
WHOは、ワクチンだけに依拠するのではなく、手指消毒や対人距離の確保といった感染防止策の基本動作の徹底を訴えている。(ジュネーブ共同通信 令和3年4月18日)

みんなは、報道の記事を読んでどのように感じましたか。
4月6日の始業式で、新型コロナウイルス感染症について説明しました。
「気づき」「考え」「行動しよう」と。そして「率先垂範者になろう!」と話しました。
授業や部活動、大会なども一部制限はありますが、感染防止のガイドラインに沿って実施しています。
体育祭は、5月22日(土)の予定です。計画通り実施できるかどうかは、今後の市内や近隣地域の感染状況等を見ながら、市教育委員会と協議の上、決定します。
悪い方の想定を考えたら、「生徒に感染者が出る。」「学校でクラスターが発生する。」こうなったら、授業、部活動、学校行事はどうなると考えますか?
確かに「誰が、いつ感染してもおかしくない状況」ともとれます。家族内感染も考えられます。我が家も同様です。
「勝浦は、田舎だから大丈夫」、「変異株なんて、大阪や東京のこと」、「私は感染しない、だってインフルエンザにも一度もかかったことはない」、「俺の免疫はんぱない!」まさか、こんな風に考えている人いないよね。
千葉県の感染者の内、60.3%は「感染経路不明」です。「いつ、どこで、どのようにして感染したかわからない」状況なのです。
変異株感染の波は、確実に来ています。変異株の特徴は、「感染力が強い」「子どもへの感染が多い」「従来型より早く重症化する」と言われています。
みんなは、率先垂範者となって、未来へ知見を残すことも大きな役割だと私は考えます。

令和3年4月18日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №64 「努力」

校長メッセージ №64 「努力」

第97回 日本選手権水泳競技大会 競泳競技 
競泳の日本選手権とは、競泳日本一の座を争う日本選手権。
今年は、東京オリンピックの代表内定をかけた1発勝負の選考会を兼ねて行われました。
期間は4月3日から10日までの8日間。
東京オリンピックの競技会場となる東京・江東区の東京アクアティクスセンターが舞台でした。
競泳女子100メートルバタフライで優勝し、東京オリンピックのメドレーリレーの代表に内定した池江璃花子選手。レース後のインタビューです。
レース直後、NHKの中継で今の気持ちを聞かれた池江選手。
「まさか、100(メートル)で優勝できると思ってなかったですし、5年前のオリンピック選考会よりも、ずっと自信もなかったし、自分が勝てるのは、ずっと先のことだと思ってたんですけど。
勝つための練習もしっかりやってきましたし、最後は『ただいま』っていう気持ちでこのレースに入場してきたので、自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなんていうふうに思いました。」

 『努力の壺』     
 目の前に大きな壺があります。
子どもがそのまま入ってしまうような大きな土製の壺です。
その壺には、『定期テストで400点がとりたい!!』という札がつけられています。
その壺には、一日1時間家庭学習をするたびにコップ1杯の水が入れられます。
つまり、コップ1杯の水が「努力」なのです。
 最初のうちは、水を入れても入れても、水が増えた気配すら感じられません。どれ位水がたまったかを見たくても、大きな壺なので伺い知ることもできません。
 人間には、弱い心があります。途中で「自分にはむいていないのではないか?」「どんなに努力しても進歩がない」「無駄な努力はやめてしまおう」と自分自身の努力に疑問を持つようになります。そして、コップに水を入れるのをやめてしまうのです。
 強い心を持った人もいます。「自分にはできないのではないか?」という、悪魔のささやきにも負けず、初心を貫く人です。
 毎日、コップに水を入れていると、ある時、水の音が変わってきたことに気がづきます。水を入れると、「ポチャン!」と音がするからです。こうなると、水を入れることが楽しくて仕方ありません。今まで、1杯入れるのがやっとだったのに、2杯、3杯の努力を惜しみなくできるようになります。ここまでくると、「努力」を「努力」と思うのではなく、生活の一部として取り組むことができるようになります。

池江璃花子選手は、病気から復帰し、3年ぶりに挑んだ日本選手権。
大会前、本人も想像すらしなかった4冠とリレー2種目での東京五輪代表入りを達成しました。
池江璃花子選手は、努力や困難に関して、これまでも様々なことを語ってきました。
「私は、神様は乗り越えられない試練は与えない。自分に乗り越えられない壁はないと思っています。もちろん、私にとって競泳人生は大切なものです。ですが、今は完治を目指し、焦らず、周りの方々に支えて頂きながら戦っていきたいと思います」(闘病中の言葉)
「私には限界はない。同じ人間だから世界記録にいけないわけがない。」
「目標をしっかり持って努力すれば、きっと報われる。」

『外的統制型の傾向か』『内的統制型の傾向か』 (心理学から)
⦿外的統制型:成功・失敗の原因は、外的要因に大きく左右されると考える。結果の原因を自分にはコントロールできないもの求めるため、周囲の影響を受けやすい傾向にある。自己肯定感や自己効力感が低く、他者の行動を気にするのも特徴である。
⦿内的統制型:成功失敗の原因は、自分自身の能力や努力にあると考える。また、自分は自分、他者は他者とし、自分と他者を比べない。他者の成功や長所も認めやすく、好感を持たれやすい。自己肯定感や自己効力感が高い。
外的統制型の人は、自分の人生は自分以外の外側のことによってコントロールされていると感じています。自分の学力、進路、就職、結婚、健康、寿命、幸せなど、これらのものは、家庭環境とか運命によって決まってしまっている。だから努力は無駄だと考えます。一方、内的統制型の人は、人生の様々なことは、自分自身の努力によって左右することができると感じています。努力はきっと報われると信じています。
あなたは、どちらの傾向が強いですか?

池江璃花子選手の今回の優勝は劇的でしたが、もしも、今大会、努力の結果として優勝できなかったとしても、池江選手は「努力したが報われなかった。」とは語らなかったでしょう。「努力は報われ、記録は伸びてきた。次のオリンピックを目指して、さらに努力する。」と池江選手は語っていたことでしょう。そう、池江選手は内的統制型の人なのです。
努力をすれば、全ての人がオリンピックの選手になれる。努力をすれば、みんなが金メダルを取れる。そんなことはありません。オリンピックに出られるのも、メダルが取れるのも、限られた少数の人だけです。そんなことは、池江選手をはじめ、誰にだってわかっていることです。大きな成功を収めるためには、才能、環境、努力、幸運が必要だと言われています。しかし、自分が目標と定めたことには、特に高い才能や特に恵まれた環境や幸運も必要なくやり抜く力(grit:グリット)、努力し続けることで十分だとも言われています。
「努力は報われる」かどうかは、〝考え方〟や〝心〟、〝行動・実践〟にヒントがあったのか。
さぁ。あなたは、札に何を書きますか?
   
(挿絵:美術科 佐久間 菜穂 先生)

 令和3年4月15日 岡安 和彦

 

お知らせ

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校長メッセージ №63 「修了式」

校長メッセージ №63  「修了式」

「偶然」と「必然」という言葉あります。
偶然とは、思いがけなく起きること。予期しないことが起こること。
必然とは、必ずそうなること。それよりほかになりようのないこと。
自分の「学級」について、考えてみよう。
偶然、集まった友達が、日々の営みの中で様々な意味を持っていきます。
この1年を振り返ってみよう。この学級で「笑ったこと」「悔しかったこと」「苦い思いをしたこと」「問題を解決するために皆で話し合ったこと」など、様々な出来事があったと思う。
「このクラス、この仲間だったから〝成長〟できた。」
「あなたと出会え、一緒に生活することができて、大切なことに〝気づく〟ことができた。」
「私はこの学級で生活する中で〝新たな自分に出会う〟ことができた。」
この学級で生活したことが「必然性」という意味を持てたのなら、あなた自身が、成長を実感しているということです。
自分に起きた「偶然」と思われる出来事の中に、「必然」という意味を感じて成長の『種』にしてみてはどうだろうか。

「先生たちの指導・助言」について振り返ってみてください。
先生たちは、日々の生活の中で、「意義」「意味」「目的」などを十分に説明してくれましたか。
「意義」「意味」「目的」を持たず行動することとは、成果を期待していないことと同然です。
結果や成果は、主体的に汗をかいた人にとっては、『糧』となるでしょう。
学校は、生徒が自己実現を体感する場所です。
先生たちの指導や助言は、大切なことを気づく〝ヒント〟になったでしょうか。
中学生期は、様々な価値観に触れて、自己を見つめ、なりたい自分像を描く時です。
担任・学年の先生、教科の先生、部活動の顧問の先生、保健室の先生などとの出会いの中で、みんなが大事なことに気づくことができた『教え・導き』は、どんなことがありましたか。

「感謝の心」を大切にして生きたいものです。
今年度、勝浦中学校は、保護者、地域、関係団体から沢山の支援をいただきました。
その恩返しのひとつに「勝浦元気プロジェクト」あります。今日は、1年生が「しあわせ運べるように」をJR勝浦駅で合唱します。地域へ向けての感謝・応援メッセージです。
みんなの日々の生活の中に、「感謝の心」はどれだけあるだろうか。
自分自身の生活を振り返ってみよう。
私たちの生活は、様々な人たちの助けや力添えの上に成り立っています。いくら、才能や能力に優れていたとしても、自分の力だけでできることは限られています。
多くの人たちから受ける様々な恩恵に気づいて、感謝の気持ちを持つことが大切です。
私たちは、日々の恩恵にもつい慣れてしまい、感謝の念を失いがちです。
〝ありがとうございます。〟〝お陰様です。〟〝すみません〟
感謝の気持ちがあれば、周りの協力が得られやすくなります。
その心持ちは、日々の生活から見える景色も変えてくれることでしょう。

春休みの「安全」「感染防止」への取組について、交通事故などには、十分に注意しよう。
緊急事態宣言の解除によって、観光客などが多く訪れることが予想されます。
多くの場合、事故は予見できます。みんなには、その力が備わっています。
事故は、注意不足や過信から起きることが多いのです。
コロナの感染防止への取組に緩みはありませんか。
変異ウイルスの感染者は増加しています。
ワクチンの接種の状況は、政府が示した当初の計画より遅れています。
勝浦市では、来月に医療従事者、続いて高齢者・基礎疾患を持つ方への接種が始まるようです。
ワクチン接種は、「16歳以上」です。みなさんは、いわゆる対象外です。
新型コロナウイルス感染症に、り患した方の76%に後遺症がみられると昨晩のNHKニュースで報道されていました。
感染予防対策は、「距離」、「マスク」、「手指衛生(消毒)」です。
春休みの部活動、登下校、自宅での感染防止対策の徹底を継続します。

昨日、今日と、学校に嬉しいニュースが2つ届きました。それは、「挨拶」です。
1 地域住民の方からです。
  勝浦中学校の卒業生の男子生徒が、気持ちの良い挨拶をしてくれました。
  先生方の指導が良いのだと思います。先生方にお伝えください。
2  今朝、登校指導をしてくれているボランティアの方からです。
  野球部の男子生徒の挨拶がとても気持ちがいい。とお褒めの言葉をいただきました。
  生徒たちに伝えてください。とのことでした。

生徒が褒められると、とても嬉しい。 
仕事柄なのか、若い人たちが犯罪に手を染めてしまうニュースを見ると、考えてしまう。
こういった人たちにも、「先生」がいたはずだ。
その先生たちは、そのニュースを見てどのように感じているのだろうか。

卒業を前に、教え子たちに必ず話していたことがある。
それは「悪い出来事があった、上手くいかなかった時、悩んだ時は、早めに連絡・相談すること。」
「良いニュースなどは、いずれ周りからも聞こえてくる。」「悪い時こそ、初期段階が大切だ。」
「人生、良いこと、悪いことが半分半分だ。良いことばかりを期待するな。」
「いや、振り返ると。悪いこと、思い通りにならないことの方が多いのかと思う。」
「一人で抱え込むな。」「ピンチや困ったときは、助け合えばいいんだ。」
困ったことが起きた時、悩みが解決しない時は、親や先生たちに早めに相談してください。


今年度、コロナ禍で様々な制限がある中でも、みんなの「笑顔・ひたむきに頑張る姿」に勇気をもらいました。
『ありがとうございました。』

令和3年3月24日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №62 『左岸より』

校長メッセージ №62  『左岸より』 
        

「力さん」
たとえば滔々(とうとう)たる流れが一つ。
それを右岸より眺める者と、左岸より眺める者、二つの部族が存在すると、取り敢えず思っていただきたい。
右岸に立つものは批評家たちである。
左岸に立つものは創る側である。
流れには橋がなく行き来が出来ない。
右岸に立つ者が突然発心し、対岸に立つべく流れに飛び込む。すると忽ち(たちまち)河の流れは彼の体を下流へ押し流し、ほうほうの態でたどりついた左岸は、彼の見た位置より甚だしく(はなはだしく)下流である。たやすく行き着けると思っていた対岸は、もはや見えない。
はるかに離れている。
見る現実とそこに立つことは極端な距離にはばまれているのだ。
そんなこともあるよ、だから批評はね、誰にだって出来るさ、けど現実には批評するだけさ。
俺は川下でも左岸を行きたいね。
そう言ったら力さんは巨体をゆすり、ポケットのあちこち短い指を突っ込んで、しばらくもぞもぞ格闘していたが、やがて取り出したくしゃくしゃのキャスター、折れ曲がった一本を包みから
ひきずり出しトントン叩いていたが、
「判るよ、なんとなく、言わんとすること」
無器用に漸く(ようやく)マッチで火をつけた。
せっかちに天井に煙を噴き上げる。
「言い方変えればあれでしょ?なにも創作者と批評家に限らん、実際に黙々とやっとるもんと、やりもせんでああだこうだ能書きばかりたれる奴、そういう風に置き換えてもいいンでしょ?」
『その通り』
「したら僕判るわ。すごくよく判るよ? 最近アレだもね、右岸に住む奴やたら多くて、
左岸の方はアレーーーーー過疎ですもンね」
 〔 意 味 〕
   滔々・・・水が盛んに流れるさま。   ほうほうの態・・・あわてふためいてかろうじて逃げる様子。
   甚だしく・・・〔望ましくない程度〕がはげしい。  


「創る」には、新しく、初めてという意味がある。昨日、予行練習で「遥か」を聴いていたら涙が込みあげてきた。 〝あなたの誇りになる〟 気概を持って生きてほしい。
今年度は、本当に様々なことがあった。色々な思い出が走馬灯のようによみがえってきた。
三年生が話す通り、学校は「創造・挑戦・感謝」がテーマになっていた。勝浦中に新たな歴史を刻んでくれた3年生、1・2年生たち。
「力さん」は、倉本 聰さんのエッセイ集『左岸より』からの一節です。私が大学を卒業する時、北海道出身の親友に薦められて読んだ本です。この仕事に就いてから、どれだけ、子どもたちのためにできるか? って悩んだとき、思い出す一節です。
「川下でも左岸を進もう!」と自分に言い聞かせます。  


 今日、3月11日。
 死者・行方不明者、関連死を含め2万2192人が犠牲になった東日本大震災から10年を迎える。避難生活を送る人はなお、4万人を超え、福島県では帰還困難区域の大半で解除の見通しが立たない。被災地は、インフラ整備が終わった後、持続可能な社会をどうつくっていくのかという課題と向き合いつつある。(朝日新聞.今日の朝刊から)


どんな時だって、前を向く! 後ろを振り返るな!
「歩み」止めるな!
困ったら、「知恵を出せ」、皆で「知恵を集めろ」                 
批判などは、なるべくだったら口にせずに、「自分を信じて前に進め!」『答えはその先ある』


3年生の学年集会で紹介した歌です。
「道」 C&K 作詞・作曲:CLIEVY
足跡はやがて、あとに道を造るから 誰もいなくても ずっと自分が見てるよ
時代の流れは 僕にちょっと早いから
ここらで4歩 さがって1歩 3歩進めればいい
あの夢見る景色は まだ先の先の先さ 
どんくらい?? あとどんくらい 歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく 
どんくらい? あとどんくらい 出会いがあるだろう
足跡が消えたあとに道はのこるから 自分に負けなきゃ きっとだれかが見てるよ
時代の流れに たとえ取り残されても こころはずっと あの日のまんま
忘れなければいい
未だまだ見ぬ景色は この先の先の先さ どんくらい?? あとどんくらい?
歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく 
どんくらい? あとどんくらい? 別れがあるだろう
行こう行こう~ 夢見る景色へ  行こう行こう~ 未だ見ぬ景色へ
行こう行こう~ 夢見る景色へ  行こう行こう~ 未だ見ぬ景色へ
あの夢見る景色は まだ先の先の先さ
どんくらい?? あとどんくらい 歩けばたどり着くの?
上がって、下がって なぜ道はのびてゆく
どんくらい あとどんくらいのドラマを見るだろう


「午後2時46分 黙とう」

令和3年3月11日 岡安 和彦

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校長メッセージ №61 式歌 『仰げば尊し』

校長メッセージ №61 式歌 『仰げば尊し』

一、 仰げば 尊し 我が師の恩
  教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
  思えば いと疾(と)し この年月
  今こそ 別れめ いざさらば

二、 互いに睦(むつ)みし 日ごろの恩
  別るる後(のち)にも やよ 忘るな         
  身を立て 名をあげ やよ 励めよ
  今こそ 別れめ いざさらば

三、 朝夕 馴(なれ)にし 学びの窓
  蛍の灯火(ともしび) 積む白雪
  忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
  今こそ 別れめ いざさらば


 愛する卒業生達にとって、卒業証書授与式がより思い出深い日になってほしいと考えて、今年度、新たな取組を行いました。
 卒業式当日には、在校生からサプライズの贈り物もあります。また、式では、新たに「蛍の光」「仰げば尊し」を組み入れました。仰げば尊しは、卒業生が学校生活に別れを告げる日に歌う「情愛のこもった歌」だと思います。

 卒業証書授与式は、学校行事の中で「儀式的行事」に位置付けられます。卒業という大事な節目。学校生活に有意義な折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機づけとなるようにすることが卒業式の目的です。卒業生、在校生にとって、心に深く刻まれる日になってほしいと考えています。今年度の卒業証書授与式は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、卒業生、保護者、在校生、教職員が一堂に会して行うことはできませんが、テレビ会議システムLive onでキュステと体育館を結んで実施します。
在校生が歌う、送別の歌「蛍の光」、卒業生が歌う、卒業の歌「仰げば尊し」は、それぞれの会場に映像とともに届けられます。
 
 私なりに「仰げば尊し」の歌詞の意味について考えてみました。(文献等を参考)
●一番は、卒業生が教師、友達、後輩に対して山のような恩や愛情を感じながら、いつの間にか 過ぎ去った月日のことを短く感じられると、別れを惜しんでいます。
  一.見上げて見るにつけても尊く感じられるのは、私を教え導いてくれた先生、友人、後輩達へ の恩です。中学校での学校生活は、いつの間にか三年もの月日が経ちました。振り返れば   あっという間に過ぎ去ったものです。さあ、今、お別れします。さようなら。
●二番は、教師が卒業生たちに対して、これからは学友同士でも、それぞれの道に進んでしまう
 が、学校生活で培われた友情を忘れるなと友情の大切さを教えています。そして、これからは、 自分の力で生計を立てて、それぞれの分野で優れた仕事をして、親孝行をし、その上でも努力
 を続けなさいと励ましています。
 二.毎日毎日、仲良く親しみ合った恩は、別れ別れになった後も決して忘れてはいけません。これからは、自分の力で世に出て、生計を立てて、それぞれの分野で優れた仕事をして社会に知られるようになりなさい。その上で、さらに努力を続けなさい。さあ。今、お別れです。さようなら。
●三番は、再び卒業生が慣れ親しんだ学び舎に対して、勉学や部活動に苦心したことことなどを思い起こしています。勉強、部活動、学校行事など、向上心を持って生活した日々などを思い起こして、決して忘れることはないだろうと語りかけています。
  三.朝といい、夕べといい、慣れ親しんだ学び舎。そして、苦心して勉学に励んだこと、部活動で切磋琢磨したこと。ここで学んだ日々のことは、ひと時も忘れることはありません。さあ。お別れします。さようなら。

 二番の歌詞の中で「身を立て、名をあげ」については、親に対してのことでもあります。それは、「自分の身体は、父母が生んでくれたものであり、髪や皮膚といえども、不注意で傷つけたりすると親を心配させ、悲しませることにもつながるので、健やかに身体を保つことを意識して生活することが、親孝行の第一歩である」と。 そして、自分の力で生計を立てられるように自立して、その分野で優れた仕事をして、社会の人々に知られるような人物になれば、さすが誰々さんのお子さんだと、世間の人がご両親をまでも高く称賛するようになる。これが親孝行の最終段階である。
 三番の歌詞の中で「蛍の灯火 積む白雪」は「蛍の光」でも出てきます。これは、いずれも貧しい生活の中で勉学に励み、後に高い位の役人になった人の例だと聞いています。夜の勉学に灯油を買う金が無いので、夏には蛍を何匹も袋に入れて、その光を借りて、冬には、窓際に雪を積んで月の光を反射させて、その光を借りて勉学したことを表しています。〝蛍の光や窓の雪〟で実際に文字が読めるかどうかは別にして、それほど、工夫と苦心で勉学に励んだことを表現しているのだと思います。


 この式歌「仰げば尊し」、「蛍の光」。卒業証書授与式での流れは次のようになります。
 七、 在校生代表送辞
 八、 送別の歌 「蛍の光」
 九、 卒業生代表答辞
 十、 卒業の詩 「仰げば尊し」 
 歌詞の意味を心に留めて歌おう。


人生、順風満帆にいきたいが、そうはなかなかいかないものだ。(私の経験上!)
変動性、不確実性、複雑性、曖昧性という時代を生き抜くみんな。(激動の時代を迎える!)
一生涯、学び続けていかなければならない時代が来ている。(常にupdateする時代だ!)
「志高く!」 「気概を持って!」  いざ 行こう!! (人生の主人公は自分自身だよ!)
今日、校長室に貸衣装が届いたぞ。(卒業式をより格式のあるものにしたい!)


 令和3年3月9日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №60 「親の愛」 ~ 母の一言 ~

校長メッセージ №60 「親の愛」 ~ 母の一言 ~

 「あなたは素直ないい子よ。」と、折に触れ、母は口にしていました。
それは、母が娘へ贈り続けようとした、祈りにも似たメッセージだったのかもしれないと、この頃思うようになっています。
私は、ついこの間まで歩くより転がった方が早い程、 まるまると太っていました。
そのことは、長い間、私のコンプレックスであり、母も大いに心を痛めていたことでしょう。
実際、病院で診察を受けても、食事療法を試してみても、はかばかしい効果をみることができなかったのですから・・・ 容ぼう(顔・かたち)がその人の精神に及ぼす影響は大きく、女の子の場合には、プラスにもマイナスにも作用することを母は熟知していたはずです。
けれど、ただの一度も私の体のことを批判したことはなく、「あなたは素直ないい子よ、たくさん食べて、今のうちに体を作るのよ」と言い続けてくれたことを忘れることができません。
そんな娘を持ち、母としても、人知れず色々な迷いや葛藤があったと思います。口に出さなかった分、深い悩みのひとつだったと思えるのです。けれど、「成長期の今、この子にとって大切なのは、きちんと食べて体を作ること。」と腹を決めた時は、自分の見栄や他人の思惑などは、考えの外だったのでしょう。きっと私の精神が卑屈になることのみ心配し、祈るような気持ちで暮らしていたのだと思うのです。
 小学校最後の運動会でのことでした。私の家では、父は仕事柄出張が多く、いろいろな行事への参加は、ほとんど母が任されていました。その日は、走ってくる子供を途中で父親が背負いゴールするという父親参加の競走がありました。居並ぶお父さん方に混じり母は、頼りなげで、そしていつもより、ほっそりとして見えました。一方、私の方は〝まん丸のおデブさん〟。
競技が始まります。湧き上がる歓声、私の目には、皆軽々と子を背負い、かけてゆく親子ばかりに見え、スタートラインの私は、「どうしようと・・・」と胸が張り裂けそう。
いよいよ私の番。目をつぶる。高鳴る動悸。
50m先には、大きなお父さん方に混じって、ニコニコ顔の母がいるはず。
〝ヨーイ.ドン〟 私は走る。
早く早くと手招きをする母。細い肩につかまり、今にもずり落ちそうな格好の私。
母は私を落とさぬよう、ヨロヨロと必死で歩く。
もう皆ゴールしている。次の走者が、私達のゴールを待っている。
歓声が、もう私には嘲笑に聞こえている。「もういいお母さん。」私は恥ずかしさと悔しさで涙声になる。それでも母は諦めない。ヨロヨロと着いたゴール。
終わってよかったと、私はうつむく。それにしても長かった。母は振り返って〝笑顔〟。
私はそんな母の笑顔とは裏腹に、〝出なきゃよかった〟と、すねて悔しい思いをしていた。
幼い私が太っていることでバカにされたくないと一途に思い、考えついたことは、少しは得意な勉強に力を入れようということでした。
机に向かい、努力を重ねるうちに、人に認められる嬉しさを知り、やればできるんだという自信につながっていったのだと思っています。
その後も、〝太っていること〟は、何をやるにもついてまわりましたけど、そのことで卑屈になることはなく、かえってそれを踏み台に、生活を前向きに善処していく知恵を、マイナーな部分へのいたわりの気持ちを授けられたと自負しています。そうしたことが、母の一言に大きく支えられていたことは言うまでもありません。
 随分たって、あの時の運動会のことを思い出し、「恥ずかしかったでしょう。」と聞いてみました。『そんなことがあったね。でも、恥ずかしいなんてなかったよ。あなたに太っていることでひがまれることの方が心配だった。当たり前のことをしただけよ。』とさりげなく母は答えました。
 今、私には5歳になる息子がいます。ささいなことにこだわりがちな私の日常では、母が私に注いでくれたような、子供の欠点をあるがままに包み込み、良いところを伸ばしてやるという大らかな愛情が足りないなあと反省させられます。そして、当たり前のことをさりげなく実践していく愛情の深さを考えさせられます。そういう思いが、はからずも母のあの一言に込められていたのだとすれば、私はあの時、無言の背中の温かさの中で、何と大きなことを教えられていたのでしょう。
 今、あふれる程の情報に不安をつのらせている親たちの一人に私もなっています。そんな中で、私があの一言に支えられ、「生かされてき」たことへの感謝と、「大切な人への祈るようなおもい」を忘れない『私』でありたいと思います。そして、そういう私を息子がどこかで感じ、受け止めてくれるような育ち方をしてくれれば、うれしいと思っている今日この頃です。(PHP 1988年2月号 清水 ゆきさん)

「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」親からもらった一言(言葉)で、心に留めている言葉は何ですか?
親たちだって、迷い、悩んでいるんだよ。
自分たちが中学生の頃と、今のみんなの生きる時代は大きく変わった。複雑、不透明になった。
親は、みんなの個性、意見を尊重しながら。今、親として〝どんな言葉かけ〟をして〝気づかせようか〟そして〝どのように教え導こうか〟と常に考えているんだよ。
先生も同じだ。一人ひとりの生徒の「成長」を願って、学校生活での〝教え・導き〟を考えている。
みんなが、「社会」という大海原に出る前に、『航海図は出来たか』、『羅針盤を持たせたか』、『荒波にもまれた時の操舵術を身につけさせたか』と。
2・3年生は、郷育プロジェクトで、勝浦港から沖合に出た時のことを思い出してほしい。
湾内は穏やかでも、外海に出ると、うねりで船が大きく揺れたことを。
親は、単独航海の旅に出るみんなに、航海上の〝よりどころ〟となる言葉を伝えているはずだよ。

令和3年3月7日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №59 「親」

校長メッセージ №59 「親」

「親」の一字は、わが子の安否を気遣う、切ないまでの親心そのものであると思う。
次のような話しが伝わっている。


昔、中国の揚子江の上流に、母と子の二人で暮らす親子がいた。
息子は成長するにつれ、「都へ行って、学問に励み、出世したい。」と夢見るようになった。
しかし、家にそんな余裕はない。母親は、我が子の願いを叶えてやりたいと、方々から借金して学費を工面した。
「この親を不幸にしてはならない。」
彼が、固く誓ったことは言うまでもない。

いよいよ都に旅立つ日、揚子江の岸辺には激励に集まった人々で溢れた。
片田舎から都の大学へ若者を送りだすことは村の誉れであったのだ。
彼が乗った船が岸を離れると、当然ながら村人はさっさと帰ってしまう。


ただ一人、母親だけは、いつまでも見送っていた。
岸から船が見えなくなると、今度は近くの山へ登った。
頂上の木の株の上に立ち、船の姿が完全に消えるまで我が子の無事を念じ続けるのであった。


都についた息子は、一生懸命に勉学に励んだ。
彼は、親を安心させようと日常の様子や大学の成績を手紙に書いて、毎週、故郷へ送った。
母からの返事は、いつも「身体は大丈夫か。早く帰ってきておくれ。」と短く書かれているだけだった。
親の苦労を知っている彼は、人一倍努力した。
その結果、大学を主席で卒業。役所へ入っても、異例の早さで出世を果たした。
そして、ついに故郷の行政長官に就任し、村へ帰れることになったのである。


母親の喜びは例えようがない。息子の顔を早く見たい一心で、船が到着する七日前から揚子江の岸へ行き、指折り数えて待っていた。
いよいよ、その日が来た。
母親は、夜明けとともに近くの山へ駆け登る。
頂上の木の株の上に立ち、我が子が乗った船が無事に到着することを念じながら、じっと川下を見つめている。
昼過ぎになって、ようやく小さな船影が現れてきた。
母親は、山を下り岸辺へと急いだ。
村人たちも大勢集まってきている。
立派になった彼を迎えて、『偉くなったのう。村一番の出世だ。』と、人々の大歓声
がこだまする。


しかし、母親は、「無事でよかった。元気でよかった。」と、ただ涙を流して喜ぶばかりである。
村人は、彼が出世したからこそ祝ってくれたのだ。
しかし、母親にとっては、子どもが出世しようが、夢破れて帰ってこようが関係ない。
元気でいてくれることが、一番の願いなのである。
たとえ大学の成績が悪く、落第したとしても、同じように山頂の木の株に立って、息子を待ちわびてくれるだろう。


皆さんは、これを読んでどのように感じましたか?
「親」はね。


今朝、昨日の三年生を送る会の感想を二階の教室をまわって聞いてみた。
三年生からは、「感激」「感動」「感謝」が溢れ出た。
それを、三階、四階の一・二年生に伝えにまわった。
昨日、体育館では、笑いあり、涙あり、感動あり。喜ぶ三年生の姿。その場にいさせてもらった
臨場感を少しでも伝えたくって。


立派な三年生。自慢の三年生たち。
上級生と下級生のつながり。
「後輩たちがいてくれて、俺たちは先輩になれた。」と三年生は話す。

『子供がいて、親になれる。子供が親にしてくれる。親として育ててくれる。』
『子供と一緒に悩み、時に苦しみ。』
『子供の〝成長〟にとって、何が一番のことなのか。常に親は考えている。』
『我が子の「健康と成長」を願って。』


そう考えると、私は、たくさんたくさん心配をかけた。
今日は、母の誕生日だ。


令和3年3月5日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №58 「みんなとおなじく できないよ」

校長メッセージ №58 「みんなとおなじく できないよ」

みんなとおなじく できないよ   障がいのあるおとうととボクのはなし
作:湯浅 正太 絵:石井 聖岳 (日本図書センター)

おとうとがすき でも いっしょにいると ボクのこころは グチャグチャになる
こんなふうにおもうボクは ダメなこ?
(本文中略)


あるひ ぼくがみかけた おとうとは
ともだちに おいかけられて ジャングルジムに にげこんでいた
ボクはとっさに かけよった
ボクをみつけたおとうとも ひっしにボクにかけよってきた
だまったまま ボクのふくを ちっちゃい てで ぎゅとっした
ボクのおなかに おでこを おしあてたまま おとうとは こういった
「おに い ちゃん み んな と お なじ く で きな いよ」

おとうとの ことば おとうとの ふるえる かた
ボクのしらなかった おとうとが そこには いた
ボクんなかが こおりついて はりさけそうになった
(本文中略)
ぼくが もっと おしゃべりしていたら ボクが もっと あそんであげたら
おとうとは みんなとおなじように できていたのかな
「み んな と お なじ く で きな いよ」
ボクは ぜんぜん しらなかった わかってやれて いなかったんだ
くやしなみだが あふれでた おとうとのことを もっと わかりたい
それはしゅくだいよりも ともだちとあそぶことよりも いまのボクにとって だいじなこと
(本文中略)


おとうとのすがたに めをこらし こころに てをあてたら
ボクが しらなかった いろんな おとうとに きがついた
ボクはだんだん おとうとのことが わかってきた ボクんなかが あったかくなった
ボクのこころは グチャグチャのまま でも ボクは おとうとが すき
「お に い ちゃん」 『なあに』
「み んな と お なじ く で きな いよ」  『おなじくなくて いいんだよ』


作者の湯浅正太さんは、小児科医。鴨川市にある亀田総合病院で小児科部長をされている。
20年位前になるだろうか。3年生の担任として京都・奈良への修学旅行を引率した。京都駅に着き、バスに乗り換え、奈良に向かって出発。間もなく一人の男子生徒が「ガイシャだ」。私は、『ガイシャって何?』。別の生徒が指さした先には、車椅子に乗った小学生たちが移動していた。私は、厳しく叱った。法隆寺に向かう車内は静まりかえった。障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会を実現していくために
『あなたは何から始めますか?』お兄ちゃん、弟の気持ちになってみる。考えを巡らせてみることから始めたっていいんだよ。

令和3年2月28日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №57 「正解」

校長メッセージ №57 「正解」


今日は、3年生は公立高校入試、1・2年生は、後期期末テスト。
考査や試験と聞いて、「よーし!何でも来い!!」と言える人はすくないでしょう。
5教科や8教科の合計点は何点? 順位は? 偏差値は?
点数は、満点に近い方がいい。順位だって上位がいい。
試験では、「問題」に対して「正答」を見つけていく。
「よーし! 今回は手ごたえあったぞ!! 点数も上がった。」これなら、親にも叱られなくて済みそうだ。
ところが・・・ 順位は、大きくは上がらなかった。なんてことを経験した人も多いよね。
こういった数字で測る「見える学力」というのは、中学校だけでなく、高等学校などの上級学校の試験でも当たり前になっている。
一方、将来の就職となると、こうした「見える学力」で選考される場合もあれば、そうでない場合も増えてきている。
みんなが大人として生きる近い将来は、「多様性社会」、「共生社会」、そして「不透明で複雑な社会」、「想定外の社会」と言われている。
こうした社会を主体的に生き抜くためには、「見えない学力」「自分なりの正解を探す力」
が必要になってくる。
「自分と人の命を大切にする」「自分なりの考えを持つ」「自分を表現する力」「失敗を恐れずに挑戦する力」が求められている。
心臓の鼓動に手を当てて「命」を感じ、「自問自答」することを増やし、決めたことは「積極果敢」に挑戦する。
自分の個性は「自分にしかない色」、将来は「無限大に広がる」、ひとつの答えがすべての「正解」でないことだってある。
3年生がアンケートの結果、卒業合唱で歌う「遥か:GReeeeN」
歌詞中にある『あなたの誇りになる』こういった気概を持ち続けて人生を歩み続けてくれたのなら、きっと〝手応えのある人生〟を送ることができるでしょう。
アンケート結果、2番目だった「正解:RADWINPS(18FES ver.)」
みんなは、この曲を聴いてどう感じますか。


■ 正解(18FES ver.) RADWIMPS 作詞・作曲 野田洋次郎

 この先に出会うどんな友とも 分かち合えない秘密を共にした
 それなのにたったひと言の 「ごめんね」だけ やけに遠くて言えなかったり
 明日も会うのになぜか僕らは 眠い眼こすり 夜通しバカ話
 明くる日 案の定 机並べて 居眠りして 怒られてるのに笑えてきて


 理屈に合わないことを どれだけやれるかが 青春だとでも
 どこかで僕ら 思っていたのかな


 あぁ 答えがある問いばかりを 教わってきたよ そのせいだろうか

 僕たちが知りたかったのは いつも正解などまだ銀河にもない
 一番大切な君と仲直りの仕方
 大好きなあの子の 心の振り向かせ方
 なに一つ見えない 僕らの未来だから
 答えがすでにある問いなんかに 用などはない


 これまで出逢ったどんな友とも 違う君に 見つけてもらった
 自分をはじめて好きになれたの
 分かるはずない 君に分かるはずもないでしょう


 並んで歩けど どこかで追い続けていた 君の背中
 明日からは もうそこにはない


 あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ そのせいだろうか
 僕たちが知りたかったのは いつも正解など大人も知らない
 喜びが溢れて止まらない 夜の眠り方
 悔しさで滲んだ 心の傷の治し方
 傷ついた友の励まし方


 あなたとはじめて 怒鳴りあった日 あとで聞いたよ 君は笑っていたと
 想いの伝え方がわからない 僕の心 君は無理矢理こじ開けたの


 あぁ 答えがある問いばかりを教わってきたよ だけど明日からは
 僕だけの正解をいざ  探しに行くんだ
 また逢う日まで


 次の空欄に 当てはまる言葉を 書き入れなさい
 ここでの最後の問い
 「君のいない明日からの日々を
 僕は/私は きっと □□□□□□□□□□□」


 制限時間は あなたのこれからの人生
 解答用紙は あなたのこれからの人生
 答え合わせの 時に私はもういない
 だから 採点基準は あなたのこれからの人生


 「よーい、はじめ」


 令和3年2月24日 岡安 和彦

 (下の画像をクリックしていただけると,YouTubeの動画を視聴できます。)


 

校長メッセージ №56 「言葉」

校長メッセージ №56 「言葉」

2月14日(日)早朝、テレビをつけた。前日夜の11時過ぎに発生した福島県沖を震源地とする地震は、最大震度6強を観測したと。
これにより、各地で大規模な停電や断水、家屋の倒壊などが発生した。複数の県で、けが人も報告された。一瞬で、東日本大震災の記憶を呼び覚ました地震に、被災者は大きな不安にかられたことでしょう。同日、午前5時の放送。糸井アナウンサーは被災者に向けて次のメッセージを送りました。

 〝おはようござます。5時になりました。ほとんど眠れなかった方、早く目覚めてしまった方、ともにお疲れのことと思います。 日の出まであと1時間ほどになりますけど、できるだけ安全な場所で、少し目を閉じながらでも構いませんので、最新の情報をお聞きいただければと思います。〟

番組の冒頭、糸井アナウンサーは、落ち着いた口調で日の出までの時間を伝え、不安な夜を過ごした被災者を気遣たったのです。不安な気持ちで夜明けを待つ人々の気持ちをくみ取り、温かい言葉を紡いだのです。

『言葉は人を表す』
静かに 静かに 問いかけよ 自分の言葉遣いは どうだろうかと
君は友達のことばで ひどく傷ついたり 嫌になったりすることはないか
逆に相手を批判したり 傷つけたりする言葉を使ってないか
友だちのいいところを見つめて それを言葉に出せ そうすれば
互いの心に友情の灯がともり その灯は輝きを増す
親に向かって わがままいっぱいに 言いたい放題の人はいないか
君を慈しみ 育ててくれている親に
子どもとしての 素直な言葉遣いをしているか
日々、教えていただく先生に向かって
素直さを忘れた すさんだ言葉を使っている人はいないか
その人は 心がすさみ 立場をわきまえぬ愚か者だ
君たちよ 言葉は人だ 荒々しい言葉を使う人は 心がすさみ荒れている
心が和んでいるとき おのずと使う言葉は 温かく 穏やかなものとなる
美しい言葉を使う人は その人の心が美しのだ
相手と時と場に応じた言葉を使う人は 賢く 立派な人だ
相手の美点を見て それを言葉とせよ
相手と時と場に応じた言葉遣いをなせ
言葉は その人の心を表し その人全体を表す
(参考:「言葉は人を表す」名古屋市立名塚中学校から)


令和3年2月16日 岡安 和彦


   
名探偵コナン(江戸川コナン)

 

校長メッセージ №55 「人生の目的」

校長メッセージ №55 「人生の目的」

2月24日、25日。3年生は、公立高校入試、1・2年生は、後期期末テスト。
どうですか? 自分を高める努力をしていますか?

「世に生を得ることは事を成すにあり」 坂本龍馬
若者たちが尊敬する歴史上の人物で、常に上位にくるのはのは、坂本龍馬だそうです。
私たち人間は、ただ生きるために生まれてくるのではなく、価値ある仕事をするために生まれてくるのだと竜馬は言っています。
また、明治の大実業家の渋沢栄一は、次のように述べています。
『元来、人が世に生まれた以上は、自分のためではなく、必ず世のためになるべきことをやる義務があると私は信じる。つまり、人に生まれてくるとともに、天の使命を受けているのである。世に生まれ出たのは、父母の恵みであるが、天の使命を全うすることは人間の義務である。才能がある者はあるだけ、少ない者も少ないだけの才能を用い、それぞれの力を尽くすことが、人としてのこの世に対する義務だと私は確信している。』
人生の目的は、「自分自身の向上」と「社会の一員としての役割を果たす」ということでしょうか。
今日から始まるNHK大河ドラマ「晴天を衝け」
その主人公は、新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」です。
約500の企業を育て、約600の社会公共事業に関わった「日本資本主義の父」。
晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれています。
幕末から明治へ。時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように高い志を持って未来を切り拓きました。
「緻密な計算」と「人への誠意」を武器に、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢は、生涯青春の人でした。若き心で挑戦を続けた男・渋沢栄一との出会いにご期待ください。(NHK広報)

次のような話があります。
ある日、坂本龍馬は、檜垣清治(ひがきせいじ)という同志に路上でばったり出会った。剣の腕に自信のある檜垣は、いかにもそれらしく目立つ刀を腰に差していた。それを見た龍馬は、『長い刀は、いざという時にかえって役に立たない無用の長物』と言って、普通より短い自分の刀を示した。なるほど、そういえば確かに短い方が実戦向きかもしれないと、それ以来、檜垣は短い刀に取りかえた。それからしばらくして、檜垣は再び龍馬に会ったので、「やはり短いのにしたよ」と言って刀の柄を軽くたたいて見せた。すると龍馬は、いきなり懐からピストルを取り出して、『今は、これの時代だよ』と笑って言った。今は飛び道具の時代、いつまでも刀や槍の時代だと思うのは、時代遅れの古い考え方だと言いたかったのだろうか。ところが月日が経って三度二人は会った。龍馬は、懐から一冊の本を出して『今はこれの時代だよ』といって「万国公法」という国際法の法律書を見せたという。これからは、国際化の時代、武力だけでは役に立たない。外国人と同じテーブルについて話し合いで解決できるように、今は、勉強が必要な時代だと伝えたかったのだろう。

今、時代は大きな転換期と言える。龍馬が生きた時代と似ていると思う。
今、私たちが生きる社会は目まぐるしいスピードで変化している。
同時に、世界各国から身近な地域に至るまで、様々な社会問題が顕在化している。
そういった困難に立ち向かう、厳しい未来へ挑戦しようとする気概こそが『志』だと、私は考えます。『志』とは、自分自身の夢にとどまらず、多くの人の夢を叶えようとする気概とも言えます。
今の時代だからこそ、『志』を高く持つ必要があるのです。

昨夜11時過ぎ、福島県沖を震源とする地震がありました。
気象庁は、「今回の地震は『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震』の余震と考えられます。」と発表した。
インタビューに答えた宮城県の女性は、『地震の揺れが続く中、10年前の悪夢が蘇りました。胸がきゅーんと締め付けられて、とても苦しかった・・・』と心情を話しました。
10年前、震災で心に傷を負った被災者に寄り添うカウンセラーが話した『時薬』
前号では、心の善用・悪用、シンパシー・エンパシーについて書きました。


『心』はどうあるべきか。
どう行動すべきか。事の本質は何か。その都度、深く考えてほしいと思います。
ごまかしのきかないのが人生です。
今という時間に軸足を置き、今日という日の命に心を寄せるのです。


令和3年2月14日 岡安 和彦

坂本 龍馬と佩刀(はいとう) (京都国立博物館) 


渋沢 栄一写真 左:1866年 右:1867年

 

校長メッセージ №54 「心と体は一つの如し」

校長メッセージ №54 「心と体は一つの如し」

 「身心一如」とは、身心ともに充実していること。物事に一心に集中しているさま。また、身体と精神は一体であって、分けることはできず、一つものの両面にすぎないという仏教の考えです。 (注記:「身心」は体と心のこと、「心身」ともいい「しんじん」とも読みます。「一如」いちにょと読み、ただ一つであるさま。)
 形のない「心」という精神的なものと、形ある「身体」が相互に関係しながら「行い」というものにつながっています。「心」と「身体」を『主人』と『従人』に例えてみよう。そう、「心が主人」、「体が従人」という関係になることがわかります。そのように考えると、『心の働き』がきわめて重要であることがわかります。
 将来を考えていえば、自分がどのような人生を歩むかは、何を考え、何を志し、何を成すか。すべては心の働きによって決まるのです。
 「心」は、良い方へも、悪い方へも、また、賢い方にも、愚かな方にも、大きくも、小さくも働きます。人を「思いやる」か「いじめる」かを決めるのも「心」の働き次第なのです。
 『少年よ大志をいだけ!』 志の実現に努力するか、不平や不満、愚痴多く生きるのも、心の働き方で決まります。幸福や不幸を生み出すのも心の使い方ひとつです。
 「心」は、人を動かし、世界を動かし、様々なものを創造していく、計り知れないほど大きな力を持った存在でもあるのです。
 中学生の時、この「心」の存在を意識して生活することが大事だと考えます。
自分自身のこと、友達に対してのこと、弱い立場にいる人のこと、また、努力すること、困難に立ち向かうこと、自立すること、最後までやり遂げること、自律すること、何かに打ち込むことなど、この中学生の時にこそ深く考え、そして、実践・挑戦してほしいと願っています。
 また、今、順調であっても、不調の毎日でも、精一杯に生きる営みの中で、心は磨かれ、豊かになっていくのだと考えます。


 3.11あの震災から10年を迎えます。
 あの大津波を誰が予想しましたか? 最先端で安全・安心といわれた原子力発電の惨状を誰が考えましたか? 
 住む場所を追われた福島の子どもたちが受けた「いじめ」
 「人に起きる様々な出来事には必然性があり、その出来事の意味は後で決まる。」と言うけれども、すべてが当てはまるとは思いません。
「いじめ」もその一つで、いじめを受けた「心の傷」はそう簡単には癒えません。
 あるアンケート調査で、「信仰する宗教はありますか?」の問いに、20歳代の約8割が無宗教と答えました。自然に対する畏敬の念や命のつながりなどについて、深く考えたことのない表れだと分析する学者もいました。
 ボタン一つで何でもできることが豊かさであると錯覚したり、自分の体を動かして汗をかくことを嫌悪したり、自分だけ、自分さえ、自分の家族だけ良ければいいと誤った考えをしたり、相手の心もゲーム同様にリセットできると勘違いしたり・・・ こういった背景には、物事の本質を突く『教え』が減ってきているのではないかとも考えます。
 シンパシー、エンパシーという言葉を知っていますか? シンパシーは、歌の歌詞にも出てくることもあるので聞いたことがある人も多いでしょう。「共感」や「同情」など、感情の動きを示す言葉です。エンパシーは、「想像する力」「想像する作業」だと私は捉えています。例えば、友人に悩みごとを相談されたとします。困っていること、悩み、辛い話を聞いているうちに相手の気持ちがわかり、感情に「共感」します。『大変だね。』と感情的に言葉をかけてあげるのがシンパシー。エンパシーは、苦しんでいる人がいる場所まで心理的に下りて、相手の気持ちをリアルに考えることなのです。相手の心の痛みを想像する力、その作業なのだと考えます。

 2月3日(水)の職員打合せで、「学級の中に悩みを抱えている生徒はいませんか?」「おとなしい生徒、目立たない生徒をしっかり見ていますか?」と話しました。
 みなさんはどうですか? 学級の友だちに、表情のすぐれない人、困っているような人
はいませんか? 「明るそうに振舞っているけど、時折見せる表情は何か不安そう・・・」
そういった友だちはいませんか。


 明日からは、部活動が再開します。部活動の基本的な意義について改めて考えてみてください。部活動は、学校の教育活動の一環として行っています。文化的活動やスポーツに興味と関心を持つ同好の生徒たちによって自主的に組織され、個性の伸長、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で、目標達成の喜びや楽しさを味わい、豊かな学校生活を経験する場です。 また、この部活動は、生涯にわたって文化的な活動、スポーツに親しむ能力や健康の増進を図るだけでなく、学級や学年を離れて、生徒が自発的・自主的に活動を展開する場面も多くありことから、生徒の自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成するとともに、仲間や教師(顧問)との密接なふれ合いの場と、明るく充実した学校生活の場としての大きな意義があると考えています。これを学校の教育活動に位置づけて、教師(顧問)は、生徒一人ひとりの人間形成、自己実現を適切に支援する。そして、部活動の取り組みが、学校全体の一体感、愛校心の醸成につながるものと考えています。

  「花の咲かない冬の日は、下へ下へと根を伸ばせ」 冬の時期、部員に毎日のように話していた言葉です。根とは「基礎体力」「基本動作」そして「心の成長」です。
 「心・技・体。心を磨き続けること。すると技が身につき、体も備わる」と。大相撲のある親方の言葉です。
 
 私は、少しばかりの覚悟を持って生きています。それは、人間としての覚悟、教師としての覚悟、命の覚悟です。生徒のみんなには、自分の心の在り方、友だちの不調や変化に気づく心、相手を尊重し思いやる心について、改めて考えてほしいと思います。
 そして、皆で心を一つに、この冬場をより有意義なものにしてほしいと願っています。

令和3年2月7日 岡安 和彦                         (鬼滅の刃から)

 

校長メッセージ №53 「ヨケマ・メラキア」

校長メッセージ №53 「ヨケマ・メラキア」

ある会社。
オンライン朝会で、営業を担当する社員約100名を前に、営業部長がこう問いかけた。
部長 「ライト兄弟は、途中で諦めたか?」
社員 『ノー NO!』
部長 「チャールズ・リンドバーグは、途中で諦めたか?」
社員 『ノー NO!』
部長 「ヨケマ・メラキアは、途中で諦めたか?」
社員 『・・・・』
一人の社員 『部長。ヨケマ・メラキアとは、いったい誰ですか?そんな人、聞いたこともありません。』
部長 「知らなくて当然だ。途中で諦めた人間だからな。」

今日、新聞に県内公立高校の志願状況調査の結果が掲載された。
この調査は、今年1月7日時点での志願状況をまとめたものだ。
この志願者数は、そのまま志願者数とはならない。
1月8日以降の志望校の変更や、この発表を受けて志願校を変更する生徒などがいるためだ。また、1月に実施した実力テストや模試の結果で、志望校を変更する生徒もいる。
従って、この数字は確定数ではないということだ。
「いやぁー 思ってたより倍率が高いな・・・」
「定員に達していないぞ、これならいけるかも・・・」
こんなことを考えるより、〝Do it now〟 でしょ。

自分をやる気にさせる。本気にさせる。元気にさせる。セルフトーク。
まだまだ本気になれない。不安が先に立ってやる気が持続しない。
そんな時、〝Do it now 今やれ!〟 でしょ。
今やる! 今、集中! 今から本気! 今から全力! 全集中!
時間は、皆に平等だ。


ネルソン・マンデラさんという方がいる。(1918~2013)
南アフリカ共和国の、元大統領、政治家、弁護士である。
南アフリカ共和国のアパルトヘイト(人種隔離政策)に戦いを挑み続け、国家反逆罪で27年にも及ぶ獄中生活の後、1994年、南アフリカ共和国初の全人種が参加した普通選挙を経て、大統領に就任。民主的な南アフリカ共和国の礎を築いた人物である。
1993年ノーベル平和賞を受賞。

そのネルソン・マンデラさんが次のような言葉を残している。『人生の最高の栄光は、絶対に倒れないことではなく、倒れるたびに起き上がることである。』
さぁ! 『力戦奮闘』 『艱苦奮闘』  『発奮興起』

「ヨケマ・メラキア」 後ろから読むと。
If you give up, that’s the end of the game. 

令和3年1月30日 岡安 和彦

             (スラムダンク より)

 

校長メッセージ №52 「未来予想図」

校長メッセージ №52 「未来予想図」

You are never too small to make a difference -Greta Thunbergー,2019
「変化を起こすのに、自分が小さすぎることなんてない」ーグレータ・トゥーンベリー

コロナが来る前の「未来予想図」は消滅したと。ある学者は論じた。
世界が退路のない変革に向かって歩み始める中で、私たちもどうのように変わるのか。
今、問われている。
世界50の国と地域から39万人以上が参加した世界同時アンケート「未来計画Q」がある。アンケートでは、新型コロナや経済、環境問題など社会の変化に欠かせないテーマについて130の質問を実施した。
その中で「Q ポストコロナの時代 一番心配なのは」の質問に「誰も教訓を学ばないこと」と回答した人は、ドイツで58%、フランスで64%、アメリカで75%、日本では42%で、それぞれの国で一番多い回答だった。また、2番目に多い回答は、日本は「大量失業で28%」、ドイツ、フランスは「気候変動を忘れること」だった。
このコロナを教訓として、「新しい日常」や「新しい社会の仕組み」を構築していく必要があるのだと考えている人は多い。

■地球のミライ NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
 暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦  SDGs を紹介しよう。
『新たなフェーズに入った 地球温暖化』
 洪水や森林火災の頻発など、今、温暖化は新たなフェーズに入った。それは、人類や生物存続の危機となっている。 
 地球の平均気温は、産業革命前と比べると1.2℃上昇し、異変が相次いでいる。
 国連のグテーレス事務総長は、2020年12月、次のように訴えた「みなさん、簡単に言えば地球は壊れているのです。人類は、自然に対して戦争を仕掛けています。自然は常に反撃してきます。」
『氷の国の異常事態』
 国土の約8割が氷に覆われた国、北極圏グリーンランド。雪が数百メートル降り積もってできた氷床が融けて湖が出現した。
 2019年に融けた氷の量は、5,320トン。観測史上最大となった。
 氷が融けた水を東京23区に注ぎ込んだとしたら・・・東京タワーを超え、スカイツリーも超え、水位は800メートルに。地球温暖化で膨大な氷を毎年失っている。
『地球温暖化で森が焼け野原に』
 地球温暖化は、豊かな森を焼け野原に変えている。
 2019~2020年にかけて続いたオーストラリアの山火事。乾燥と高温で、火は瞬く間に広がり、カンガルーやコアラなど30億匹以上の動物が犠牲になった。焼け野原の中で、火傷を負って保護されたコアラの映像を覚えているだろうか。
 過去最大規模の山火事が発生したアメリカ、カルフォニア。都市が真っ赤に染まり健康被害を訴えた住民が続出した。住民は〝まるで世界の終りのようね〟と表現した。
 2020年、世界で焼けた森林の面積は63万㎢、日本列島の1.7倍の広さが失われた。
『地球温暖化で未知のウイルス』
 北極圏シベリアでは、2020年、気温38℃という観測史上最高の異常な高温を観測。
 数万年にわたって融けずにいた永久凍土の融解が進んでいる。
 永久凍土からは、新種のウイルスが発見された。モリウイルスと名付けられた脅威の増殖能力を持つ未知のウイルス。研究者は、その増殖能力に脅威を感じている。生物の細胞に入ると12時間で1,000倍に増殖。細胞を死滅させて突き破る。研究者グループは、WHOに対策を求める意見書を提出した。「古代の病原体が人類に新たな感染症の流行をもたらす可能性は高い。永久凍土は、まさにパンドラの箱」だと警告する。
『決定的な10年』
 ポツダム気候影響研究所のヨハン・ロックストローム博士は、「今、私たちは人類の未来を左右する10年に入った。人類の未来を左右する10年だ。私たちは、壊滅的な危機に直面し、残り時間はわずかになっている。つまり、緊急事態の真っただ中にいる。」と訴える。
『今からアクション』
 甚大な被害を避けるためには、平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃に抑える必要がある。温室効果ガスの排出を2030年までに半減し、2050年には実質ゼロにしなければならない。
未来への分岐点、2030年まであと10年・・・。具体的な対策を打たなければ、温暖化を加速させ、現象が連鎖し、暴走を始める可能性が明らかになってきた。地球の平均気温は臨界点に達する。
「コロナ」という括りでは、2002年に中国で確認された「SARS」、2012年にヨルダン、サウジアラビアで確認された「MARS」。感染症の歴史的な視点でみても、感染症のパンデミックの周期は短くなってきているのがわかる。
亜熱帯で流行するはずの蚊を媒体とする「マラリア、デング熱、ジカ熱」など。2014年、日本でデング熱に罹った人が出た記憶は新しい。
こういった地球温暖化、感染症以外にも、世界が抱える課題は複雑多岐だ。

学校では、有志の「コロナ対策実行委員会」が様々な取組を展開している。
私が考えたのは、「自分事」と「主体的な活動」だ。
生徒には、「率先垂範」、「スピード感重視」、「Trial & error」、「達成概ね8割で成功と考えよう」この4つを伝えた。
私たちも、日々の観察やアンケート結果を基に、「主体的な行動変容」につなげていくための手だてを常に考えている。そして、生徒が提案したものを尊重し、一緒に活動する。

The moment we decide to fulfil something, we can do anything.  -Greta Thunbergー,2019
「何かを実行しようと決意した瞬間に、何だってできるのさ。」ーグレータ・トゥーンベリー

令和3年1月24日 岡安 和彦              

 

校長メッセージ 始業式 №51の追加・修正版

校長メッセージ №51(追加・修正)3学期始業式 「想像力」 
 1月7日3学期始業式のために、№51に追加・修正しました。

 1月4日(月)7時30分、保護者の皆様に連絡メールで通知した内容です。
「ご家庭での健康観察及び明日のオンライン朝の会の実施について」
 おはようございます。昨日、連絡メールにて通知いたしましたとおり、本日から6日までの冬季休業中は部活動を中止いたします。ご家庭での毎朝の検温、健康観察等よろしくお願いいたします。
 また、明日8時30分からLive onで各クラス「オンライン朝の会」を行います。
 3学期、3年生は高校入試等の進路決定。今月中旬には私立高校の入試が始まります。1・2年生についても、次学年への進級に向けてとても大事な学期となります。
 新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ等の予防対策を徹底して学校運営を進めますが、これには、生徒一人ひとりの意識、ご家庭の支援が必要になります。
 3学期の始業を前に、改めて感染防止対策への取組、規則正しい生活の確立をご家庭においてもご指導くださいますようお願いいたします。
 また、明日8時30分から「オンライン朝の会」を行います。これは、生徒の健康観察を行うと共に緊急事態宣言の発出等により休校措置等になった場合、オンライン授業へのスムーズな移行の準備も兼ねております。特別な事情がない限り、参加するようにご指導ください。

 ■「戮力(りくりよく)協心(きようしん)」勝浦中学校、生徒、保護者、教職員で一致協力してコロナ禍を乗り
   切りましょう。
  【 勠力協心の意味:全員の力を結集し、一致協力して任務にあたること。】

 
 県内では、過去最多となる261人の新型コロナウイルス感染と感染者4人の死亡が確認された。死亡した4人はいずれも感染判明時は軽症だった。重傷者は22人に上り(速報値)、2日の15人から4日連続で増加した。(1月6日新聞記事)
 「いつ」「だれが」「どこで」感染するかわからない状況が続いています。


 首相は4日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を、東京、千葉、埼玉、神奈川の4都県を対象に、7日にも正式決定する方向で調整に入った。期間は1カ月程度を想定。(1月5日新聞記事)


 『感染拡大で恐れること』         朝日新聞 2020年2月11日掲載
 小学校低学年の時、誰かを「菌の発生源」として、そこから逃げる悪ふざけをした子たちがいた。これは、「菌は恐ろしく、避けるべき対象だ」という考えが共有されて初めて成り立つ。10歳以下の子どもにさえ、その思考は染みついていた。
 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。ウイルスの広がりと今後の展開が予想もつかない中、不安は広がるばかりだ。未知の危険因子から身を守ろうとすることは、私たちの本能だと思う。
 だが、私は今、ウイルスの感染拡大よりも恐れていることがある。中国から来日したした人や、感染者に対応した医療従事者の子らへの偏見だ。「菌」呼ばわりされたという報道もあった。
 私は、3・11を福島県いわき市で経験した。原発事故で避難した人たちへの嫌がらせ、入居拒否といったニュースに強い悲しみを覚えた。そして、あの時「菌」扱いされた子がどれほど傷ついたかを痛感した。
 中国から帰国。来日する人や医療関係者らは、ウイルスに心労が絶えない日々だろう。私は、誰かを攻撃するのではなく、彼らの心情に対する気遣いを大事にしたい。
 (福島県いわき市 本田 歩さん 大学生23歳 ※年齢・肩書きなどは掲載当時)


 想像してごらん「その人の状況や想いを・・・」「その人が置かれている立場のことを・・・」

 医療体制がひっ迫しているという。医療従事者は、勤務を継続しながらも、万が一のことを考え、家庭内で自らを「隔離」して生活している人もいる。と聞く。
 私自身も、過去にインフルエンザにり患した時、家族と接触しないようにして生活したことがある。15年以上前になるが、受け持つ2年生の学級でインフルエンザの感染が蔓延したために学級閉鎖になった。その時、先輩の先生にこう言われた。「学級閉鎖に伴って、ご家族も休暇をとらなければならない場合や食事の準備などの家事なども増える。家庭内の感染防止の対策もとらなければならない。学級担任として〝感染防止対策を徹底した〟と胸を張って言えるか。心のどこかに甘さはなかったか。俺らの感染防止の取組は、生徒のかけがえのない『命』を守ること、そしてご家族の『命や生活』も考えなければならないなんだよ。もっともっと、〝想像力〟を働かせろ!!」
 入試に向かう3年生。その家庭・家族は、どのような状況だろうか。


  「想像力」とは、実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中で思い描くこと。(国語辞書)


 想像力は、円滑にコミュニケーションを進める上で大事なことです。さらに、物事を計画通りに進めると同時にリスク対応や危険回避をする上でも大事な力と言えるでしょう。また、想像力は、人生を豊かに生き抜いていくために、醸成させるべき力であると考えます。「想像力」は、周りの人と自分を幸せにし、豊かな人生を後押ししてくれるでしょう。
 
 誰かの助けになる。誰かの力になる。
 相手に安心してもらう。相手に安らぎを与える。
 起こるであろう危機をあらかじめ回避する。
 これらは、全て「想像力」があるから成せることだと考えます。


 震災から10年を迎える。そして、このコロナ禍。


 コロナへの対応は、一人ひとりの自覚と行動が『鍵』になっていることは言うまでもありませんが、「思いやりの心」「想像をめぐらせる力」もとても大事だと考えます。

 令和3年1月7日 岡安 和彦


(ブラックジャックによろしく)

 

校長メッセージ №51 「想像力」

校長メッセージ №51 「想像力」

 本日、7時30分、保護者の皆様に連絡メールで通知した内容です。
「ご家庭での健康観察及び明日のオンライン朝の会の実施について」
 おはようございます。昨日、連絡メールにて通知いたしましたとおり、本日から6日までの冬季休業中は部活動を中止いたします。ご家庭での毎朝の検温、健康観察等よろしくお願いいたします。
 また、明日、8時30分からLive onで各クラス「オンライン朝の会」を行います。
 3学期、3年生は高校入試等の進路決定。今月中旬には私立高校の入試が始まります。1・2年生についても、次学年への進級に向けてとても大事な学期となります。
 新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ等の予防を徹底して学校運営を進めますが、それには生徒一人ひとりの意識、ご家庭の支援が必要になります。
 3学期の始業を前に、改めて、感染防止対策への取組、規則正しい生活の確立をご家庭においてもご指導くださいますようお願いいたします。
 また、明日8時30分から「オンライン朝の会」を行います。これは、生徒の健康観察を行うと共に、緊急事態宣言の発出等により休校措置等になった場合、オンライン授業へのスムーズな移行の準備も兼ねております。特別な事情がない限り、参加するようご指導ください。
■「戮力協心」勝浦中学校、生徒、保護者、教職員で一致協力してコロナ禍を乗り切りましょう。


 県内では、200名を超える感染者が推移しています。
 「いつ」「だれが」「どこで」感染するかわからない状況が続いています。
 今月2日には、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の各知事が、新型コロナウイルスの深刻な感染状況の悪化や医療体制の逼迫(ひっぱく)などを踏まえて内閣府で西村経済再生担当相と会談し、新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を速やかに検討するよう要請した。(新聞記事)


 『感染拡大で恐れること』朝日新聞2020年2月11日掲載
 小学校低学年の時、誰かを「菌の発生源」として、そこから逃げる悪ふざけをした子たちがいた。これは、「菌は恐ろしく、避けるべき対象だ」という考えが共有されて初めて成り立つ。10歳以下の子どもにさえ、その思考は染みついていた。
 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。ウイルスの広がりと今後の展開が予想もつかない中、不安は広がるばかりだ。未知の危険因子から身を守ろうとすることは、私たちの本能だと思う。
 だが、私は今、ウイルスの感染拡大よりも恐れていることがある。中国から来日したした人や、感染者に対応した医療従事者の子らへの偏見だ。「菌」呼ばわりされたという報道もあった。
 私は、3・11を福島県いわき市で経験した。原発事故で避難した人たちへの嫌がらせ、入居拒否といったニュースに強い悲しみを覚えた。そして、あの時「菌」扱いされた子がどれほど傷ついたかを痛感した。
 中国から帰国。来日する人や医療関係者らは、ウイルスに心労が絶えない日々だろう。私は、誰かを攻撃するのではなく、彼らの心情に対する気遣いを大事にしたい。
 (福島県いわき市 本田 歩 大学生23歳 ※年齢・肩書きなどは掲載当時)


 想像してごらん。「その人の状況や想いを・・・」「その人の置かれている立場のことを・・・」
  「想像力」とは、実際には経験していない事柄などを推し量ること。また、現実には存在しない事柄を心の中で思い描くこと。(国語辞書)
 想像力は、円滑にコミュニケーションを進める上で大事なことです。さらに、物事を計画通りに進めると同時にリスク対応や危険回避をする上でも大事な力と言えるでしょう。また、想像力は、人生を豊かに生き抜いていくために、醸成させるべき力であると考えます。
 
 相手に安心してもらう。相手に安らぎを与える。
 誰かの助けになる。誰かの力になる。
 起こるであろう危機をあらかじめ回避する。
 これらは、全て「想像力」があるから成せることだと考えます。

 震災から10年を迎える。そして、このコロナ禍。


「想像力」は、周りの人と自分を幸せにし、豊かな人生を後押ししてくれるでしょう。
 改めて、まずは相手の立場になって考えてみることから始めてみよう。


 令和3年1月4日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №50 「全集中」

校長メッセージ №50 「全集中」

 JR勝浦駅に「新型コロナウイルス終息祈願 千羽鶴プロジェクト」の千羽鶴が展示されている。勝浦市青少年相談員連絡協議会が発起人となり、夷隅郡市2市2町のすべての小・中学校で行われた。趣意書には〝「平和・健康・安全」への願いを込めて〟とある。

 今月23日いすみ市の養鶏場で220羽のニワトリが死んでいるのが見つかり、県は24日、遺伝子検査の結果、鳥インフルエンザが確認されたと発表された。この養鶏場のニワトリ116万羽は殺処分されるという。

 今日の朝日新聞の社説「声」から中学生の投稿を紹介します。
「感染症と戦う人へ感謝忘れない」 中学生 藤原 希(宮崎県 13)
 私の家は畜産農家です。新型コロナウイルスが日本で拡大し始めたころ、両親は「10年前の口蹄疫(こうていえき)のことを思い出す」と言いました。「自分の農場は自分で守る」と頑張ってもどうにもならないのが感染症です。我が家では274頭の牛が、宮城県内では30万弱の牛や豚が殺処分されました。感染が拡大した地区では様々な行事が中止され、経済が回らず街中が冷え切ったそうです。今の日本と同じです。家族同様の家畜を処分され落ち込み「畜産農家のせいで」という言葉も投げられたといいます。そんな中、友人らの励ましの手紙や電話が支えになったそうです。
 コロナ禍のいま、携わる医療従事者が誹謗中傷を受けています。皆さん、冷静になってください。彼らは、恐怖のなか、命のために闘っているのです。感謝の気持ちを忘れてはならないと思います。


 10月16日から公開中の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が興行収入324.8憶円を記録し、歴代1位となったと報じられた。コロナ禍、水木しげるさんが描いた「アマビエ」が公式ツイッターに投稿されると、これまでに10万件を超えるリツイートがあったとのことだ。アマビエという妖怪は、江戸時代の終わりごろ、肥後の国(熊本県)の海中から現れたとされる半人半漁の妖怪だ。疫病が流行したら私の姿を絵に写して人々に見せよ、などと予言したという言い伝えがある。このアマビエという妖怪。疫病流行などの厳しい未来、豊作などの明るい未来も予言するという。


水木しげるさんの「幸福七ケ条」
第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条 しないでいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまでも自分の楽しさを追求すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 怠け者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。 (水木サンの幸福論)角川文庫から

 どうだろうか。現実を受け止めて、コロナにあらがわず、心穏やかにいきたい。
コロナ禍、時にあらがうことも大切だが、長期的な視点で見たら、無意味なことだったり、自分を追い詰めてしまうことにもなりかねない。


 新型コロナウイルスの変異種発見を受け、正しい情報を得て、正しく恐れること。
千羽鶴を折ったときの気持ちのように、自分のこと、周りの人のことを大切に思い、感染防止対策に「全集中」で取り組もう。近くで感染者やが出た場合などは、過剰に反応しないこと。特に、偏見、差別・批判的な発言に同調することのないようにしよう。

 年末年始、感染防止対策の徹底、交通事故などに十分注意しよう。


 令和2年12月29日 岡安 和彦



 

校長メッセージ №49 「逆境」 

校長メッセージ №49 「逆境」 

 逆境を好んで求める人はまずいないでしょう。誰もが順境に身をおき、挫折や苦難に直面することなく、生きたいと願っていると思います。
 しかし、それでも逆境は訪れます。人生には、逆境と順境が配されていると感じています。
 順境だけの人生などあり得ません。コロナ禍も然りです。
 大きな逆境ほど、人を大きく成長させるといわれます。その逆境が大きくなればなるほど、大きな教訓を内包しているからだと思います。
 本校の生徒たちを見て、「逆境」を跳ねのける力が備わってきていると感じています。
 それは、3年生が牽引したものだと思っています。3年生は、コロナにより3年間の集大成である総合体育大会やコンクールも中止となり絶望の淵に立たされました。それでも前を向き、コロナと共に進む“新たな挑戦”に臨みました。
躍動した「体育祭」。3年生を中心に学校の一体感も醸成されました。
感動の「合唱コンクール」。3年生の合唱に感動と憧れを感じた下級生も多くいたでしょう。
勝浦元気プロジェクトでの「JR勝浦駅階段アート」、「菊展」では市民や来訪者に元気や勇気を届けました。
 コロナ禍の苦しみに押し流され、立ち直ることができなければ、逆境はただの悲運、不幸に終わってしまいます。
 人生で、大を成した人たちは、逆境に耐え、逆境を活用できた人たちです。大きな困難の中に潜んでいる成長と成功の種子を育み、生かしていくことのできる人たちだけが見事に自分の花を開花させます。逆境は、人が自己の潜在能力、可能性を発見し、自覚する絶好の機会であると考えます。
 順境や逆境を季節で表すと、万事が運よく、順境であるときは、「うららかな春の季節」を過ごしているような気分でしょうか。逆に、万事運が悪く、逆境の中に身をおくときは、「極寒の冬の季節」に耐えているような気分でしょうか。
 冬の寒さは、人の力ではどうにもできません。無理矢理に暖かくすることなどできません。ただひたすらに寒さを我慢して、耐えるのみです。けれども冬には、純白の雪や陽光で輝く霜柱などを眺める楽しみもあります。
 春が楽しいのは当然です。けれども、冬だからこそ気づける美しさ、あたたかさもあります。私は、コロナ禍で人の命を救おうとしている方々、それぞれの立場で社会を動かしている方々に〝強さと美しさ〟を感じています。
 私自身、辛い逆境のときにこそ感じた〝人のあたたかさ〟があります。心が折れそうになったとき、みんなのひたむき頑張る姿に勇気をもらいました。
 また、今年度、本校はPTA・地域・関係団体から本当にたくさんの支援を戴きました。
コロナ禍の2020年を振り返って、自分自身の努力や頑張りはもちろんのことですが、
 「あなたがいてくれたから」
 「あなたのお陰で」
 「あたたの励ましで」
 この言葉に〝だれ〟を思い浮かべますか。

 2学期の終業式にこの歌をおくります。

「いのちの歌」 竹内 まりや 作曲︰村松崇継 作詞︰Miyabi(竹内まりや)

生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに 胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ
この星の片隅で めぐり会えた奇跡は どんな宝石よりも たいせつな宝物
泣きたい日もある 絶望に嘆く日も そんな時そばにいて 寄り添うあなたの影
二人で歌えば 懐かしくよみがえる ふるさとの夕焼けの 優しいあのぬくもり

本当にだいじなものは 隠れて見えない
ささやかすぎる日々の中に かけがえない喜びがある

いつかは誰でも この星にさよならを する時が来るけれど 命は継がれてゆく
生まれてきたこと 育ててもらえたこと 出会ったこと 笑ったこと
そのすべてにありがとう この命にありがとう


冬休み「命」を一番に考えた生活を徹底してください。
交通事故、特殊詐欺などにあわないように注意しよう。
冬休みは、「前向きな我慢」「未来への我慢」と言い聞かせてください。


令和2年12月23日 岡安 和彦


(明日、12月24日午後6時からのNHK首都圏ネットワークで「電話de詐欺」加担防止教室の様子が放映される予定です。)


(ブラックジャックによろしく)

 

校長メッセージ №48 「忍び寄る危険」

校長メッセージ №48 「忍び寄る危険」

12月14日(月)緊急の朝の放送で伝えた内容を改めてメッセ―ジとします。

新型コロナウイルス感染症について、著書などで積極的な情報発信を続ける神戸大大学院医学研究科の岩田健太郎教授の記事を引用させていただきます。

 世間で「第三波」と呼ばれる現在の新型コロナウイルス感染拡大を、神戸大学教授で感染症内科が専門の岩田健太郎医師は「第二波が収束しきれないまま広がってしまった状況」と説明する。
 なぜ第二波が収束しきれなかったのか。
その理由を岩田医師は「ムード」という言葉で表現する。
「政府Go To キャンペーンや、繰り返し発信される『経済を回すことの重要性』を説くメッセージに、日本全体のムードが感染対策を緩める方向に傾いてしまった」
「得をしたのはウイルスだけだった。」
 そもそも日本人は、「ロジック」や「データ」を重視するよりも、「ムード」や「空気」に流されやすい国民性だ。政府が何の科学的裏付けも持たずに発信する経済対策に、「もう大丈夫なのだろう」と思い込もうとした。※ロジック:議論の筋道、論理
 そして政府は、そんな国民の「安心したい」という思いを利用して経済回復に舵を切った。結果として得をしたのは、感染拡大を目論むウイルスだけだったのだ。
 政府は「感染拡大防止と経済の両立」を「withコロナ」などという表現を多用してアピールするが、岩田医師は感染学の視点から、「それは幻想に過ぎない」と斬り捨てる。
 いわゆる“コロナ禍”で大打撃を受けている産業の多くは、観光、イベント、外食など「人の移動」によって成り立つ業種だ。
これらの業種を感染が続くなかで動かしたところで、たとえ政府が何らかの施策を講じたとしても元の水準に戻すことは不可能。まずウイルスを徹底的に制圧してから経済を動かす、という手順を踏まない限り、いつまで経っても「外出自粛」と「自粛緩和」を繰り返すだけ。長い目で見れば、経済を弱めていくだけと分析するのだ。
 「ファクターX」が生んだ“幻想”
 そんな政府にとって便利な言葉が湧いて出た。「ファクターX」だ。
 日本人は欧米人に比べて感染しにくく、たとえ感染しても重症化しにくい。その背景には何らかの要因、「ファクターX」が存在する。という説だ。ご存じの通り、京都大学の山中伸弥教授が立てた仮説だが、これは「withコロナ」を標榜して経済対策に力を入れたい政府にとっては大きな援軍となった。
 もちろん、山中教授は政府をアシストするためにこの仮説を立てた訳でない。科学者として、未知の現象を解明する足掛かりとして打ち出したものなのだが、政府にとっては便利に働いた。
 そして国民も、この仮説に必要以上の「安心」を求めてしまった。まだ何の科学的裏付けもない仮説に寄りかかり、「日本人だから安心だ」という幻想に浸ってしまったのだ。
 しかし、残念ながら現状では、ファクターXを強力に立証する報告はない。細かな、マイナーな報告はなくはないが、それをもって日本人が安全に観光旅行を楽しめる理由付けには到底ならない。

“安心”ではなく“安全”に目を向けるべき。岩田医師は言う。

「日本では“安全”と“安心”という二つの言葉をセットにして使うことが多いが、外国では“安全”は使っても“安心”はあまり使わない。“安全”が根拠に基づくものであるのに対して、“安心”は気分的な問題。外国人は根拠やデータを重視するが、日本人は気分の良さという要素を求めるため、“安心”が付随してくるのです」
 情緒を貴ぶ日本人の国民性が裏目に出てしまった。少なくともウイルスに情緒は通じない。理論的、合理的に対応していくべきなのだ。
 少なくとも、いまはまだ安心を求める局面でないことは確かだ。ファクターXは、まさに“安心”を醸成するワード。そこに漂う心地よさではなく、いまこそ日本人も、“安全”に目を向けるべきなのだ。

 また、別の記事で岩田教授は次のように話している。
 新型コロナは多くの患者が軽症なので油断してしまう。「若者だから」「軽症だから」これがわなになる。若者の感染状況は追跡が難しく、高齢者に広がる。


 学校再開後の6月。生徒からは「うちは御祖父ちゃんお祖母ちゃんが、高齢なので感染は絶対にしたくありません。」「お母さんが医療従事者です。感染のリスクを考えて、家庭内で生活スペースをわけています。偏見も心配です。」
 その頃と比べて、今の意識はどうですか。
 学校の雰囲気はどうですか。

 千葉県内では、県立高校、市立高校でクラスターが発生しています。

 コロナは、大丈夫?
 それは、県北部のこと。
 うちらは、感染拡大しない。

 そう思っていませんか?  そういった油断に忍び寄る危険。


 一番大切なのは、みんなやみんなの家族の命です。
 次に、コロナで学校を止めないことです。
 また、コロナの感染拡大によって地域医療の崩壊だってあり得るのです。

 3年生は進路実現に追い込みの時期に入っています。
 「学校の一体感」コロナ禍ではありますが、全校生徒で感染防止、安全対策を徹底し体育祭や文化発表会などの行事も行ってきました。

 感染経路は、飛沫感染か接触感染とされています。
 従って、感染防止対策は明確です。

 千葉県内の感染者数は、11月19日に初めて三桁に突入すると、同月の100人超は4回、12月は8回。10日と18日は最多の150人となりました。


 冬休み、クリスマス、お正月。
 例年とは違う年末年始の過ごし方にしょう。
 無いとは思うが、冬休みの友人宅への外泊やパーティーなど。
 学校や生活の安全は、一人ひとりの自覚にかかっている。

 令和2年12月19 岡安 和彦  


(画像:ブラックジャックによろしく)



 

校長メッセージ №47 「勉強と仕事」

校長メッセージ №47 「勉強と仕事」

 勉強と仕事は、「人生の柱」と言われます。
 学校での勉強は、「学業や技能など、人生に役立つことを学ぶこと」あるいは、「志や夢の実現に役立つことを学ぶこと」を意味します。
勉強のことを『学業』というのもそのためで「学」は『学習』、「業」は『修業』と捉えます。従って、学業は、国語や数学などの教科の勉強、生徒会活動や学校行事、部活動を意味します。学校生活の様々な学びを通して、人生の基礎・構造を作り、人生に役立つことを学ぶという意味が込められていると先生は考えます。
 勉強と修業を辞書で調べてみると
 「勉強」①学業や技芸を学ぶこと「社会科を勉強する」「技の出し方を勉強する」
     ②物事に精を出すこと「相変わらず勉強しているね」
     ③経験を積むこと「今日の試合はいい勉強になった」
     ④商人が商品を値引きして安く売ること「思い切って勉強しておきます」
    「修業」①学業や技芸を習い、身につけること「師のもとで修業する」
     ②職業的な生業(なりわい)を習得する「大工職人のもとで修業する」
             ③その分野で規定される過程または年限を済ますこと「全過程を修業する」
とあります。
 「鬼滅の刃」の中で竈門 炭治郎が、狭霧山で鱗滝左近次から受けた刀の振り方、呼吸法などもこの修業(修行)にあたります。
 みんなは、将来、学校生活を卒業して仕事に就きます。
 中学校を卒業して就職する人もいれば、高校、専門学校、大学を卒業して就職する人もいるでしょう。
 なぜ仕事について働くかといえば、働かないとお金がもらえませんし、生計が成り立ちません。仮にお金で不自由はしなくても、人間は働かないでぶらぶらしていると、段々ぐうたらになり結局まともな生き方ができなくなります。「怠惰(たいだ)怠け心は、体と心、良心を退廃させる」といわれます。つまり、働くことは、人生の生き甲斐にもつながっているのです。単にお金を稼ぐことだけではなく、世のため、人のためといったところにもつながっているのです。仕事は、個人にとっては「人生の柱」、社会にとっては、「社会を存続する柱」になっているのです。
 大人になったら仕事をするのではなく、今、『学業』という仕事をしているのです。
 学校生活での教科学習、総合的な学習の時間、体験学習、生徒会活動、学校行事、部活動などを通して様々なことを学ぶことに加えて、自分自身の良さや興味関心の高い分野を知ったり、自分の特性などから専門的な学びや職業につなげているのです。
 これからの時代は、不確実で不透明であるといわれています。
 『人生の主人公である自分』
 自分に問いかけてみてください『おーい! 主人公!』
 どんな「仕事」に就きたいですか? 
 どんな「大人」になりたいですか?
 どんな「人生」にしたいですか? 

 今、『学業』に励んでいますか?        

 令和2年12月6日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №46 「喝」かつ

校長メッセージ №46 「喝」かつ

 「カァーッ!!」「コラァー!!」と喝を入れられたことはありますか?
喝とは、気合を入れて叫ぶこと、また、禅宗で修行者の迷いを断つために、師が発する大きな声のことを言います。
一喝されて身がすくむような経験は最近少なくなってきていますよね。
以前は、親、教師、近所の大人、または、見知らぬ大人からも喝を入れられることもありました。でも、最近は、遊びが家の中で中心に行われたり、ゲーム機、スマートフォン等でコミュニケーションをとることが増えてきているから、親御さんたちも、いつ君たちに喝を入れていいのか・・・と考えているのかも知れません。
 昔、中国に臨済さんという偉いお坊さんがいました。臨済禅師は、「師、即ち喝す」と、たびたび喝を用い、弟子たちはその用法を「臨済の四喝」として分類していました。
ある時は、「迷いや妄想、不安を一刀両断に断ち切る喝」
ある時は、「寄り付く隙を与えない、獅子のような威圧の喝」
ある時は、「相手に探りを入れて、力量を試す喝」
また、ある時は、「何も造作しない無喝の喝」
喝というものは、ここぞ!という時に使ってこそ活きるものです。
ただやみくもに喝を入れては、うるさがられてしまいます。
でも、長々と言葉や理屈で説くよりも、気合一発の喝で目が覚め、悩みや緩みが消えることもあります。
 喝というのは、「相手を信じるから」「相手に期待するから」「相手を大事に思うから」そして、「あなたを愛するから」行うものだと思います。
『最近たるんでないか! 緊張感を持って生活しているか!』
「自分がいけないことをしたのに言い訳ばかり! 反省しているか!」
『まずは、すみません! 自分の都合のいいように言い訳するな!』
「テストの点が下がったぞ! 授業に集中しているのか!」
『掃除をしっかりやれ! 掃除で汗かけ、隅々まできれいにしろ!』
「人によって態度を変えるな! かっこ悪いぞ!」
『子どもの仕事は、勉強・部活動、手を抜くな! 苦しい時に育ってるんだ!』

 今日から12月です。
一年の締めくくりの月であるとともに、良い年を迎えるための準備の月でもあります。
また、新型コロナウイルスの国内感染者は、30日新たに1439人が確認されました。厚生労働省の発表によると、29日時点の重傷者は前日より10人増えて472人となり、8日連続で過去最多を更新しました。お亡くなりになった方は26人増えました。

 29日、神奈川県教育委員会は、来年の公立高校の入学試験について、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、願書の提出は、原則として中学校がとりまとめ、高校に郵送する方法で行うことになった。という報道がありました。
本校も、私立・公立ともに、学校でとりまとめて郵送または、教職員が出願する方向です。

 今年の冬は、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、風邪等の同時流行が心配されます。また、感染への心配、制限や制約が多い中、ストレスフルの状態ではありませんか。
 免疫力を高めるためには、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動が良いとされます。3年生にとっては、進路実現のために睡眠時間を削って勉強している人も多いことと思います。
 ある研究では、笑顔を心がけることも免疫アップにつながるそうです。笑うと免疫細胞であるナチュラルキラー細胞が活性化するそうです。
「ワハハ」と笑えば。50億個の「ナチュラルキラー細胞」が一斉に元気になるそうです。
 学校内でマスクをはずして、「ワハハ!」とはいかないものの、場所を選んで「ワハハ!」少しはストレスが解消されるよ。


 先生たちは、みんなの「マスクで見えない表情」を心配する教師でいたいと思っています。
 また、感染症対策などで緩みが見えた時などは、「喝」を入れますよ。

 令和2年12月1日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №45 「艱難辛苦汝を玉にす」

校長メッセージ №45 「艱難辛苦汝を玉にす」

勝浦元気プロジェクト「勝浦中学校 菊展」が市内3カ所を会場に展示している。
展示会場のひとつ、勝浦郵便局に手入れに伺ったとき、60歳代位の女性に声をかけられた。「すごくきれいね。高等学校の園芸科の生徒さんたちが育てたのかと思ってたわ。中学生がこんなに見事に咲かせるなんて驚いたわ。手入れがさぞかし大変だったでしょうに。」また、80歳代男性は、「立派。立派。菊から元気をもらった。生徒さんたちを沢山ほめてあげてください。」と話した。
今年の菊の栽培は例年と違った。土作りは、コロナの休業期間中に青少年相談員さんたちが昨年度の土から赤玉を分別してくれた。植え付け時期は例年よりも遅れた。植え付け後の6月下旬、気温が上がらず鉢の場所を日当たりの良い場所に移動するなどした。台風接近の度に室内へ移動した。水やり、害虫の駆除などは、毎朝、当番生徒が行った。栽培を指導した大久保先生は、「今年の栽培は非常に難しい。」と話していた。それでも、手入れや鉢の移動などの場面では、「生徒が積極的によくやってくれる。クラスごとに行うが、他のクラスの分までやってくれる。思いやりがあるいい3年生たちです。」と話していた。
こうして、丹精をこめた〝99鉢の菊〟は、市民や来訪者を目を喜ばせている。

千葉日報10月4日の社説に次のようなものがあった。(一部抜粋)
大相撲9月場所。幕下では、勝浦市出身の若山が東29枚目で6勝1敗の好成績を残した。来場所は自己最高位を更新し、十両を狙える位置に上がるのは間違いない。
優勝した正代の1学年年下の28歳で遅咲きの苦労人。拓大紅陵高時代には千葉国体で5位に入賞し、卒業後は大学を中退して阿武松部屋に入門した。いきなり序の口、序二段優勝を果たし、順調に昇進を重ね、期待が高まった。
しかし、幕下時代の平成27年11月場所で右膝の前十字靱帯を断裂。力士生命を絶たれてもおかしくない大けがで、相撲がとれず、休場が続き番付外に転落した。
復帰したのは1年後の11月場所。前相撲から出直して、翌年の1月場所で序の口を制し、格の違いを見せつけた。一昨年からは幕下で一進一退。4勝3敗が6場所続くなど、番付も少しずつしか上がらなかったが、先場所の6勝は大きな弾みになるだろう。
大相撲は十両に上がって、初めて関取と呼ばれ、相撲協会から給料が支給される。化粧まわしをつけて土俵入りし、付き人をつけられる立場になるなど待遇は一変する。試練を乗り越えた経験を生かし、自らの力で昇進を勝ち取ることを願うばかりだ。


その若山さん。今場所は中日を終えて2勝2敗の成績だ。後半の巻き返しを期待したい。


コロナ禍でも、見事な「菊」を育てた3年生のたくましさ。
「艱難辛苦汝を玉にす」のようにも考える。
「尊敬」「自慢」の生徒達です。


昨日、県内での感染者は88人。過去最高を更新した。
全国でも1,731人の感染者が確認され、3日連続で過去最高を更新した。
まさに、流行「第3波」の様相だ。


ここまで、生徒の自覚・実践、保護者、関係団体、地域からの支援により教育活動を進めてきた。
「相撲に勝って勝負に負ける」ことのないよう、気を引き締めていきたい。


令和2年11月15日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №44 修学旅行日本晴れ! 「絆」強めた旅!

校長メッセージ №44 修学旅行日本晴れ! 「絆」強めた旅!


保護者の皆様へ
昨日は、木枯らし1号が吹き、北海道では初雪が観測されました。
今日の修学旅行。お天気は日本晴れです。
鋸南町に到着すると、澄み切った青空にトンビが悠々と円を描き飛んでいます。
「先生!富士山!富士山が見えます!」
往路、トレイ休憩に立ち寄った鋸南町中央公民館の駐車場。東京湾の先には、雄大な富士山が見えました。
この学年はもってる!
コロナ禍の体育祭、練習は猛暑続き。こまめな水分補給、氷のう、ミストシャワーで熱中症を防ぎながら練習に取り組みました。当日の天気、気温等も心配されましたが、当日は最高気温29度、風も風速5メートルと、個人的には「体育祭日和」となりました。
文化発表会「合唱コンクール」もそうでした。7日前の週間予報では、コンクール当日は「強雨」。その後も雨マークが続き、移動の際に雨に打たれることを心配していました。ところが、前日の夜に低気圧が南下し、予報が曇りに変わりました。登校時、コンクール後の学校への移動時も制服を濡らすこともありませんでした。そして「学級の絆・精一杯に歌いきった!」という心地よい充実感が学校中に満ちあふれました。
そして、今日の修学旅行。この日本晴れの下、生徒たちにとって思い出深い修学旅行になったことと思います。昼、いすみ市深谷のレストラン「Rice shower」のお弁当を食べる生徒たちを見て、少しだけ切ない気持ちになりました。車座になってワイワイと食べたいところですが、コロナの感染拡大防止のため、距離をとり、同じ方向を向いての昼食でした。これも仕方ないことと自分に言い聞かせました。
修学旅行の実施に向けて、アンケートを考慮して行程を検討していた高品学年主任は、午後の内容をマザー牧場かドイツ村にするか迷っていました。直接、遊園施設に問い合わせたり、複数の旅行業者に混雑状況などを確認していました。さらに、両施設に実地踏査に行き、昼食場所等も確認しました。その中で、当日はマザー牧場が非常に混雑するという情報を得て、ドイツ村に決定しましました。
今日、ドイツ村は一般客のほか、小学校の団体が1団体とアトラクションでも密になることがない状況です。アトラクションは、生徒たちにとって少し物足りないかもしれませんが、童心に返って無邪気に遊ぶ姿は、見ている方も楽しくなります。コロナ禍の状況を憂うことなく、制限や制約がある中でも、行事等を有意義なものにしていこうとする姿勢にたくましさを感じます。
昔「ものより思い出」というキャッチコピーのコマーシャルがありました。2年と7ヶ月、共に過ごした友達と一緒なら何でも楽しい。こうして旅行に出かけて友達との思い出を作りをすることは意義深いことなのだと、生徒に教えられました。
アンケートで「実施してほしい理由」のコメントで一番多くあったのが、〝3年生全員で思い出作りをしたい〟というものでした。その思いを今日の旅行で改めて感じました。
鋸山登山で、急勾配に差しかかると『ファイト!がんばろう!』と激励の声がこだますします。本当に心優しく、友達思いの生徒たちです。そして、全員が見事に登頂しました。
この乾坤山 日本寺の大仏さんは、日本一大きな大仏とのことです。奈良東大寺の大仏の1.7倍、鎌倉高徳院の大仏の2.3倍にもなるそうです。
その大仏さんの前で、卒業アルバムにも使えるであろう「集合写真」を撮影することもできました。

保護者の皆様には、感染防止対策のためのバス増便等に係る旅行費用のご負担をおかけ致しました。ご理解、ご協力頂きましたこと、心から感謝申し上げます。今後とも、学校の教育活動へのご支援、ご協力の程、切にお願いいたします。
明日、6日には、3年生が技術・家庭科で栽培した『菊』がキュステ、JR勝浦駅、勝浦郵便局で展示されます。勝浦元気プロジェクト第2弾です。お時間がございましたら、是非とも鑑賞いただければ幸いです。期間は、明日から約10日間ほどを予定しています。
追伸、生徒は帰宅後に、「今日は、修学旅行に行かせてくれてありがとう。バスの増額分も負担してくれてありがとう。」とお家の方に伝えることができたでしょうか。

令和2年11月5日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №43 「あたたかい陽の光のような優しい手」

校長メッセージ №43 「あたたかい陽の光のような優しい手」鬼滅の刃から


「鬼滅の刃」が歴史的大ヒットとなっている。
生徒に勧められて、アニメ版を視聴してみた。
あらすじは、次のようなものでいいだろうか。
舞台は、大正時代の日本。主人公の竃門炭次郎は、亡くなったった父親の代わりに家族の大黒柱となり、炭を売りながら生計を立てて暮らしていた。ある日、炭次郎は町まで炭を売りに行って家に戻ると、家族は無残にも「鬼」惨殺されていた。唯一生き残っていた妹の禰豆子は、鬼に変容してしまっていた。炭次郎は。愛する禰豆子を人間に戻すため、また、家族を殺した鬼に復讐するために鬼狩りへと進む。まだ、全てを見終わっていないので、軽々な論評は控えさせていただく。単純な勧善懲悪なストーリーではなく、主人公・炭次郎の驚くべき成長に加え、兄妹や家族の絆も心に深く刻まれる。それは、敵でもある「鬼」に対しても例外ではなく、忌むべき存在と言い切ることができない悲哀が随所に見られる。
私の率直な感想は、炭次郎の他者への敬意、配慮する姿に惹かれます。


先月に行った全校での道徳「私をあきらめない」を終えての感想を紹介します。
(3年生、3名の感想です)


今回の動画を見て私は、人それぞれ様々な悩みを抱えていて、それがいじめの原因につながることを知りました。動画の中でやっていた「差」を「違い」に変えていくことが一番印象に残ったし、自分の心に刺さりました。私は、少し変わった趣味を持っているため、「気持ち悪い」と言われたことがありました。その時は、「誰がなんと言おうと好きなものは変わらないし、これが自分だ。」と思えていました。だから、「差」を「違い」に変えるということは、昔、自分が変えていたことと同じなんだと思いました。けれど、そう考えてから少しして不安になりました。自分のことは「違い」としてポジティブに考えられるけど、他の人の「違い」は認められているのか。「差」として考えていないかと思いました。私は、こうやって考え始めるということが、いじめや悩みについて考えるきっかけになると思いました。今日の授業は、深く考えるきっかけをたくさんくれたように思いました。


「見捨ててないから、大丈夫だよ。」という渡邉先生が話していたこの言葉に涙が出そうになりました。「悩みがあることは当り前で、みんなと同じだ、それでいいんだよ」と渡邉先生に直接言われたわけではないけれど、自分自身を肯定してくれているように感じました。動画の中で女の子が泣きながら、『私もいじめられていました。』と話していたシーンで、この子はすごく強い子だと思いました。自分だったら絶対に言えないことだと思いました。いじめられていた過去を思い出すことは、決して気持ちのよいことじゃないのに、それを話せる勇気を見習いたいと思いました。私にとって悩みは弱みであって、人に安易に話せるものではありません。親しい人にほど自分の弱いところを知られたくない、嫌われたくないと思ってしまうからです。でも、渡邉先生の心からぶつかっていく姿勢を見て、少しだけ考えを変えてみたいと思いました。そして、人の悩みに気づける、話を聞いてあげられる人になりたいと思いました。


「いじめ」今までこの言葉を聞いたとき、いじめはしてはいけないことなどはわかっていましたが、頭のどこかで他人事になっていて、身近なことではないように感じていました。なぜなら、いじめの現場を見た時、〝必ず止める〟〝止めさせられる〟と考えていたからです。動画には、〝本当に止められるのか〟と問う児童がいました。私は、その人の話を聞き、いじめを見た時、止めることができると断言できないと思いました。私は、いじめの本当の怖さを知らなかったのだと思いました。人との差を違いに変える。人一人がそれまでの考えを変化させることはとても難しい。ましてや、それをクラス何十人もの人がするのはもっともっと大変で、時間のかかることだと思います。それでも皆で考えを改めていくことで、いじめそのものがなくなるのなら。いじめで自分自身を追い込んでしまうような人がもうでてこないのならば。私たちにできることは、考えを改め、「あいつは変」そんな言葉のない世界を創ることではないかと思います。


10月23日 文化発表会「合唱コンクール」
1年生、最初のクラスの指揮者が登壇した。
フェイスシールドのゴムがはずれた。
直感、〝まずい!〟と思った。
「これで、笑いが起きたら、すべて台無しだ。」
そんな心配をよそに、粛々と合唱が始まった。
まだまだ、みんなのことを心から信用していない自分が恥ずかしかった・・・


閉会式、込み上げてしまってしまって申し訳ありません。
静粛の時間の中に、みんなの優しさを感じました。


令和2年11月2日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №42 「心のチャンピオンソング」

校長メッセージ №42 「心のチャンピオンソング」

今、5時25分、夜明け前・・・ 早く目が覚めた。
今日は、文化発表会合唱コンクール。学級担任の気持ちだ。
今から12前、転勤先の学校で3年生の担任を受け持たさせてもらった。
合唱コンクール自由曲「春に」(谷川俊太郎 作詞 / 木下牧子 作曲)混声三部合唱
みんなで最優秀賞を目指して練習に取り組んだ。いろいろなドラマがあった。
それを学級全員で乗り越えた。
コンクール当日、朝の学活で話した。
「賞をとることは大事。賞を目指してきたんだから当然だ。
でも、賞が取れなくても、ここまでいくつかの困難や分裂の危機を乗り越え、学級は絆を育んだ。
コンクールを終え、明日から進路実現に向けて、ギアを変える。
一人、夜空を見上げた時、〝みんなも頑張っている〟〝一人じゃない。きっと乗り越えられる〟と思える。
学級37名一人ひとり進みたい道は違っても、志望校に合格したい気持ちは皆同じ。
そう思ってもらえたのなら、この合唱は大きな意義があった。
そして、ひとつお願いがある。この曲を卒業式が終わったら皆で学級で歌おう。」
そう話して、コンクールに臨んだ。結果は、最優秀賞はとれなかった。
それから5ケ月・・・ 全員が志望校に合格し、進路を決めた。
卒業式を終え、最後の学活に教室に向かうと。教室の前で学級会長に止められた。
「しばらくここで待っていてください。」そして、数分後、「どうぞ」と入れられた教室。
教室では、皆が合唱隊形になっていた。
「先生、この曲は俺たちの心のチャンピオンソングです。聴いてください。『春に』」
私は、合唱コンクール当日の朝に話したことなど、すっかり忘れていた・・・
涙がとめどなく流れた。

みんなにこの曲をおくります。
「星影のエール」作詞・作曲GReeeeN NHK連続テレビ小説主題歌『エール』
 泣いて 生まれて 響く命
 きっと嬉しくて 笑っているんだ
 僕らはきっと 出逢うでしょう
 手を引き 背を押し 出逢うでしょう
 きっといつか今日の日も 意味を持って ほら
 耳をすませば
 星の見えない日々を 超えるたびに
 互い照らすその意味を 知るのでしょう
 愛する人よ 親愛なる友よ
 遠くまで 響くはエール
 明日はきっと いい天気
 青き春もまた そうであれ
 白紙の物語に 何を描くのか
 誰と描くのか
 星の見えない日々で 迷うたびに
 誰か照らすその意味を 知るのでしょう
 愛する人よ 親愛なる友よ
 あなたこそが エール
 昔々から ほら 1000年もその前も
 僕ら迷わぬように 星に名前をつけた
 誰よりも私には輝く星 ほら
 夜明け前の空
 時に私の後ろに光る星
 伸びた影と寄り添って歩いてく
 いつまでも エール
 朝も昼も夜もずっと そこにある
 暗闇にほら響け 一番星
 愛する人や 親友(トモ)と呼べる人に
 出逢エール
 愛する人よ 親愛なる友よ
 星影に 響くはエール

令和2年10月23日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №41 「小児病棟での合唱」

校長メッセージ №41 「小児病棟での合唱」

7年前、ある知人から「病院にいる子どもたちに歌声を聞かせてもらえないか」との話があり、私も「ぜひ」と言って受けました。
そこは、小児科の難病患者の病棟でした。病院には、全員制服を着ていったのですが、黒っぽい服では威圧感があるからと、その場で上着を脱がされ、さらに、全身に消毒液を掛けられました。寒い時期でしたが、部屋のドアを開けると30度位の室温でした。
部屋に入ると赤ちゃんから小学生くらいの子どもたちがいました。皮膚がどす黒くやせている赤ちゃん。髪の毛がない男の子。片側のほおが陥没してしている女の子・・・
それはもう見ただけで体に震えがくるような状況でした。
その子たちの前で、私たちは部屋の壁にへばりつくように立ちました。敷かれたホットカーペットの上には、お母さん方も座っていて、そのまわりには、ドクターや看護師さんの姿も見えました。
私は、壁の一番端に立って指揮をしたのですが、もう涙が止まらなくて・・・ 私の目の前では、お母さんが乳呑み児をギューッと抱きながら、ボロボロと大粒の涙をこぼすんです。泣いていなかったのは、当の入院している子どもたちだけで。
私も我慢しなくてはと思うのですが、なぜか悲しくて悲しくて・・・ その姿を見てか、生徒たちもポロポロ涙をこぼしながら、必死に笑顔をつくって一生懸命に歌っているのです。
合唱が終わると、一人の女の子が「お姉ちゃんたち、どうして泣いてるのと」って言いました。看護師さんが、「あなたたちが一生懸命に聴いているからお姉ちゃんたち感動しちゃったのよ」と話しました。すると別の子がこう言いました。「すごーく楽しかった。大きくなったらお姉ちゃんと一緒に歌いたい」もう胸が張り裂けそうで・・・
その時に、心から合唱はすばらしいと思いました。今を生きて、自分のできることを精一杯やることが、何より大切なことだと感じました。
その帰りの電車の中で、ある生徒が「先生、あんなにみんなを悲しませちゃって、合唱に行ったことは良かったのですか?」と聞いてきました。何しろ、あの場にいた大人たちがあまりにも涙を流していましたから。私は、「うん。良かったんだよ。多分、お母さんも、ドクターも、看護師さんたちも、皆、悲しくて、もう泣きたくて、泣きたくてね。でも、今を精一杯生きている子どもたちの前では泣けないでしょ。それを、あなたたちの合唱に感動したふりをしてね。思いっきり泣くことができたから良かったのよ」生徒は、「そうか。じゃぁ私たちの合唱で、少しは楽になったのかな」と話しました。「そうよ。そして合唱を聴いた子どもたちが『お姉ちゃんと一緒に歌いたい』と言った。〝生きよう〟いや生きるということから出た言葉ではないかもしれないけど、少しでも希望を持って生きようと考えてくれたのなら、それは、とてもすばらしいことだと思うよ」と話して学校に戻りました。
私は、生きるということは、自分一人がここに存在して、ただ呼吸しているのではなく、いろいろな人と出会って、笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだり、苦しみを分かち合ったりして、相手の「心」や周りにいる人たちの「心」をちゃんと感じられることではないかと思うんです。
病院に合唱に行った時、「今を大切に生きなければ」と強く思ったのは、幼くして亡くなってしまう子どもたちもいるのだから、頑張って生きていこうという思いではなく、あの時、あの場所で、それぞれの「心」がうごめいていた。無邪気に喜んでいる子どもや、日頃泣けない家族の人たち・・・ そうゆう沢山の思いが満ちあふれている中に入って、〝あぁ、ちゃんと生きていかなくっちゃ〟神様から与えられたこの命を本当に大切にしなくちゃいけなと感じました。

谷川 俊太郎さんの詩に次のようなものがあります。
「生きているということ、今生きているということ
 泣けるということ、笑えるということ、怒れるということ」
というものがあります。いろいろな人の思いを感じられることで、人間は生きている価値が生まれてくるものだと思います。
(2009年「至知」渕上 貴美子さん 杉並学院中学高等学校 合唱部 指揮者)


それぞれの学級をまわると、この合唱コンクールにかける思いが伝わってくる。
学級全員が共通の目標を持ち、その目標に向かって協力し合い、努力する。その成果として〝その学級だけの 世界で一つだけのハーモニー〟を結実する。
「必然」という言葉がある。
この級友と出会い、刺激を受け、学び、喜怒哀楽を共にしながら、偶然に集まったメンバーがいつの間にか、集まるべくして集まったという必然性を感じていく。
キュステを会場に、この級友で合唱することは一生で一度きりだ。


さぁ、本番まであと二日。
マウスシールドの装着位置を確認しておくように。
 
令和2年10月21日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №40 「最高の舞台を」

校長メッセージ №40 「最高の舞台を」

文化発表会の実行委員長(教職員)は天羽先生、合唱コンクールの責任者は若林先生です。
昨晩、会場である勝浦芸術文化交流センター「キュステ」のホールで、合唱台、ピアノの配置位置、換気システム、映像テスト、トイレへの移動ルートなどの確認を行いました。
全日本合唱連盟のガイドライン及び同連盟が実施した飛沫実証実験結果に基づき、生徒の立ち位置等について協議を進めました。そして、昨日は、実際に舞台装置を設置してみました。何度も修正を加えて当日の「舞台」計画が確定しました。
教職員で知恵をしぼり、生徒たちが安心してハーモニーを響かせることができる「舞台」を作ります。

令和2年10月20日 岡安 和彦


 

校長メッセージ№39「郷育プロジェクト 稲刈り体験 お礼手紙」

校長メッセージ №39 「郷育プロジェクト 稲刈り体験  お礼の手紙」

 残暑の候、渡邉 浩臣 様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
  先日の稲刈り体験では、大変お世話になりました。僕はこの稲刈り体験をさせていただいて、お米を作る大変さや楽しさを学びました。
 普段、お米を当たり前に食べていました。渡邉さんからお米ができるまで、八十八日、八十八回の手間がかかると聞いて、改めて大変なことだと知りました。
 お米の大切さ、お米をいつも食べられていることに感謝します。
 コロナの状況の中、稲刈り体験をさせていただきありがとうございました。
 僕はこの体験を家族にも伝えたいと思います。
 最後に、まだまだ暑い日が続くと思いますが、お体に気を付けて大切なお米を育ててください。
 貴重な体験をありがとうございました。渡邉さんのご活躍を心から期待しています。
本当にありがとうございました。                令和2年9月11日  渡邉 伊織


 秋分の候、渡邉 浩臣 様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
 この度は、稲刈り体験といった貴重な時間を作ってくださり、本当にありがとうございました。
 この体験に参加したことにより、改めて仕事の楽しさや面白さ、厳しさや大変さなどを知ることができました。 
 そして、渡邉 浩臣 様がとてもお米を大切にしているのがお話から伝わってきて、私もこのように何事も大切にできるような人になりたいと思いました。
 これからは、何かするときの楽しさ、大変さを大事にしながら心を成長させていきたいと思っています。
 時節柄、一層のご自愛をお祈りいたします。     令和2年9月11日 福田このみ
                                              

 もうすぐ秋になろうとしている今日この頃、元気にお過ごしでしょうか。
 この前は、貴重な稲刈り体験をさせていただき、ありがとうございました。
 自分は、人生で初めて稲刈りをしました。最初は、稲を上手く刈れるかなど心配でした。でも、実際にやってみると、思った以上に〝すぱっ!〟と切れて、とても気持ちよく、楽しく感じました。一方、稲を藁で束ねるのはとても難しかったです。刈った稲と藁の色が区別できなくて何度も失敗しました。それでも回数を重ねていったら上手く結べるようになりました。
 そして、すべての作業が終わり、記念写真を撮る時にとても驚きました。それは、干した稲が一枚のカーテンのようになっていたことです。それを見てとても感動しました。
 体験は短い時間でしたが、このコロナの厳しい時期に体験ができたことうれしく思います。
 これからもお元気でお過ごしください。       令和2年9月11日  川名 海鳳
                                            

 体験学習は、生徒にとってとても意義のあるものです。また、我々教師側にとっても、生徒の良い一面を発見する機会でもあります。
 生徒は、五感を通して、直接、自然や人・社会から学び、感性を磨いていきます。
 そして、集団で協働して体験していくことの中で、次のような力を獲得できることが期待できます。
 ・一緒に活動している人に配慮しながら行動するという他者への配慮
 ・同一の目的・目標を達成するために、集団で協力して活動するという人間関係
 ・集団で協力して活動するために、自分は何をどのように行動すべきかという、自己の意思決定による主体性
 ・注意事項を守り、活動に取り組むという安全性に対する態度
 ・地域の人や自然、産業にふれ、地域の良さを再認識する地域愛の醸成
 ・実際に仕事をしている人と接し、自分自身も体験することで、働くことの意義や目的の理解
 ・自己を価値あるものとする自覚、夢や希望を実現しようとする意欲的な態度


 今後も、地域、行政、関係団体等の支援をいただいて「郷育プロジェクト」を展開していきます。
 校訓「愛郷・立志」


令和2年10月17日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №38 「相川さんに贈る 365日の紙飛行機」

校長メッセージ №38 「相川さんに贈る 365日の紙飛行機」

今日、15時25分、実行委員の放送
『今日の〝365日の紙飛行機〟をグラウンドで聞いてくれている人がいます。それは、事務の相川さんです。相川さんは、毎日、毎日、朝の放送で〝365日の紙飛行機〟をかけてくれています。今日は、毎日の感謝の気持ちを込めて歌いましょう。それから、今週末に野球部とソフトテニス部男子の団体・個人の県大会があります。勝浦中学校の名前を轟かせてきてください。』

     ⇑ (中央)グラウンドで全校生徒の合唱を聴く相川さん
全校合唱を聴いた相川さんは、「学校の団結力、一体感が感じられました。とても感動しました。各クラス、合唱コンクール本番も頑張ってください。」と話していました。

歌で感謝の気持ちを伝える生徒達・・・
とても心温まる光景でした。
勝浦中学校の生徒達はすばらしい。

その後の合唱練習は、ぐん!とギアが上がったと感じました。
各クラスの〝心・想いのこもった合唱〟が聞こえてくる。
「合唱」を通して、気付くこと、感じること、学ぶこと。
沢山あるんだなぁ。と改めて感じました。

令和2年10月16日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №37 「インフルエンザ・風邪への対策」

校長メッセージ №37 生徒・保護者の皆様へ「インフルエンザ・風邪への対策」


日本の南海上を進んだ台風14号と秋雨前線の影響で9日から雨が続いています。
平年より北を流れている偏西風の影響を受けにくい上、南にある低気圧に引っ張られる形で南へ進路を変えました。
千葉県からは離れる形となったが、東京島三宅・御蔵島には避難指示が出された。両島合わせて219人が避難したと報道を見ました。
また、3年生が修学旅行で行く鋸山(乾坤山)は、安房郡鋸南町と富津市に位置します。
昨年の台風15号で甚大な被害を受けた鋸南町。鋸南町の岩井袋地区では、住宅の約7割が被害を受けました。修学旅行の実地踏査で鋸南町に向かった際、ブルーシートで屋根を覆った家が、今だ点在していました。

国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長によると、インフルエンザウイルスは「シアル酸」という受容体にくっつく。この受容体は鼻やのどに多くあり肺には少ない。このため、ウイルスが直接肺を攻撃するウイルス性肺炎は、あまり起こらない。インフルエンザの患者が肺炎になり重症化するのは、インフル感染後に感染した細菌による肺炎だ。
一方、コロナウイルスの受容体「ACE2」は鼻やのどだけではなく、肺にも多く存在する。そのため、コロナに感染すると、ウイルス性肺炎が起きる原因となる。息切れや呼吸困難といった症状がある場合は、コロナに感染している可能性を考える必要がある。(朝日新聞:10月11日版から)


県内の新型コロナウイルス感染症の感染状況は、10日発表のもので36人の感染が判明した。重傷者はいない。約半数が感染経路不明。感染者は3日連続で30人を超えた。保育園児、小学生、中学生の感染もあった。保育園児、中学生は、家族の感染が判明。小学生については、感染経路不明。


今冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザ、風邪への感染防止対策を講じなければなりません。例年、学校でインフルエンザや風邪への予防で行っていた手洗い、うがい。しかしながら、うがいは、飛沫への対策が必要であること。また、学校の構造的な問題もあります。

新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。(厚生労働省HPから)
 一般的には「飛沫感染」、「接触感染」で感染します。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。(WHOは、一般に5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛まつ(約3,000個)が飛ぶと報告しています。)
■飛沫感染とは:感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することを言います。
■接触感染とは:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染することを言います。WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。※本校、保健室前にも具体的な予防対策等が掲示されています。


感染防止対策をまとめると
●新型コロナウイルス感染症の感染予防
 ①身体的距離の確保 ②マスクの着用 ③手指衛生(手洗い・手指消毒)
●インフルエンザ、風邪の感染予防
 ①手指衛生 ②マスクの着用 ③うがい


「うがい」については、現時点では、強く奨励していません。
今後、学校医、教育委員会等からの指導・助言を受けて対策を講じていきます。


ご家庭においても、新型コロナウイルス感染症への感染防止対策に加えて、インフルエンザ、風邪への対策もお願いいたします。
学校において、新たな感染防止対策等で保護者に協力をお願いすることも出てくると思います。その際にはご協力くださいますようお願いいたします。


令和2年10月11日 岡安 和彦


 

校長メッセージ №36 『全校合唱 365日の紙飛行機』

校長メッセージ №36 『全校合唱 365日の紙飛行機』
 
今日、午後3時20分過ぎ 文化発表会の実行委員長 川﨑 康成 さんから校内放送が入りました。
「文化発表会実行委員会から連絡があります。今年の文化発表会に向けての合唱練習ですが、新型コロナウイルス感染対策のため、ほとんど各学級での取り組みしかできていません。そのため、学校全体で文化発表会や合唱への気持ちを高めていくために、放課後の合唱練習の前に校内放送を使って、学校全体で『365日の紙飛行機』の練習をしたいと思います。3時25分に各クラスのパートごとの練習場所で行います。その時間には合唱練習の隊形が作れるように、帰りの会を早く終わらせるよう協力をお願いします。」

「365日の紙飛行機」 作詞:秋元 康 作曲:角野寿和・青葉絃季

朝の空を見上げて 今日という一日が
笑顔でいられるように そっとお願いした
時には雨も降って 涙も溢れるけど
思い通りにならない日は 明日 頑張ろう
ずっと見てる夢は 私がもう一人いて
やりたいこと 好きなように 自由にできること
人生は紙飛行機 願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り ただ進むだけ
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ さあ 心のままに
365日

星はいくつ見えるのか 何も見えない夜か
元気が出ない そんな時は 誰かと話そう
人は思うよりも 一人ぼっちじゃないんだ
すぐそばのやさしさに 気づかずにいるだけ
人生は紙飛行機 愛を乗せて飛んでいるよ
自信を持って広げる羽根を みんなが見上げる
折り方を知らなくても いつのまにか飛ばせるようになる
それが希望 推進力だ ああ 楽しくやろう
365日

人生は紙飛行機 願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り ただ進むだけ
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ さあ 心のままに
365日

飛んで行け! 飛んでみよう! 飛んで行け!
飛んでみよう! 飛んで行け! 飛んでみよう!

歌声が校舎内に響き渡った。次は、秋空の下、グラウンドで聴きたい。
まさに、スローガン『響け私たちの歌声 距離を超えて 伝わる思い』そのものだ。


生徒たちが「躍動」した体育祭
生徒たちが「主体的に創る上げる」文化発表会・合唱コンクール

本番までの過程の中では、様々なドラマもあるだろう。
それらを乗り越え、生徒たちは、また大きく成長する。
行事は『生徒を育てる』 学校で受け継がれている言葉だ。


令和2年10月8日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №35 生徒のみんなへ 『日日是好日なり』

校長メッセージ №35 生徒のみんなへ 『日日是好日なり』
「一日一日をかけがえのないものとして 碧巌録より」

『日日是好日』は禅語で、「毎日毎日が素晴らしい」というように使われますが、本来の意味は次のとおりです。

「今を見つめなおす。今という一瞬を大切にする。いつも新鮮な気持ちで朝を迎え、自分の生き方について手を抜かない。こうして生きることが、充実した生活につながる。」という意味です。
心の中を天気に例えると、晴れの日、曇りの日、大雨の日、強風の日など、そのどれもが人生の大事な一日です。
楽しいことや、自分に都合のよいことばかり考えたりせずに、辛いことや、苦手なこと、我慢しなければならないこと、悲しいことも受け止めながら生きるのです。
一日一日を大切に誠実に生きる。そうゆう内面を持って生活していく中で感じる〝手応え〟〝充実感〟それが『日日是好日なり』です。

合唱練習は例年とは全く違います。
距離をとり、向かい合うことはせず、教室、廊下等で分散して練習をします。

「最優秀賞」が取りたい。
そのことよりも、この学級の仲間と一緒にいる時間を大切にしたい。
制限を受け入れながら、今、自分たちで考えるやり方で。
このように感じます。

今日、1年3組の玉谷学級の練習を参観した。
パートリーダーが中心となって練習が進められていた。
壁や窓に向かってはいるが、「心はひとつ」と感じた。


台風14号の進路予想は、本州の南海上をゆっくりと北上へ進むと発表されています。
前線の活動が活発になる影響で、台風本体から離れた東日本でも大雨になる恐れがあります。最新の台風情報を注視するとともに、暴風や高波、土砂災害、浸水、河川の増水・氾濫などへの警戒並びに避難などを想定した準備を進めてください。
〝かけがえのない「命」を守る取組を〟

令和2年10月7日 岡安 和彦



 

校長メッセージ №34 生徒のみんなへ 『合唱は大阪城の石垣だ』

校長メッセージ №34 生徒のみんなへ 『合唱は大阪城の石垣だ』

みんなは、大阪城の石垣を見たことがありますか。
石垣には、大きな石、小さな石、角を構成している石などがあります。
これを合唱に例えてみよう。

大きな石には、大きな石の役割があって、小さな石にも小さな石の役割がある。
大きな石の役割とは、単に大きな声を出せる人、発言力のある人とは違う。
角を構成しているのは、パートリーダーだろうか。
あなたは、どの場所で、どんな役割をしていますか。

『合唱』には、あなたの声が必要なんです。
大切なあなたの声、心のこもった、あなたの歌声が『合唱』をつくります。

学級家族の全員が、心をひとつに同じ目標に進むなら、それぞれの声が支え合い、一丸となった「美しさ」(ハーモニー)になります。
それが大阪城の石垣という意味です。
なぜ、大阪城かというと。それは、日本一の高さの石垣を持つお城だからです。

また、指揮者、伴走者の2人には、〝手を抜く〟ということができません。
みんなの知らない時に、どれだけ練習を積み重ねているか。
思いをめぐらせてみてください。

■本校の合唱コンクールの目的は次の通りです。
 1 合唱を通し、思いを伝え合ったり、協同の喜びを感得させたりし、豊かな感性を育てる。
 2 学級全員参加のもとに、個性を尊重しながら、協力・団結しようとする態度を育てる。

新型コロナウイルス感染症の感染防止の取組を行いながらの練習です。
10月23日本番には、それぞれのクラスのハーモニーがキュステに響き渡ることでしょう。

今年度の合唱コンクールのスローガン
『 響け  私たちの歌声 距離を超えて 伝わる思い 』

3年3組 渡邉 愛羅さん

令和2年10月6日 岡安 和彦


 

校長メッセージ №33 生徒のみんなへ 「白」と「青」

校長メッセージ №33 生徒のみんなへ 「白」と「青」

昨日は、10月1日「月立日」、そして『中秋の名月』でした。
私が中学生の頃は、お月見団子や秋野菜をお供えしたものです。

今朝、校長室の窓を開けると、さわやかな風とともに日の陽の光が差し込んできました。
水色に澄んだ秋の空が、気の遠くなるほど高くはれ上がりました。


「白」という漢字は、「ノ」と「日」からできています。
「ノ」は、太陽の光が隅々まで差し込むことを表しています。
夏が赤なら、秋は白です。空気も澄み、太陽の光も隅々まで通り、音も静かな季節です。さて、みんなの年代は、「青春」という時期で、色に例えると「青」です。青年という言葉もあります。
いろいろな事に果敢に挑戦し、最も伸びる時期でもあり、少しの失敗は許される時期です。また、わからないことも沢山あり、「わかりません」ということが許される年代であり、その未熟さがみんなの勲章でもあります。結果を出すことよりも、ひたすら頑張ることが美しいと思える時代でもあります。失敗が許され、未熟さが特権なのは、みんなに与えられた大きな財産です。
しかし、その勲章や特権はいつまでも飾っておくわけにはいきません。それは、人生の一時期に与えられた貴重な財産であり、一時期を過ぎるとその財産は、誰でも平等に没収されてしまいます。
大人になっても失敗の連続で社会に迷惑をかける。自分中心のものの考え方で判断することから、周囲から信頼されない。不機嫌な顔ばかりで周囲から疎ましがられるなど。勲章を取り上げられると、その人の人間性や教養、品格など、その人の内面が問われます。
「〇〇の品格」という言葉がよく使われます。品格というのは、この勲章や「若い」という仮面を取り上げられた時にはっきり現れるものです。だから、勲章をつけている若い時期に自らの内面世界をしっかり磨いておかなければなりません。スポーツ、武道、芸術・文化活動などの部活動も中学校で完結ではありません。高等学校でさらに高みを目指していくのもよいでしょう。
そして、この秋の時期は、読書、勉強、趣味でしょう。
スマートフォンなどの狭い画面ばかり見ていませんか?
スマホ、ゲーム依存になりかけていませんか?
今年の秋は、〝気づく秋〟にしてほしいです。
コロナ禍ではありますが、新しい生活様式の中で、自分自身を見つめて、自分の良さや特性に気づいたり、将来のこと、自分の大人像について考えてみてください。


今日の空のように、「広く」そして「高く」
視野を広げて、視野を将来へ・・・
無限の可能性を秘めたみんなへ。


令和2年10月2日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №32 生徒のみんなへ 「心」

校長メッセージ №32 生徒のみんなへ 「心」

郷育プロジェクト「地引網体験」が中止となりました。
事業実施にあたり、特に尽力いただいた方が、鵜原区長 照川 三郎さんです。
昨日、中止を決定した時に、照川さんからいただいた言葉が『生徒たちの心をケアしてあげてください。楽しみにしていた行事です。生徒たちは、とても残念がっているでしょうから。』改めて考えると、伝統漁法の体験により、新たな発見、気づき、感動、学年の一体感の醸成を期待していた事業でした。また、コロナ禍の閉塞感からストレスを感じている生徒も多くいる中、校外での学習はストレス発散にもなったであろう。そう考えると、照川さんの言葉には、「心の温かさ」そして「奥深さ」を感じます。
この地引網体験学習は、千葉県から「特別採捕許可」をもらい、鵜原地区の漁師の皆さんの支援を受けて実施する予定でした。漁師さんたちは、海士漁業やエビ網漁の合間をぬって準備を進めてくれていました。千葉県内水面漁業調整規則に基づく特別採捕許可申請については、新勝浦市漁業協同組合が行ってくれました。昨日、お礼に伺った時、担当者からは、「また、できることがあれば協力します。」と話してくれました。
このように、ひとつの事業を行うにあたっても、多くの方々の「心」や「行動」で支えられていることがわかります。
話は変わりますが、みんなは西郷 隆盛を知っていますね。平成30年NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」が記憶に新しいですね。この西郷さんは、江戸時代の儒学者である佐藤 一斉の著作『言志四録』を生涯愛読し、人生哲学の核としていました。4つの書物の集合体である『言志四録』の全1133条を熟読し、特に心に残った101条を選出し、それらを書き留め、常に傍らに置いて繰り返し読み返しいたとされています。
その『言志録』148条に次のようなことが書かれています。

■信を人に取ることは難し、人は口を進せずして射(み)を信じ、
 射を信せずして心を信ず。是(ここ)を以て難し。
               
 人から信用されることは、難しい。
 いくらうまいことを言っても、
 人は言葉でなく、行動を信じるからだ。
 もっと言えば行動ではなく、
 心を見ているのだ。
 「行動・心」ということだ。

連休中もPTA奉仕作業がありました。
グラウンドの草刈り、側溝蓋の掃き掃除と作業にあたっていただいた。
PTA会長、顧問、3年3組の保護者の皆様。
「心」を感じた一日でした。

令和2年9月24日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №31 「感動の体育祭」

校長メッセージ №31 「感動の体育祭」

 開会式での校長先生の話の冒頭「天気・・・」どんな意味ですか? 生徒からの質問。
「天気晴朗なれども風やや強し」開会式で話した私の言葉は、司馬遼太郎作「坂の上の雲」で主人公となった秋山真之(あきやまさねゆき)さんの言葉を引用させて頂きました。

【本日天気晴朗ナレドモ浪高シ】
これは、1905年日露戦争日本海海戦において連合艦隊全艦艇に出撃命令が下された際、大本営に向け連合艦隊が発信した有名な電文の一部です。
日本海軍 秋山真之 作戦担当参謀が書いた名文で、当時最強のロシア・バルチック艦隊を撃破し、歴史的勝利を導いたと言われています。
※電文の意味
司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』では、
・天気晴朗=視界良好で砲撃がやり易く、また敵を取り逃がす心配が少ない
・浪高シ=艦が大きく揺れてお互い狙いを付け難いが、練度の高い日本軍の方が有利である、即ち総合すると「気象条件は我が方に極めて有利である」という意味であると解説しています。(練度:訓練を積み重ねて得られる熟練の程度)
 当時の海戦は、打った砲弾の着水を見て修正し、次の弾を打ってさらに修正して行く方法ですので、天気が晴朗で視程が良いと的中率は上がります。一方、波が高くて船が揺れると命中率は下がります。波が高い海域での撃ち合いでは、手数の数が多い方が有利となります。バルチック艦隊は、巨砲を撃った後、次の弾を撃つのに時間がかかっていますが、連合艦隊は、連携しながら速射砲で次々に砲撃をして命中させていきます。加えて、バルチック艦隊が極東に到着するまでに時間がかかったことから、その間に連合艦隊は猛練習をして的中率を上げていました。要は、入念な準備や対策が勝利を導いた戦いであったということです。


 体育祭を戦争に例えていかがなものかという反省もありますが、私が強調したいのことは、次のことです。
 それは、体育祭に向けて「計画」「準備」「練習」「PTAの協力」「地域の支援」この5つのことが順調に進み、あとは、当日の天気のみであったということです。
 ・計画:厳しい残暑が予想されるため、生徒の健康面を考慮して5月実施の計画を大幅に縮小しました。併せて新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を盛り込みました。生徒にとっての達成感、充足感が得られるようにするために、何度も計画を練り直しました。体育祭という形を保持しながら、競技種目の選定、ボリューム、感染防止対策には、柔軟な発想が求められ、教職員全体で協議を重ねました。さらに、生徒たちに計画内容を説明・提案し、生徒の意見も取り入れていきました。
・準備:感染防止、熱中症対策と例年とは違う体育祭に早め早めの準備をしました。熱中症対策のテントの増設、ミストシャワーの設置、アイシング用の氷、保冷箱、経口補水液、芝生の養生等、生徒にとって安全で安心な「舞台」を作るために、計画を前倒ししての準備を進めました。また、web会議システム「Live on」によるライブ映像の配信テストも予行練習で撮影位置などを確認しました。
・練習:授業時間の確保を図りながら、短期間での練習でした。また、ソーシャルディスタンスを確保しながらの練習は、予想以上に難しい面がありました。開・閉会式、競技、応援練習等、新しい形での練習に対応していくしかありませんでした。そんな状況下でも、生徒の集中度、対応力は非常に高く、生徒一人ひとりの意気込み、集団での一体感は目を見張るものがありました。
・PTAの協力:PTA会長の発案により、7月に総務臨時会を開いてくれました。体育祭の方向性、内容について、PTAとして支援できることはないかと会議を持ってくれました。また、8月、9月と総務役員会を開き、体育祭での具体的な活動内容を協議・決定してくれました。さらに、PTA会長は8月31日から毎日、来校して準備の進捗状況や追加支援の有無なども確認してくれました。役員の方々は、当日、保護者の入場確認、健康観察、検温、場内警備、記録写真・ビデオの撮影等に尽力いただきました。また、感染拡大防止のために保護者の入場制限をおこなったため、記録映像を希望する保護者も多くいることから、体育祭の撮影・編集などを業者委託しました。これらの調整もすべてPTAが行ってくれました。
・地域の支援:生徒の安全のために用意した氷や保冷箱などは、地元漁協、地元企業が全面的に支援してくれました。体育祭の一体感を醸成するために、教職員もお揃いのユニフォームを着ました。これも地元商店が特段の配慮をしてくれました。また、今年度から事業化された「地域学校協働活動 学校支援ボランティア」も2名、練習から参加いただき、大会役員として尽力いただきました。


 生徒、教職員、保護者・PTA、地域が一体となり、入念な準備・練習の上に創り上げる「令和2年度 勝浦中学校体育祭」
 前日の天気予報〝晴天:降水確率0%、最高気温31度、東風:風速3~5m〟を確認して、晴天で暑さはあるが、風により生徒のコンディションは幾分か整うであろう。体育祭の成功に向けて、教職員、PTA、地域が連携した。あとは練習通りの頑張りだと。生徒の士気を高めようと「天気晴朗なれども風やや強し」と挨拶文に加えました。以上が趣旨です。


◆健康上などの理由で、体育祭への参加が厳しい仲間に対して、「メッセージカード」、「寄せ書きハチマキ」などを準備する生徒たち

◆練習、予行、本番と競技に精一杯に「躍動」した生徒たち

◆順位・勝敗に関係なく、「仲間を称える」生徒たち

◆閉会式での各団長の話の中にあった「感謝」のことば

 
コロナ禍を吹き飛ばした勇姿、一体感に感動しました。
 「我より古を作す」そのような気概を強く感じた体育祭でした。


 令和2年9月7日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №30 2学期 始業式の話

校長メッセージ №30 2学期 始業式の話
                                                       
◆目に見えるもの見えないもの
  今日、登校して何か気づきましたか?
  ・グラウンドにテントが張ってある。
  ・裏坂上から昇降口や体育館にかけての規制ロープがない。
 ・テニスコートがきれいになっている。
 ・菊が大きく育っている。
 ・昇降口に花が置かれている。
 昇降口の花は「トレニア」です。
  内大森在住の鈴木 栄さんから花苗を頂きました。この鈴木 栄さんは、同大森在住の渡邉 浩臣さんと一緒に2年生の郷育プロジェクトの水田の管理を行ってくれている方です。また、花苗を植え替えたのは大久保先生   です。土作りをしたのは3年生です。夏休み中に水やりをしてくれたのは、玉田教頭先生と大久保先生です。さて、鈴木 栄さんは、なぜ学校に花苗をくれたのでしょうか?
それは、みんなや学校への〝想い〟があるからです。
『星の王子さま』(著者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)の中に、次のような一節があります。

  ~ とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
     いちばんたいせつなことは、目に見えない。 ~

目には見えなくても、そこに「絆」や「愛情」があり、そこに費やす「時間」があるのです。              
 さらに、鈴木 栄さんは、観賞用唐辛子とサクラソウの苗も提供してくれました。
観賞用唐辛子は、赤や黄色の実をつけて、私たちの目を楽しませてくれるでしょう。サクラソウは、順調に育つと3年生が入試を迎える2月頃に開花し、卒業式頃に満開を迎えるでしょう。
サクラソウの花言葉のひとつに「希望」があります。コロナ禍ではありますが、応援してくれる皆さんの〝想い〟感じながら学校を前へ前へと進めていきましょう。


◆8月21日(金)市内小・中学校の「修学旅行」が中止となりました。
 総合体育大会やコンクールなどの中止に続き、3年生はとてもがっかりしていることと察します。現在、全国で感染者数が増加傾向にある中、やむを得ない判断と考えます。 みんなもそうであったと思いますが、先生たちも奈良、京都、関西方面の感染状況を注視していたところです。3年生の先生方も学年主任の高品先生を中心に行程上での感染防止対策を講じるために何度も旅行業者と打ち合わせを重ねていたところです。バスやタクシーの台数を増やしたり、東海道新幹線の乗車、下車駅を変更したりなどをしていました。
 「百聞は一見にしかず」奈良東大寺の大仏を初めてみる生徒は、「オオオーッ!」と思わず歓声をあげます。また、京都鹿苑寺金閣を見た生徒もこれまた同様です。
修学旅行は、家族と行く私事旅行とは異なり、学校の特別活動の「学校行事」に 位置付けられます。目的は、①奈良・京都の歴史的文化遺産を自らの目で確かめ、豊かな心を養う。②集団行動や公衆道徳の望ましいあり方を実践する。③生徒同士や生徒と教師が、お互いの人間関係を深め、楽しい思い出を作る。などがあります。
実をいうと、3年生の高品主任は、東北方面の代替案も検討していました。感染者の少ない宮城・岩手に行程を変えることを検討していました。
その行程には、みんなが2年前東日本大震災「語り部」講演会で学んだ宮城県石巻市の大川小学校や女川町の中学生たちが建立した「命の石碑」の見学、NKH朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台にもなった三陸鉄道に乗って震災学習を受ける内容も含まれていました。また、世界遺産でもある岩手県平泉中尊寺や日本三大鍾乳洞と名高い岩泉「龍泉洞」の見学、宿泊先は2泊とも温泉ホテル、そして最後は、盛岡名物の「わんこそば」食べるプランでした。
残念ながら中止にはなりましたが、3年生の先生方が生徒を大切に〝想う〟気持ちを感じてくれましたか。


◆新型コロナウイルス感染症を考える。
 ※校長メッセージ№29を伝えました。

◆「ウイルスの次にやってくるもの」日本赤十字社のホームページを参考
 きちんと手を洗い、マスクをつけ、3密を防ぐ行動をとる。このことを行うだ  けで、感染する確率はぐんと下がる。
 でも心の中にひそんでいて、〝流れて〟いかないものがある。
 そいつは、お腹を空かせているみたいで、暗いニュースや間違った情報を沢山  食べて、どんどん育って、そして、ささやく・・・
 先の見えない状況を、「もうみんな助からない」と。誰にもまだ分からないこ
 とを、「誰かが隠しているのだ」と。そいつは、
 人から人へと広まっていく。
 「あの人が病気になったのは、誰のせい?」
 「ウイルスが広まったのはあいつのせいだ!」
 「こうなったのは、あいつのせいだ!」
 そいつは、まわりに攻撃を始める。
 人と人が傷つけあい、『分断』が始まる。
 そいつは、あなたを脅かす。「もしも感染していたらどうする?」「あんな風に  言われたらどうする?」みんな熱があっても隠すようになる。具合が悪くても  元気なふりをするようになる。もう誰が感染しているか分からない。
ウイルスがどんどん広がっていく。                                             
 鏡を見ると、そこに、もう、あなたは、いない。
 そいつの名前は、『恐怖』ウイルスの次にやって
 くるもの。もしかしたら、ウイルスよりも恐ろし
 いもの。
 私たちが、恐怖に飲み込まれる前にできること。
 〝 恐怖に餌を与えない 〟
 時には、パソコンやスマホを消して暗いニュースばかりを見すぎるのはやめよう。 不確かな情報をうのみにしないで立ち止まって考えよう。
  〝 恐怖のささやきに、耳をかさない 〟
 恐怖は、話を大げさにして、おびえさせる。
 誰にもまだ分からないことは、誰にもまだ分から ないことでしかない。そのままを受け止めよう。
  〝 恐怖から距離を取る 〟
 非難や差別の根っこに、自分の過剰な防衛本能が あることに気づこう。冷静に、客観的に、恐怖を 知り、見つめれば、恐怖はうすれていくはずだ。
  〝 恐怖が嫌がることをする 〟
 恐怖が苦手なものは、笑顔と日常だ。
 感染に気を付けながら家族や友人と話して笑おう。 いつものように、きちんとご飯を食べて、運動し
 て、しっかり寝よう。恐怖は逃げていくだろう。
  〝 恐怖は、誰の心の中にもいる 〟
  だから、励まし合おう! 応援し合おう!
 人は、団結すれば、恐怖よりも強く、賢い。
 恐怖に振り回されずに、正しく知り、正しく恐れて、今日、わたしたちにできる ことを、それぞれの場所で確実に行おう。


 今朝の新聞報道によると、市内で2名の陽性者が出ました。
 うわやに惑わされることないようにしましょう。
 今、この新型コロナウイルス感染症は、いつ、だれが感染してもおかしくない
 状況です。
 偏見や差別、いじめの芽はどこにでもあります。
 おなた自身、どのように考え、どのように行動しますか。

◆体育祭練習を前に思う「新しい歴史の創造」
 今年の体育祭はいつもと違う。生徒、教師が知恵を出し合い体育祭を創る。
 今までにない体育祭を創造する。そのためには、あなたの声が必要だ。
 保健体育科の先生方を中心にしながらも、生徒会の委員会活動、学年生徒会など、今までとは違う「行事への新しい取組」を全校で進めることが重要だ。
コロナ対策に加えて、熱中症予防の対策も講じる。
運動が得意な人もそうでない人も、「お互いを称える」体育祭にしたい。
生徒同士、生徒と教師、学校の「一体感」を醸成する体育祭にしたい。


◆2年生の姿「学習会:未来塾から」
 8月17日~21日の学習会(数学)を参観して感じた。参加した生徒は、受 け身の学習ではなく、自分から意欲的に取り組んでいた。自分の未来を力強く切 り拓こうとする姿勢にもつながると感じた。
 中堅学年、運動会での活躍を期待している。

令和2年8月24日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №29 「学校の力・一体感の醸成」

校長メッセージ №29 「学校の力・一体感の醸成」

◆本日、22日(土)17時05分 NHKスペシャル(再放送)
 『わたしをあきらめない』~5年1組子どもたちと先生の一年~
 5年1組の担任になった渡邉信二先生(52)とにかく厚くて涙もろい。かつて川崎市でいじめ自死事件が起きた際、教育委員会で事件の調査を担当。その経験から「二度と子どもを死なせない」ことを誓った。しかし子どもたちと向き合う日々は困難の連続。クラスには多様な出自を持つ子どもたちがいる。真剣に向き合っても、どこからともなく『いじめの芽』がふき出してくる。熱血先生と子どもたち、一年間の真剣勝負の記録(NHK)のホームページから
 興味のある方は、ぜひご覧ください。
  渡邉信二先生のブログにこの番組についてのコメント。
  授業の結論は、「差」から『違い』へと変化させることです。〝あいつ変じゃね〟と他者を排除する根本には、自分は「普通または正しい存在」であって、そんな自分と比べて他者は『変または間違った存在』という認識があるからです。それを、他者は『個性や特性といった違いのある存在』であって、差別したり中傷したりする対象ではない、という考え方に変えていくのです。

◆昨日、政府の新型コロナウイルス感染症の分科会で、「予防ワクチン」について、患者の治療にあたる医療従事者や高齢者、持病がある人に優先的に接種することで合意した。分科会の意見を踏まえ、最終的に政府が方針を決める。あらかじめ優先順位を決めるのは、ワクチンが開発されても当面は供給量が限られるため。ただワクチンの開発に成功する確証はなく、現時点での見通しは立っていない。

◆世界保健機構(WHO)によると、8月20日時点で臨床試験に入っているワクチン候補は30種ある。開発は一般的に安全性をみる第1段階、1万人以下で効果や安全性をみる第2段階、1万人以上で発症や重症化を防ぐ効果をみる第3段階というステップが必要。6種類が第3段階にある。政府は、イギリス、アメリカで進んでいるワクチン開発が成功した場合、来年、供給を受けることで合意している。現時点では、血液中の抗体が増えるという内容が中心で、感染や発症を防ぐ効果があるかは明らかになっていない。

◆約100年前のスペイン風邪など過去の感染症を振り返ってある専門家は、終息にはまだ長い時間が必要だと。また、先進国のワクチンの囲い込みが起きていることを懸念している。ワクチンの有無で国の被害に差が出ると国際協力がうまくいかなくなり、長い目で見て不利益は大きいと指摘する。スペイン風邪で最も多くの死者が出たのはインドやアフリカ諸国だった。国連の『持続可能な開発目標SDGs』が掲げる「誰一人取り残さない世界」の理念が重要だ。

◆今、私たちが生きる社会は、目まぐるしいスピードで変化している。同時に、世界各国から身近な地域に至るまで、社会問題が存在している。アメリカニューヨーク市立大学 キャシー・デビソン教授は「2011年度に小学校へ入学した子どもの65%は、大学卒業時に今は存在しない職業に就く」と論じた。また、これからの10年、20年に起こるのは「変化」よりも凄まじい「創造的破壊」により、仕事も働き方もキャリアの在り方も生まれ変わる時代がきていると分析する専門家もいる。

◆新型コロナウイルス感染症の感染防止への取組に加え、体育祭や文化発表会などの学校行事は「前年踏襲」とはいかない。行事の意義・目的の達成に向けて、創意工夫や取捨選択が必要だ。9月5日(土)に開催予定の運動会についても、残暑を超えた〝酷暑〟の中、保健体育科の先生方を中心にしながらも、生徒会の委員会活動、学年生徒会など、今までとは違う「行事への新しい取組」を全校で進めることが重要だ。
常に危機意識を持ちながらも、生徒と共に行事を創造する視点でいきたい。
コロナ禍を悲観せず、未来社会で活躍する生徒を育てるために。
この行事を通して、学校の「一体感の醸成」を進めたい。それが勝浦中学校の『力』となる。

令和2年8月22日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №28 生徒のみんなへ 「平和」

校長メッセージ №28 生徒のみんなへ 「平和について考えよう」

「いしぶみ(碑)広島二中一年生全滅の記録」ポプラ社から
 第二次世界大戦下の広島二中では、3年生以上は軍需工場へ働きに行き、1、2年生には学校で芋を作る作業等があったため、その分、授業に割ける時間が減ることになり、夏休みも返上しての学校生活が続いていた。その頃の中学生たちの日々の暮らしぶりは、遺されたある生徒の日記や、遺族たちによる手記の中に描かれている。
 1945年8月6日、午前8時15分。広島市の中心部、中島新町の本川土手(現在の広島平和公園、広島市公会堂(後に広島国際会議場に改称)の前の道路)に、空襲による発生が予想された火災の被害を抑え、避難場所を増やすための空き地を広げるために建物を壊してゆく、その後片付けの作業のために集合していた321名の生徒たちと4名の教師たちの頭上で、原子爆弾が炸裂した。この本は、その生徒たちと教師たちの運命、その最期を、判明している範囲で淡々と伝えたものである。子供を心配して探しに来た父母に会えて、喜びのうちに亡くなった生徒がいる一方、どこで死んだのか未だにわからない生徒も少なくない。
 このように、8月6日に起きた出来事を、広島二中の生徒を中心に克明に描いているのがこの本です。

 B29爆撃機エノラ=ゲイ号が直径70㎝,長さ3メートルの原子爆弾を投下したのが,午前8時15分17秒,続いて後ろの飛行機が,爆発を確かめるために無線機にパラシュートをつけて落としているのです。
 それから43秒後,原子爆弾は,広島二中の一年生が並んでいた本川土手から北東に500メートル,今の原爆ドームの上空,570メートルのところで爆発したのです。
 322人の一年生は,元気だった最後の43秒間を,しっかりと落ちてくる原子爆弾をみつめて記憶していたのです。
 まっすぐ,自分たちの方にむかって落ちてくるのが爆弾だと気づいて,とっさに誰かが「退避,逃げろと」叫びました。「ふせろ」という声を聞いた生徒もいます。
 一瞬,直径が100メートル,表面の温度が9,000度もある太陽のような火の玉ができ,そこからオレンジ色のせん光と熱線,その後を強い爆風がおいかけました。わずか500mの間近にいた広島二中の一年生は,せん光に目を焼かれ,腹は燃えだし,そして小さな体は地面にたたきつけられ,10メートルも吹き飛ばされたのでした。
 河野幹雄くんは,ピカッと光ったなと思ったら目が見えなくなり,山田哲治くんは,数人の同級生が爆風で本川の中に吹き飛ばされるのを見ました。
  故選浩行くんは,突然,大きな音と一緒にあたりが白いけむりでいっぱいになり,近くの建物がこわれて,木やレンガが飛んできて,みんなその中に埋まったといっています。四学級の担任の箕村登先生が「血路は川だ,川に飛び込め」といわれたのをたくさんの生徒が聞いたので,満潮の本川に3~4メートルの高さの土手から飛び込んでいます。
 下野義樹くんは,「点呼が終わるのと同時くらいだった。退避という声を聞いたあと爆弾が落ちた。川に飛び込め,という声をかすかに聞いて本川に飛び込んだ。爆発と同時に黒く焼けた人が多かった」と話しています。
 坂井春行くんは,あとでお母さんに「川に飛び込むとき,一瞬,後ろを振り返ったら,レンガの塀がたおれるのが見え,逃げ遅れた友達が,たくさんその土けむりの中に消えた」と言い残しています。整列した道路の側にあった塀の下敷きになった者も,たくさんいたのです。
 三戸一則くんは,木とレンガの下敷きになり,同級生の出口郁夫くんは,砂の中に生き埋めになったのですが,みんなが叫ぶ万歳の声に気づいて,はいでました。
 岡田彰久くんは,「腰まで砂に埋まったが,気がついて,燃える砂を手で掘ってはい出た。」原子爆弾のものすごい熱で砂まで燃えたのです。
 埋まった砂からはい出た故選浩行くんは,一時はすっかり目が見えなくなって心細くなったのですが,しばらくすると目が見えるようになったので,あたりを見まわすと火の海でしたから,しかたなく川の中に入りました。
 爆風が通り抜けた一瞬の後,みんな声をかぎりに,お父さん,お母さん,助けて,とさけびました。そんな中で,桜美一郎くんは,「大声を出すと,早く弱るからさけぶな」と,なだめたといいます。そして,あたりが燃え出すと,川に飛び込んだそうです。
 そして全滅した・・・
 家にたどり着いた子どもにも,死期が近づきました。
 佐伯郡廿日市町で,酒井春之くんは,七日朝7時25分,お母さんに見とられてなくなりました。「枕元につめかけた祖母を呼び,おじやおばに話しかけ,妹の手をとって意識ははっきりしていました。話は明日ゆっくり聞くから,今夜は静かに寝ようねと,なだめたのですが,昼に川の中で十分寝たからいいよ,と苦しそうにないのが何よりでした。死ぬのでしたら,夜を徹しても話を聞くのでしたのに。」
 寄宿舎にいた五学級の小松勇美くんは,廿日市町の八幡国民学校に収容されていました。船で島の家に帰りましたが,十日の午前5時10分なくなりました。
  廿日市国民学校の講堂にに寝かされていた三学級の桑原幸則くんは,七日,家の人が用意した船で,広島湾を横切り,安芸郡音戸町の家に向かいました。「ようやく探した船に乗せて家に帰る途中の正午頃,呉の沖合で息を引き取りました。ぼくがなおったら,きっとかたきをとってやる,とひと言いって死にました。」
 二学級の穴光隆司くんは,宮島の対岸に近い地御前の家で七日午後4時になくなりました。
 一学級の豊久正博くんは,佐伯郡大野町の家でお父さん,お母さん,と叫びながら,とうとう十三歳の若さで死にました。「当時は一般にけが人に水をやってはいけない,といっておりましたが,あれだけの重傷では助からないと思い水をほしがるだけやりました。八日夜,広島県東部の福山市が大空襲を受けているさなか,燈火管制の燈のもとで,お母さん,お母さんとさけびながら,とうとう十三歳の若さで死にました。」
  小野厚くんは,お寺で火傷の薬を塗ってもらってから夕方家に戻ってきた。「お母さん,帰りましょうよ,いってくれたのですが,顔が火傷ではれあがり,手当のしようがありませんでした。火傷で痛かったのでしょうが,友達の名前をよんではがんばれといい,思いきり水を飲みたい,と申しました。数をかぞえてみたり,友達の名前を呼んで気をまぎらわし,がまんして,苦しいとはひと言ももらさず,その夜7時半に死んでしまいました。」
 松井登くんは,見舞いに来てくれた友達に,明日は水浴びに行こうとやと言っていたのに病状が悪化して,「進め,進め,やっつけろ」,と手をしきりにふりまわし,最後には,お母さん,おばあさん,と声をかぎりに肉親の名前を呼び続けて死にました。」
 五学級の山下明治くんは,三日目の九日明け方,お母さんに見とられて亡くなりました。「明治は亡くなるとき,弟,妹のひとりひとりに別れの言葉をいい,わたしが鹿児島のおじいさんに,何といいましょうか,と申しましたら,立派に,と申しました。死期がせまり,わたしも思わず,お母ちゃんも一緒に行くからね,と申しましたら,あとからでいいよ,と申しました。その時は,無我夢中でしたが,あとから考えますと,なんとまあ,意味深い言葉でしょうか。お母ちゃんにあえたからいいよ,とも申しました。」
 五学級の桜美一郎くんは,お父さん,お母さんに舟入の救護所から吉島町の社宅に運ばれ,十一日午前8時10分,お父さんに好きだった軍歌をうたってもらい,それを聞きながら死んでいきました。桜美一郎くんは,六日が誕生日でした。家は,佐伯郡廿日市町原という市の郊外にあって,広島市内に下宿して通学していました。五日は,家にあずかっていた書類を取りに帰って泊まり,誕生祝いもいいよといって,六日の朝早く,5時にいそいで家を出たのでした。
 桜美一郎くんが,広島二中の最後の死亡者でした。
 本川土手に整列した広島二中の一年生,322人と四人の先生は,こうしてひとり残らず全滅しました。
 広島に行かれることがありましたら,平和公園の本川土手に,広島二中の碑があるのをたずねてください。
 その碑の裏には,いつも変わらぬ本川の流れを見つめて,全滅した広島二中のこどもたちの名前が刻まれています。

 烈し日の真上にありて八月は 腹の底より泣き叫びたき (山下明治くんのお母さんの歌)

 こういった歴史の上に今がある。
 担任だった時、毎年この本を題材にして「道徳」の授業を行った。生徒は「だって時代が違うじゃん!」と話す。一方、「当時の中学生から出た言葉に、『立派に・・・』『あとからでいいよ』とありました。今の私はそんな大人のようなことは言えません。同じ中学生とは思えません。戦争なんて絶対に起こしてはいけません。」と話す生徒もいた。

 私は、広島に行きこの石碑を見てきた。その時、本川はおだやかに流れていた。石碑の名前に手をあてた。
 「命」の尊さ、『平和』の大切さ。
  今、世界には、戦場の中や難民避難キャンプにいる子どもたちがいる。この先の食事や、命について強い不安を抱えながら生きている子どもたちがいる。
 このような現実をみんなはどのように考えますか。今、そしてこれから、取り組まなければならないこと。

 
 米科学誌「原子力科学者会報」が発表する「終末時計」は、専門家による同誌の委員会が核兵器使用の危険性などを毎年検討し、地球滅亡を深夜0時に見立てて、時計の針を決める。同誌は1945年、米国の原爆開発「マンハッタン計画」に関わった科学者オッペンハイマー氏らの呼びかけで創刊された。
 同誌の表紙に登場した1947年は「7分前」。米国に続きソ連が原爆開発に成功した1949年に「3分前」まで進み、冷戦終結後の1991~94年は「17分前」に戻った。昨年までの最短は、米ソの水爆開発が本格化した1953~59年と、トランプ米政権発足後の2018~19年の「2分前」。その後、同政権の離脱によるINF全廃条約失効などで今年1月、「100秒前」に迫った。「終末時計」の針を戻さなければならない。※INF:中距離核戦力全廃条約(Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty)は、アメリカ合衆国とソビエト連邦との間に結ばれた軍縮条約


今日、昼の放送でかけた曲です。
一昨日、勝浦駅の階段アートが完成しました。駅・電車にちなんで、「トレイン」です。
この一学期、地域の支援、保護者の理解・協力をいただきながら、生徒・教職員一体となって勝浦中列車を走らせてきました。ご支援・ご協力に感謝するとともに、生徒みんなの〝がんばり〟を称えたいです。


「トレイン」 ケツメイシ (作詞・作曲:ケツメイシ)

僕の中の高速列車は今日もガタガタ言いながら
夢と言う名の駅に向かってひたすら走ってる
夢に向かって走るのか それとも途中腐って錆びるのか
この僕の列車はお構いなく 今日も魅了 人をさらい出す
なりたいもの やりたいこと 子供の頃の 夢見ごころ
それを燃料にして走り出す 途中下車無効にて限りなく
走ること 走り続ける程 夢多き吹く風も増えるもの
切符書かれた「夢駅」の文字 不安に駆られるが
そのひと時忘れるなとあの気持ち騒ぎ出す
そのときまた車輪は回りだす 列車行き先は自分に見える 
だからこそ僕は僕で居れる
動き出せ 僕の中の少年のようなピュアなハート
飛び出せ 僕の駅へ 草掻き分け走り出せ

僕の中の高速列車は今日もフラフラ舞いながら
夢と言う名の空へ向かってひたすら飛んで行く
夢見る限りレールは伸びる 加速する度に不安もよぎる
いまどこへ どこへ向かってるか分からなくていい 夢詰まってる
車掌居ない 時刻表無い 自分次第焦らず気負うもの無い
名もなき駅で止まるも良し 鳴らす汽笛で今日終わるも良し
ときには先の暗いトンネル いつかは必ず光が待ってる
迷わせ 惑わせる風を避け 自由の空眺めたそがれ
誰悠々と走ってく その積荷の重さ誰が知ってるだろう
でも構わず音立て 飛び立て夢の空へ

ある朝 僕の噂 夕方 悪い噂 そうさ僕のせいさ でも気にせず進んでく
ある朝 僕の噂 夕方 悪い噂 そうさ僕のせいさ でも気にせず進んでく

動き出せ 僕の中の詩人のようなキザなハート
飛び出せ 僕の空へ 雲掻き分け飛んで行け

加速するために前を向いて 誘惑の風に目を逸らして
花びらを舞い散らして 進んで行く
ただひたすらに ひたすらに 今 夢と言う名の駅へ 名の空へ 

動き出せ 僕の中の少年のようなピュアなハート
飛び出せ 僕の駅へ 草掻き分け走り出せ

動き出せ 僕の中の詩人のようなキザなハート
飛び出せ 僕の空へ 雲掻き分け飛んで行け

令和2年8月6日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №27 保護者・生徒のみなさんへ 「前に進める」

校長メッセージ №27 保護者・生徒のみなさんへ 「前に進める」

8月1日(土)、2日(日)と千葉県通信陸上競技大会が行われました。本校からも10名の生徒が出場しました。無観客での大会でした。
2日(日)大会を終え、帰校する生徒を迎えました。女子部長は挨拶で次のように話しました。「大会に出られて本当に良かったです。これまで支えてくださり本当にありがとうがざいました。」3年生全員が、例年とは違う「節目」迎えました。感慨深い挨拶でした。


7月31日(金)、8月1日(土)PTA奉仕作業が行われました。
31日は、教室、トイレの消毒。1日は、グラウンド、表坂、裏坂、武道場周りの草刈り等を行ってくれました。
例年、年3回の奉仕作業を実施していましたが、コロナの関係で学年ごとの奉仕作業を「新しい形」に変更してくれました。今回は3年1組が当番でした。来月以降、順次クラスを変えて実施していきます。金曜日の奉仕作業により教職員の消毒業務はなくなり、その分、授業、三者面談の準備等にあてることができました。1日土曜日の草刈りにも、炎天下の中、8名の保護者の皆様が環境整備にあたってくれました。その中に、PTA会長、PTA顧問さんも参加いただきました。生徒にとって整った環境づくり、教職員の負担軽減となりました。心から感謝申し上げます。


1日(土)Liveonを用いてオンラインで「高校説明会」行われました。延べで250名を超える視聴がありました。
コロナの状況下で高校の体験入学が延期される中、〝3年生の進路を止めない〟〝一日も早い動機づけをしてあげたい〟と新たに高校説明会を企画しました。
途中、映像が固まり視聴しづらい部分もありました。Trial& Error と考えます。不具合の原因を探り、第2波等で休校になった場合のオンライン授業に備えます。

「ミダレゼロ運動」7月28日(火)から3年学年生徒会が取り組んでいます。前日の27日(月)から登下校・学校生活の服装が体操服となりました。〝服装の乱れは心の乱れ〟と言われます。毎日発行される3年学年通信「立腰」にも〝心シャキッと!〟とタイトルで心と身だしなみとの関係が書かれています。今朝、3年学年生徒会長に聞いてみました。「効果はどうでうすか?」『効果は出ています。身だしなみは整えられています。朝・帰りの会での班長チェックなどしっかり行っています』。こうした生徒主体の自治活動の充実は頼もしい限りです。


昨日3日(火)3年生を対象にオンラインで思春期教室を開催しました。講師は、亀田総合病院の看護部長(助産師)さんにお願しました。
生徒の感想を紹介します。「今まで正しい知識などは全然なくて、「まだ早いから知らなくてもいい」と想っていましたが、『この時期に知らなくてはいけない』という講師の先生のお話を聞いて、自分の考えに変化が起きました」。
生徒にとって、「性」と『生』を考えるとても良い機会となりました。
講師並びに教室開催にご支援いただいた夷隅保健所の皆様に御礼を申し上げます。


本日、4日(水)午後3時半から、勝浦元気プロジェクトが勝浦駅で行われます。学校支援を頂いたことへの「恩返し」のひとつです。
新聞記事等から勝浦の観光業、商業などが落ち込む状況を推知しての取り組みです。
生徒307名、35名による共同作業「階段アート」です。「絆 がんばろう! かつうら」。


「学校行事の新しい形」2学期に入ると、体育祭、修学旅行、文化発表会などの学校行事があります。例年通りの行事の実施は非常に厳しいことは、生徒も十分に理解しています。
地域、県内、全国の感染状況等を注視しながら、行事の目的・意義等を考え、生徒にとって有意義な行事となるよう検討を重ねています。
日程の変更、内容の縮小・変更等、参観等の制限、行事の中止等の場合もあります。
こういった状況下、ひとつの判断に賛否や様々な考えもあると思います。生徒の考えや意見も大事にしながら、「すべては生徒のために」を合い言葉に、前に進めていきます。
経営コンサルタントで5,000社を超える企業を指導し、多くの倒産寸前の企業を立て直したとされる故 一倉 定(いちくら さだむ)さんの言葉に背中を押されながら・・・


1学期を振り返って、生徒のみんなに贈るメッセージです。


「ともに」 WANIMA (作詞:KENTA  作曲:WANIMA)

どれだけ過去が辛くて暗くても 昨日よりも不安な明日が増えても
悩んだり泣いたりする今日も 進め君らしく 心踊る方

別れ道に立つ ともに唄う 重ねた日々は変わらず残る
千切れそうな今縫い合わせ 思い出したあの頃

あたりまえのいつもの笑顔 平気なフリに何度 騙された?
何気ない一言でさえ… 後悔してるいま頃

出逢えてよかった ありがとう この想いよ 届け
涙こらえ笑って生きてる 崩れそうになりながら 毎日びびってる
疲れ果てるまで繰り返す きっと ずっと
どれだけ過去が辛くて暗くても 昨日よりも不安な明日が増えても
悩んだり泣いたりする今日も 進め君らしく 心踊る方

個々に辿り着くまでに 色んな景色をみて来たんだろう
待ち焦がれていた 出逢えてよかった ありがとう この想いよ 届け

涙こらえ笑って生きてる 崩れそうになりながら 毎日びびってる
疲れ果てるまで繰り返す きっと ずっと
どれだけ過去が辛くて暗くても 昨日よりも不安な明日が増えても
悩んだり泣いたりする今日も 進め君らしく 心踊る その先には幸を…

生きて耐えて時に壊れ泣いて迷う影に笑顔咲き誇る
生きていれば… 命さえあれば…

前に前に前に上に上に 冗談じゃない まだ諦めてない

全て追い越して 何もかも置き去りに 思い描いたその先へ…


令和2年8月4日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №26 生徒・保護者の皆様へ 「奇跡と感謝」

校長メッセージ №26 生徒・保護者の皆様へ 「奇跡と感謝」

 熊本日日新聞 7月20日記事 「参考書も流されてしまった」受験生「勉強できない」熊本豪雨被害の球磨村 小中休校し避難所生活 から抜粋
 熊本県南部を中心とした豪雨災害で甚大な被害を受けた球磨村の小中学生が、学習がままならない状況に苦しんでいる。新型コロナウイルスの影響に続く休校に加え、避難所生活は集中するのが難しい。受験を控える球磨中の3年生は「勉強する道具と時間、場所が欲しい」と悲痛な声を上げる。
 16日、避難所となっている旧多良木高校の教室。仕切られた簡易ベッドで休んでいた男子生徒がつぶやいた。渡地区の自宅が被災し、命からがら避難。勉強道具を持ち出す余裕はなかった。工業系の高校に進学し、自動車関係の会社への就職を目指す。だが、「何もないので勉強できない。どうしていいか焦っている」と胸の内を明かした。
 窮屈な避難所では集中するのも難しい。人吉市の人吉第一中に避難する淋 涼風(そそぎ そよか)さんは「じっくり勉強できる場所が欲しい」。
 村内にあるのは、球磨中と小学校2校。浸水や道路の寸断で、いずれも7月末まで休校が決まっているが、再開のめどは立っていない。村内の母親の実家に避難している女子生徒は「やっと学校が始まったのに、十分に勉強できないうちに、また休校になった。受験までに履修が追いつくのか不安」。
 一方、コロナ禍で注目されたタブレット端末の配備を求める声も出ている。男子生徒の一人は「端末を使えば授業の動画を見て勉強できる。離れた友だちとも、オンラインでつながることができるのでは。」と期待する。
 人吉市出身で、ICT活用に関する文部科学省の実証研究事業委員などを務める鹿児島大大学院教育学研究科の山本朋弘准教授(52)は「避難所の子どもたちが自ら学ぶためにタブレット端末は有効。通信環境の充実も含め、早急な支援に取り組むべきだ」。
 村教育委員会は、受験生に問題集などを配布。教師らによる学習支援にも乗り出している。
 3校の232人のうち、避難所や親戚宅などに避難しているのは169人に上る。村教育委員会は「子どもたちの学ぶ機会の確保が最優先」として、希望者は避難先の学校に転校できることを保護者らに通知しているが、保護者からは「環境が変わるのは困る。」との戸惑いの声も上がる。

 7月20日この記事を読んで、市教育委員会に相談した。勝浦中学校に整備されているWeb会議システム「Live on」を活用して、本校の授業を球磨村の中学生たちに配信ができないか。本校がすでに運用しているこのライブ授業で、災害支援をしようと考えた。
 市教育委員会の了承を得て、球磨中学校の校長先生と話した。校長先生からは、「とてもありがたい話です。教職員が、避難所をまわり学習支援をしています。Webでの授業等は考えていますが、今はその段階にありません。できることから一つずつ取り組んでいきます。」と話された。


 第2波とも考えられる感染者の急増に危機感ばかりが空回りする。生徒にとって安全・安心な学校でなくてはならない。ここまで、PTA、関係団体、地域の方々から多くの支援を頂いて今がある。そして、何より生徒の自覚と行動により感染者もなくここまできている。


 22日水曜日、部活動引退式があった。引退を迎える3年生からの挨拶、1・2年生からのメッセージが贈られた。また、2年生が中心となって「絆・モザイクアート」が届けられた。この状況下でも、生徒は創意工夫をし、おそらく開校以来、初となる引退式を成功裏に終えた。「行事は生徒を育てる」と言われる。今後も、感染拡大防止を最優先に考えながら、「生徒にとっての達成感、生徒にとって意義ある行事」を模索していきたい。


 制限がある中での学校生活ではあるものの、こうした日常が送れることはある意味〝奇跡〟とも考えられる。同時に今こうしてあるのは、行政や各家庭、生徒の自覚・実践によるものと、全てに〝感謝〟したい気持ちである。


 被災している方々に何かできることはないだろうか。
 青少年相談員の学校支援を題材にした道徳の授業を受けた生徒のコメントの中に次のようなものがあった。
「自分たちは、沢山の人に助けてもらいながら、今を生きていることを改めて感じた。自分もだれかを支える人になりたい。」(1年生)


  令和2年7月26日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №25  保護者の皆様へ 「教師は五者たれ」

校長メッセージ №25  保護者の皆様へ 「教師は五者たれ」


「教師五者たれ」という言葉があります。
五者とは、学者、役者、易者、芸者、医者のことを指し、教師はその五者であることが大切だという教えです。
 ●学者:豊富な知識と専門性を身につけ、教え導くことができる教師
 ●役者:父や母のように接したり、時に鬼の形相で叱ったりなど、子どもの心を惹きつけ、魅了することができる教師
●易者:子どもの秘めた力を見抜き、夢を後押しできる。また、未来に対する不安に寄り添い、和らげることができる教師
●芸者:学びの場を楽しく盛り上げ、わかる喜びで笑顔いっぱいにできる教師
●医者:子どもの悩みや体の変化に目を配り、心も体も癒やすことができる教師


 今後、不透明で不確実、不安定な時代を生きていく生徒たち。
 この中学生期に何を身につけさせなければならないのか。さらに、学校は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図りながら、「優先順位、取捨選択、スピード感」がキーワードになっています。
 こうゆう状況だからこそ、教師五者というような「不易」の部分と、時代を先取し生徒に有益な教育活動を提供しようとする「流行」の部分を追い求めなければならないと考えています。
 また、中学生期の子育ては難しいという話を多く聞きます。私自身も子育てで悩んだことも多くありました。
 ゲーム、インターネット、スマホ、SNSなど、私たちの世代にはなかったものが、今の子どもたちには、〝当り前〟となっています。
 子育てや学校での指導も〝一筋縄〟ではいきません。だからこそ、私たち大人が協力・連携し、子どもたちのために「知恵を出し合う」ことが解決の鍵だと考えます。困難な時こそ、心をひとつに手を携えましょう。


「すべては子どもたちのために。」

 令和2年7月20日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№24 「心」を何にたとえよう

校長メッセージ№24 「心」を何にたとえよう

 昨日、7月11日千葉県教育委員会から、令和3年度千葉県公立高等学校入学者選抜の「一般入学者選抜」等における各高等学校の「学校設定検査の内容」、「志願理由書の提出の有無」及び定時制の課程における各学校の「学力検査の実施教科数」等についての発表がありました。
 「一般入学者選抜」の「本検査」は、令和3年2月24日(水)に3教科の学力検査を実施し、25日(木)に2教科の学力検査及び学校設定検査を実施されます。また、「追検査」は、令和3年3月3日(水)に学力検査を実施するほか、各学校の裁量で本検査に準じた学校設定検査を実施するとのことです。

 今年度、公立高等学校の入試は大きく変わります。

 3年生のみなさん。最上級生としての頑張りに敬服しています。
 今年、3月からの臨時休業。6月1日再開後も、様々な制約の中での学校生活。通常のルーティンが刻めない日々です。
 部活動やコンクールの大会も中止となりました。最後の大会、コンクールでは、部活動の集大成を「完全燃焼」させると意気込んていたことでしょう。また、その勇姿を、これまで支えてくれた保護者に見せたかったことでしょう。
 中学校生活〝最後〟の運動会、文化発表会、修学旅行。そして、入試、進路決定。
 学校行事については、例年通りの開催は厳しい状況にあることは、みんなも理解していることでしょう。
 東京では、今日で感染者が200名を超える日が4日続きました。千葉県も同様に感染者が増加傾向にあります。感染拡大防止と経済活動の両立を継続していくのか、政策的に分水嶺にきていると考えます。
 学校では、新型コロナウイルス感染症の第2波がくることを想定し、オンライン授業などの準備も進めています。
 「心」は大丈夫ですか。
 学習面、生徒会・委員気活動、部活動と3年生の様子を見ていると、最上級生のつとめを立派に果たしています。その一生懸命さを見ると、我々教員も「頑張らねば!」と改めて思います。でもね。毎日続く我慢やちょっとしたストレス、やるせなさが積み重なると、心の不調につながります。
 そんな3年生や1.・2年生の「心の中」ことを考えていたら、次の曲を思い出しました。以前、勤めていた学校で生徒ともに災害支援を行いました。感謝のメッセージに添えられていた曲です。その中学校は、豪雨災害で学校全体が浸水、、甚大な被害を受けた生徒が、学校生活の再開・復興後に送ってくれたものです。
 今、一生懸命に頑張っている生徒のみなさんの〝心の癒し〟につながればと。

「テルーの唄」 手嶌 葵 作詞:宮崎 吾朗  作曲:谷山 浩子 (スタジオジブリ映画「ゲド戦記」挿入歌)

夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる 鷹はきっと悲しかろう
音も途絶えた風の中 空を掴んだその翼 休めることはできなくて
「心」を何にたとえよう
鷹のようなこの心 「心」を何にたとえよう 空を舞うよな悲しさを


雨のそぼ降る岩陰に いつも小さく咲いている 花はきっと切なかろう
色も霞んだ雨の中 薄桃色の花びらを 愛でてくれる手もなくて
「心」を何にたとえよう
花のようなこの心 「心」を何にたとえよう 雨に打たれる切なさを


人影絶えた野の道を 私とともに歩んでる あなたもきっと寂しかろう
虫の囁く草原を ともに道行く人だけど 絶えて物言うこともなく
「心」を何にたとえよう
一人道行くこの心 「心」を何にたとえよう 一人ぼっちの寂しさを


令和2年7月12日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№23 生徒のみんなへ 『 節目 』 を考える

校長メッセージ№23 生徒のみんなへ 『 節目 』 を考える  『 竹林 』 のように強く結びつけ
     

 6月1日の学校再開から1ケ月 。ひと月という節目を迎えますね。
 節目とは,植物の 『 竹 』 から生まれた言葉です。竹は日本文化を育ててきた植物のひとつです。世界的な竹の研究家であった上田 弘一博士著(京都大学名誉教授)「竹と日本人」からの一節を紹介します。

〝竹は生えてから数十日間で成長を仕上げてしまい、あとは自分の体を肥やさないで、養分を子孫にまわしひたすらその繁栄を図っている。
竹が、深い雪や台風にたえている姿に心を打たれるが、これは、他の植物にない「節目」その強さ、しなやかさが源になっている。
 また、竹は地下茎でつながって共同生活を営んでいる。竹林では1+1を2以上の力として頑張っている。1本の竹を引っ張って抜けるまでの力を図ってみると、1本もかなり強いが2本合わせて同時に引っ張ると、2倍以上の強い力を出すことがわかった。しかも、環境が悪くなればなるほど、お互いがしっかり握り合う。たとえ,竹が台風で倒れても、土中の地下茎が生きていて、若竹も再生するし、有毒ガスを吸って葉が枯れても、また節目から若葉を出してよみがえる。
 竹を折り曲げようとしても簡単には折れない。折れたとしても、その繊維の強さから、二つに割ることは至難の業であり、ある意味しぶとい。さらに、節は強く、人間の力で割ることはできない程である。
 まさに、『禍を転じて福とする』の根性が培われているのである。〟
意味 : 『禍転じて福となす』(わざわいてんじてふくとなす)とは、不幸な出来事や失敗があっても、機転をきかせて努力し、それにめげずに幸せを掴むことという意味のことわざである。辛いことをひっくり返すくらいの勢いで乗り越え、幸せを掴み取れということである。

生徒のみなさん。1年生は入学の時、2・3年生は進級した時に思い描いた抱負や決意は今も心の中に強くありますか。
例年だともう6月も終わり、来月後半からは夏休み。
今年は違います。1学期のひと月が終わったばかりです。
順調な滑り出しをした人は、気を抜かずにこの調子を維持していきましょう。
そうでない人は、まだまだやり直しがきく時です。まずは、改めて最初の一歩を踏み出してみよう。

 こんな詩があります。
「 学校も揺れた大風で、裏の松の木真っ二つ。さんざ騒いだ竹林はひとつも倒れず頑張った。
一生懸命ひとつのこと極めたところで節が付く、諦めないで続けていれば、節の数だけ強くなる。しなやかに強く,前進!前進!」(作者不詳)

 それぞれの学級はどうですか。絆づくりは進んでいますか。
学級という集団、それをつくる個々の生徒。
竹の地下茎のようにしっかりと結びつけば、学級は一人ひとりの心の居場所となり、学級におきる様々な出来事にも力を合わせて乗り切ることができるでしょう。
また、一人ひとりが自分の目標に向かって進んでいけば、節目を重ねるごとに〝なりたい自分〟に育っていくでしょう。

 3年生が修学旅行で行く京都は、嵐山の「竹林の道」や高台寺の竹林など、風情ある竹林の名所があります。修学旅行は、新型コロナウイルス感染症、感染拡大防止のため10月に延期となりました。3年生にとって思い出づくりの旅行になるよう3学年職員を中心に行程等が練られています。

 その前に、部活動引退という大事な節目をどのようにするか。生徒、教職員の協議が進んでいます。また、3年生の進路のための「高校説明会」も生徒の要望を受けて実施に向けて検討しています。

 先生たちも、学校再開1ケ月を自己評価をします。
 変わらず難局は続きますが、教職員一丸、積極果敢、スピード感を大切に学校運営にあたっていきます。

 生徒を中心におき、保護者、教職員、地域がスクラムを組んで進んでいきます。


 令和2年6月28日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№22 「ほ・ま・れ・か・が・や・き・を(お)」

校長メッセージ№22 生徒・保護者の皆様へ 「ほ・ま・れ・か・が・や・き・を(お)」

 新型コロナウイルス流行時の生活が子どもに与えた影響を、国立成育医療研究センター(東京都)が保護者や子どもへのアンケートを通して分析し、22日に結果を公表しました。同センターの研究者や医師らでつくるチームが4月30日~5月31日、新型コロナで変化した暮らしぶりについてインターネット上でアンケートを実施。7~17歳の子ども2,591人、0~17歳の子どもを持つ保護者6,116人の計8,707人の回答を分析しました。
 この調査で49%の保護者が「子どもに対して感情的に怒鳴った」と回答したことがわかりました。
 また、子どもたちによる回答では、7割以上が「集中できない」「イライラする」など、休校の影響で何らかのストレス反応を示していたことがわかりました。生活リズムの崩れも目立っていて、「就寝や起床時間がずれた」と答えたのは61%に上ったほか、「テレビやスマホなどを見ている時間が増えた」と回答したのも60%を超えています。 

 実は心配していることがあります。今週の生徒の様子です。
 先週の朝自習は、学校内が静寂に包まれ、皆、読書に集中していました。ところが、今週月曜日、朝自習の様子からは、少し疲れている様子がみられました。今朝、登校の際に数名の生徒に声をかけると「疲れてます・・・」「疲れ気味です・・・」という生徒がいました。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、3月からの臨時休業、そして4月の再開後もすぐに臨時休業となりました。生徒、保護者、教職員も初めてのことで、すべてが手探りで余裕のない日々でした。
 また、ある調査では、子どもの約4割が〝家の経済のことを気にしている〟という調査もありました。子どもたちも、私たち大人が考える以上に不安やストレスを感じながら生活していることがわかります。
 今年度は、1学期が8月7日(金)まで、そして2学期が8月24日(月)からと、例年の生活とは大きく異なります。
 学校も生徒の健康面に配慮しながら弾力的に日課等を調整していく考えです。 

 ここからは、保護者の皆様へ
 「機中八策」をご存じでしょうか。これは、現柏児童相談所長の渡邉 直さんが、「子どもをたたきたくないけど他の方法がわからない」と悩む親を多く見てきた経験から生まれました。「暴力を禁止するだけではなく、どんな行動をすべきか具体的に伝える方法はないか」。2012年、出張先の高知県から戻る飛行機内で八つのキーワードが浮かび、高知県出身の坂本 龍馬の「船中八策」にちなみ、「機中八策」と名付けたものです。
 渡邉 直さんは、外出自粛や長い休校により、ルーティンが刻めない中、キレる沸点が低くなりトラブルも増えるだろう。けれどそのイライラを「怒鳴る」「たたく」「嫌みを言う」「けなす」「否定する」という暴力的なコミュニケーションで発散してほしくない。そうしてしまう前にいったん立ち止まってその場から離れ、落ち着いてほしい。では、気づくにはどうしたらいいか。それは『ひどいおとぎばなし』という行動(言葉)のカードを切りそうになった時がサインである。その時は意図的にスイッチを入れて『ほまれかがやきのを』のカードに切り替えること。これを一人で完璧にできるよう気負わなくてもいい。家族、地域のみんなの合言葉とできれば、お互いに声を掛け合う、穏やかにつながり支えられる。人に優しいコミュニティ文化が醸成できるのではないだろうか。と話した。
 この『ほまれかがやきのを』のカードには『いちおし』という付録カードがついています。
『いちおし』とは、つも、かづいて、だやかに、ずかな(に)です。
 私自身も心がけています。必要があれば参考にしてください。※下記添付ファイルを開いてください。

機中八策 添付ファイル

令和2年6月23日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №21 生徒のみんなへ 「 挨拶・あいさつ 」

校長メッセージ №21 生徒のみんなへ 「 挨拶・あいさつ 」

 今朝、生活委員会の3年生たちが挨拶運動を行っていました。
保健委員会のソーシャルディスタンスの確保や消毒などの活動も3年生から全校生徒へと活動が広がっています。生徒会・3年生を中心にこういった自治活動が充実していくことは、学校生活の活性化につながっていきます。


 今日は、挨拶(あいさつ)について考えてみたいと思います。
先週「おはようございます!」元気な挨拶が私の心に飛び込んできました。その2年生の男子生徒は、私に挨拶をした後、次のように話しました。
「今日は、ぜったいに負けません! 〇〇先生より先に挨拶します!」
 昨日、その男子生徒に声をかけました。『挨拶はどうだった?』、「もちろん勝ちました。〇〇先生より先に挨拶をしました。」
 そして今朝、改めてその男子生徒に経緯を聞いてみました。男子生徒は、「〇〇先生に、目上の方への挨拶は先に行うものだとの指導を受け、次の日から実践しようと意気込んで登校したのです。」と話しました。
素晴らしい心がけの生徒です。天晴れ(あっぱれ)!


 先生に気持ちのよい挨拶をしよう。先輩・後輩に関係なく自分から挨拶をしようと考えている生徒は多くいると思います。でも、その時になると〝ひょこっと頭を下げて口の中で、もごもご・・・〟
 挨拶とは、もともとは禅の言葉でした。『挨』には「押し開く」という意味があり、『拶』には、「迫ること」を意味します。師匠が弟子に問答を迫って悟りを試す。あるいは、修行している人同士が問答を繰り返して切磋琢磨するというのが、本来の意味あったようです。これが転じて「人に近づき、心を開く際の言葉や動作」を示すようになりました。 
 人と人との出会い、交流は挨拶から始まります。日常のちょっとした挨拶でも、人との接し方や礼を保つことに対する『姿勢』が表れるものです。たった一言の挨拶にその人の『生き方』が表現されます。あなた自身はどうですか?
 挨拶をおろそかにすることは、人間関係をおろそかにすること。もっと言えば生き方をいいかげんにしてしまうことにもなります。
 本校の『挨拶』はどうでしょうか。先生と生徒、生徒同士、来校者に対しての挨拶。
 今日の青空のような気持ちのよい挨拶はできていますか。
 また、授業の始めに行われている挨拶「お願いします!」これは、先生と生徒が共に『良い授業にしよう!』と心を一つにする挨拶です。


 令和2年6月10日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №20 生徒のみんなへ 「つながりを感じる心」

校長メッセージ №20 生徒のみんなへ 「つながりを感じる心」

 学校を再開して2週目となりました。今日からは部活動も再開となりました。
 私たちの日常を改めて考えてみると、多くの「つながり」よって成り立っています。
 家族や友人、近所の人など、「顔の見える間柄」の人たちのつながり。広い意味での「同じ社会」に生きる人たちとのつながり。また、親・祖先や先人たちとの時代を超えたつながり。さらには、自然環境とのつながりなど。そうした「つながり」に心を向けることは、今日の日の有り難さやこれからの生き方への考え方が変わってくると思います。
 普段から当たり前のように身の回りに存在していたり、生活を根底から支えていたりする「つながり」ほど、その大切さを忘れがちです。今日は、その一端に目を向けてみましょう。
 まずは「命」から考えてみましょう。私たちの命は自然の働きによって支えられています。さんさんと降り注ぐ暖かな太陽の光。太陽と地球との間がこの絶妙な距離でなかったとすれば、そもそも生命は誕生していなかったといわれています。雨は大地を潤して、豊かな実りをもたらすだけでなく、貴重な飲み水にもなります。また、目には見えなくても、空気が私たちを包み込んでくれているお陰で生きていくことができます。この自然環境は、私たち人間だけでなく、多くの動植物の命を育みます。私たちは、他の動植物の命をいただくことで自分の命を維持していくという、重要なつながりもあります。
 次に、私たちの日々の暮らしが学校、家庭、地域をはじめとした社会というつながりの上に成り立っていることも見逃すことはできません。食事について考えてみましょう。
学校での給食は、栄養士さん、調理員さん、運搬に携わる人によって提供されていると考えがちですが、仕入れ先や商店さん、元をたどると生産者の方々がいます。そうした過程に携わる人の多くは、私たちにとって顔の見えない存在であり、日頃、あまり意識することはないかもしれません。しかし、この給食が私たちに提供されるまでには、どれほど多くの人たちが、どれほどの労力をかけてくれたことでしょうか。
 現代に生きる私たちは、完全な自給自足の生活を送っているわけではありません。一人ひとりが社会の一員として、それぞれの持ち場で役割を果たし、生活に必要な物品やサービスを提供し合うこと、さらにはその報酬を受けることで社会生活を成り立たせています。つまり、私たちは知らず知らずのうちに、実に多くの人たちとのつながりに支えられて今を生きているのです。
 この支え合いや助け合いに対して〝ありがとう〟という心を向けることは、社会というつながりの中にある一人ひとりの努力を正しく受け止め、お互いの存在や人格を尊重し合うことに通じていくのではないでしょうか。
 私たちを支えるつながりは、同じ時代に生きる人たちとの間にだけ存在するものではありません。現在の暮らしに不可欠な電気、水道、ガスをはじめとするライフラインも、警察・消防・交通機関などの公共財も、生活を支える社会制度やサービスも、日夜それを献身的に支えてくれる人たちのお陰で機能していることはもちろんです。しかし元をたどれば、それらは多くの先人たちが長い年月をかけて代々整備してきたものです。一朝一夕にできたものは、何一つないのです。過去に生きた先人たちの努力や苦労の上に、今を生きる私たちの豊かで快適な暮らしがあるということを忘れてはならないと思います。
 同じ時代に生きる人たちとのつながりが「横のつながり」であるとすると、先人たちとのつながりは「縦のつながり」となります。こうして一つひとつのつながりについて考えていくと、世の中には自分一人の力で成し遂げたと言い切れる物事がどれだけあるのかということを思わずにはいられません。
 私たちは、決して一人の力で生きているのではありません。様々なつながりの中で生きて生かされているといることを思うとき、「おかげさまで、有り難い」という謙虚で感謝の気持ちがわいてくるのではないでしょうか、仏教を例にすると「知恩」「感恩」「報恩」という言葉があります。これは、自分が数限りない恩を受けていることを知り、それらの恩に感謝して、恩に報いていくことの大切さを教えています。
 私たちは、自分を支えてくれている身近な人や社会との「横のつながり」に対しては、その「支え合い」に参画することで、受けた恩に報いていくことができます。一人ひとりがそれぞれの立場から社会の一員としての務めを果たすことで私たちの社会・学校生活は保たれ、将来にわたってよりよく発展していくことでしょう。
 また、親・祖先に代表される先人との間の「縦のつながり」の中で、過去に生きた人々の苦労や努力の上に今があるという事実を正しく認識し、その実績の上によりよい社会を築いていこうと努力することは、校訓の「立志」にもつながります。
 自分自身を支えてくれている「縦・横のつながり」を再認識し、いっそう強い絆を育んでいきたいものです。(ニューモラル№607号から引用)


 明後日から、全学年の道徳で「青少年相談員連絡協議会の学校支援ボランティア」を題材に授業を行います。道徳の授業を通して「社会とのつながり」、「今、自分たちにできること」、「これから取り組みたいこと」などの考えを深めてみましょう。


 令和2年6月8日 岡安 和彦

 

校長メッセージ  №19『 部活動の詩 』

校長メッセージ  №19 生徒のみんなへ『 部活動の詩 』

『 部活動の詩 』
  植木鉢に「           (部活動の種目など)」という種を植え
  毎日「 練 習 」という水を与え
「 努 力 」という 最高の肥料をやり
「 仲 間 」という友情の太陽を浴び
  顧問の先生に「 試 練 」という手間をかけてもらう
  そのように育てることによって
『          』という花をつける
  その花は一生心の中で咲き続けるのである  ※作者不詳
          
  今日、学年主任から令和2年度 夷隅郡市中学校総合体育大会の中止が決まったことを聞きましたね。吹奏楽部員は、5月後半に千葉県吹奏楽コンクールの中止を顧問の先生から聞いていましたね。
総合体育大会・コンクールは、3年生にとっては、集大成の場でした。

5月29日(金)作家の奥田 英朗(おくだ ひでお)さんが朝日新聞に寄稿しています。
『 明日は別の日にして 』
 人生で一番難しいことは、諦めることを赦す(ゆるす)ことである。大人でももだえ苦しむ難題に、まだ10代の君たちが直面しなければならないのだから、見ているわたしまで心が痛む。運命のいたずらと言うにはあまりにも残酷(ざんこく)で、かける言葉も簡単には見つからない。
 ただ、君たちより3倍以上年を重ねた人間として、生きるヒントをひとつ伝授しようと思う。君たちの憧れの、あるいは目標とする人物を想起してほしい。彼ならこんなとき、どんな態度をとるだろうか。
 わたしたちは、イチローさんや三浦知良さんんが泣き言を言ったところを見たことがない。彼らにも不遇の時期はあったはずだ。スランプに陥ったり、試合に出られなかったり、けがをしたり。それでも彼らは黙々と準備し、明日に備えた。常に前向き。それが一流の条件だと思わないか。
 もちろん君たちにそこまで要求しない。だから泣けばいいし、悔しがればいい。しかし今日だけだ。明日は別の日にしてほしい。
 君たちの世代にはきっと名前が付くだろう。今年はそれほど歴史に残る一年なのだ。10年後、20年後、おれたちは2020世代(仮称だよ)、だから逆境に強いんだ、そう言えるようになってほしい。
 天を恨まず(うらまず)、人を咎めず(とがめず)。それがどれほど大変なことか。大人はみんな知っている。だから、人類の危機はおれたちの世代が救った、それくらいのことを言ってもいい。私が認定する。

 県大会などの上位大会を目指していた生徒も多くいるでしょう。
 また、大会の結果よりも日々の鍛錬に手ごたえを感じて、人間的な成長を実感していた人も多くいるでしょう。

 部活動再開も、練習時間や内容も新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減させながら実施します。時間的な制限、3密の回避、用具の消毒等を徹底しての活動になります。
 そういった制限がある活動の中でも、部活動の意義、節目、引退、進路・・・と考えなければならないことが沢山あります。

 答えはすぐにでない。一緒に考えよう。


 令和2年6月1日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №18 『 勠力協心(りくりょくきょうしん) 』

校長メッセージ №18 生徒のみんなへ『 勠力協心(りくりょくきょうしん) 』

戮力協心 (りくりょくきょうしん)とは、全員の心をひとつにし、一致協力して物事を行うことです。
明日、6月1日(月)から学校が再開されます。
文部科学省による、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式」に基づき、教室での机の配置も変え、1.2mの距離を確保しました。今までは、縦横6席ずつでしたが、横7席、縦5席の配置、さらに互い違いにして距離を確保しました。
登校時間を分散させるための対策に加えて、裏坂上からは、学年ごとにレーンで区切り、ソーシャルディスタンスの表示もしました。授業では、フェイスシールドをつけて指導します。その他の様々な対策を講じます。
ひとつの心配があります。それはみんなの「油断」です。
緊急事態宣言が解除されましたが、〝After corona アフター コロナ〟ではありません。
今でもこの新型コロナウイルス感染症は、どんなに注意をしていても、だれもが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを改めて認識してください。
学校がクラスターになることだって考えられます。
「3密の回避」、「感染症の3つの顔」に留意しての学校生活です
学校・先生たちは〝With corona ウィズ コロナ〟の意識です。
生徒一人ひとりの命、ご家族の命を最優先にしながら、勝浦中学校感染症対応マニュアルを整備して授業などを再開するのです。(本校での新型コロナウイルス感染症の感染防止に係る取組については、ホームページ→メニュー→コロナ感染防止についてで確認できます。佐藤養護教諭が中心となり、共通理解、対策を講じています。)
今年度に入り、先生たちは、生徒・ご家族の健康・命を最優先に考えながらも、学習の保障をしようと、家庭訪問や郵送でのプリントなどの学習課題、添削などに取組みました。生徒を中心に「今するべきこと」を考えて、スピード感をもって取り組んだつもりです。〝Trial and error トライアル アンド エラー〟生徒のためになるなら即行動、その後に微調整をすればよし、と取り組みました。課題の添削、動画配信、オンライン朝の会やグラウンドの整備(トラック、フィールド、野球場、テニスコート)などです。このコロナウイルス感染症を機にこれからの学校生活につなげていけるものはなにかと〝from corona フロム コロナ〟を意識し、皆で同じ方向を見て取り組みました。
明日からの学校再開、『勠力協心』生徒、保護者、教職員、地域が心をひとつに一致協力してこの難局を乗り越えましょう。

作家の村上春樹さんがDJをつとめる「村上RADIO特別編 ステイホームスペシャル~明るいあしたを迎えるための音楽~」が、2020年5月22日(金)にTOKYO FM/JFMで放送されました。村上さんは、次のように話しています。紹介しますね。(一部抜粋)
「コロナとの戦いは戦争のようなものだと言う政治家がいます。でも僕はそういうたとえは正しくないと思う。ウイルスとの戦いは善と悪、敵と味方の対立じゃなくて、どれだけ知恵を絞って、協力し合い、助け合い、うまく保っていけるかという試練の場です。殺し合うための力の戦いではなく、生かし合うための知恵の戦いです。敵意や憎しみは不要なものです。簡単に戦争にはたとえてほしくない。」

令和2年5月31日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№17 「365日の紙飛行機」

校長メッセージ№17 「365日の紙飛行機」

 今日の学校は、職員会議、教科部会、全体研修、環境整備と分散登校に向けた準備を進めた。先生方の在宅勤務も今日からは、全員出勤とした。
 この新型コロナウイルス感染症への対応については、生徒の命・健康を一番に考えながらも、学習の保障、生徒同士の人間関係や絆づくりを考えなければならない。
 在宅の生徒に何ができるか。これまで、学校が中心となり担ってきた日々の教育。それが事実上、各家庭に委ねられる状況となった。
 家庭訪問での健康観察、課題学習、プリントの添削を郵送方式に変え、メッセージカードでの絆づくりなどを加えた。これらは、教職員で協議を重ねて取り組んできたことだ。
 生徒やご家族に感染者が出ないことに毎日胸を撫で下ろしている。どんなに注意していても、誰もが感染者、濃厚接触者になりうる状況には変わりはない。
 そのような中、生徒や保護者から寄せられる手紙や電話は大きな励みになる。また、交通事故、問題行動の報告がないことは、生徒の自覚を褒めたい。ただ、ゲームなどの時間が大幅に増えたり、生活リズムが乱れたりすることで、親から注意を受け反抗するなどして親子関係が悪化したり、お互いにストレス感じている家庭も多いのではないかと心配している。
 PTAの栗原会長さんからは、教職員にスポーツドリンク、緑茶、麦茶などの差し入れを頂いた。『先生方、大変ですが頑張ってください。』とエールを頂く。佐藤副会長さんからも激励を受けた。『何か困ったことがあったら遠慮なく言ってください。』と、本当に心強い。
 教職員の週の実践記録の反省の中に次のようなことが書かれていた。〝教育公務員として「全ては生徒のために」という言葉は、教師を続けていく上で絶対条件でありながら、追い求める姿である。最近思うのは、「全て生徒のために〟」という言葉である。自分が公務で行う仕事はもちろんだが、それ以外の部分での言動や生活そのものが、生徒に関わってしまうと考えると、休日の過ごし方一つをとっても注意しなければならない。ましてや全国で苦しんでいる人々が多くいる中、襟元を正して生活することも、生徒に迷惑をかけないという意味で生徒のためである。自分に何ができるか。考えて行動したい。〟
 今日、配信した「365日の紙飛行機~勝浦中学校バージョン~」には一つの想いがある。
学校再開や通常登校がいつになるかはわからない。3年生には大事な進路がある。〝中学校生活最後の〟という枕詞がついた学校行事や大会・コンクールなどもある。学業に励み、友と競い、友に学び、時に涙しながら、なりたい自分になっていく。卒業するとき「仰げば尊し」の心境にまで育てられるか不安もある。卒業していく生徒たちは、私たちの指導の鏡であり、そして「自慢の生徒」である。
 生徒が大人として生きていく時代は、「激動」「不確実性」「複雑性」「不透明性」が増すと言われている。そして、常に学ぶことが求められる時代になるだろう。大事な生徒たちが路頭に迷うことがないよう、できるなら志を立て、苦労はしながらでも自分の特性を生かし、手応えのある人生を送ってほしい。
 かけがえのない中学校生活。一日も無駄にしたくない。無駄にさせたくない。
この先、どうなるか見通しを持つことは難しい面もあるが、登校できる一日一日を本当に大切ししていきたいと強く考えている。本校、教職員も皆同じだ。
一年365日のうち、卒業までの日はあと何日か・・・。
〝風の中を力の限り ただ進むだけ その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか〟この歌詞に私たち教職員の想いをのせて。
 勝浦中学校307名の生徒へ

 令和2年5月15日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№16 「地域の絆」

校長メッセージ№16 「地域の絆」

来週から、分散登校が始まります。
職員室は、いつも以上に活気に満ちています。
先生方は、みんなの登校を心待ちにしています。
4月9日からの臨時休業も、今日で〝36日〟になりました。
ここまで、一人の感染者もなく、大きな事故もなく、生徒同士のSNS等のトラブルもありません。また、地域の方からの苦情等も一切ありませんでした。
これは、生徒皆さんの自覚と行動並びに保護者の皆様のご指導のお陰と、心から感謝申し上げます。また、この度の分散登校においては、バス等での通学者には、弁当の持参をお願いいたしました。生徒の健康面のことを一番に考え、なるべくお昼の時間帯に昼食をとらせたいと考えました。保護者の皆様には、ご負担をおかけいたしますが、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

今日は、始業式、入学式で渡した「布製マスク」について書きます。
3月、市中の商店には、マスクの欠品状態が続き、入荷の目処も立たない深刻な状況でした。
4月の学校再開を考えたとき、子どもたちの咳エチケットのマスクが必要でした。
各学校や市教育委員会に保管してあるマスクも限りがありました。
そこで、市のボランティア団体にお願いしてマスクを作れないかと考えました。
まずは、市婦人会、市赤十字奉仕団、市老人クラブ連合会(順不同)の会長さんに相談しました。
この3団体は、小・中学生に手作り防災巾着袋を毎年作ってくれています。災害時などで命をつなぐために、保護者負担で1リットルの水、アルファ米を購入し、それを入れる巾着袋を作ってくれている団体です。
この緊急事態に、子どもたちの命を守るために、マスクを縫製してほしいと打診しました。3団体の長は、子どもたちのためならと快諾をしてくれました。そして、早急に事務局、支部等と調整しますと話してくれました。
次に、材料の調達に市内の洋品店に行きました。社長さんに趣旨を伝えると、すぐに問屋に在庫確認をしてくれました。その場で、綿100%白色布、ゴムひもの調達に目処がつきました。さらに社長さんは、子どもたちのためならと、値引きもしてくれることになりました。
ここでひとつ課題がありました。布をサイズごとに裁断しなければならないのです。その数は2,200枚ほどです。
そこで、市内の縫製会社マコトソーイングさんに相談に行きました。
会社を訪ね「あのー。子どもたちのためにマスクを作りたいんです。この布を裁断してほしいんです。」『ああーいいよ!布をかしてごらん。んー。マスクだったらこっちの布がいいんじゃないかな。何枚作るんだっけ?』「2,200枚です。」『1枚作ってみるか。おーい!(2階から奥様を呼び簡単な説明をして、数分後に試作品ができました。)』「もうできたんですか?」『これポケットタイプになっているから、中にガーゼやキッチンペーパーなど入れられるよ。』「布は市内の洋品店さんで購入することになっているんです。」『布を買うのか。これ子どもたちのためだろ。いいようちで用意するよ。お金はいらない。』「えっ!いやぁ。」『だって子どもたちのためでしょ。ゴムひももミシン糸も提供するよ。』
数日後、S・M・Lサイズに裁断された白布とゴムひも、ミシン糸が届きました。
Sサイズは、幼児、小学校低学年用、Mサイズは、小学校中・高学年用、Lサイズは、中学生用です。(あとで、わかったのですが、このマコトソーイングさん、パリコレクションの衣装やEXILEの衣装なども手がける凄腕縫製会社なのです。)
そして、早速、3団体の長を教育委員会にお呼びし、材料を手渡しました。
それぞれの縫製枚数を確認し、縫製作業の調整に入りました。
総野地区では、婦人会、赤十字奉仕団、老人クラブ連合会が合同で縫製作業にあたりました。婦人会長さんは、作業がスムーズに進むようにと、前々日、前日と夜なべ作業をして、アイロンで折り目をつけたとのことでした。
1枚、そして1枚とマスクが出来上がると、検品、アイロンでの滅菌作業が行われました。この作業は2日間行われ、この他にも市内の集会所や会員の家庭で縫製が行われ、3月末には、依頼した2,200枚全てが市教育委員会に納品されました。
こういった支援者、ボランティア方々の尽力によって、布製マスクが作られたのです。

みなさんは、どのように感じましたか?
この勝浦には、共助の精神に富んだ〝地域性〟があります。
その地域性・文化を創っているのは〝人〟と〝歴史〟だと思います。
分散登校に心が弾みますが、改めて、みんなのことを大切に想って支援してくれている方々のことに思いを巡らせてください。
人って、誰かに支えてもらっている。大事に思ってくれている。応援してくれている。見守ってくれている。と感じると、安心や勇気につながると言われています。


3月の上旬、市役所のロビーで小学校低学年位のお子さんを連れているお母さんに声をかけました。「お子さんのマスクはどうしていますか?」『いけないとわかっているんですが・・・不織布のマスクを洗って使い回しています。』


無償提供していただいた縫製会社の方、一枚一枚丁寧に縫製してくれたボランティア団体の方々の想いを受け止め、感染防止への取組を継続するとともに、学校を再開できる喜びを感じて生活したいですね。
登校途中にすれ違った人が、マスクを作ってくれた方かもしれないね。

絆の糸は見えない。でも、みんなのことを大切に想って絆の糸を紡いでくれている人たちがいる。


今、新型コロナウイルス感染症に関係して、「分断」か「団結・共存」と話題になることが多いですね。分断は、小さな出来事や気持ちのすれ違いから始まるとも言われています。
私たちは、支援者の皆さんに感謝するとともに、団結を意識して行動したいですね。

今日の〝36〟日に5をつけた「勝浦中学校〝365日の〇〇〇〇〟」プロジェクトの動画を明日、配信する予定です。
楽しみにしていてください。

令和2年5月14日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№15 「分散登校」

校長メッセージ№15 「分散登校」

来週から分散登校が始まります。
日課、持ち物等はホームページの「お知らせ」で確認してください。
また、明日、明後日に担任の先生から連絡がありますので、聞きたいことがあったら遠慮なく質問してください。
分散登校は行うものの、文部科学省から出されている「学校運営上の工夫」を参考に、教室での机の配置は2mの距離を確保することにしました。そのため、一つのクラスを複数のグループに分けます。また、トイレ等、密集が予想される場所には、距離を確保するための目安となる表示などをしました。
さらに、バス等の下車後、距離をとって歩くなどの指導も行っていく計画です。徒歩通学や自転車通学の生徒も、密接にならないように意識して通学するようにしてください。

先生たちは、みんなの安全を確保するたこと、そして学習を保障するために、協議を重ねています。
前例のないことで模索する日々ですが、教職員の「和・輪」を大事に共同体になって準備を進めています。


本校の休業期間中の家庭学習支援の取組をテレビ放映で観た先輩の先生から次のようなコメントをいただきました。
『言うは易く行うは難し』
『一人の百歩より、百人の一歩』
〝あれやろう、これやろうと言うものの、実際に事を起こすということは大変なことだ。正解かどうかの答えは後からでる。〟
〝この予測不能な状況下、一人が大きく牽引することより、それぞれの教職員が自分の力をいかんなく発揮して、一歩を踏むことこそが難局を乗り越える鍵だ。〟


本校の教職員は、「生徒一人ひとりのことを大切に想い、知恵を出し合い、必要だと考えることをスピード感をもってやろう!」とまとまっています。


私が、仕事上で判断に迷ったり、不安に陥ったりしたときに聴く曲の歌詞の一部を紹介します。
 「終わりなき輪舞曲」C&K 
〝 生まれてから僕たち人間は、答えのない問いを解いている
  信じた道をひた進め、やり抜いて見せつけてやればいい
  理屈や御託を並べてる、日和見な気持ちには未来はない
  感じたものを掴み取れ、蓄えれば明日への糧 〟

分散登校を前に、予防・衛生対策、登下校の安全指導、教科指導の準備、家庭学習の添削、電話連絡、環境美化・整備等々、汗する教職員から学ぶ日々の中で、先輩の言葉を思い出しました。
『生徒には愛情を! 仕事には情熱を!』

令和2年5月13日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№14 「学校再開」

校長メッセージ№14 「学校再開」

〝韓国のクラブで集団感染 学校の再開を延期〟
外出自粛要請が解除されたばかりの韓国で、新型コロナウイルスの集団感染が再び発生し、13日以降に予定されていた学校の再開が1週間延期された。
集団感染は、ソウル市内のクラブを訪れた20代の男性を中心に広がり、当局によると、これまでに確認された関連の感染者は94人にのぼる。
また、接触が疑われる人は5,000人以上で、感染は全国に広がっている。
この事態を受け、韓国政府は生徒の安全を保証するため、13日以降に順次再開する予定だった学校の登校再開を、1週間延期することを決めた。
今後の感染拡大の状況によっては、さらなる延期の可能性もあるとしている。(2020年5月12日 FNNニュース)

学校再開を心待ちにしていた児童・生徒の気持ちを考えると・・・
対岸の火事ではありません。
ここで気を緩めてしまったら、2週間後の学校再開の判断に影響すると思います。


千葉市の中学校に勤める元同僚からメールがきた。
〝勝浦中学校の取組を見習って、学級の生徒からメッセージを集め、掲示物を作成しています。掲示物のタイトルは『 繋がれ 3-C!! 』〟

千葉県教育委員会が作成した「臨時休校中の生徒の心のケアについて」のリーフレットの中に、勝浦中学校の取組が載っています。このリーフレットは、千葉県内の公立中学校・高等学校の生徒に配付されます。

リーフレット

昨日、学校再開のニュースを観た。とても羨ましく思った。
一日も早い学校再開を願う日々です!
みんなの想いはひとつ! ここで気を緩めないようにしよう!



令和2年5月12日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№13 『 ウイルスの次にやってくるもの 』

校長メッセージ№13 『 ウイルスの次にやってくるもの 』


ウイルスから身を守るためには?
きちんと手を洗うだけで、感染する確率はぐんと下がる。
でも心の中にひそんでいて、流れていかないものがある。
そいつは、お腹を空かせているみたいで、暗いニュースや間違った情報をたくさん食べて、どんどん育って、そして、ささやく。
先の見えない状況を、「もうみんな助からない」と。
誰にもまだ分からないことを、「誰かが隠しているのだ」と。
そいつは、人から人へと広まっていく。
「あの人が病気になったのは、誰のせい?」
「ウイルスが広まったのは、あいつのせいだ!」
「世界がこうなったのは、あいつのせいだ!」
そいつは、まわりに攻撃をはじめる。
人と人が傷つけあい、分断が始まる。
そいつは脅かす。
「もしも感染していたらどうする?」
「あんな風に言われたらどうする?」
みんな熱があっても、隠すようになる。
具合が悪くても、元気なふりをするようになる。
もう誰が感染しているか分からない。
ウイルスがどんどん広がっていく。
鏡を見ると、そこに、もう、あなたは、いない。
そいつの名前は、『恐怖』
ウイルスの次にやってくるもの。
もしかしたら、ウイルスよりも恐ろしいもの。

私たちが、恐怖に飲み込まれる前にできること。
〝恐怖に餌を与えない。〟
ときには、パソコンやスマホを消して、暗いニュースばかりを見すぎるのはやめよう。不確かな情報をうのみになないで、立ち止まって考えよう。
〝恐怖のささやきに、耳をかさない。〟
恐怖は、話を大げさにして、おびえさせる。
誰にもまだ分からないことは、誰にもまだ分からないことでしかない。
そのままを受け止めよう。
〝恐怖から距離を取る。〟
避難や差別の根っこに、自分の過剰な防衛本能があることに気づこう。
冷静に、客観的に、恐怖を知り、見つめれば、恐怖はうすれていくはずだ。
〝恐怖が嫌がることをする。〟
恐怖が苦手なものは、笑顔と日常だ。
家族や友人と電話して、笑おう。
いつものように、きちんと食べて、眠ろう。
恐怖は逃げていくだろう。
〝恐怖は、誰の心の中にもいる。〟
だから励まし合おう。応援しあおう。
人は、団結すれば、恐怖よりも強く、賢い。
恐怖に振り回されずに、正しく知り、正しく恐れて、今日、わたしたちにできることを、それぞれの場所で。
(日本赤十字社〝ウイルスの次にやってくるもの〟アニメ動画配信中)


昨日は、『母の日』だった。
一人暮らしをする母にカーネーションを届け、短い時間、話をした。
『母の日』の由来は、1860年代のアメリカ南北戦争の時代に遡る。
カーネーションの花言葉を調べてみた。(花キューピットより)
●赤色 「母への愛」、「熱烈な愛」、「愛を信じる」
●白色 「純血の愛」、「尊敬」、「あなたへの愛情は生きている」
●ピンク色 「温かい心」、「感謝」、「気品・上品」、「美しい仕草」
●紫色 「気品」、「誇り」
●オレンジ色 「純粋な愛」、「清らかな慕情」、「あなたを愛します」
●青色 「永遠の幸福」
●黄色 「美」、「友情」

花屋さんの店先に並ぶ色とりどりの鉢花の中から、白色のカーネーションを選んだ。
私が抱く母への想いは「尊敬」だ。

下は、佐藤養護教諭、案出!
勝浦中学校、生徒・保護者・教職員、一致団結だ!

令和2年5月11日 岡安 和彦

 

校長通信№12 今日は5月8日 「ハチ・HACHI」の日

校長メッセージ №12 今日は5月8日 「ハチ・HACHI」の日


 ちょっと一息いれましょう。


 「忠犬ハチ公 物語」 毎日,主人の帰りを待つ犬

 ハチ公が一躍有名になったのは、昭和7年10月4日の朝日新聞に「いとしや老犬物語 今は亡き 主人の帰りを待ちかねる7年間、東横電車の渋谷駅 朝夕真っ黒な乗降客の間に混じって、人待ち顔の老犬がある。」 という大きな記事が載ったのがきっかけでした。

 ハチの初代の飼い主は上野 英三郎 博士(三重県出身)といいます。
明治28年に東京農科大学農学科を卒業され、大学院を経て東京帝国大学に勤められながら、農商務省、内務省を兼務されて、耕地整理、土地改良事業の計画に参与されました。
わが国の農業土木工学の創始者として大変高名な学者として知られています。
博士のご自宅は渋谷駅から歩いて5分くらいのところにありました。
現在の東急百貨店本店「Bunkamura」松濤1丁目の辺りに約200坪の敷地があったそうです。
 博士にはお子様が無かったこともあって、ハチは大変可愛いがられ、博士の温情を一心に受け止めて育ったと聞きます。しかし、残念なことに,その幸せは長くは続かず、博士のところへ来てから17ヵ月後の大正14年5月、博士は大学の教授会で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

 ハチは、博士没後、日本橋大伝馬町の堀越という呉服問屋で暮らすようになります。しかし、しばらく暮らした後、7月中旬に浅草三筋町の高橋 子之吉さんの家に連れて行かれ、その後に出入りの植木屋 小林 菊三郎さんへ引きとられていきました。小林 菊三郎さんの自宅は三軒茶屋にあり、そこからも渋谷駅まで通い続けていたそうです。

 当時の吉川渋谷駅駅長にも可愛がられ、ハチは昭和10年3月8日、11歳余りで一生を閉じました。その最後は,普段行かなかった駅の反対側にある稲荷橋付近(渋谷3丁目)で、ひっそりと死んでいたそうです。
 亡き主人を待ち続けたハチ。没後,一番友達の多かった渋谷駅に運ばれると町内の人達が集まり、その亡骸は花束に埋もれたそうです。
 駅周辺の焼き鳥屋が与えるえさが目当てで、ハチが駅に通ったと言う人も いますが、忠犬ハチの一途な姿は今も変わらず人々に感銘を与え続けています 。
現在、ハチの亡骸はハク製となり上野の科学博物館に保存されています。
 上野博士のご遺骨は三重県の上野家累代の墓に埋葬されましたが、東京青山墓地にも分骨が埋蔵されています。
 その横には寄り添うように愛犬ハチが「ハチ公の碑」となり埋葬されています。


 5月も、今日が「8」、明日が「9」、明後日が「10」と、指折り数える毎日です。
 みんなと同じように、先生たちも学校再開を心待ちにしています。
 今日、郵送した課題には、音楽、美術、技術家庭科、保健体育の学習も含まれ、全ての教科となりました。

 感染防止への徹底した取り組みを継続してください。
 生徒と教職員、心をひとつに学校再開に向けて「二人三脚」です。

 令和2年5月8日 岡安 和彦

 

校長メッセージ№11 「感染症の〝3つの顔〟」

校長メッセージ№11 「感染症の〝3つの顔〟」

 

緊急事態宣言が延長されました。学校再開に向けて、気を緩めないようにしましょう。

先生たちは、みんなのことをとても心配しています。

生活リズムや健康のこと、学習・運動への取組状況、ストレス・不安に対しての対処などのことです。

今日は、新型コロナウイルス感染症の「3つの顔」について、日本赤十字社のホームページに掲載されているものを引用・参考にして、みんなに紹介します。

 

新型コロナウイルス感染症が怖いのは、「3つの感染症という顔」があることです。

知らず知らずのうちに私たちも影響を受けていることを知っていますか?

この3つの感染症は〝つながっていて〟私たち一人ひとりが気をつけないと感染症は力をつけていってしまいます。

ウイルスがもたらす1番目の感染症は、「病気そのもの」です。

このウイルスは、感染者との接触などでうつることがわかっています。

感染すると、風邪症状や重症化して肺炎などを引き起こすことがあります。

次に2番目の感染症は、「不安と恐れ」です。

このウイルスは見えません。ワクチンや薬もまだ開発されていません。

わからないことが多いため、私たちは強い不安や恐れを感じ、ふりまわされてしまうことがあります。それは、私たちの心の中でふくらみ、〝気づく力・聴く力・自分を支える力〟を弱め、瞬く間に人から人へ伝染していきます。

3番目の感染症は「嫌悪・偏見・差別」です。

不安や恐れは、人間の生き延びようとする本能を刺激します。そして、ウイルス感染にかかわる人や対象を日常生活から遠ざけたり、差別するなど、人と人との信頼関係や社会のつながりが壊されてしまいます。

本当の敵は、ウイルスだったものが、いつの間にか敵がすりかわってしまうのです。

特定の人、地域、職業などに対して〝危険・ばい菌〟といったレッテルを貼る心理によって差別や偏見は起こります。

この感染症の怖さは病気が不安をよび、不安が差別を生み、差別がさらなる病気の拡散につながることです。

みんなも、ウイルスに関する悪い情報ばかりに目が向いていたり、なにかとウイルスに結びつけて考えたりしていませんか。

「あの人咳している・・・ コロナなんじゃない」

「あの人のお家の人、医療関係の仕事をしているらしい、やばいんじゃない」

「昨日から熱があるけど怖いから黙っていよう・・・」

このように思い、行動することから感染症は広がっていきます。

 

さて、これらの感染症を防ぐために、私たちはどのような工夫ができるのでしょうか?

1の感染症を防ぐためには、一人ひとりが衛生行動を徹底しましょう。

「手洗い、咳エチケット、人混みをさける」など、ウイルスに立ち向かうための行動を、自分のためだけではなく、周りの人のためにもすることが大切です。

2の感染症にふりまわされないために注意することは、生活習慣を整え、自分のペースを大事にすること。今やるべきことを整理して、集中して取り組む時間をつくること。安心できる大人や友人とつながりをもつことです。

3の感染症を防ぐためには、確かな情報だけをひろめ、差別的な言動に同調しないようにしましょう。また、社会それぞれの場所で感染を拡大しないように頑張っています。

「小さな子どもや高齢者のいる家庭」「治療を受けている人とその家族」「自宅待機や自宅で仕事をしている人」「医療従事者」「日常生活を送って社会を支えている人」などです。

この事態に対応している全ての方々に〝ねぎらい・敬意〟をはらいましょう。

このように新型コロナウイルスは、3つの「感染症」という顔を持って、私たちの生活に影響を及ぼします。

このウイルスとの戦いは、長期戦になるかもしれません。

それぞれの立場でできることを行い、みんながひとつになって負のスパイラルを断ち切りましょう!

 

私見ではありますが、〝 with corona〟の視点を持つことも大事ではないかと考えます。

私たちは、必ずこの新型コロナウイルス感染症を乗り越えます。

after corona 〟と言える日が、いつになるかはわかりません。

それでも、「今」の積み重ねが未来を創ります。

令和2年5月7日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №10 「支援に感謝」

校長メッセージ №10 「支援に感謝」

 昨日の朝のニュースを見てあ然としました。
 宅配便の配達員さんのインタビュー
「呼び鈴を鳴らし、ドアが開くといきなりアルコールスプレーを吹き付けられた。目がひどくしみた。それ以上に心が痛かった。ドアの前に置くこともできたのに・・・」
宅配便の配達員さんのように、社会機的能を維持するために日夜働かれている方のことを海外では、エッセンシャルワーカーと呼ぶそうです。医療従事者、医療関係者、介護職員、スーパーやドラッグストアの店員、配達員、バスの運転手、駅員、ゴミの収集業務にあたる人たちなど、私たちが生活を営む上で欠かせない仕事に従事されている方々のことを言います。感染リスクと背中合わせの中、気概を持ってお仕事されている方々です。
 偏見、差別などのことを「第3の感染」と言います。みんなはどう感じましたか?
 また、こんなニュースもあります。宮崎県高原町では、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため県境をまたぐ移動が自粛されているなか、大型連休中に故郷に帰省できない子どもや孫に贈る食べ物などの送料を肩代わりする取組を始めました。」
 連休中、帰省や行楽、不要な外出などを我慢しましょう。ここで気を緩めないようにしてください。

 学校には、みんなから課題やクラスメイトに宛てたメッセージが届いています。
 メッセージの一部を紹介します。
 「不安な気持ちが続いていると思います。でも、今を乗り切れば、また笑顔で会うことができるので、みんなでがんばりましょう。」
 『みんな元気にしていますか。休み中、課題がたくさん出て大変だけど、コツコツやって頑張ろう。私は早く学校に行きたいです。そしてみんなと会ってたくさん話をしたり、勉強したいです。そんな日が一日も早く訪れるのを願っています!』
 「今、我慢すればきっといいことあるから。今は自宅で勉強して、早く新型コロナウイルス感染症が収まるように頑張ろう!」
 みんなのメッセージは「学級通信」となり、みんなのところに届けられます。
 生徒同士の心の交流〝学級づくり・絆づくり〟が始まっています。
 返送される課題の中に、生徒や保護者からお手紙をいただきます。
教職員に対しての〝応援メッセージ〟です。こういった応援メッセージを全教職員で共有しています。私たちも前例のないことで模索する日々が続います。このような応援メッセージに元気・勇気をいただいております。
  また、学校の教育活動に対する市教育委員会の支援についてお伝えします。
 昨日、お伝えしたグラウンドなどの整備、課題の郵送関係など、全面的に支援をしてくれているのが市の教育委員会です。
 学習課題についても、当初の計画では週に2回の家庭訪問でしたが、厚生労働省クラスター対策班の北海道大学教授の会見を受けて、家庭訪問から郵送方式に変更したいと市教育委員会相談しました。急な要望にも予算対応を決めてくれました。こういった支援のお陰でみんなの学習が保障されているのです。


 今日は、2年生職員が「郷育(さといく)プロジェクト〝田植え体験〟」を行いました。
 勝浦市大森在住の渡邉 浩臣さん(元勝浦市消防団 団長)さんのご厚意によるものです。
勝浦中学校の生徒のためにと様々な準備を整えてくれました。臨時休業が延長されたため、みんなに代わり職員で田植えを行ってきました。この様子は、後日、ホームページに動画配信します。
 この稲作体験学習は、今年で3年目を迎えます。体験後の報告書からは、「お米一粒の大切さがわかった。これからは、最後の一粒も残さないようにしたい。」と書く生徒が多いことに驚きます。体験から学ぶということです。

 このように、行政や地域の方々が勝浦中学校のことを支援してくれています。
 そういった支援や応援に応えるためにも、今やるべきことに精一杯取り組もう。

 課題や運動、家事などに能動的に取り組んでみよう!
 きっと、さわやかな気持ちになれるぞ!


 令和2年5月1日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №9 「前を向く!」

校長メッセージ №9 「前を向く!」

 休校が延長になりました。
 生徒のみんなは、とてもがっかりしていることでしょう。
 1年生は、3月から3ヶ月・・・ そして、入学式、新しい制服の袖を通し、「さぁ!勉強に部活動がんばるぞー!!」と意気込んでいたことでしょう。
 2年生は、いよいよ先輩となり、後輩たちに優しく中学校生活のこと教えてあげたいと考えていたでしょう。また、中堅学年として勉強、部活動により一層力を入れようと思っていたでしょう。
 3年生は、最高学年として、委員会活動を牽引し学校全体をさらに活気のあるものにしたいと考えていたでしょう。また、部活動では三年間の集大成として、総合体育大会、コンクールに〝完全燃焼〟の意気込みで臨もうとしていたことでしょう。そして、義務教育のまとめとして、自分の決めた進路の実現に向けて、悔いの残らない日々を送ろうと心に強く決めていたことでしょう。

 休校延長
 それでも〝前を向こう!〟〝前を向いて進もう!〟
 先生たちも、模索する日々です。
 学習面では、課題の準備・印刷、郵送、添削と生徒一人ひとりのことを大切に想って業務にあたっています。週に2回ほど、健康観察と課題の進捗状況などを確認するため、電話連絡をしています。電話をしている学級担任や学年の先生方を見ていると、とても嬉しそうです。
 5月に計画されていた体育祭のためにと、市教育委員会、都市建設課の協力をいただきながら、保健体育科の先生方を中心にグラウンドの整備を進めました。トラックには、水はけのよい砂を入れ、整地をし、転圧をしました。フィールドには、赤土を入れ、トラクターで攪拌(かくはん)、整地をし、明日以降に、芝を植え、クローバーの種を蒔く計画です。
勝手に名付けましたが、「勝浦中グリーンプロジェクト」です。
 体育祭という舞台で、生徒一人ひとりが躍動する姿を思い描いて、先生たちもがんばっています。
 また、テニスコート、野球場も整備しています。テニスコートの支柱は、青色ペンキで塗りました。コートテープも見えました。ネットも替えますよ。
 野球場は、ピッチャーマウンドに土を入れ高くしました。内野もトラクターで土を攪拌して軟らかくしました。思い切りスライディングができますよ。
 先生たちも手探りですが、みんなのためにできることを一生懸命がんばっていきます。
 さぁ! 前を向くぞ! 心をひとつに! 勝浦中学校307名 前進!


 令和2年4月30日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №8 「語り部」

校長メッセージ  №8 「語り部」

 平成30年6月22日のこと覚えていますか。
 東日本大震災「語り部」講演会 会場:キュステ
 佐藤敏郎さんを案内役に、震災当時、小学校4年生、5年生だった「語り部」を勝浦に招いた。
 きっかけは、通勤途中に聞いていたFM放放送。当時小学生だった被災者が震災のことを語り継ごうと「語り部」の活動をしている。その活動の本が出版された。本の題名は、「16歳の語り部」
 昨日、神戸での活動を書いた。活動の中で〝きついな〟と感じたのが、避難所での弁当の配付だった。避難所で「弁当の配給を始めます!」とアナウンスすると、すぐさま長蛇の列ができる。一個ずつ声をかけながら手渡していく。お年寄りの女性が「兄さん、旦那が寝たきりなんや。もう一個くれへんか。」『一人ひとつという決まりです。本当にごめんなさい。』またある時は、最後の一つを渡し終えた後、目の前にいたのは小学校低学年の女子児童だった。目いっぱいに涙をため、しばらくそこから動かなかった。なんて声をかけていいかわからなかった・・・
 東日本大震災の後、後輩に誘われ、同僚たちと宮城県に向かった。当時、勤務していた学校の保護者が救援物資を集めてくれた。マイクロバス1台、2トントラック1台がいっぱいになるほどになった。その中に、豚汁の具材や鍋、ガスボンベなども積み込んだ。被災している方々に、温かいものを食べさせようと考えた。仙台の学友と連絡をとり、支援先を相談した。友人からは、石巻辺りがまだ救援物資が足りないようだと聞いた。目的地を石巻に決めたアクセルを強く踏んだ。
 ところが現地に着くと自分たちの甘さを痛感させられた。
 石巻に着くと、テレビで見た〝あの光景〟を目にした。また、テレビに映らない現状も見た。路上にご遺体があるのだ。〝真っ黒いかたまり〟のように見えた。
 避難所を探して早く救援物資と炊き出しをしたいと気がはやる。しかし、なかなか見つからない。路上を歩く人に避難所の場所を聞いたところ「女川に行ってやってけろ。」と言われた。急いで女川に向かった。何せ自分たちがここに居られるのは明日までだ。
 町境の坂道を越えると絶句した。この状況で人は生きているのだろうかというような惨状だった。避難所の町民体育館にたどり着いた。町の職員であろう担当者に声をかけ、支援物資を下ろした。そして、一気に炊き出しの準備に取りかかった。すると担当者が聞いてきた。「何食準備できますか?」『300食位です。』すると担当者は、「炊き出しはやめてください。ここには約2000名の方が避難しています。まだ一度も温かいものを食べていません。暴動が起きます。すぐに車に積んでください。」『はい。』これが避難所の現実だった。従うしかなかった。
 次の避難所を探した。お寺に50名位の方が避難していた。結局、そこに食材など全てを置いた。とてもやるせない気持ちだった。これが正解だったのか。支援物資を提供いただいた皆さんの想いは届けられたのだろうか。
 16歳の語り部の著者の一人である雁部 那由多(がんべ なゆた)くんは当時のことを次のように語っている。『僕が見た大人たち 避難所生活のことは今でも強く印象に残っています。震災当時、テレビやネットでは、救援物資が配られるとき「被災地の人たちはきちんと整列していて順番を待っていた」とか「平等に仲良く分け合った」とかそういう美しい光景が映し出されているようです。でも僕の目に映ったのはそんな美しいものばかりではありませんでした。大人たちがわぁーっと配給場所に群がり、物資を取り合っていたことがありました。子どもに物資が回ってこないことだってありました。生きるか死ぬかという状況になったとき、人はどうしても自分優先になる。』
 新型コロナウイルスが感染拡大をして、医療崩壊、社会機能が崩壊したらどのようになるのだろうか。みんな心のどこかで〝そんなことは起きない。大丈夫なはず〟と思っていないかい。私たちも大人としてみんなに具体的にアドバイスしたいんだけど、私たち大人も初めて経験することばかりで、みんなに〝こうすれば大丈夫〟と強くいえないところもあるんだ。
 語り部講演会の中で、「女川いのちの石碑プロジェクト」が紹介されていたね。当時の女川町の中学生たちが、〝1000年先の命を守りたい〟そんな思いを胸に、社会科の授業を通じて、新しい防災プランを考えた。それは、①絆を深める、②高台への避難ルート、③記憶に残すという3つからなるテーマだった。その記憶に残すという企画は「津波が襲ってきた高さの地点に石碑を立てる」というものだった。〝大人たちに頼ってばかりいられないと〟自分たちで100円募金から始めた。21基、総工費約1000万円のプロジェクトである。途方のない額と思われたこの取組も現在17基の石碑が竣工している。
 私は思う。みんなもこういった知恵を出し、行動する力がある。
 一日も早い学校再開を強く願う。
 また、再開後の学校生活を考えたとき〝みんなの知恵〟〝みんなの主体的な行動〟が必要だ。この困難な状況を乗り越えたことを、後輩たちに受け継いでいくために。

 令和2年4月28日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №7 「自分ができること。」

校長メッセージ №7 「自分ができること。」


 この新型コロナウイルス感染症は、災害級の感染症だと話す専門家もいる。
 この「コロナ」ラテン語で王冠という意味がある。ウイルスの形が王冠に似ていることからこの名前になったそうだ。今まで、コロナといえば、皆既日食の時に見られる美しい太陽の大気層「太陽コロナ」だけだった。
 災害といえば、みんなは何を思い出すだろうか。東日本大震災の大津波、昨年秋の台風15号、19号の風水害だろうか。
 私は、阪神淡路大震災、東日本大震災、常総豪雨災害、熊本地震、台風19号災害にボランティアに行かせてもらった。常総と熊本に関しては、業務としての意味合いが強かった。生徒たちが自ら集めた義援金・支援物資、手紙、掲示物などを現地に届けた。
 初めて災害支援を行った1995年の阪神淡路大震災。この時、私は市役所に勤めていた。急に思い立ち、神戸市長田区で支援活動を行った。4日間不眠不休に近かった。神戸朝日病院で支援活動を行っていた時、柏市から着たという少年2人と出会った。同じ千葉県ということで、親近感を持って活動した。病院のトイレの清掃、病院内保育所に預けられている幼児との外遊び、避難所での弁当配付、支援物資の配給、炊き出しなど様々な業務にあたった。
 3日目の夜、AMDA(当時:アジア医師連絡協議会)事務局と、医療支援の打合せを終え、遅い夕食をとっていた時、少年2人近寄ってきて突然話し出した。「俺たちは、中学3年生なんだ。驚いた? 学校が嫌いでフリースクールに通っている。学校の先生たちはうざいだけ。」『ん!突然なに?』「あんた先生になりなよ。いい先生になるかも。明日、気をつけて帰って。俺たちはしばらくここにいる。」そのことだけがきっかけではないが、そういった出来事もあり、1年後、教員採用試験を受けることにした。
 神戸から帰宅した日、母親から「父親が発熱しているが病院に行かない。なんとかしてくれと・・・」懇願された。一日、様子をみるということにして翌日は出勤した。帰宅後、高熱となっていたため、すぐに病院を受診する。重い肺炎と診断され、すぐに入院となった。その後、約ひと月の入院治療、看病の甲斐もなくあの世へと旅立った。
 この新型コロナウイルス感染症、風邪に似た症状が急に悪化し肺炎になるといわれている。つい父親の闘病のことを思い出し胸が締め付けられる。今でも受診の判断を遅らせたことや看病に悔いが残る。亡くなった人は戻らない・・・ 
 前半で災害支援のことを書いたが、災害支援先では、全国から来たボランティアと一緒に活動する。全国から支援者が集まるわけだ。国を超えた支援物資も集まる。そういった視点で考えると、今回の新型コロナウイルス感染症を災害級と捉えても、広く支援活動すら行うことができない。それは、ウイルスの正体がわからないし、特効薬やワクチンも開発されていない、どのように収束していくのか全くわからないからだ。また、この感染症は、日本だけでなく世界同時多発的に感染を広げている。国や都道府県を超えた人的支援などもできない状況下だ。
 医療現場が窮地に立たされているとよく報道される。神戸での経験のなかで、院内保育所の幼児と外遊びをした時、保育士さんから「この子たちの多くは1週間以上自宅に戻れないの。」と聞いた。医師、看護師さんたちの子供たちだという。今、日本全国の病院で医療に従事されている方々のことを思うと、敬意と感謝の気持ちを通り越してどのような言葉で表現していいのかわからない。自らの感染リスクと背中合わせの中、感染者の治療と感染拡大防止に献身的に業務にあたられている。
 このようなことに考えをめぐらせると、改めて自分にできることは、感染防止対策を徹底することと、不要不急の外出をしないことだと強く思う。感染拡大防止、医療崩壊を防ぐには一人ひとりの責任ある行動が鍵を握る。
 社会全体が一日も早く元の生活に戻るため、一日も早い学校再開のために、改めて自分ができることを考えてほしい。油断すると自分が家族に感染を広げてしまうことだってある。
 最後に、医療従事者・医療関係者やエッセンシャルワーカーの方々への偏見・差別を私は決してしません。


  令和2年4月27日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №6 「4つのCH」

校長メッセージ №6 「4つのCH」

Pinch
Chance
Change
Challenge

この言葉に共通しているものはすべての単語に「CH」が含まれています。
この4つの単語からどのようなことを連想しますか。

例えば、「進級して、今年こそは家庭学習を毎日2時間頑張ろうとスタートしたものの・・・ なかなか実践できない。どうしよう・・・」
こうゆう人がいたら、次のように考えてみてください。
①Pinch(ピンチ.危機) I′m  in  a  Pinch
  このままでは、成績アップも期待できず、目標点数や順位、ましや志望校なんて・・・
危機的状況だ!!
②Chance(チャンス.好機)
 でも待てよ! この危機的状況は自分を変えるチャンスだ! 今、気づいてよかった。
今なら間に追う、時間も十分にあるぞ! 目が覚めたぞ!
③Change(チェンジ.変化)
 よーし時間の使い方を変えるぞ! まずは、毎朝6時半に起床して午前中に課題に取り組もう! 先延ばしの考え方を変えてみる。今までの生活を変えてみる!
④Challenge(チャレンジ.挑戦)
 よし!決めた! あとは自分を信じて、挑戦あるのみだ! 私はできる! 挑戦している自分は輝いているぞ!
 
今、不要不急の外出を自粛しなければならない。
「命」を守る取り組みを最優先にしているものの、不安や閉塞感がつきまとう。
そのような状況下ですが、後ろ向きに考えずに、前向きに考えることも大事です。
思い切って〝何かを変えてみたら〟新しい発見や新しい自分に出会うことにつながるよ。

 令和2年4月24日 岡安  和彦


 

校長メッセージ №5 「努力の壺」

校長メッセージ №5 「努力の壺」

 目の前に大きな壺があります。
 子どもがそのまま入ってしまうような大きな土製の壺です。
 その壺には、『次の定期テストで上位10番以内に入りたい!!』という札がつけられています。 
 その壺には、一日1時間家庭学習をするたびにコップ1杯の水が入れられます。
 つまり、コップ1杯の水が「努力」なのです。
 最初のうちは、水を入れても入れても、水が増えた気配すら感じられません。どれ位水がたまったかを見たくても、大きな壺なので伺い知ることもできません。
 人間には、弱い心があります。途中で「無理な努力はやめようかな・・・」「明日、今日の分をやればいいさ。」「無駄な努力はやめてしまおう・・・」と自分自身の努力に疑問を持つようになります。そして、コップに水を入れるのをやめてしまうのです。
 強い心を持った人もいます。「毎日続けるなんて自分にはできないのではないか・・・」という、悪魔のささやきにも負けず、初心を貫く人です。
 毎日、コップに水を入れていると、ある時、水の音が変わってきたことに気がつきます。水を入れると、「ポチャン!」と音がするからです。こうなると、水を入れることが楽しくて仕方ありません。今まで、1杯入れるのがやっとだったのに、2杯、3杯の努力を惜しみなくできるようになります。ここまでくると「努力」を「努力」と思うのではなく、生活の一部として取り組むことができるようになります。
 そして、ついに壺から水があふれだす時がきます。「達成」した喜びを心の底から実感するのです。

 臨時休業から2週間が経ちました。
 勝浦中学校307名の生徒一人ひとりのことが心配です。
 新年度に思い描いた「新しい気持ち、決意は今も心の中にしっかりとありますか?」
 「やれることをやれる」「続けてやれる」という才能は、生活の中で獲得していくものです。
 また、時間は皆に平等です。「今」という時間をどのように使うかは自分次第です。
 親御さんから、「ダラダラしてて!いつになったら勉強するの!」なんて言われて、「今やろうと思ってたのに!あーやる気失せた・・・」そんな会話をしている人いませんか。

 さぁ! 主体的に「コップ1杯の水」を入れてみよう!
 なりたい自分になるために今がある! 新しい自分に出会うために今日がある!
 みんな。学校がある時と同じ時間に起きて課題や運動に取り組んでいますか。
 朝日のパワーをを浴びようよ!  


 令和2年4月23日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №4 「ONE TEAM」

校長メッセージ  №4 「ONE TEAM」 

「心はひとつ! ONE TEAM」
この言葉が注目されたのは、2019ラグビーワールドカップで、日本代表チームが快進撃を続け、見事、目標のベスト8入りを果たしたことからだった。

私が、この「心はひとつ!」「ONE TEAM」を再び目にしたのは、ワールドカップが終了し、約4ケ月後の2月10日だった。
この日、中国武漢市からの一時帰国者の帰宅が決まり、急きょみんなににメッセージを書いてもらった。それを、掲示物にして教育長と一緒にホテルに届けた。
掲示後、すぐに集まったのは滞在者の支援を行っている国や県の支援者の方々だった。みんなのメッセージに目を通すと、涙を拭う担当者が多くいた。
「心はひとつ!応援しています。あと少しです。頑張ってください。」
「私たちはONE TEAM 長い間お疲れさまでした。応援しています。」
みんなのメッセージが、滞在者はもちろんのこと支援する担当者にも勇気や元気を与えた。

こんな出来事もあった。2011年東日本大震災の大津波が東北地方沿岸部に甚大な被害を及ぼした中、岩手県釜石市内の児童・生徒の多くが無事だった。海からわずか500m足らずの近距離に位置しているにもかかわらず、釜石市立釜石東中学校と鵜住居(うのすまい)小学校の児童・生徒約570名は、地震発生と同時に全員が迅速に避難し、押し寄せる津波から生き延びることができた。後に「釜石の軌跡」と呼ばれた。また、中学生たちは率先避難者となるだけではなく、地区のお年寄りなどにも声をかけ、手を引き、一緒に避難した。

中学生は、率先垂範者(そっせんすいはんしゃ)になれます。
率先垂範とは、人の先頭に立って物事を行い、模範を示すことを言います。
みんなの率先した行動や相手を思う優しさが、今こそ大事だと思います。
感染拡大防止への取組、偏見、差別などの防止 You can do it!

 令和2年4月22日 岡安 和彦 

 

校長メッセージ №3 「学級は家族」

校長メッセージ  №3 「学級は家族」

学級は家族である。
学級担任は、学校での親である。
偶然の重なりが縁となり、必然という意味を持つ。
毎日生活しながら、笑ったり、泣いたり、喜んだり、怒ったり。
様々な経験をしながら育っていく。
学級は「心の居場所」であるが、一人ひとりが刺激し合って共に成長する場である。
「生活班」は、学級の中のさらに小さな家族である。
清掃や給食当番、係活動など一緒に仕事をしたり、グループ学習で一緒に勉強したりする大切なまとまりである。
生活班の活動を充実させることが学級全体の向上につながり、最終的には、最も大切な「一人ひとりの成長」につながる。
勝浦中学校のすべての学級が「家族」のようになってほしいと願っている。
卒業や進級を迎える時、「この学級でよかった!」、出会いが「必然だった!」という意味を感じてほしいと願っている。

学校が再開に向けて、学年・学級の先生方はみんなのよりよい成長につなげようと、この学級活動の充実に向けた研修を進めています。
新たな活動が動き出します。

学校で生徒の声が聞こえないことは、実にさみしいことです。
それでも勝浦中学校教職員は、「今、自分たちにできることは何か。」
模索しながらではありますが、生徒一人ひとりのことを思って業務にあたっています。
生徒のみなさんも、「早く学校に登校したい」思っていることでしょう。
今は、我慢の時です。「今、自分がすべきことは何か。」
『心はひとつです。』

 令和2年4月21日 岡安 和彦
 

校長メッセージ №2 「偏見・差別・いじめの防止」

校長メッセージ №2 「偏見・差別・いじめの防止」
 新型コロナウイルスの感染が日本国内でも拡大する中、勝浦市にも感染者が確認されました。
 感染した方やそのご家族、関係者などに対して、誤った情報や認識に基づく不当な差別・偏見・いじめなどがあってはなりません。 

   不確かな情報に惑わされ、人権侵害やいじめなどにつながることのないよう、国、千葉県及び勝浦市ホームページなどで、新型コロナウイルスについての正確な情報をご確認いただき、冷静な行動をお願いします。

   一部報道によると、新型コロナウイルス感染者、濃厚接触者とその家族、新型コロナウイルス感染症の治療にあたる医療機関や医療従事者とその家族などが、偏見や差別、風評被害に苦しんでいるとあります。
  このような偏見や差別はがあってはなりません。

  どんなに注意をしていても、だれもが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを受け止めていただき、お互いに相手のことを思いやる気持ちを持っていただきますようお願いいたします。


 生徒のみなさんには、本日、担任の先生から課題などが郵送されました。
 明日または明後日には、課題が届く予定です。
 その中には、課題のほかに、学年通信、学年だよりなどが同封されています。
 また、自分のクラスの友達に向けたメッセージカードも同封されています。
 通常であれば、クラスの係や当番などが決まり、みんなで協力して係活動などに取り組み人間関係を築いていく時期です。
   クラスの友達のことを想って、“応援・エール”のメッセージを書きましょう。
 「学級は家族」きっとあなたのことばに勇気や元気をもらえることでしょう。

 令和2年4月20日 岡安 和彦

 

校長メッセージ №.1 「危機意識を持とう!」 

校長メッセージ №.1 「危機意識を持とう!」 

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止には、高い危機意識をもって行動してください。
自分、家族のかけがえのない命を守る取り組みを適切に行ってください。
現在では、感染経路不明の事例が増えており、いつ誰が感染してもおかしくない状況になっております。
そこで、生徒の皆さんへお願いしたいことが4つあります。
1つ目は、石鹸によるこまめな手洗いをお願いします。
石鹸による手洗いは、石鹸に含まれる界面活性剤作用により、ウィルスの膜を破壊しやすくなり、さらに流水で洗い流すことでウィルスの除去が可能となることがわかっています。また、必要に応じて、消毒用アルコールを用いての手指消毒をお願いします。
2つ目は、不要不急の外出を避けてください。
また、換気の悪い場所など「密閉」を避ける。人混みなどの「密集」を避ける。至近距離での会話など「密接」を避ける。必ず、この「3密」を避けてください。どうしても外出しなければならいときは、必ずマスクの着用をお願いします。
3つ目は、感染しにくくするための体づくりとして、免疫力を高めることも大切と言われています。規則正しい生活、栄養バランスを心掛けた食事、十分な睡眠をとるなどの基本的な生活習慣を大切にしてください。
4つ目は、適切な情報に基づいた行動をお願いします。感染拡大の中においては、その不安等から様々な情報が飛び交うようになってきます。なかには、真偽不明な情報、誤解や偏見、いじめにつながりかねない内容などもあります。考えもよらぬ事態につながる危険性もありますので、情報の出どころをしっかりと見極め、精査し、情報に振り回されることなく、節度のある行動を心掛けてください。
勝浦中学校の教職員全員は、5月7日の学校再開を心待ちにしております。
”かけがえのない命”を守る取り組みを強くお願いします。

 令和2年4月10日 岡安 和彦