校長メッセージ№11 「感染症の〝3つの顔〟」
緊急事態宣言が延長されました。学校再開に向けて、気を緩めないようにしましょう。
先生たちは、みんなのことをとても心配しています。
生活リズムや健康のこと、学習・運動への取組状況、ストレス・不安に対しての対処などのことです。
今日は、新型コロナウイルス感染症の「3つの顔」について、日本赤十字社のホームページに掲載されているものを引用・参考にして、みんなに紹介します。
新型コロナウイルス感染症が怖いのは、「3つの感染症という顔」があることです。
知らず知らずのうちに私たちも影響を受けていることを知っていますか?
この3つの感染症は〝つながっていて〟私たち一人ひとりが気をつけないと感染症は力をつけていってしまいます。
ウイルスがもたらす1番目の感染症は、「病気そのもの」です。
このウイルスは、感染者との接触などでうつることがわかっています。
感染すると、風邪症状や重症化して肺炎などを引き起こすことがあります。
次に2番目の感染症は、「不安と恐れ」です。
このウイルスは見えません。ワクチンや薬もまだ開発されていません。
わからないことが多いため、私たちは強い不安や恐れを感じ、ふりまわされてしまうことがあります。それは、私たちの心の中でふくらみ、〝気づく力・聴く力・自分を支える力〟を弱め、瞬く間に人から人へ伝染していきます。
3番目の感染症は「嫌悪・偏見・差別」です。
不安や恐れは、人間の生き延びようとする本能を刺激します。そして、ウイルス感染にかかわる人や対象を日常生活から遠ざけたり、差別するなど、人と人との信頼関係や社会のつながりが壊されてしまいます。
本当の敵は、ウイルスだったものが、いつの間にか敵がすりかわってしまうのです。
特定の人、地域、職業などに対して〝危険・ばい菌〟といったレッテルを貼る心理によって差別や偏見は起こります。
この感染症の怖さは病気が不安をよび、不安が差別を生み、差別がさらなる病気の拡散につながることです。
みんなも、ウイルスに関する悪い情報ばかりに目が向いていたり、なにかとウイルスに結びつけて考えたりしていませんか。
「あの人咳している・・・ コロナなんじゃない」
「あの人のお家の人、医療関係の仕事をしているらしい、やばいんじゃない」
「昨日から熱があるけど怖いから黙っていよう・・・」
このように思い、行動することから感染症は広がっていきます。
さて、これらの感染症を防ぐために、私たちはどのような工夫ができるのでしょうか?
第1の感染症を防ぐためには、一人ひとりが衛生行動を徹底しましょう。
「手洗い、咳エチケット、人混みをさける」など、ウイルスに立ち向かうための行動を、自分のためだけではなく、周りの人のためにもすることが大切です。
第2の感染症にふりまわされないために注意することは、生活習慣を整え、自分のペースを大事にすること。今やるべきことを整理して、集中して取り組む時間をつくること。安心できる大人や友人とつながりをもつことです。
第3の感染症を防ぐためには、確かな情報だけをひろめ、差別的な言動に同調しないようにしましょう。また、社会それぞれの場所で感染を拡大しないように頑張っています。
「小さな子どもや高齢者のいる家庭」「治療を受けている人とその家族」「自宅待機や自宅で仕事をしている人」「医療従事者」「日常生活を送って社会を支えている人」などです。
この事態に対応している全ての方々に〝ねぎらい・敬意〟をはらいましょう。
このように新型コロナウイルスは、3つの「感染症」という顔を持って、私たちの生活に影響を及ぼします。
このウイルスとの戦いは、長期戦になるかもしれません。
それぞれの立場でできることを行い、みんながひとつになって負のスパイラルを断ち切りましょう!
私見ではありますが、〝 with corona〟の視点を持つことも大事ではないかと考えます。
私たちは、必ずこの新型コロナウイルス感染症を乗り越えます。
〝 after corona 〟と言える日が、いつになるかはわかりません。
それでも、「今」の積み重ねが未来を創ります。
令和2年5月7日 岡安 和彦