■校長メッセージ №127 「あのね。」
あのね。今週の月曜日、生徒会担当の久我先生が校長室に来て、開・閉開式のどちらかでお話をいただけませんか? と
開・閉開式のどちらにするかは、実行委員長の庄司君がどっちで話をしたいか。庄司君に決めてもらっていいですよ。とこたえました。翌日、久我先生が、閉会式でお願いします。さらに、体育祭より時間がとれると思います。(少し話をさせてもらいますね。)
今日は、3つのことを話します。
1つ目は、中心になって取り組んでくれた生徒のこと
実行委員、全校・各学級の合唱の指揮者、伴奏者、パートリーダー、学級紹介者、総務役員さん。
2つ目は、先生たち、PTAさんたちのこと
大久保先生、若林先生のこと。PTA役員さんを中心とするPTAからの様々な支援への感謝のこと
登下校の交通指導、パトロール、環境整備、広報誌の発行などの様々な支援のこと
3つ目は、「今」そして「これから」のこと
(コロナ回顧)令和2年1月15日夜、日本で初めての新型コロナウイルス感染症のり患者が神奈川県で確認されました。
同月29日早朝、日本政府が用意したチャーター機第1便が206名の邦人を乗せて中国武漢の飛行場を飛び立ちました。同日午前、チャーター機は羽田空港に到着しました。
そして、経過観察を希望した191名が勝浦ホテル三日月に向かいました。ホテル代表の小高芳宗社長は「様々な困難も予想されましたが、同じ日本人として、帰国者のために、政府の要請に応えることを決断しました。」とコメントしました。
みんなは、コロナのことを日本中の中学生の誰より、「自分事」として考えましたね。
そして全国一斉の臨時休業へと。3年生のみんなが中学校へ登校したのは、6月1日でしたね。
あれから早いもので・・・ 3年生のみんなは、卒業まであと130日余りとなしました。
「学校は生き物」と表現する人もいます。
また、学校は、3年生の姿勢や取組・実践が雰囲気としてあらわれるといいます。
生徒の自我の成長、不安との戦い、自己実現への道のりの中で様々な出来事があります。
3年生たちの賢明でしなやかな姿勢は、まさに今の勝浦中学校を作っています。
多くの生徒が安心して自己表現ができる学校になってきています。
コロナ禍。3密の回避、集まることが制限され、生活様式は大きく変わりました。
学校生活の楽しみの一つである給食は「黙食」になりました。
生活の至るところに閉塞感が漂う中、それに押しつぶされることなく活路を見いだしていく全校生徒の姿に頼もしさを感じています。
段階的ではありますが、コロナ前の生活に戻る場面も増えてきましたね。
今年の夏の甲子園、宮城県仙台育英高校が初優勝しました。
試合後のインタビューで、須江 航(すえ わたる)監督は次のように話しました。
「〝青春って、すごく密〟なので、でもそういうことは全部『だめだ、だめだ』と言われて、活動していても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれた。」
このインタビューは、多くの人に共感と感動を与えました。
私もこのインタビューを目にして、あふれる涙を抑えられませんでした。
でもあまり報道されていませんが、インタビューの冒頭、須江監督が話したことばがあります。
「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます。100年、開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました。」
どうだろう。優勝監督のインタビューでは、「○○監督、優勝おめでとうございます。」、『ありがとうございます。』こういったことを多く耳にしてきました。
須江監督の東北の人たちに向けられた「おめでとうございます」というお祝いのことば。
自分たちが主役なのではなく、普段の練習から地方大会、甲子園での一つひとつの試合が地域全体のものだったと捉えていることが伺えますね。
ただ、頂点を目指せばいい。そのような単一的な考えではなく、自分たちが何を、何のために、誰のためにやっているのか。今までの優勝監督とは違う視点を感じました。「東北の復興から、東北を背負って野球をさせてもらっている。そして、それに恩返しするという視点や、応援してくれている人たちや東北の人たちの今までの思いを叶えることができたんだ。」ということだと私は考えます。
このように連帯・協働して、新しい価値観や社会を創造していくのだと思います。
改めて、3年生の佐瀬さんの文化発表会のテーマ『創ろう 私たちの世界 繋ごう 私たちの絆』を読むと感慨深いものがあります。
各学年のテーマ 1年生『元気』、2年生『笑顔・全力』、3年生『主体性』
私はね。コロナがもたらしたものは、すべてマイナスだと考えていません。
特に、様々な面で本質的なことを考える機会が確実に増えました。
「正解」が見つけにくい、一つじゃない。今までの「慣例・常識」が通用しない。
ややもすると、批判の応酬から、分断となってしまうことだって注意しなければなりません。
さて、各学年、各学級、そして一人ひとり生徒のみんな
この文化発表会、合唱コンクールを通して感じたこと、気づいたこと、考えたことは何ですか?
「偶然」集まったメンバーが、「必然」という意味を持ちましたか。
3年生、4学級の合唱を聴いて確信しました。みんななら「進路は団体戦」その本当の意味をこれから感じることができるでしょう。
全校合唱曲、課題曲、自由曲の中で気に入っているメロディラインはありますか?
好きな歌詞、自分の想いにぴったりの歌詞、はどこですか?
これは、〝みんな違って・みんないい〟多様性の視点でもあるのです。
これからの時代に必要なことことは「自他を尊重すること」、そして「自分で考える」ことです。
また、言葉や考え、背景が異なる相手とも、「方向性を見いだしていく」ことです。
『勝愛・未来・切拓』
今年度、折り返しを過ぎました。
学校、学年、学級、一人ひとりの成長や自己実現に向けて、学校は次のステージへ
「分断」ではない『尊重・連帯・協働』の学校・社会作りこそが、目下の問題や地球的な課題の解決につながると信じて・・・
本当に素晴らしい「文化発表会・合唱コンクール」でした。
令和4年10月21日 岡安 和彦(閉会式の話から)